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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ichika : she waits patiently, he never fades】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ichika !!

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Japan’s Up And Coming Guitar Artist ichika Has Been Making Waves With His Trilogy EPs “forn”, “she waits patiently” and “he never fades”. Definitely, We Should Keep An Eye On This Young Virtuoso!!

DISC REVIEW “she waits patiently”, “he never fades”

光耀を増した夢幻のクリスタル。琴線の造形師 ichika がギターとベースで奏でるダブルファンタジー “she waits patiently” “he never fades” は、音聖のプロローグを透徹した美意識で彩ります。
マエストロの周辺はデビュー EP “forn” のリリース以降俄に騒がしくなりました。コンテンポラリーでメロディアスなテクニックのイヤーキャンディー AMONG THE SLEEP で gen との麗しき邂逅を果たした後、ichika がスポットライトを浴びたのは東京コレクションのランウェイでした。モデルとしても需要はありそうですがもちろんモデルとしてではなく、スーパーグループ ichikoro のメンバーとしてサプライズで演奏を行ったのです。
Think (川谷絵音), Holy (休日課長), M (ちゃんMari), Vista (奏), Sugar (佐藤栄太郎) から成る異能の音楽集団を率いるリーダーは ichika。そして ichikoro のサウンドはその奔放なラインナップとシンクロするかのように自由を謳歌しています。
「正直音楽の作られていくスピードが異常です。」実際、ゲスの極み乙女や indigo La End の頭領、百戦錬磨の川谷絵音を筆頭とするトリプルギター軍団のクリエイティビティーは斬新かつ鮮烈です。ファンクにポルカ、サンバ、ジャズ、そしてオルタナティブなロックの衝動まで内包する “Wager” はまさにグループの象徴。倍速で演じる紙芝居の如く、コロコロと表情を移す猫の目のイマジネーションはリスナーの大脳皮質を休むことなく刺激し続けます。
課長の派手なスラップを出囃子に、各メンバーの個性も際立つエキサイティングなインストゥルメンタルチューンにおいても、ichika の清澄なるクリーントーンは際立ちます。一聴してそれとわかる眩耀のトーンと水晶のフレットワークは、キラキラと瞬きながら若きヴァーチュオーゾの確かな才気を主張していますね。
無論、ichika のそのトレードマークを最も堪能出来るのがソロ作品であることは言うまでもないでしょう。「”forn” を作るときに話の全体の大きな流れを作り、それを “forn” と “she waits patiently”、”he never fades” の3つに分けました。」と語るように、冒険の序章はトリロジーとして制作されています。”forn” と “she waits patiently” は女性視点で、”he never fades” は男性視点で描かれたストーリー。そして ichika はギターを女声に、ベースを男声に見立てその物語を紡いでいるのです。
「僕は普段曲を作る前にまず物語を作り、それを音楽で書き換えようとしています。聴き手に音楽をストーリーとして追体験させることで、より複雑な感情に誘導することが出来るのではないかなと思っているからです。」という ichika の言葉は彼の作品やセンスを理解する上で重要なヒントとなっています。
彼の楽曲に同じパートが繰り返して現れることはほとんどありません。もちろん、テーマを拡げる手法は時折みられるものの、単純に同じパッセージを再現する場面は皆無です。つまり、映画や小説が基本的には同じ場面を描かず展開を積み重ねてイマジネーションを掻き立てるのと同様に、ichika の楽曲も次々と新たな展開を繰り広げるストーリーテリングの要素を多分に備えているのです。小説のページを捲るのにも似て、リスナーは当然その目眩く世界へと惹き込まれて行くはずです。
加えて、”forn” から ichika がさらに一歩踏み出した場所こそが “感情” であったのは明らかです。「この音を聴けばこういう感情が生まれる」エモーションの引出しを増やすに連れて、彼が直面したのは “ソロギター” という手法そのものだったのかも知れませんね。
ソロギター作品と言えばそのほとんどがアコースティックで奏でられていますが、ichika はエレクトリックギター/ベースを使用しプラグインエフェクトで極限まで拘り抜いた天上のトーンを創出しています。ピアノやアコースティックギターで表現するインストゥルメンタルの楽曲は、確かに美しい反面、平面的な情景描写に終わってしまうことも少なくないでしょう。
しかし、儚さや美しさと同等の激しさや苦しさを宿す “he never fades” や “illusory sense” は明らかにその殻を破った楽曲です。プレイリストを見れば分かるように、そこには、ジャズやアンビエント、ミニマルや電子音楽の領域と並行してデスコアや djent、フュージョンといったロックの衝動を通過した ichika の独創性、強みが存在するのです。
エレクトリックギター/ベースを選択することで、彼は唯一無二の自身のトーンと共に、ハイノートの自由を手に入れています。時に煌き躍動する、アコースティックギターでは再現不可能なハイフレットでのフレキシブルでファストなプレイ、右手を使用したタッピングの絵巻物はモダンなイメージを伴ってロックのエモーションをガラス細工のように繊細な音流へと吹き込みます。
そしてより “ギター” “ベース” という弦楽器の特徴を活かしたスライドやヴィブラート、トレモロ、ガットストローク、さらには休符、弦の擦れる音やミュートノイズまでをも突き詰めて、ichika は感情という総花を物語へと落とし込んでいるのです。揺らぐ感情の波間に注がれる荘厳なる崇高美。
“彼女” は辛抱強く待ちました。”彼” も辛抱強く待ちました。きっと世界には、絶望の後には救いが、別れの後にはユーフォリアが等しく用意されているのです。ichika の素晴らしき序章、未曾有のトリロジーは静かにその幕を閉じました。ISSUES の Tyler Carter と作曲を行っているという情報もあります。次の冒険もきっと目が離せないものになるでしょう。Have a nice dream, ichika です。どうぞ!!

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Artwork by Karamushi

ichika “she waits patiently”, “he never fades” : 10/10

INTERVIEW WITH ichika

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Q1: First of all, how did super-group ichikoro come to be? It’s very unique triple guitar team with Enon Kawatani of Gesu No Kiwami Otome, right?

【ichika】: Originally, I was talking about making some music together with Enon Kawatani. Then, I was invited by him to do a session at one time and I entered the studio for the first time with my current ichikoro member.
At that time, we did songwriting, but it was a feeling that it would be nice to release the songs instead of becoming a band. But, it turned into a band named ichikoro before I know it.

Q1: ichikoro の結成には本当に驚きました。所謂 “川谷ファミリー” を中心とした非常に豪華なメンバーで、さらにトリプルギターのインストという斬新な形態をとっています。東京コレクションのランウェイでのお披露目もド派手でしたね。(笑)
まずは ichikoro 結成の経緯からお話していただけますか?

【ichika】: もともと川谷絵音さんといずれ何か一緒に音楽をしたいねという話をしていました。そしてあるときセッションをしようと誘っていただき、今のichikoroメンバーで初めてスタジオに入りました。
そのときに曲作りが行われたのですが、当時はバンドという形になるわけでもなく音源出せればいいね、ぐらいの感じでした。それが気付けば ichikoro という名前のバンドになっていたんです。

Q2: How was the experience making music with such a very popular musicians?

【ichika】: Many things go into the studio and Enon gradually builds expansion, chord progression after that another members arrange them. To be honest, the speed of composing is abnormal. Extremely fast.
Effective sounds and distorted sounds are Enon, acoustic clean parts and backing are Kanade, clean high tone parts are me.
It is fresh to form music together with people who have different backgrounds and consciousness, as it has been almost done by myself so far. New musics which I could not produce by myself is shaped and I am very excited about that!

Q2: デビュー音源 “ichigeki” は、ロックやジャズ、プログレッシブ、ファンクなど様々な要素がスリリングに、コンテンポラリーに融合した非常にダイナミックな作品に仕上がりましたね?
作品のライティングプロセスやギターパートの振り分けはどのように行われたのでしょう? メジャーアーティストとの共演は ichika さんにとってどのような経験でしたか?

【ichika】: スタジオに入り絵音さんが展開とコード進行をどんどん作っていき、それをメンバーたちでアレンジしていくというものが多いです。正直音楽の作られていくスピードが異常です。
エフェクティブな音や歪んだ音のパート絵音さん、主にアコギやバッキングのクリーンのパートが奏さん、上物のクリーンのパートが僕となっています。
今までほとんどひとりでやってきたというのもあって、自分とは違う、それぞれ異なった背景や意識を抱えて音楽を作り演奏する方たちと音楽を一緒に形にしていくのが新鮮です。どんどん今までの自分にはなかった、自分だけでは生み出せなかった新しい音楽が形作られていき、そのことにとてもワクワクしています。

Q3: OK, so could you tell us about your musical backgrounds?

【ichika】: My father used to play music, so there were guitar and bass at home. Also there were CDs of music of various genres in the house. While listening to them, I was attracted by the songs like IRON MAIDEN and Greg Howe. So, I was practicing them by guitar and bass in the junior high school students I had been around.
By doing so, as I touch various kinds of music other than piano songs, I also encounter several guitar and bass solo songs, but at that time I embraced the impression that it was hard to get stuck and that I refrained from listening. After a while, it seems that instrumental music may stick to people who are familiar with guitar and bass, And I noticed that it is music for professionals that means high threshold for people who only listen to music, not to play musical instruments.
At the same time I felt strongly that I would like to express or making music with just one instrument, then I first wondered if the instrument would be the most long-played piano, or guitar or bass … but, Piano solo songs are already overflowing with too good songs and there are too many rivals, but guitar and bass solo songs have not been established so far. Then I decided to abandon the easy choice of the piano I could play the best at the time, and decided to use strings instruments, make solo guitar, solo bass songs.
Among them, I thought that the range of guitar is wider, I will dig deeply that instrument because I could try variously. So, I decided to make music with a single guitar. I talked that guitar, bass solo songs are harder to approach than piano solo songs earlier, so I thought about what the difference is. That made me analyze the piano solo song and fit the formation of the chord, melody, rhythm etc to the guitar It went by.
Since I had a long relationship with the piano, I went smoothly to that point. But I faced the problem of being unable to play the guitar like piano by the structure of the instrument. For example, it was a problem such as suppressing closed code, sometimes it was hard to play root note with melody, etc.
So, that impossibility made me use right hand as well as the piano and began to overwork the right hands naturally. However, as it is, it is kind of mimicking the piano songs, and if the goodness of the guitar is not fully utilized, I thought. Meanwhle, I took in the features of string instruments such as the vibrato, slides, and strokes.
With such a intention, I tried to give the music meaning of what kind of emotion to bring in, and finally it began to be the song I wanted to make.
Anyway, with such a reason, there was no hero who was involved in my current play style directly at the time, but when I was in the junior high school, I was worshiping Steve Harris and with my 2 fingers I was continuing to play IRON MAIDEN madly.

Q3: 川谷氏が ichikoro で5つ目のプロジェクトだと仰っていましたが、ichika さんもソロ、Among The Sleep, そして ichikoro で3つ目のプロジェクトですよね? それぞれが異なる音楽性で、しかも ichika さんは作品に応じてギターとベースを使い分けています。
前回の取材でピアノが音楽を始めたきっかけだと仰いましたが、そこからギターやベースを手にして技術やアイデアを深めていった経緯、当時のヒーローについて教えていただけますか?

【ichika】: 父が昔に音楽をしていたので家にはギターとベースがありました。またそのため家には様々なジャンルの音楽のCDがあり、それらを漁って聴いているうちに、カッコいいなと思った IRON MAIDEN や Greg Howe の曲をギターやベースで弾いて練習しながら中学生の頃を過ごしていました。
そうやってピアノ曲以外の色んな音楽に触れていくにつれていくつかのギターやベースソロ曲にも出会っていくのですが、そのときはどうにもとっつきにくい音楽だなぁという感想を抱き、聴くことを敬遠していたんです。少し経ってからこれはギターやベースに親しんでいる人には刺さるんだろうけど、楽器をしない、音楽を聴くだけの人には敷居の高い玄人向けの音楽だなと気付きました。
ちょうどその時期に楽器ひとつで音楽を作りたい表現したいという気持ちが強くなり、じゃあまずその楽器は一番歴の長いピアノにするか、それともギターかベースか…と悩んでいたのですが、ピアノのソロ曲は既にあまりに良い曲で溢れかえっているしライバルが多すぎる、でもギターやベースのソロ曲はそこまで確立されていない。それならもっととっつきやすいギターソロ、ベースソロ曲を自分で作ってしまおう、ということで当時最も技術が備わっていたピアノという手堅い選択肢を早々に放棄して撥弦楽器でソロ曲を作って演奏しようと決めました。
その中でも音域がより広く、色々試し甲斐のあるギターから深く掘り下げていこうと思い、ギター一本で音楽を作るぞと奮起しました。先ほどギター、ベースソロ曲はピアノソロ曲に比べとっつきにくいと話しましたが、ではその違いは何なのだろうかと考えていき、ピアノソロ曲を分析してそのコード、メロディー、リズムなどの成り立ちをギターに当てはめていきました。
ピアノとは長く付き合いがあったのでそこまでは順調に進んだのですが、その先、普通に弾いていると楽器の構造上どうしても再現できないことがあるという問題に直面しました。例えばクローズドなコードを抑えたり、ルート音とメロディーを両立できなくなるときがある、等の問題です。そこで普通に弾いてムリならピアノと同じ様に右手で音も出すしかなくなり、自然と右手を酷使するようになりました。しかしこのままではピアノ曲の模倣にすぎず、ギターの良さがあまり活かされてはいないのでは、と思い弦の揺れやスライド、ストロークなどの撥弦楽器ならではの特徴を取り入れていきました。
そしてそれらをしっかりと意図を持って、どういう感情をもたらすのかはっきりと意味を与えて組み込んでいき、ようやく聴ける曲になり始めました。
そういうわけもあって、今のプレイスタイルに関わってくる直接的な当時のヒーローはいなかったのですが、ベースを始めたての中学のころは Steve Harris を崇拝していて狂ったように2フィンガーで IRON MAIDEN の曲を弾き続けていました 。

Q4: Let’s talk about your newest EPs “she waits patiently” & “he never fades”. You recorded five solo guitar songs and five solo bass songs for these EPs and packed them separately. How did you come up such a unique idea?

【ichika】: Including “forn” of my previous work, it was planned to make a trilogy together with this two EPs. And one of them was originally thinking to play on the bass.
I usually try to make stories and rewrite them with music before I compose. Because I thought that I could induce my listeners more complicated emotions by letting them experience my music as a story.
So when making “forn” I made a big flow of the whole story and divided it into “forn”, “she waits patiently”, “he never fades”. In this case, “forn” and “she waits patiently” were female perspectives and “he never fades” needed to make a story from a male perspective. So I decided to make songs with a female voice as a guitar, then a male voice as a bass.

Q4: では、遂にリリースされた新作 EP “she waits patiently” と “he never fades” について話しましょう。先ほど作品に応じてギターとベースを使い分けると言いましたが、それにしても2枚の EP にソロギター、ソロベース5曲づつを収録する試みは前代未聞ですね。なぜこういったアイデアを思いついたのでしょうか?

【ichika】: 前作の “forn” も含めて、今回も2枚の EP と合わせて3部作にする予定でした。そしてそのうちの1つははもともとベースで弾こうと考えていたんです。
というのも、僕は普段曲を作る前にまず物語を作り、それを音楽で書き換えようとしています。聴き手に音楽をストーリーとして追体験させることでより複雑な感情に誘導することが出来るのではないかなと思っているからです。
なので “forn” を作るときに話の全体の大きな流れを作り、それを “forn” と “she waits patiently”、”he never fades” の3つに分けました。このとき “forn” と “she waits patiently” は女性視点で、”he never fades” は男性視点で物語を作る必要があったのでそれなら女性の声をギターで、男性の声をベースで表しそれに付随するような曲を作ろうと決めました。

Q5: What’s the difference between guitar and bass, when you play them?

【ichika】: Even if I play the same phrase on the guitar and bass as wanting to plant feelings of “sad”, I think that the feeling of “sad” remaining after listening is completely different.
So when I think about what the song wants to say and what motivation you want to move in the last, I decided to use a musical instrument that is convincing, appropriate.

Q5: 往々にしてソロギター作品は存在するものですが、ソロベース作品は実に珍しいと思います。しかも ichika さんのベースサウンドは非常にクリアーで、和音や強弱まで鮮明に聴きとることが出来るんですよね。ただし、ギターのクリスタルで繊細な音色に比べると力強さ、雄々しさも確かに存在しています。
ギターとベース、二つの弦楽器を使い分ける際に特に気にかけていることは何でしょう?

【ichika】: 「悲しい」という気持ちを植え付けたいとして、たとえギターとベースで同じフレーズを弾いても聴いた後に残るその「悲しい」という感情は全く異なるものだと思っています。
ですので最後にその曲は何を言いたいのか、どう心を動かしたいのか、を考えたときにより適切である、説得力が生まれる方の楽器を使用しています。

Q6: Especially, the title track “he never fades” seems to be a piece of music by the process from lone, jealousy, anger and until the kindness is born. So, could you tell us about the story of the song?

【ichika】: I thought about making a song that creates a saved mind after listening, then I tried to express a story that hits rock bottom and finally reach out hand.
When I was trying to make this song, I thought I made a story specifically to make it a piece of music, but then it would be a scene depiction and it would just end with a only beautiful thing. I was in conflict with.
So, this time it was made to be more emotional music, with a simple flow that the story is solitar borns jealous, anger is born from jealousy, and when anger becomes resignation, kindnesses saves.

Q6: タイトルトラック “he never fades” は、孤独や嫉妬、怒りから優しさが生まれるまでの過程をベース1本で楽曲にしたそうですね?”forn” を経由して ichika さんのサウンドとストーリーに、ドラマやエモーションが増したようにも思えます。

【ichika】: 聴き終わった後に救われる心を生み出す曲を作ろうと思い、それならどん底まで突き落として最後に手を差し伸べられる物語を作って表現してみよう試みました。
この曲を作ろうとしていたとき、今まで具体的に物語を作ってそれを音楽にしていたけどそれだと情景描写になって綺麗なだけで終わってしまうんだよなぁと葛藤していたんですね。それで、今回はより感情的な音楽にしようと思いました。ストーリーは孤独から嫉妬が、嫉妬から怒りが生まれ、怒りが諦めになったときに優しさに救われるというシンプルな流れで作りました。

Q7: Have you influenced by “Piano theory” still now?

【ichika】: Even now it may be because I was inspired by the piano when I was exploring how to make solo songs on guitar and bass. Actually I sometimes make songs by the piano at first and so are “town” and “he waits patiently”. In fact, it may be piano is the most smooth instrument.

Q7: どうやら “感情的な音楽にしよう” という言葉はキーワードかも知れませんね。ピアノに比べてギターやベースの特色が感情と共に在ることは明らかです。先程、ピアノを弦楽器に置き換えていったとお話されましたが、一方で現在でもichika さんの中にピアノから恩恵を受けている部分はありますか?

【ichika】: ギターやベースでのソロ曲の作り方を模索しているときに、ピアノから着想を得たので今でも恩恵は受けていると思います。実際たまにピアノから先行して曲を作ることもありますし “town” や “he waits patiently” なんかもそうです。
なんだかんだピアノが一番指の動きが良かったりもします。

Q8: What’s the musical goal for you?

【ichika】: Although I said that I wants to create a song that moves listener’s mind with one instrument and play, and that is still in the process of trial and error. As I listen to lots of music, the number of drawers that “This kind of feeling will be born if we listen to this sound” will increase more and more withdrawals, but that is exactly the kind of thing that you can only apply to what you’ve ever experienced, like a dream I think that it is. So I will touch on something I have never experienced while living in the future, I will get a new aid and I will accumulate stock of sympathy.
Also, there is nothing special about soloing to play with one musical instrument, as there was a feeling that I wanted to complete the music with my own responsibility first. Because I wondered if I could make music satisfactorily with other people and play it, although I could not even express music by myself. Even now it is still in the middle, but finally I gained an understanding of music about a bit of musical instruments. So, I wish I could be involved with other artists little by little, in the form of an ensemble which I can not do it by myself.

Q8: ichika さんの音楽を聴いていると、どんどんとその世界へ惹き込まれ、想像力が刺激され感情も激しく揺さぶられます。数学的な感覚と文学的な感覚が素晴らしくクロスする音楽は本当に唯一無二だと感じます。
そんな ichika さんがこれから目指す場所について話していただけますか?

【ichika】: 楽器ひとつで心を動かす曲を作り、演奏をしたいと述べましたが、今なおその試行錯誤の途中です。音楽をたくさん聴くに従い、「この音を聴けばこういう感情が生まれる」という引き出しはどんどん増えてくるのですが、それはあくまでも今まで自分が経験したものの中でしか当てはまらないある種、夢に近いようなものだと思っています。
ですのでこれから生きていく中でより多くの経験したことのないものに触れていき、新しい気付きを得、共感のストックを蓄えていこうと思っています。
それと、楽器ひとつで演奏していくというのは何もソロにこだわりがあるというわけではなく、まず初めに、自分ひとりで責任をもって音楽を完結させたい、という気持ちがあったからです。というのも自分ひとりで音楽を表現することも出来ないのに他の人と満足に音楽を作り、演奏することが出来るのだろうかと思ったからです。
今もまだその途中ではあるのですが、ようやく少し楽器について、音楽について理解を得てきたのでいこれから少しずつ、他のアーティストとアンサンブルという形で自分ひとりでは出来ない、良く、複雑な、音楽というものに関われていけたらなと思います。

ichika’s MUSIC PLAYLIST

BRANFORD MARSALIS “ETERNAL”

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PHILIP GLASS “GLASSWORKS”

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TIM HECKER “VIRGINS”

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NICOLAS THYS “VIRGO”

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KADINJA “ASCENDANCY”

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MESSAGE FOR READERS

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I really appreciate those who listen to my music, those who are interested in, those who came to the live, and those who always support. Thank you very much. I think that I will continue to make music that is closer to emotions with making more and more experiences. Thanks again for your big support! Thank you so much!

僕の音楽を聴いていただいたり、興味を持っていただいた方やライブに来ていただいた方、そしていつも支えてくださっている方たちに本当に感謝しています。ありがとうございます。
これからどんどん経験を重ねていくことでより人の心に真に迫った音楽を作っていこう演奏していこうと思います。これからも応援よろしくお願いします。

ichika

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ichika 初のワンマンライブ “Signal” の詳細はこちら。
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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【DIABLO SWING ORCHESTRA : PACIFISTICUFFS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DANIEL HÅKANSSON OF DIABLO SWING ORCHESTRA !!

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Hybrid Of Old–style Swing jazz, Classial, and metal. Sweden Based Incredible Octet Diablo Swing Orchestra Has Released More Unique, Unexpected But Ultra-catchy Masterpiece “Pacifisticuffs” !!

DISC REVIEW “PACIFISTICUFFS”

メタルワールドのアウトオブボックス。世界で最もカラフルかつユニークな悪魔の楽団 DIABLO SWING ORCHESTRA が、遂にシーンへとより深く浸透すべき新作 “Pacifisticuffs” をリリースしました!!複雑怪奇とポップを過去最高の滑らかさで融解させた作品には、タイトルに冠した “平和主義” と “殴り合い” の二律背反が見事にフィットしています。
“ポストファーストメタルタイム”。WALTARI の Kärtsy Hatakka が弊誌のインタビューで証言したクラッシックメタルとモダンメタルの偉大なる架け橋に、スウェーデンが果たした役割はあまりにも絶大でした。
MESHUGGAH, OPETH の両巨頭を挙げるまでもなく、90年代初頭から此の地の先鋭は、ベーシックなメタルのデフォルトにプログレッシブの波動、エクストリームな残虐性、フォルクローレの優美、そして複雑なリズムアプローチ等を付加してモダンメタルの礎となる百花繚乱の多様性を創世し続けているのです。
中でも、チェロやホーンセクションを備えた8人組 DIABLO SWING ORCHESTRA のエクレクティックな存在感は飛び抜けて異端だったと言えます。その名が物語る通り、メタル、ジャズ、クラッシックを等しくベースとする狂気を孕んだクロスオーバーの濁流は、アヴァンギャルド、エクスペリメンタルの狭い定義に堰き止められ限定的ながら、間違いなく強烈な印象と影響を残して来たのです。
そして、前作 “Pandora’s Piñata” から5年という長いインターバルを経てリリースしたバンドの最新作 “Pacifisticuffs” は、囚われていたその狭い檻までをも突き破り、より幅広く認知と賞賛を受けるべき作品に仕上がったと言えるでしょう。
オペラティックな歌唱でバンドの顔とも言えた Annlouice Lögdlund が脱退し、新たに Kristin Evegård を迎えたことは、結果として変化の象徴となりました。より普遍的で、しかしアンニュイかつジャジーな魅力と個性を備えた Kristin の伸びやかな歌唱は、バンドのカルトなイメージを一新させるフレッシュな起爆剤だと言えますね。
爽快でキャッチー、そしてあまりに多様なオープナー “Knucklehugs (Arm Yourself with Love)” は楽団の新たなイメージへと誘う招待状。Daniel が 「僕たちはまず、強力なメロディーやリズミックなフックといった楽曲の強固な基盤にフォーカスする傾向があるんだよ。」と語る通り、ポップパンクのコマーシャルな突進力さえ喚起する Kristin と Daniel のデュエットは、メタリックなギターリフ、スウィングするホーンセクション、そしてバンジョーとストリングスを携えたエルヴィスの祝福を一身に受けて、至上なる創造性とフックを提示します。
陽気なブルーグラスから一転、オーケストレーションとホーンをさらに前面に配した感傷的なメタルポルカ “The Age of Vulture Culture” で Kristin の完璧なる融合を証明した後、バンドは “Superhero Jagganath” でトロピカルなレゲエにハワイアン、”Lady Clandestine Chainbreaker” ではフラメンコの邪悪な誘惑にフォーカスし、”Pacifisticuffs” の音楽が世界を巡る旅であると高らかに宣言するのです。
そうして辿り着く “Jigsaw Hastle” は、故郷スウェーデンへの凱旋と言えるのかも知れません。Kristin の透明な哀愁を生かしたウルトラキャッチーなダンスチューンは、同郷の ABBA を彷彿とさせる北欧の煌びやかな風。アートワークのトライアングルから注入された電気の魔法は、きっとこの楽曲のエレクトロニカな要素へと還元されたに違いありません。
Daniel が提唱する “異なるサウンドを独自のものへと昇華する偉大なる自由” は、究極のポップと巡るエクレクティックな世界旅行の果てに遂に完成を見たのかも知れませんね。
今回弊誌では、シンガーでギタリスト、バンドの中心人物 Daniel Håkansson にインタビューを行うことが出来ました。どうやら Daniel のボーカルパートが減った理由も、Kristin の加入による理想のオクテットの完成にある様ですね。「今まで成されてきたことの “外側” について考えなくてはいけないと思うんだ。」どうぞ!!

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DIABLO SWING ORCHESTRA “PACIFISTICUFFS” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【TONY MACALPINE : DEATH OF ROSES】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TONY MACALPINE !!

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One Of the Most Satisfying Listens In The Shred Scene, “Death of Roses” Represent A Triumphant Comeback For Virtuoso, Tony MacAlpine !!

DISC REVIEW “DEATH OF ROSES”

癌との戦いに打ち勝った不撓不屈のギターマスター Tony MacAlpine が、復活の狼煙を上げる “Death of Roses” をリリースしました!!マエストロの新たなチャプターは、自身の “ハイライト” と断言する煌めく七つのモメンタムから始まります。
Tony が癌を患っている事実を公表したのは、2015年8月のことでした。快作 “Concrete Gardens” をリリースし、翌月には来日公演を控えて順風満帆まさに第二の全盛期を謳歌していた Tony のショッキングなニュースは即座にギター、メタルコミュニティーを駆け巡り、世界中のファンが彼の身を案じたのです。
祈りと支援の輪は当然ミュージシャンにも広がりました。2015年の12月に開かれた Tony のベネフィットコンサートには、Steve Vai, Zakk Wylde, John 5, Mike Portnoy, Billy Sheehan, Derek Sherinian といったレジェンドが集結。さらに Steve Stevens, Paul Gilbert, Steve Lukather, Joe Satriani 等のビッグネームも Tony のために自身のギターをドネートしたのです。
「Tony は親友で、実にスイートな人間で、最も才能のあるミュージシャンの一人だよ。」 コンサートを牽引した元バンドメイト Mike Portnoy はそう語ります。実際、インタビューを読めば彼の真摯で優しい人間性と音楽に対するストイックな考え方が浮き彫りになるはずです。
実は Tony を見舞った悲運は自らの病のみではありませんでした。時を同じくして愛する妻も癌に侵されていたのです。「病床からずっと妻のこと、彼女が経験しているであろうこと全てを心配していたんだよ。」 彼のこの言葉には、しばしば音楽の中にまでも滲み出るTony の豊かで温かな人間性が反映されていると感じました。
家族と共に困難な時を乗り越えた Tony が遂に音楽の世界へと帰還を果たす新作 “Death of Roses”。ハイライトであり新たなチャプターだと語る作品はまさに Tony の過去と未来の架け橋です。
31年のキャリアを通して、Tony はプログレッシブメタル、インストゥルメンタル、ジャズ/フュージョンの世界を股に掛けコアな音楽ファンに自身の純粋なる音のメッセージを伝え続けて来ました。
ヴァイオリンの技術を投影したシュレッドのみならずピアノまでをも自由自在に操り、クラシカルな旋律と流暢なギターハーモニーでエセリアルな美のシンフォニーを奏でた初期のソロアーティスト時代。Derek Sherinian, Virgil Donati とタッグを組みメタルとフュージョンを融合させた画期的なプロジェクト PLANET X。よりジャズ/フュージョンへとフォーカスしグラミーにもノミネートされたミュージシャンシップの権化 CAB。Steve Vai との共闘。Mike Portnoy, Billy Sheehan, Derek Sherinian、歴戦の強者たちとの邂逅、プログレッシブスーパーグループ PSMS。現代音楽への傾倒、そして多弦ギターと Djenty な要素まで吸収した近年のコンテンポラリーなスタイル。
復活の Tony が奏でる音楽は、その全てのエレメントがジグソーパズルのピースの如く集約し組み上げられた美しき曼荼羅、すなわち彼の本質であり中心なのかも知れませんね。
オリエンタルでキャッチーなメロディーと Vai ライクなスケールのチョイスが秀逸なアルバムオープナー “Chrome Castle”、スリリングなフュージョンの遺伝子を宿すシステマティックなコンポジションが Djenty でソリッドなリズムに映える “Axiomatic Jewels”、持ち前のクラシカルな素養とピアノの響きが多弦ギターの重低音と調和する “Synthetic Serenity”。実際、様々な要素が絡み合いレイヤーされた複雑でしかし頭に残る楽曲の数々は、Tony のミュージシャンとしての深潭、度量、奥深さを感じさせるに充分なクオリティーを誇ります。
中でもタイトルトラック “Death of Roses” のブルースを著しくエッジーに深化させる試みは、Scott Henderson, Hiram Bullock といった “本物” と浮名を流してきたハンガリアンセンセーション Gergő Borlai​ の助力も得て、作品に類まれなるダイナミズムをもたらしていますね。Jeff Beck, そしてその Henderson とはまた異色のブルースに対する切り口が光ります。
アルバムは、MESHUGGAH が奏でる現代音楽といった様相の低音リフと、アンビエントで優雅な調べが交互にダンスを踊る “Shundor Prithibi” で幕を閉じました。もしかしたら、Tony はここに病床で感じた闇と光を投影しているのかもしれません。そしてベンガル語で “美しい地球” を意味する “Shundor Prithibi” は、2枚組として設計された “Death of Roses” の後半、新たな宇宙へと繋がっていくのです。
今回弊誌では、Tony MacAlpine にインタビューを行うことが出来ました。「インストゥルメンタルミュージックは人間の精神世界への道であり、僕たち全員を結びつけるものなんだよ。」 二度目の登場です。どうぞ!!

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TONY MACALPINE “DEATH OF ROSES” : 9.8/10

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RHAPSODY REUNION JAPAN TOUR SPECIAL !! INTERVIEW WITH ALEX HOLZWARTH !


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ALEX HOLZWARTH OF RHAPSODY REUNION !!

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Italian Symphonic Power Metal Legend, Rhapsody Reunite To Celebrate Their 20th Anniversary And Coming To Japan For Farewell !

“EMERALD SWORD SAGA”

シンフォニックパワーメタルの先駆者にして、イタリアが生んだ伝説の戦士 RHAPSODY が、初期のメンバーでリユニオンを果たし、ここ遥かなる地日本でも翠玉の太刀を携えフェアウェルツアーを行います!!名作 “Symphony of Enchanted Lands” の完全再現を伴う結成20周年のアニバーサリーライブは、偉大な勇者たちのレガシーに幕を下ろす別れの儀式ともなるはずです。
RHAPSODY が1997年にリリースした “Legendary Tales” はまさにゲームチェンジングなレコードでした。勿論、それ以前にもクラッシック音楽とメタルを融合させたバンドは多数存在しましたが、”フィルム・スコア・メタル” と称される彼らの音楽は、文字通り雄大なファンタジームービー、もしくは勇壮なロールプレイングゲームを強くイメージさせる一大エピックだったのです。
鳴り響くクワイア、壮麗かつシンフォニックなオーケストレーション、大仰なコンポジション、そしてヨーロッパの空気を存分に伝えるクラシカルでフォルクローレなメロディー。何よりバンドには、そのイロモノ感を説得力へと導く英傑が存在しました。
カンツォーネの歌唱をメタルに取り込むがごとく熱く太いハイノートを操る Fabio Lione, ファストで素晴らしくデザインされたリードプレイを披露する Luca Turilli, バロックから後期ロマン派まで幅広い知識でアグレッシブなオーケストラを創造する Alex Staropoli 。Sascha Paeth という黒子の存在もあって、三俊の奏でるシンフォニーはメロディックメタル史に語り継がれるマスターピースを産み落としたのでした。 当時、BLIND GUARDIAN と ANGRA の理想的な婚姻といったイメージを抱いたファンも多かったのではないでしょうか。
さらに RHAPSODY がエポックメイキングだったのは、アルバム5枚で完結する長編ファンタジー、エメラルドソードサーガをコンセプトの中央に据えた点でしょう。2、3作の連続コンセプトアルバムならばしばしば存在するかもしれませんが、RHAPSODY は5作品に渡る長く壮大過ぎるストーリー。しかもエメラルドソードサーガが終結した後、ダークシークレットサーガというこちらもアルバム5枚に渡る長編に乗り出したのですから、あまりに型破りだと言わざるを得ないでしょう。
Luca Turilli のイマジネーションが生んだ世界はこうです。
「ストーリーの主人公はユニコーンに運命を告げられた “氷の戦士”。彼は魔法の国アルガロードに忍び寄る暗黒王アクロンの軍団を打ち倒すため、エメラルドソードを求め地獄に聳える暗黒の塔に向かいます。塔を守護する象牙の門を開くため三つの鍵を探し出し、遂に伝説の剣を手に入れた氷の戦士。アンセロット王国の救出に向かった彼は戦友アルワルドと共に要塞を解放します。しかし暗黒王アクロンの奸計により2人は捕えられ、アルワルドの恋人アイリンは目の前で犯され殺されてしまうのです。アルワルドの命を賭した機転により何とか逃げ出すことに成功した氷の戦士。しかしエメラルドソードを手にした暗黒王は、暗黒の女王を蘇らせ魔法の国々を滅ぼしていきます。氷の戦士は暗黒王の魔の手から”エンチャンテッドランド”を守れるのでしょうか?」
さて、今回完全再現を行う第2幕 “Symphony of Enchanted Lands” はサーガで最も大仰でプログレッシブな作品。そして今回インタビューを行った Alex Holzwarth が加入した第3幕 “Dawn of Victory” は逆にコンパクトでパワーメタル然とした作品。何より、サーガの幕を閉じる第5幕 “Power of the Dragonflame” はサーガ全ての長所を盛り込んだまさに集大成とも言える完成度、劇的なクライマックスを宿した新たな傑作だと言えますね。
エメラルドソードサーガの後、バンドは RHAPSODY OF FIRE への改名、契約を巡るトラブル、Luca の脱退からバンドの分裂、Alex Holdsworth & Fabio Lione の脱退と決して順風満帆で来た訳ではありません。実際、ただ1人 RHAPSODY OF FIRE に残る形となったキーボーディスト Alex Staropoli は残念ながら今回のリユニオンには参加していません。
しかし、インタビューにもあるように、彼以外の参加メンバーはとにかく楽しんで今回のツアーを行っている様子。最後に、散り散りとなってしまった全盛期のメンバーが揃う RHAPSODY を見るチャンスが訪れたことは日本のファンにとって素晴らしいプレゼントでしょう。
今回弊誌では、ドラマー Alex Holzwarth にインタビューを行うことが出来ました!16年在籍したバンドのダイナモが気さくに現状を語ってくれました。行間を読めば見えてくることもあるでしょう。どうぞ!!

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【IGORRR : SAVAGE SINUSOID】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH GAUTIER SERRE A.K.A. Igorrr !!

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Mastermind Of Modern Metal Revolution, Igorrr Sets A New Standard Across Styles Of Music, With His New Masterpiece “Savage Sinusoid” !!

DISC REVIEW “SAVAGE SINUSOID”

多様性をランドマークとするモダンメタルシーンの最前線に立ち続ける、フランスの鬼才 Igorrr が待望の最新作 “Savage Sinusoid” をリリースします!!メガレーベル Metal Blade Records と契約を果たし、自身の最高峰を更新する傑作を完成させた Igorrr の世界制覇は目前です。
Igorrr とは誇り高きフランスのコンポーザー/マルチプレイヤー Gautier Serre のソロプロジェクト。ブレイクコア、グリッチホップ、トリップホップ、バロック、クラシカル、ワールドミュージック、サイバーグラインド、デスメタル、ブラックメタルなど百花斉放、極彩色のインスピレーションを濃縮し、時代もジャンルも超越したそのサウンドスケープは即ち規格外のモンスターだと言えるかもしれませんね。そして、インタビューにもあるように Gautier は、その至高の怪物を各ジャンルのスペシャリストを招集することで制御し、自らの意のままに操っているのです。”Savage Sinusoid” のアートワークに描かれた結合のスフィアは、まさにそのシンボルだった訳ですね。
アルバムオープナー、”Viande” は Igorrr の野蛮な “Savage” サイドを象徴する楽曲です。エクストリームメタルの新たなエイリアン、奇妙な咆哮を宿した2分弱のエレクトロブラッケンドデスメタルは、息を呑むほどに野蛮で斬新。邪悪で過重な質量を纏うギターリフと、鋭利なグリッチサウンドが交差し、リズムの主導権を奪い合う様はまさしく圧巻の一言で、同時に呪詛のごときシアトリカルなスクリームは地球上で最も多様な Igorrr 劇場の開幕を告げています。
Igorrr の多様性、 “Sinusoid” サイドを体現する “ieuD”, “Houmous” の流れがシーンに与えるインパクトは絶大でしょう。ハープシコードとエレクトロビート、バロック音楽とエレクトロニカ。400年の時を超えて邂逅した、17世紀と21世紀を象徴するサウンドとジャンルは、4世紀のギャップなど存在しないかのように “ieuD” で魅惑の融合を果たしています。
中盤、荘厳なる美の結晶、狂気すら入り交じる Laure Le Prunenec のオペラティックな歌唱をコアとして、ブラストビートとブレイクビーツが入り乱れる魔展開は確かにカオティックですが、テクニカルで深層まで注意深くデザインされたそのコントラスト、タペストリーサウンドは、奔放、野性味というよりはコントロールされたカオスといった印象を与えていますね。つまり、彼のエクレクティックなチャレンジは、決して客寄せのサーカスではなく、自身の創造性、シネマティックな絵画を完成させるための絵の具や技法であるとも言えるでしょう。
“Houmous” で Igorrr のサウンドはさらにその世界を広げて行きます。”ieuD” で時空を超えた彼の音楽は軽々と地平をも飛び越えて進化を続けます。バルカン半島へとたどり着いた彼のイマジネーションは、バルカン音楽とエレクトロニカ、そしてブラストビートを結びつけ異形のエモーションを創出します。
音楽も多様なら舞台に上がる楽器の種類も実に多様。アコーディオンにサックス、フルート、そして楽曲の後半にはニンテンドーの実機を使用したチップチューン8bitサウンドまで登場するのですから、インタビューで “No Limits, No Boundaries” と断言するのも頷けますね。何より、今回の作品では全ての楽器が、サンプルではなく実際にプレイされており、その繊細かつオーガニックなサウンドはアルバムのリアリティーを飛躍的に高めていると同時に、作品のディレクションさえ以前よりソリッドにフォーカス成し得ていると感じました。アコースティック楽器とエレクトロニカサウンドのシュールなコントラストはアルバムの特筆すべき場面の一つでしょうね。
ムーブメントとしての djent が終焉を迎えシーンに定着した中で、Igorrr の”Savage” と “Sinusoid” を融合させる時代も空間も超越したユーフォリアは EDM や hip-hop が席巻する現在の音楽シーンだからこそ、新たなトレンドとしてモダンメタルをさらに前進させる可能性を多分に孕んでいます。インタビューでも語ってくれた通り、少なくともこのジャンルは未だに進化を続けているのですから。最後に、CATTLE DECAPITATION の Travis Ryan が3曲で無慈悲なグロウルを披露し、作品の “Savage” をより際立たせていることを付け加えておきましょう。
今回弊誌では、Gautier Serre にインタビューを行うことが出来ました。ほとんど多様性とコントラストについてしか言及しない Marunouchi Muzik Magazine ですから当然この作品こそ2017年上半期の最重要アルバムだと断言いたします。どうぞ!!

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Igorrr “SAVAGE SINUSOID” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【world’s end girlfriend : LAST WALTZ】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH world’s end girlfriend !!

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Japanese Post-rock, Electronica, Classical Music Maestro, world’s end girlfriend Has Just Released Shining New Album “LAST WALTZ”!!

DISC REVIEW “LAST WALTZ”

Post-rock, Electronica, Classical といった要素をミックスし、独自の美しき純粋音楽を作り上げる world’s end girlfriend (以下WEG) がフルアルバムとしては実に6年振りとなる新作 “LAST WALTZ” をリリースしました!!
WEG は音楽家、前田勝彦氏のソロプロジェクト。Virgin Babylon Records の主催として、Vampillia, Have a Nice Day!, Matryoshka といった先鋭的かつ研ぎ澄まされた感性を持つアーティストの作品を発表、サポートしつつ、AKB48 ドキュメンタリー映画の音楽を担当するなど、昨今のミュージックシーンでその存在感は確実に際立っています。
前作 “SEVEN IDIOTS” のリリースが2010年。それから日本は3.11を経験しました。現代日本の価値観を根底から覆した災害を前にして、多くのアーティストが希望の歌を奏でたり、悲しみの歌を紡ぐ中、WEG は自然と音楽を比較します。
命を育む母なる海が多くの命を奪っていく現実。何の感情も伴わず、善悪を超えたただ圧倒的な光景は音楽を超えている…その人間を介さない根源的な世界観は WEG の世界と強く通じるものでした。自然への挑戦。”LAST WALTZ”のテーマを自身の名前 “world’s end girlfriend” とした意味もそこにあります。
インタビューを読めば分かるように、WEG ほど純粋に音楽への奉仕を貫くアーティストはいないでしょう。”LAST WALTZ” に存在するのはただ”美しさ”のみ。そこにメッセージ、感情というフィルター、つまり人間はほぼ介在していません。WEG は媒体としてただ音楽が求める先を具現化する。まさにこの表現方法こそが、今回彼が追求しチャレンジした世界なのです。
ジャケット、MV など今回何度も使用された花はそれを象徴しています。何も語らずとも、花はその美しさだけで世界に影響を与えています。WEG の美しき音楽もただ存在するだけでリスナーへ命のありようを伝えます。
地震の揺れをダンスとして捉えた “LAST WALTZ” というタイトルには、同時に「死の舞踏」という意味も込められています。死を前にしても美しく踊る魂でありたい。粛々と生を全うすることの尊さ、命の持つ根源的な強さを表しているのです。直接的な表現では決して生まれないであろう、誠実さ、純粋さがここにはあります。
ぜひ “Flowers of Romance” を聴いていただきたいと思います。13分の美しさを極めた至上のワルツはまさにメメント・モリ。死を前にして悠然と優雅に舞う魂が、音を通して見えるはずです。
ダークシンセ、ストリングス、ソプラノボイス、エレクトロビート、ノイズ。全てが WEG というマエストロの手に集まり具現化されたあまりにも圧倒的な死のダンスは、アートは自然に勝るのかという問に対する無言の回答として、その存在、楽曲という命に大きな意味を生んでいますね。
今回弊誌では、WEG にインタビューを行うことが出来ました。最もクリスマスらしく、実は最もクリスマスらしくないアルバムかもしれませんね。どうぞ!!

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world’s end girlfriend “LAST WALTZ” : 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SRV. VINCI : MAD ME MORE SOFTLY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DAIKI TSUNETA OF Srv.Vinci!!

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JAPANESE “ROCK THE NEW CHAPTER” HAS BEGUN!! Srv. Vinci HAS JUST RELEASED INCREDIBLE DEBUT ALBUM “MAD ME MORE SOFTLY”!!

例えばヘンドリックスだったり、例えばカート・コベインだったり、例えばシド・ヴィシャスだったり。ジャンルやシーンが誕生する時、そこには必ずアイコン的な人物が登場します。今回インタビューを行った Srv.Vinci の常田大希さんもそういった存在ではないか?音楽を聴いてご回答いただくうちに、そんな思いを強くしました。Srv.Vinci は東京出身の4人組。バンドの中心人物、常田さんは東京芸術大学でチェロを専攻していたという経歴の持ち主。クラッシックの素養は勿論、ジミヘンで音楽に目覚めたというロックな一面、そして日本でも新しいジャズのムーブメントを起こそうと行われた TOKYO JAZZ SUMMIT に招聘されるなどジャズに精通する一面も併せ持っています。そんな奇才の音楽が具現化されたのが Srv.Vinci のデビュー作 “Mad Me More Softly” です。一聴して感じたことは”日本からも遂にこんなアーティストが現れたのか…”。クラッシック、ブルース、ジャズ、ロック、ヒップホップ、エレクトロニカ…西洋音楽と総称される音楽ジャンルを全て詰め込んだのではと思えるほどカラフルでエクレクティックなサウンドに圧倒されました。RADIOHEAD に初めて出会った時の様な感覚かも知れません。”メジャーシーンの考え方と相入れるのは難しいと思う。でもそんなこと気にする事はなくて。まったく日本を意識したくないじゃん。ジャズでもロックでもポップでもなんでも、世界目線でポップであれば俺はいいと思うけどね。最終的に目指すのは。そう思ってやってますよ。” (Jazz Summit Tokyo インタビューより) 以前拝見したインタビュー、この一節に非常に共感を覚えたのですがまさに世界目線なサウンドであることは強調して置かなければならないでしょう。Robert Glasper をアイコンに掲げジャズの新たな地平を切り開く Jazz The New Chapter。Flying Lotus を首領とし、ヒップホップの新形態、斬新でクールなビートを模索する Brainfeeder。そして Kendrik Lamer, D’Angelo といった、今まさに世界の先端を走るイノベーターたちのサウンドと比肩し得るほど高いクオリティとチャレンジスピリットを兼ね備えた作品だと断言出来ると思います。同時に、先述したアーティストたちが重要視しているポップ性やアートワーク、PVを含む”見せ方”を Srv.Vinci も大事にしていて、世界でも認められる可能性を強く感じさせます。ぜひ今回のインタビュー、そして勿論彼らの音楽から Srv.Vinci の”アナーキズム”を感じていただきたいですね。どうぞ!!

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MMM RATING⭐️

Srv.VINCI “MAD ME MORE SOFTLY” : 9/10

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PICK UP ARTIST + INTERVIEW 【CORPO-MENTE】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH IGORRR AND LAURE OF CORPO-MENTE !!

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STRANGE BUT BEAUTIFUL !! FRENCH GENIUS IGORRR’S NEW PROJECT CORPO-MENTE JUST RELEASED AWESOME DEBUT ALBUM “CORPO-MENTE” !!

フランスの奇才 IGORRR が新たなプロジェクトでアルバムをリリースしました。自身がプロデュースを手掛ける Öxxö Xööx(LIVE メンバーのよう), RICINN の LAURE LE PURNENEC をボーカルに据えた CORPO-MENTE の音楽は自身のプロジェクト IGORRR とは少々異なっています。プログレッシブなブレイクコアの傑作となった IGORRR の “HALLELUJAH” ではエレクトロ、クラッシック、ワールドミュージック、デス/ブラックメタル、トリップホップといった雑多なジャンルを巧妙にミックスし、独自の世界観を綿密に構築していました。CORPO-MENTE では LAURE という女性ボーカルを核に据えているためデス/ブラック要素を極力排除し、代わりに IGORRR のトレードマークともなっているクラッシック/オペラ的要素を存分に強調、披露した作品となっています。LAURE の魂を揺さぶるかのような絶唱とアルバム全体で1曲であるかのようなドラマチックで壮大な構成が絶妙にマッチし新たな音楽世界を提示していますね。IGORRR に LAURE も加わって弊誌のインタビューに答えてくれました。

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【TONY MACALPINE : CONCRETE GARDENS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TONY MACALPINE !!

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LEGENDARY GUITAR VIRTUOSO TONY MACALPINE SET TO RELEASE AWESOME NEW ALBUM “CONCRETE GARDENS” ON 4/21!! 

【PRE-REVIEW “CONCRETE GARDENS”】

STEVE VAI との共演は勿論、PLANET X, CAB, RING OF FIRE, など多数のプロジェクトに参加。同時に数多の名作ギターインストソロ作品を残してきたギター・ヴィルトゥオーソ TONY MACALPINE。4/21 に4年ぶりのソロアルバム “CONCRETE GARDENS” をリリースします。自身の名を冠した10年ぶりのソロ作品、前作 “TONY MACALPINE” では、彼のソロ作品としては初めて多弦ギターを導入。現代的なへヴィネスと彼の持つクラッシックやジャズへの深い素養を組み合わせたような快作で、彼の復活を印象付けました。ドラムに名手 AQUILES PRIESTER を起用した 新作 “CONCRETE GARDENS” はその方向性をさらに推し進めたような作品です。アルバムオープナー、”EXHIBITIONIST BLVD” から DJENTY なリフと彼らしいロマンチシズムの融合が素晴らしくアルバムの雰囲気を伝えます。次の “THE KING’S RHAPSODY” はさらにヘヴィー&グルーヴィー。MESHUGGAH ライクな8弦リフも見事に活用。 “EPICA” にも同様のリフは登場しますがこちらは STRAVINSKY のような現代音楽の影響も感じます。彼のスイープテクニックは完全に群を抜いていて、しかも純粋に楽曲のために使用しますが “MAN IN A METAL CAGE” はまさにそんな曲。ARCH ENEMY の JEFF LOOMIS が参加した “SQUARE CIRCLES” はギターの掛け合いが GEORGE LYNCH との “TEARS OF SAHARA” を想起させます。ラストの2曲 “CONFESSIONS OF A MEDIEVAL MONUMENT” “CONCRETE GARDENS” はまさに圧巻。彼のトレードマークはギターハーモニーと転調なのですが、それらを惜しむ事なくふんだんに使用したクラシカルでエモーショナルな楽曲です。後者は MACALPAIN + DIENT といった感覚もありますね。お馴染みピアノのソロ曲でアルバムは幕を閉じます。一所に留まらず、常に挑戦を続ける TONY らしいアルバム。ヘヴィーな “CONCRETE” と 美しい”GARDENS” の対比をお楽しみ下さい。

CONCRETE GARDENS: RATING 9/10

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