EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH LUCAS DE OURO OF AURO CONTROL !!
“You Feel Thrilled To Bang Your Head Because There’s a Force In Some Songs That Push You To It. It’s The Same Idea With The Brazilian Percussive Style, Specifically Here In Our Hometown Bahia.”
DISC REVIEW “THE HARP”
「メタルの曲の中には、リズムのおかげでとても素晴らしくなったものがある。ヘッド・バンギングしたくなるようなゾクゾク感があるのは、曲によってはリズムにそれを後押ししてくれる力があるからだ。ブラジルのパーカッシブなスタイルも同じで、特にここバイーアには有名なパーカッシブ・アーティストがたくさんいる。ヘッド・バンギングは、パーカッションで踊っているようなものなんだ。体が音楽に反応しているんだ。だからブラジリアン・パーカッションはメタルによく合うんだと思う」
西欧から旅立ち世界各地で芽吹いたメタルの種は、その土地土地における文化や個性を吸収しながらスクスクと育ち、今、実りの時を迎えています。そんなメタルの生命力、感染力、包容力が最も根付いた場所のひとつが、南米、ブラジルでしょう。
思い返せば、ブラジルはメタル多様化のきっかけともなった場所。ANGRA が多少強引でも、アマゾンの伝統音楽をメタルに引き込んだ “Holy Land” のやり方はあまりに革命的でしたし、SEPULTURA が “CHAOS A.D.” や “Roots” でメタルにブラジルの鼓動を持ち込んだその手法は、世界各地のメタル・アーティストに勇気ときっかけを与えたのです。そんなブラジルからまた超新星が現れました。AURO CONTROL。黄金を意味する Auro と “Out of Control” がかけられたバンド名が示す通り、彼らのヘドバン・パーカッションは黄金の制御不能です。
「僕らの曲には ANGRA の影響が大きいけど、バイーア・パーカッションのアプローチは ANGRA のアイデアとは少し違うんだ。だけど、”Holy land” はブラジリアン・ヘッドバンガーのプレイリストに必ず入っているアルバムだ。僕はアルバム “Rebirth” がとても好きで、彼らがもうライブでは演奏しないこのアルバムの曲を聴いて、とてもノスタルジックな思い出に浸っている。”Unholy Wars” だよ」
AURO CONTROL が黄金である理由。それは、まさに偉大な先人である ANGRA と SEPULTURA 両者の遺伝子を深く受け継いでいるところにあります。パワー・メタルのスペクタクルとプログ・メタルの深み、バイーア・ブラジリアン・パーカッションの躍動的なリズムが見事に融合した圧巻のデビュー・アルバム “The Harp” は、制御不能を制御したブラジル・パワー・メタル、そしてブラジル北東部の誇り。
「Andre Matos は、ユニークな声と比類なき音域を持つマエストロだった。そして Edu Falaschi は、僕が人生で最も聴いたブラジリアン・メタル・ボーカリストだ。彼も僕と同じでロー・トーンだから、僕は Edu に共感することが多いね。彼は感情を込めて歌う達人だよ」
何よりも、AURO CONTROL の制御不能には、魂とエモーション、そしてサウダージが深々と刻み込まれています。Andre Matos の驚異と、Edu Falaschi の感情に薫陶を受けた Lucas de Ouro の歌唱は、暗い時代の困難、抑圧、孤独との戦いを複雑に響かせながら、パワー・メタルのファンタジーとパーカッションのダンスを従え、暗黒を勇気と鋼の意志、そして光へと変容させていきます。そのレジリエンス、メタルの回復力はまさにアートワークに描かれた不死鳥。そうして力を得たパワー・メタルのフェニックスは、ブラジルから炎とともに大きく羽ばたいていくのです。
今回弊誌では、Lucas de Ouro にインタビューを行うことができました。「日本のコントラストが大好きになった。奈良の自然と文化の美しさに惚れ込み、秋葉原や渋谷の喧騒に夢中になった。巨匠鳥山明の作品が大好きで、漫画を描いて育ったからね。ギターの Lucas Barnery も日本文化に夢中だ。彼は、巨匠・三浦健太郎の漫画 “ベルセルク” のタトゥーを入れているし、尾田栄一郎先生と岸本斉史先生の “ONE PIECE” と “NARUTO” が大好きなんだ。アルバムのブックレットにある彼の “Thanks session” には、ファイナル・ファンタジーのビデオゲームに対するスクウェア・エニックスへの愛が綴られている!GALNERYUS, X JAPAN, Babymetal, Crossfaith のようなバンドの曲も大好きだしね。スーパー戦隊や特撮シリーズも大好きさ」
HIBRIA の Thiago “Bonga” を正式メンバーに、Aquiles Priester, Felipe Andreoli の ANGRA組、Jeff Scott Soto をゲストに迎え、ex-SHAMAN の Thiago Bianchi がプロデュース。オールスター・キャストで贈るメタル・カーニバル。ANGRA の “Angels and Demons” を彷彿とさせる “Rise of the Phoenix” の威容に思わず感涙。どうぞ!!
EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH FERNANDES BONIFACIO OF EIGENFLAME !!
“Angra Was In Fact The Band That Most Influenced Me As a Musician, In Terms Of The Musical Direction I Followed, But On The Other Hand, At No Point Did We Intend To Try To Sound Like Angra”
DISC REVIEW “PATHWAY TO A NEW WORLD”
「ANGRAはミュージシャンとして、僕が辿った音楽の方向性という点で、最も影響を受けたバンドだったから。ただ一方で、ANGRA のようなサウンドを目指したことは一度もないよ。僕らの音楽に対する彼らの影響はとても強いけれど、彼らのやっていたことはユニークだったし、僕らもまた、大多数のパワー・メタル・バンドとは違うサウンドを出そうとしている。簡単なことではないが、努力しているよ」
ちょうど30年前。ANGRA の登場は二重の驚きでした。まずは、クラシックを大々的に取り入れた美しくも壮大でウルトラ・テクニカルなそのパワー・メタルに。そして、ブラジルというメタル第三世界から遣わされた天使である事実に。
時代は流れ、かつて ANGRA が証明したメタルの多様性や感染力は、今や当たり前のものとして受け入れられています。インドやアフリカ、そしてここ日本でも、世界で戦えるバンドが続々と登場しているのですから。そんなメタル世界の総復習、総決算として、再度感染源のブラジルから EIGENFLAME が登場したのはある意味宿命だったのでしょうか。
「ボサノヴァやサンバについては、絶対にないだろうね (笑)。でも、僕らのファースト・アルバムにはブラジル音楽や先住民音楽の要素が控えめに入っているし、バンドが活動し続ける限り、こうした要素はおそらく僕らの曲の一部になるだろうね」
ANGRA が後に再度世界を驚かせたのは、サンバやボサノヴァといったブラジルの代名詞に加えて、ブラジル先住民族の響きをメタルに溶け合わせた点でしょう。”Holy Land” はそこに、”Angels Cry” から引き継いだ流麗壮大なクラシックのシンフォニーまで未だ存分に残していたのですから、まさにメタル多様性の原点の一つであったにちがいありません。そうして、EIGENFLAME もその偉大な足跡を、自らのやり方で推し進めていきます。まさに EIGENFLAME。自分自身の炎。
「一番好きなアルバムは “Rebirth” と “Temple Of Shadows” だろうな。だから Andre が大好きで、”Holy Land” や “Angels Cry” のようなアルバムを愛しているにもかかわらず、バンドの時期を選ぶとしたら、Edu Falaschi がいた時期 になるだろうな」
EIGENFLAME のギタリスト Fernandes Bonifacio が、Andre Matos への敬意を表紙ながらも、Edu Falaschi 時代をフェイバリットに挙げる理由。それは彼らの音を聴けば理解できるでしょう。まさにあの傑作 “Temple of Shadows” を現代にアップデートしたかのような、ウルトラ・テクニカルでウルトラ・プログレッシブなメタル十字軍。
初期の ANGRA にあった、良い意味での “遊び” が排除された宗教画のような荘厳のモザイクは、明らかに EIGENFLAME が受け継いでいます。そうして、一片の曇りもなく天上まで歌い上げる Roberto Indio の迷いなき、揺るぎなき歌声。そこに加わる DRAGONFORCE や KAMELOT のパワー・メタル・カーニバル。ここには、我々が求めるカタルシスがすべて存在します。
「僕たちが経験したあの困難な時期にみんなが望んでいたことを表現するには、とてもいい名前だと思ったんだ。”Pathway To A New World” はコンセプト・アルバムではないけれど、ある意味、曲と曲がつながっている。宇宙、自然、スピリチュアルなエネルギーといったトピックを取り上げているんだよ。”つながる” ことがテーマなんだ。アルバムのアートは “Way Back Home” という曲に基づいている。この曲は、部族を探して放浪していた先住民の戦士が、新しい世界への道を見つける姿を描いているんだ」
ドラマーの Jean は2023年の EDU FALASCHI と NORTHTALE の来日公演にも参加していましたね。新たな未来へ、つながっていきましょう。Fernandes Bonifacio です。どうぞ!!
COVER STORY : ANGRA “ANGELS CRY” 30TH ANNIVERSARY !!
“We Just Chose The Name Because It Was a Brazilian Name And There’s a Town Here Called Angra, Which Is a Beautiful Town. It Was a Name That We Thought Would Sound Good In Every Language, But, On The Other Hand, Would Also Mean Nothing. We Tried To Run Away From a Meaningful Name. We Discovered The Meaning Of The Word Later On, “Goddes Of Fire”, But I Think It Fits The Band’s Sound Well.”
Ten Years In The Making, Master Of Jazz Guitar, Kurt Rosenwinkel Has Just Released Colorful, Rich, and Contemporary New Record “Caipi”!!
DISC REVIEW “CAIPI”
コンテンポラリージャズギターの唱導者、プロフェッサー Kurt Rosenwinkel が自身を反映し体現したマスターピース “Caipi” をリリースしました!!制作に10年という長い年月を費やしたアルバムには、伝統と革新、卓越したセンスと豊かなエモーションが込められています。
“僕が一番大切にしているのは、やはりジャズであり、自分の音楽だ。でも僕の内側から聴こえてくるものがロック・ソングやソウル・ナンバーであれば、僕はそれに従わなければないけない。創造の源はコントロールできないからね。”(Jazz Life 2000.2)
過去のインタビューで語る通り、Kurt は偉大なジャズマスターでありながら、その領域のみに留まらず自らのインスピレーションに従い、豊潤な音楽の旅を続けています。バークリー入学以前の学生時代にはあの Tony MaCalpine の兄 Chris に師事しプログバンドを結成していたという過去に加えて、hip-hop のカリスマ Q-tip とのコラボレートもその事実を裏付けていますね。さらに、現在はドイツのベルリン音楽大学でギターとアンサンブルのクラスを受け持っているのですから、彼のキャパシティー、間口の広さには驚くばかりです。
Gary Burton, Mark Turner, Chris Potter, Joshua Redman, Aaron Parks など多士済済のジャズジャイアンツと共演を果たして来た Kurt ですが、”Caipi” では基本的に全ての楽器を1人でこなしています。ギターは勿論、ベース、ドラムス、そしてボーカルまでを自らで司り、多重録音を行った作品は、インタビューでも語ってくれた通り Q-tip と二人三脚で作り上げた “Heartcore” の正当な続編であり、深厚かつパーソナルな作品として絶類な存在感を放っているのです。
タイトルトラック “Caipi” が象徴するように、アルバムは確かにブラジル、正確にはミナスジェライスの風景や Milton Nasciment の面影を感じさせます。インタビューにもある通り、Milton の音楽は “Caipi” の重要なインスピレーションとして作品を紐解く鍵となっていることは明らかでしょう。
しかし同時に、ブラジル特有のコード感やリズムのエッセンスは作品を語る上での一つのトピックにしかすぎません。色彩も鮮やかなアートワークが物語るように、ここには拡散する Kurt のジャズを体現したカラフルな音世界、サウンドスケープが鮮やかに広がっているのです。
実際、今回 Kurt がブラジル音楽にフォーカスしたのは、”アルゼンチン音響派” に次ぐ新たなムーブメント”ミナス新世代”の奔放で多元的、モダンでカラフルなエナジーに惹かれたからではないかと思わせるフシもありますね。Antonio Loureiro, Pedro Martins というバンデイラの起用こそ、Kurt の”ミナス新世代”に対する明確なシンパシーの表出であり、表敬に違いありません。
モダンと言えば、前作 “Star of Jupiter” には Aaron Parks をはじめ、コンテンポラリージャズスターが集結。オープナー、”Gamma Band” の先進性、ジャズ、プログ、現代音楽をいとも容易く超越したカレイドスコープ的サウンドは、拡散する新たなジャズの象徴としてシーンに衝撃を与えましたが、”Caipi” では全ての設計図を自ら描き、構築することで独創的な内面を余すことなく表現していると言えるのかもしれませんね。
確実にアルバムの根幹を成すのはジャズとブラジル音楽です。しかしロック、ポップ、プログロック、ブルース、ソウル、ハウス、テクノ、エレクトロニカなど複眼的で多彩な影響をフレキシブルに打ち出すことで、Kurt はその唯一無二の才能、そしてジャンルの可能性を閉鎖的でバックカタログを重視しがちなジャズワールドに見せつけたといえるでしょう。言い換えればこの試みは、ジャズの側から見たポストロックと言えるかもしれません。そして、ジャズの境界線を押し広げる彼の手法は、インタビューにもあるように “Jazz the New Chapter” のムーブメントとも宿命的に連動するはずです。
とは言え、”Casio Vanguard” からは Pat Metheny を、”Little B” では Alan Holdsworth をイメージするように、脈々と流れる伝統もまた Kurt の中にはしっかりと受け継がれています。”スローハンド” Eric Clapton のゲスト参加には、そんな Kurt にこそギターの未来を託すといった意味合い、想いも少なからず含まれているようにも思えました。
今回弊誌では、Kurt Rosenwinkel にインタビューを行うことが出来ました。4月には来日公演も決定しています。どうぞ!!
Q1: “Secret Garden” has just launched only in Japan !! How are you feeling now?
【KIKO】: It is always a great feeling to complete an album. It’s a lot of work to compose and record. Now I have a great expectation to hear what the fans will say. We are trying different elements on this album and I’m very curious about the feedback we will get.
Q3: Speaking of vocal, this album has lots of singers. Simone Simons of Epica, Doro Pesch, and Rafael are singing. Why?
【KIKO】:Rafael had the dream to sing in an Angra album. Why not after so many years? He has a great voice and deserves to fulfill his dream. On Temple of Shadows we had some guests too and we liked how it come out so this time We wanted to invite great singers again.
【KIKO】:RAFAEL は ANGRA のアルバムで歌うのが夢だったんだ。なぜこんなに長い年月掛かったのかって?彼は素晴らしい声を手に入れたから夢を叶えるに値するんだよ。”TEMPLE OF SHADOWS” でも何人かゲストに来てもらって気に入ったから今回も偉大なシンガー達を招いたのさ。
Q4: Anyway, “Secret Garden” is one of the best album of Angra. Everything we want is in it. Beautiful melody, progressive aspect, and AWESOME your shredding guitar !! Is this a conceptual album? Which song do you most proud of?
【KIKO】:I always think about the whole processes and the whole work, not in a single song. I really like the final result but the judgment has to come from the fans. They will tell us if we went to the right direction or not.
Q5: Do you think Jens Bogren is one of the reason that “Secret Garden” become really masterpiece?
【KIKO】:Everyone has a role in producing the album. Composers, musicians , management, Roy Z and Jens. Definitely Jens was very important for the quality of the songs and album.
Q5: JENS BOGREN の関与は吉と出たようですね。
【KIKO】: このアルバムの製作陣は全員役割を果たしたね。コンポーザー、ミュージシャン、マネージメント、ROY Z に JENS。確実に JENS の存在は曲、アルバムのクオリティーにとって非常に重要だったよ。
【MESSAGE FOR JAPAN】
Thanks a lot !! Also we are looking forward to Japan tour 2015 !! Message for Japan, Please !!
We all love to go to Japan. I’m counting the days to go! Looking forward to meet Japanese fans, play for this beautiful crowd, walk on the streets eat the great food, enjoy the country and learn more from such an incredible people Thanks a lot!! Kiko