EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MARC OKUBO OF VEIL OF MAYA !!
Sumerian Giant, Chicago Based Tech-Metal Quartet, Veil Of Maya Opens New Chapter Of Metal With Their Game-Changing New Record “False Idol” !!
DISC REVIEW “FALSE IDOL”
スメリアンの巨人、プログレッシブデスコアの先導者 VEIL OF MAYA が、メタルの領域を拡大しエクレクティックに羽ばたく新作 “False Idol” をリリースしました!!オーガニックかつ複雑な、アートロックやアヴァンギャルドの世界へとより接近した真なるメタルアイドルは、その偉大なる変革を推し進めて行きます。
00年代の中盤から、モダンプログメタル革命の中核に Sumerian Records が存在し続けることは明らかです。BORN OF OSIRIS, ANIMALS AS LEADERS, PERIPHERY, そして VEIL OF MAYA。”スメリアンロースター” は常にシーンの最前線に立ち、多様でコンテンポラリーなメタルの革新を色鮮やかに後押しし続けて来たのです。
中でもこのシカゴのカルテットが2008年に残した “The Common Man’s Collapse” の印象は鮮烈です。重圧のブレイクにビートダウン。デスコアサウンドを要としつつ、変幻自在なテンポと拍子、カオティックなデザインとトリッキーなアイデア全てを共存させて、コンテンポラリーかつ不可思議な独自のプログレッシブワールドでリスナーを魅了したのです。
シュメール帝国の拡大と歩調を合わせるかの如く、アステカの名を冠したバンドはそのサウンドを磨き上げ、ワイドに進化を続けています。グロウルとクリーンを併用する新ボーカル Lukas Magyar が加入し、ポップでキャッチーなイメージを開拓した前作 “Matriarch” は確かに驚きでしたが、決してその大変革は彼らの創造性を損なうものではありませんでした。
Marc が “Survive” と語るように、”Mikasa” という名曲とともに、バンドは自由な翼を手にしたようにも思えます。そしてよりダークでミステリアス、複雑性とダイナミズムを増した “False Idol” はポップとアートの枠を超えダイハードなファンをも唸らせるはずです。
「力に目覚めた男がダークサイドへと落ちていくフィクションなんだ。」 Marc は “False Idol” のテーマについてそう語ります。このアイデアが Lukas のものであることも、バンドの現在の一体感を物語りますが、”False Idol” が大統領ドナルド・トランプを隠喩していることは想像に難くありませんね。そしておそらくは、アルバムを支配する緊張の陰はそこに起因しているのでしょう。
電子の海で揺蕩うコズミックなイントロ “Lull” に導かれ幕を開けるオープナー “Fructure” はバンドのクリエイティブな進化の象徴です。”Unbreakable” を再訪するかのようなクリケットを活かしたマスマティカルでグリッチーなギターリフと、アトモスフェリックなシンセサウンドの奇想天外な融合は、メタルからの Kendrick Lamar や Flying Lotus への回答とも言えるほどに瑞々しく創造的です。
「実際、僕は最近はあまりメタルを聴いていないんだよ。だから君がコンテンポラリーなジャズや、Hip Hop、エレクトロニカなんかの影響を発見して言及してくれたことは嬉しいね。」 Marc はそう語ります。「少なくとも僕は、新たな要素を加えることは、メタルの進化を促す良い方法だと感じているよ。」 とも。
確かにアルバムには、現代的なジャンルのクロスオーバー、音楽のモダニズムを感じる場面が多く存在します。アグレッシブで複雑怪奇な Marc のリフワークと、光のシンセに映えるLukas のソフトでメランコリックなウィスパーは、”Doublespeak”, “Overthrow” と聴き進めるに従って、より絶妙なコントラストとインテンスを描き始めるのです。
そしてアルバムのハイライト、ダイナミズムの洪水は “Whistleblower” で訪れます。近年、Tigran Hamasyan へのリスペクトを公言してはばからない Marc のコンポジションは、遂にデスコアの猛進とジャズの優美な響きを同時に抱き締めました。Lukas の激情とメランコリーを行き来するボーカリゼーションも相俟って、イマジネーションを激しく刺激するアヴァンギャルドな楽曲はメタルの新たな可能性を指し示す期待感に満ち溢れてています。
また、インタビューにもある通り、Marc のゲームミュージックへの傾倒ぶりを見れば、初期の VEIL OF MAYA が究極にメカニカルでチップチューンライクな構成やリフを有していたことにも納得がいきます。つまり “False Idol” はバンドのオーガニックな変化の証。
伸びやかでキャッチーなクリーンボーカルのみで設計したポジティブな “Manichee”、Jacob Collier を思わせるコーラスのタペストリーが印象的な “Citadel”、そしてアルバムを締めくくるアンセミックな “Livestream”。全てはアンビエントなストリングスがバンドのデザイン、エモーションへナチュラルに溶け込んだ新機軸。同時にそれは、すでに “Djentrain” を降りたバンドの新たなる目的地なのかも知れませんね。
今回弊誌では、バンドのマスターマインド Marc Okubo にインタビューを行うことが出来ました。今年の2月には、Realising Media の劇的な招聘で来日公演を成功させています。「いつか Djent が死ぬその時も、きっと僕たちは VEIL OF MAYA らしいサウンドの音楽を作っているだろうね。」 どうぞ!!
VEIL OF MAYA “FALSE IDOL” : 9.8/10
INTERVIEW WITH MARC OKUBO
Q1: First of all, how was Japan Tour 2017? The tour was once canceled due to the problem of the promoter, but at the end, it was successful with the help of Realising media and Hayato san, right?
【MARC】: Yes! Hayato san was very good to us and I am very grateful that he took us on our tour. The shows were very fun! I got a little sick towards the end because I am vegetarian and it was very hard to find good food to eat. Next time I will come more prepared.
Q1: まずは今年行われた日本ツアーの感想を聞かせていただけますか?
一度はプロモーターの問題でキャンセルされましたが、Realising Media の今西さんがそこから助け舟を出す形で再度招聘を行い、成功に導きましたね?
【MARC】: まさに!(今西)ハヤトさんは本当に良くしてくれたよ。彼が僕たちのツアーを組んでくれてとても感謝しているんだ。実に楽しいショウだったね!
ただ、終盤になるにつれて、少し体調を崩してしまってね。僕はベジタリアンなんだけど、日本でそういった食事を出す店はなかなかなくてね。次はもっと準備してから行くよ。
Q2: Regarding Japan, you seem to have big love with our country and culture. Your previous album “Matriarch” is typically, Japanese dancer Natumi Suziki was in the artwork, and maybe, ”Aeris” connected “Final Fantasy 7”, “Mikasa” connected “Shingeki No Kyojin”. Also, off course, Marc has Japanese blood. So, could you tell us about your influences from Japanese culture, video game, and animations?
【MARC】: Japanese entertainment has been a huge part of my life. I have a sleeve of tattoos that are all from Japanese video games. One of my earliest musical influences is the Final Fantasy VII soundtrack. I think a lot of my friends were very influenced by it too and you can hear it in a lot of our writing. I am a fan of some anime as well. Not as much as everyone thinks though. My favorite anime/manga at the moment is Berserk.
Q2: 日本と言えば、Final Fantasy を想起させる “エアリス” や “モーグリ”、それに進撃の巨人を思わせる “ミカサ” など、日本のアニメやゲームからの影響を楽曲のタイトルに使用する VEIL OF MAYA にはとても親しみが持てます。
【MARC】: 日本のエンターテインメントは、僕の人生の大きな部分を占めて来たんだよ。僕が両腕に入れて来たタトゥーは、全てが日本のビデオゲームをモチーフとしたものであるくらいだからね。
僕の最も初期の音楽的な影響は、Final Fantasy Ⅶ のサウンドトラックなんだ。僕の友人の多くもあの作品からとても影響を受けているよ。僕たちの楽曲を聴けばその影響が伝わるはずさ。
確かに、日本のアニメにも大好きなものはあるね。だけどアニメに関しては、みんなが思っているほどではないんだ。今、最もハマっているアニメ/マンガはベルセルクだね。
Q3: OK, so, your fantastic new record “False Idol” is just out now! The artwork, a man with octopus is very impressive and strange. Is the man “False Idol”?
【MARC】: Yes I think so. That was the artist’s interpretation of the storyline we presented to him.
Q3: では、最新作 “False Idol” について話しましょう。アートワークには非常に奇妙な “タコ男” のようなものが描かれていますが、彼が “False Idol” (偽物の偶像)なのでしょうか?
【MARC】: うん、そう思うよ。僕たちが渡したストーリーラインを元に、アーティストが解釈して書いたものなんだ。
Q4: So, could you tell us about the concept or lyrical themes of “False Idol”? Is there any Japan based theme this time?
【MARC】: No not this time. The concept of the album was Lukas’ idea and it is fiction about a man coming into power and turning evil. I stayed out of it this time and focused on the music.
Q4: ではそのストーリーラインについて話していただけますか?今回も、日本のゲームやアニメをテーマとした部分はありますか?
【MARC】: いや、今回は日本のアニメやゲームをテーマとした部分はないんだよ。アルバムのコンセプトは Lukas のアイデアで、力に目覚めた男がダークサイドへと落ちていくフィクションなんだ。
僕は今回、そういったコンセプトには関わらないで、ただ音楽にフォーカスしたんだよ。
Q5: “False Idol” is your second record with Lukas Magyar. His participation expanded the possibilities of clean vocal realm. But did the band choose him because he could sing both growl and clean?
【MARC】: Yes that was a big factor. We had wanted to add singing for awhile and the timing worked out perfectly. For this album, we wrote the music knowing that we would have him singing so we focused on him a bit more than before.
Q5: その Lukas Magyar にとって、”False Idol” はバンド加入後2枚目のアルバムとなります。クリーンボーカルとグロウルを併用する彼の加入はバンドの可能性を広げましたね?
【MARC】: そうだね。彼がクリーンとグロウルを両方こなせることは重要な決め手だったね。しばらくの間、僕たちはクリーンボイスを加えたいと考えていたんだ。だからタイミングは完璧だったよ。
今回のアルバムでは、ライティングプロセスから Lukas が居て、クリーンボーカルを使用出来ると分かって作曲を行えたからね。だから勿論、前作より少し多く彼にフォーカスすることが出来たんじゃないかな。
Q6: Definitely, Lukas’s voice brings pop, commercial elements to the band and this should appeal to more fans. But also, Suicide Silence is typically, some of your core fans may be away from you. What’s your perspective about that?
【MARC】: I think we survived the major transition with Matriarch. This time I feel more people expected us to have singing and it worked out in our favor.
Q6: キャッチーなクリーンボイスを導入することで、より多くのファンにアピールする可能性がある反面、SUICIDE SILENCE は典型的ですが、ダイハードなファンが離れる可能性もありますよね?
【MARC】: “Matriarch” で僕たちはその大変革を生き延びたと思うんだ。
僕は今作で、より多くのリスナーがクリーンボーカルを期待していると感じたし、それは僕たちの好みとも合致して上手く運んでいると思うな。
Q7: “Manichee”, maybe the first VoM’s song that’s 100% singing, is typically, “False Idol” seems to be more diverse, wide variety record than “Matriarch” for me. Actually, when I listen to “False Idol”, I remind some Jazz the New Chapter, rap, electronic music. Do you agree that?
【MARC】: Yes! I like that a lot actually. You can hear my influences through the music. Actually, I don’t listen to very much metal these days so it pleases me that you can hear what I have been listening to. I feel like adding new influences is a good way to help metal grow.
Q7: VEIL OF MAYA の歴史の中で初めて100%クリーンボーカルを使用した “Manichee” は典型的ですが、”False Idol” は本当にエクレクティックなレコードですね!例えば Jazz The New Chapter とか、メインストリームの Hip Hop、エレクトロニカからの影響等も感じましたよ。
【MARC】: まさに!実際、最近は君が挙げたような音楽を本当に良く聴いているんだ。そういった影響は、アルバムの音楽を聴けば伝わると思うな。
正直に言って、僕は最近はあまりメタルを聴いていないんだよ。だから君がその影響を発見して言及してくれたことは嬉しいね。
少なくとも僕は、新たな要素を加えることは、メタルの進化を促す良い方法だと感じているよ。
Q8: I feel djent movement is about to end. Definitely, “The Common Man’s Collapse” is one of the most influential record in that scene, and 2018 will be 10th anniversary of the record. Looking back now, What’s ‘The Common Man’s Collapse” and djent movement to you?
【MARC】: There was no such thing as djent when I wrote that album. People labeled us as “progressive death core” or something like that. People started saying djent when Periphery started putting it on their merch. Now I associate that term with Periphery. I think because we are so close that people group us together but in my opinion both bands sound different. I honestly don’t care to be labeled as djent. When djent dies we will still be making music that sounds like Veil of Maya.
Q8: 来年は、Djent シーンに大きな影響を与えた “The Common Man’s Collapse” の10周年にあたります。最近はメタルをあまり聴いていないと仰いましたが、確かに Djent シーンは終焉へと向かっているように思えます。
【MARC】: そもそも、僕があのアルバムを書いた時に Djent なんてものはなかったんだよ。みんなは僕たちのことを “プログレッシブデスコア” とかそんな感じにジャンル分けしていたね。
世の中が Djent という言葉を使い始めたのは、PERIPHERY が彼らのマーチにそのワードを入れてからだよ。そうして今では僕も関連付けられて、PERIPHERY と共にそのジャンルに入れられている訳さ。おそらくは、僕たちがとても親しかったから、同じグループに入れられたんだろうね。だけど、僕の考えでは二つのバンドのサウンドは異なっているよ。
まあ、正直に言って Djent にジャンル分けされようがされまいが気にしないよ。だっていつか Djent が死ぬその時も、きっと僕たちは VEIL OF MAYA らしいサウンドの音楽を作っているだろうからね。
FIVE ALBUMS THAT CHANGED MARC’S LIFE
YES “CLOSE TO THE EDGE”
MR. BUNGLE “CALIFORNIA”
NAS “ILLMATIC”
THE MAHAVISHUNU ORCHESTRA “THE INNER MOUNTING FLAME”
VICTOR WOOTEN “A SHOW OF HANDS”
MESSAGE FOR JAPAN
I love you Japan! I can’t wait to come back!
日本のみんな、愛してるよ!日本に戻るのが待ちきれないね!
MARC OKUBO
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