NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【FIFTH NOTE : HERE WE ARE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH FIFTH NOTE !!

“We Don’t Know If We Can, But We Try To At Least Make Rock Scene Enjoyable Without The Use Of Alcohol Or Drugs, Or Even Sex.”

DISC REVIEW “HERE WE ARE”

「僕たちは、州内だけでなく、世界的に知られるバンドになりたいんだ。僕たちは西洋のスタイルにとても影響を受けているけれど、自分たち独自のプレイも創り出そうとしている。アルバム・タイトルの “Here We Are” “僕らはここにいる” は、そうした僕たちのモチベーションを端的に表しているんだよ。僕たちは、魂に平和や癒しをもたらすような良い音楽を作りたいと思っているんだ。そして、僕たちの音楽で世界にインパクトを与えたいと願っているんだよ」
インターネットや SNS の登場、進化によって、音楽は世界中のものとなりました。これまで、決してスポットライトが当たらなかったような僻地からも発信が可能となり、人種、文化、宗教の壁を超えて多くの人の耳に届けることが叶う世の中になったのです。特に、メタルの生命力、感染力、包容力は桁外れで、思わぬ場所から思わぬ傑作が登場するようになりました。
「FIFTH NOTE と ABOUT US は、お互い西洋音楽の影響を多く受けているのは同じだね。その上で、僕たちナガ族は美しいメロディーを作るのが好きなんだ。また、トニック・ソルファ (相対音感) のような独自の音楽アレンジもあるからね。そうした美しいメロディやアレンジは、きっと深く僕らのルーツに刻まれているんだろうな」
近年、そうしたメタルの “第三世界” で特に注目を浴びているのがインドです。いや、もはや国力的にも、人口的にも、文化的にも第三世界と呼ぶのも憚られる国ですが、ここ最近、メタルの伸張は並々ならぬものがあります。ボリウッドを抱きしめた BLOODYWOOD の大成功は記憶に新しいところですが、それ以外にも様々なジャンル、様々な地域でまさに百花繚乱の輝きを放っているのです。中でも注目したいのが、インド北東部のナガランド。かつては首狩りの慣習もあったというナガ族が住むこの地域は、文化的にも民族的にも音楽的にも、インドのメジャーな地域とは異なっていて、だからこそ、この場所のメタルは独自の進化を遂げることができたのかもしれませんね。
昨年紹介した ABOUT US にも言えますが、ナガ族のメタルはメロディが飛び抜けて強力。さらに、かつて天空の村に住む天空族と謳われたその二つ名を字でいくように、彼らは舞い降りたメロディをその際限なきハイトーンの翼で天へと送り返していきます。
「一般的にロックというと、ハードコアでワイルドで暴力的な人たちや、道に迷っているような人たちが、エクストリームな音を通して怒りを表現し、怒りで痛みを解消しようとするものだ。そのような中で、僕たちは、道に迷ったり、君が挙げたような問題を抱えた人々に、自分たちは孤独ではないということを伝えたいんだよ。僕たちの前向きな音楽が彼らの痛みや問題を和らげてくれることを願っているんだ」
そこには、ナガ族の90%が敬虔なクリスチャンであるという事実も関係しているのかもしれませんね。インドの多くの新鋭がエクストリームなサウンドで人気を博す中で、FIFTH NOTE はプログレッシブ・ハードという半ば死に絶えたジャンルで世界に挑んでいます。ただし、このジャンルでは、暴力も、ドラッグも、セックスも、決して幅を利かせてはいません。必要なのは、ポジティブな光と知性、そして複数のジャンルを抱きしめる寛容さ。つまり、洗礼を浴びた FIFTH NOTE にとっては追求すべくして追求したジャンルでした。
「僕らがクリスチャンであるという事実、クリスチャンとしての倫理観は、僕らにもっと良いことをしようというモチベーションを与えてくれるんだ。できるかどうかはわからないけど、少なくともロックシーンをアルコールやドラッグ、あるいはセックスを使わずに楽しめるものにしようと努力しているよ」
理想は追求しなければ実現しない。インドに、そして世界に不公平や抑圧、犯罪に暴力が蔓延っていることは、当然彼らも知っています。しかし、暴力は暴力では解決せず、怒りに怒りをぶつけることがいかに愚かであるかも彼らは知っています。だからこそ、FIFTH NOTE はセックス、ドラッグ、ロックンロールという乱暴なステレオ・タイプを破壊して、メタルは “ストレート・エッジ” でも存分に楽しいことを伝えようとしています。それが世界を前向きに変える第一歩だと信じながら。
そしてその野心は、TNT, CIRCUS MAXIMUS, STRYPER, TOTO といった一癖も二癖もあるような英雄を、旋律や知性、そして耳を惹くキャッチーなサウンドで今にも凌駕しそうな彼らの音楽なら、 実現可能なのかもしれませんね。
今回弊誌では、FIFTH NOTE にインタビューを行うことができました。「ナガランドは丘陵地帯が多く、部族が多く住んでいる。そのため、音楽はほとんどが民族音楽なんだ。しかし、西洋の侵略が進むにつれて、そうした音楽はかなりポピュラーになっていった。だから伝統音楽と同様に、ロックやメタルも僕たちに大きな影響を与えることになったんだ」 どうぞ!!

FIFTH NOTE “HERE WE ARE” : 10/10

INTERVIEW WITH FIFTH NOTE

Q1: I heard that you are a band from Nagaland. Nagaland and the Naga people sometimes clash with Indian government, what is your stance? Do you guys feel more like Nagas than
Indians?

【FIFTH NOTE】: To understand the relationship between the two entities i.e., Indians and Nagas, one must first understand the history and how the present Nagaland state came into existence.
The question of clash between the two does not arise. Naga issue is a political problem and need more than just mere debates and opinions to solve it which is not possible in our level.

Q1: あなたたちはナガランドのバンドだと聞きました。ナガランドやナガ族はインド政府と衝突することもありますが
あなたははどのようなスタンスですか?インド人というよりもナガ人のように感じているのですか?

【FIFTH NOTE】: インド人とナガ族という2つの主体の関係を理解するためには、まず歴史を理解し、現在のナガランド州がどのようにして誕生したかを理解しなければならないんだ。
そうすれば、両者の衝突という問題は生じない。ナガ問題は政治問題であり、その解決には単なる議論や意見の交換以上のものが必要だ。僕たち一般人のレベルでは不可能なんだ。

Q2: What can you tell us about the metal scene, region and landscape of Nagaland? Is there such a thing as metal that incorporate traditional Nagaland music?

【FIFTH NOTE】: Nagaland is mostly hilly and most predominantly inhabited by tribals. Therefore the music is mostly folkloric. But with the advancement of western invasion, music became quite popular. Likewise rock and metal too played a part on us.

Q2: ナガランドのメタルシーン、地域、景観について教えていただけますか?

【FIFTH NOTE】: ナガランドは丘陵地帯が多く、部族が多く住んでいる。そのため、音楽はほとんどが民族音楽なんだ。しかし、西洋の侵略が進むにつれて、そうした音楽はかなりポピュラーになっていった。だから伝統音楽と同様に、ロックやメタルも僕たちに大きな影響を与えることになったんだ。

Q3: Last year, a great band from the same Nagaland called About Us debuted on Frontiers Music and became very popular in Japan. Do you have any interaction with them? Is there something about Nagaland that creates beautiful melodies?

【FIFTH NOTE】: Yes, we do have a good relationship with the band. Most probably people would think we are similar as in our genres. They are more into melodic rock but for our band “Fifth Note” we are more of an experimental progressive rock which allows us to experience different genres of rock. They have their own set or style of play and we with our taste of music.
But yes we are also very much influenced by the western music. I guess we Naga’s are
fond of making beautiful melodies. We also have our own set of music arrangement, like the tonic solfa which I suppose is deeply carved into our roots of music making.

Q3: 昨年、同じナガランド出身の ABOUT US という素晴らしいバンドがこちらも Frontiers Music からデビューし、日本でも大人気になりました。彼らとの交流はありますか?ナガランドには美しいメロディーを生み出す土壌か何かがあるのでしょうか?

【FIFTH NOTE】: そうだね、ABOUT US とはいい関係だよ。おそらくほとんどの人は、僕たちのジャンルが似ていると思うだろう。でも実際は、彼らはメロディック・ロックに傾倒しているけど、僕らのバンド FIFTH NOTE は実験的なプログレッシブ・ロックに傾倒している。彼らには彼らのセットやプレイスタイルがあり、僕らには僕らの音楽のテイストがあるんだよ。だから住み分けはできているんだ。
でも、お互い西洋音楽の影響を多く受けているのは同じだね。その上で、僕たちナガ族は美しいメロディーを作るのが好きなんだ。また、トニック・ソルファ (相対音感) のような独自の音楽アレンジもあるからね。そうした美しいメロディやアレンジは、きっと深く僕らのルーツに刻まれているんだろうな。

Q4: By the way, your music is very wonderful, Progressive, challenging and diverse, yet melodic and catchy enough to appeal to everyone.” Is the album title “Here We Are” a defiance on your part that you can make such great music so far away from the rock centers of Europe and America?

【FIFTH NOTE】: Yes, we also have our aims and goals/visions. We don’t just want to be a band known only in our state but also worldwide. We are very much influenced with the western style but we also try to create our own set of plays. Our album title “Here We Are” simply defines our motives. We want to make good music which brings peace or healing to the soul. We hope to make an impact with our music.

Q4: それにしても、あなたの音楽はとても素晴らしく、プログレッシブで、挑戦的で、多様で、それでいて誰にでもアピールできるメロディックがあってとてもキャッチーですね! “Here We Are” “僕らはここにいる!” というアルバム・タイトルは、ヨーロッパやアメリカといったロックの中心地から遠く離れていても、これほど素晴らしい音楽を作ることができるという、あなた方にとっての “反抗” なのでしょうか?

【FIFTH NOTE】: そう、僕たちにも目標やヴィジョンがあるからね。僕たちは、州内だけでなく、世界的に知られるバンドになりたいんだ。僕たちは西洋のスタイルにとても影響を受けているけれど、自分たち独自のプレイも創り出そうとしている。
アルバム・タイトルの “Here We Are” は、そうした僕たちのモチベーションを端的に表しているんだよ。僕たちは、魂に平和や癒しをもたらすような良い音楽を作りたいと思っているんだ。そして、僕たちの音楽で世界にインパクトを与えたいと願っているんだよ。

Q5: It is said that India is predominantly Hindu, but I understand you guys are Christians? Is that teaching and spirit reflected in your music and lyrics?

【FIFTH NOTE】: In terms of religion, we go with the flow of lifestyle here. Our lyrics would simply imply with all forms of religions. We don’t or won’t be procrastinating or defame any entity or simply for humanity, we are all humans after all. But also the fact that, we are devoted Christians, we also want to worship or glorify our God, the Father with our music.

Q5: インドはヒンドゥー教徒が多い国として知られていますが、あなたたちは敬虔なクリスチャンだそうですね?

【FIFTH NOTE】: 宗教に関しては、ナガランドでのライフスタイルの流れに従っている。僕たちの歌詞は、単純にあらゆる宗教の形を暗示しているだけなんだ。僕たちはぐずぐずしたり、いかなる領域をも中傷したりはしない。単純に誰かのこともね。結局、僕たちは全員が等しく同じ人類なのだから。ただ、僕らが熱心なクリスチャンであることも事実で、僕たちの音楽で僕たちの神、父を礼拝し、賛美したいんだ。

Q6: Often, rock and metal is associated with sex, drugs, and violence, but you guys aim for clean and correct music, right? You want to prove that Rock is fun and attractive enough without the Sex in alcohol, drugs and violence?

【FIFTH NOTE】: Yes Ofcourse, not that we are good Christians, but the fact that we are Christian, our Christian ethics motivates us to do better. We don’t know if we can, but we try to atleast make rock scene enjoyable without the use of alcohol or drugs, or even sex.

Q6: ロックやメタルはよく、セックスやドラッグ、暴力と関連付けて語られますが、あなたたちはクリーンで “正しい” ロックを目指しているようですね?そうした “悪い魅力” がなくてもロックは楽しいと証明したいようにも思えます。

【FIFTH NOTE】: そうだね!もちろん、僕らが完全に善良なクリスチャンだというわけではないけれど、僕らがクリスチャンであるという事実、クリスチャンとしての倫理観は、僕らにもっと良いことをしようというモチベーションを与えてくれるんだ。できるかどうかはわからないけど、少なくともロックシーンをアルコールやドラッグ、あるいはセックスを使わずに楽しめるものにしようと努力しているよ。

Q7: Speaking of Indian metal, Bloodywood had recently had a big internationally breakthrough and performed live in Japan. They had succeeded by skilfully blending Bollywood and metal, what do you think of their approach?

【FIFTH NOTE】: I think it’s a brilliant idea to mix what is your root in terms of music, with the western culture of music. It’s a good approach and makes the songs quite appealing.

Q7: インドのメタルといえば、BLOODYWOOD が最近国際的に大ブレイクし、日本でライブを行うまでになりました。彼らはボリウッドとメタルを巧みに融合させることで成功を収めましたが、彼らのアプローチについてどう思いますか?

【FIFTH NOTE】: 自分のルーツである伝統音楽と西洋の音楽文化をミックスするというのは、素晴らしいアイデアだと思う。いいアプローチだし、曲をとても魅力的なものにしているよね。

Q8: I recently approached an Indian band called Dymbur, and they addressed the world with lyrics about child labor and rape in India. You guys seem to be dealing with the subject of following oneʼs dreams and positive themes, would you agree? Is it because, in a way, you see rock and metal as a beacon of hope, an escape from the painful real world?

【FIFTH NOTE】: Yes, as of now, our lyrics and music seems to deal with positivism or encouraging listeners to be positive that they can achieve what they aspire. We want to generate messages through our songs. And simply hope it does impact even a single soul.
Rock seems to be the right platform to bring out these messages through our music.
Because when we say rock music, it is generally people who are hardcore, wild, violent, or people who seems lost and try to express their anger through these hard rocks. In all those midst, that is when we want to influence people with such problems that they are not alone. That we are in these together, that we hope our Music eases their pain or problems.

Q8: 最近、DYMBUR というインドのバンドにインタビューを行ったのですが、彼らはインドの児童労働やレイプについての歌詞で世界に訴えていました。あなたたちは、夢を追うようなよりポジティブなテーマを扱っているように見えますが、それはある意味、ロックやメタルが希望の光であり、辛い現実世界からの逃避先だと考えているからですか?

【FIFTH NOTE】: そうだね、今のところ、僕たちの歌詞や音楽はポジティヴィズムを扱っているというか、リスナーが自分の願望を達成できるように前向きになることを促しているように思うね。僕たちは歌を通してメッセージを伝えたい。そして単純に、それが一人でも多くの魂に影響を与えることを願っているんだ。何よりも、ロックは、僕たちの音楽を通してこうしたポジティブなメッセージを発信するのに適したプラットフォームだと思うから。
というのも、一般的にロックというと、ハードコアでワイルドで暴力的な人たちや、道に迷っているような人たちが、エクストリームな音を通して怒りを表現し、怒りで痛みを解消しようとするものだ。そのような中で、僕たちは、道に迷ったり、君が挙げたような問題を抱えた人々に、自分たちは孤独ではないということを伝えたいんだよ。僕たちの前向きな音楽が彼らの痛みや問題を和らげてくれることを願っているんだ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED FIFTH NOTE’S LIFE!!

Pantera “Far Beyond the Driven”

Dream Theater “Images and Words”

Helloween “Keeper of the Seven Keys”

Circus Maximus “Nine”

Symphony X “Odyssey”

MESSAGE FOR JAPAN

Thank you Japan for recognising our Music and allowing us to be a part of this interview. We hope and pray that someday in the near future we will come and play for you all. Keep supporting our music, Arigato!

日本のみんな、僕たちの音楽を認めてくれて、このインタビューに参加させてくれてありがとう。いつか近い将来、みんなの前で演奏できることを祈っているよ。これからも僕たちの音楽を応援してほしい!

FIFTH NOTE

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