タグ別アーカイブ: Punk

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ENDON / SWARRRM : 歪神論 -EVIL LITTLE THINGS-】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TAICHI NAGURA OF ENDON & KAPO OF SWARRRM !!

“To Me, Extreme Music In Japan Seems To Have a Spirit Kind Of “Fuck While Being Fucked” And Yeah…I Can Hear It. The Situation Is Often Forgotton Unconsciously.” By Taichi Nagura

“I’m Not Sure What The Punk / Hardcore Spirit Specifically Refers To. The Spirit Should Be Different For Each Individual.” By Kapo

DISC REVIEW “歪神論 – EVIL LITTLE THINGS –

「日本でバンドをやるということが常に既に”Made in Occupied Japan” であるという事実をわざとらしくモチーフとしました。反体制とかアナーキズムについては特には意識していませんね。”Made in Occupied Japan”が表すのはアメリカにファックされているという事実です。」
日本のエクストリームミュージックは “やりながらやられている”。ENDON の那倉太一氏が語るのは、白人が生み出したロック、もしかすると文明そのものへと過度に依存する日本の歪。大多数の日本人が “アメリカにファックされている” 事実を黙過する中、ENDON と SWARRRM、国産グラインドの二巨星は全てを直視し、共鳴し、未だ “更新の余地” があるべきロックの地平を開拓し続けます。
少なくともロックの教科書には、グラインドコアの源流とされるパンクロックについて、反体制的でアナーキーなアティテュードだと記されています。では、彼らの放ったスプリット “歪神論 -Evil Little Things-” とは、未だ白人に対するコンプレックスを抱き続ける日本の愚かしき権力に贖う音楽の形をした何かなのでしょうか?
那倉氏は「だいたい現政権や差別主義者を否定するのにわざわざ他人のスピリットなんて必要でしょうか。」と応じます。
さらに SWARRRM Kapo氏の言葉は象徴的です。「パンク/ハードコアのスピリットが具体的に何を指すのか不明ですが。大体、個でスピリットは違うはず。パンク/ハードコアのスピリット=左寄りと限定することがパンク全体主義であると考えます。一人一人が違う意見であるという事を当然のように理解される環境こそが必要なのでは。」
天上天下 唯我独尊 三界皆苦 吾当安此。”全宇宙のなかで、私たちは皆がたった一つの尊い存在。苦しみに溢れる世界で、私はその苦しみを気にかけるために生まれてきたのだ”。ENDON と SWARRRM、両者に流れる血潮にはきっとこの釈迦の言葉が刻まれています。それは啓蒙や扇動からは程遠いしかし世界にとって枢要な境地。
さらに Kapo 氏は “唯我独尊” のイデアこそが互いを惹きつけると語ります。「いつの時期にもそれぞれの時期のイケてると言われる価値観を共有する集団はいます。シーンというのかもしれません。そういう価値観に影響される事を拒否できるバンドの一つではないかと判断して仲良くさせてもらってます。SWARRRMはご存知かもしれませんが、良くも悪くもそういう事とは常に無縁の活動を長年続けてます。」
なるほど、歪神論で提示された両者の音の葉はそうして確かにシンクロしています。
「グラインドのシンボルであるブラストビートが炸裂する瞬間は、機関銃による戦闘の開始場面のようであり、多分に射精的な快楽を表象しています。」
インテンスの極みであるブラストとDビートは、ロックらしいギターのコードやリフワークと相対し確かに融解します。その位置から、カヴァー曲も含めてノイズの地獄や歌謡の宴といったそれぞれの蟻地獄へと引き摺り込む唯我の方法論も見事。
加速する混沌に逆行するロックのギタリズム。その二律背反にも思えるエナジーはしかし確かに白人のロックに魅せられ奪われた後、踏み倒し、疾風迅雷のうねりをあげる極東のモンスターに違いありません。ハードコアの脱領土化はここにその一歩を踏み出しました。
今回弊誌では、那倉、Kapo 両氏にインタビューを行うことが出来ました。「私自身ロックと政治の関係性に特別な物を求めていません。主張や左右の風向きは時代時代で変化あってしかるべきと考えます。過去の主張や精神が現代に有効とは考えませんし、過去の物事を全く美化して捉えてないし、美化されたロマンチックなロックの教科書も信じません。」どうぞ!!

INTERVIEW WITH TAICHI NAGURA & KAPO

PHOTO BY YOSUKE TORII

Q1: First of all, what made you release split EP?

【NAGURA】: I’ve been “good listener” since I was a teenager and have really loved A split with BLOODRED BACTERIA, “Nise Kyuuseisyudomo” and “BLACK BONG”.
My career started with the fusion of GRIND and noise / industrial, free form. You know that SWARRRM advocates “CHAOS & GRIND”. But for me, they are important Merkmal who maintains playing without relying on free-form / improvisation and the superiority of traditional guitar rock while arranges the state of bustle.
In that sense, it becomes great opportunity to emulate and learn from a skilled person.
Although it is already a dimension of fiction, I enjoyed producing this sound source as a split of domestically produced GRIND.

【KAPO】: This is a proposal from Mr. Hamada Daymare. Of course I like ENDON, and I had a long relationship with them. Yeah, and I love their changes from the beginning which were always exciting and pleasing.
There are groups that share values that are said to be cool at each time. It may be a scene.
I think that it is one of the bands that can refuse to be influenced by such values, so I love them.
You may know ourselves, but we has always been here without related “scene” or “movement” for many years.

Q1: まず、今回 ENDON と SWARRRM がスプリットを出すことになったきっかけ、互いに共鳴した部分からお話ししていただけますか?

【NAGURA】: 僕は10代からのSWARRRMの良き聴き手です。BLOODRED BACTERIAとのsplit、『偽救世主共』、『BLACK BONG』を偏愛してきました。
私のキャリアはGRINDとノイズ / インダストリアルやフリーフォームの融合に端を発しています。SWARRRMが”CHAOS & GRIND”を標榜しているのはご存知かと思いますが、僕にとっては、フリーフォーム / インプロビゼーションに依拠しない演奏、伝統的にロックが持つギターの優位性を維持したまま喧騒状態をアレンジするバンドとして重要なメルクマールです。
そういった意味でも胸をお借りしました。
もはやフィクションの次元ですが、僕はこの音源を国産GRINDのスプリットとして制作することを楽しみました。

【KAPO】: Daymare濱田さんからの提案です。もちろんENDONの事は好きですし、彼らとも長い付き合いになり当初からの変化も常に刺激的で好感を持って見てました。
いつの時期にもそれぞれの時期のイケてると言われる価値観を共有する集団はいます。シーンというのかもしれません。
そういう価値観に影響される事を拒否できるバンドの一つではないかと判断して仲良くさせてもらってます。
SWARRRMはご存知かもしれませんが、良くも悪くもそういう事とは常に無縁の活動を長年続けてます。

Q2: “How to accept and digest the rock / punk produced by white people and what to put out as a Japanese?” Is the big theme in this split, right?

【NAGURA】: Rather than a big theme, the idea of ​​having a band in Japan is already “Made in Occupied Japan”. I’m not particularly aware of dissidents or anarchism. “Made in Occupied Japan” represents the fact that we Japanese are fucked by the United States.
On the other hand, the moment when the blast beat, the symbol of grind, bursts seems to be the starting scene of a machine gun battle, and it represents a much more ejaculating pleasure. To me, extreme music in Japan seems to have a spirit kind of “fuck while being fucked” and I can hear it. The situation is often forgotton unconsciously. So I wrote it down.
Considering overseas distribution as a matter of course , we first decided the balance between Japanese and English languages ​​used around the package.
I have shared with SWARRRM that the title of the split is in Japanese and “Made in Occupied Japan” is engraved and the cover of the foreigner’s song is recorded.
ENDON first decided to make the song title English and the lyrics mixed with Japanese and English, and to include a cover of the song made by white people.
This was decided in consideration of my career as a listener of J-POP / ROCK from the 90s to the zeros.
In the end, SWARRRM also chose a white song, and only Japanese was used for the title and lyrics.

【KAPO】: In the textbook of rock / punk, the spirit of “dissent” and “anarchism” was a driving force of rock / punk in Europe and America, but was it true?
I do not seek anything special about the relationship between rock and politics. I think that the assertion and the direction of the left and right winds should change with the times.
I don’t think past claims and spirits are valid in the present day, I do not beautify past things at all, and I do not believe in any beautifully-textured romantic rock textbooks. The four of us with low group consciousness will not unite and criticize or express anything.

Q2: 「白人が産んだロック/パンクをいかに受け止め消化して、日本人として何を出すか?」が今回のスプリットにおいてビッグテーマであると伺っています。かつて欧米のロック/パンクの原動力には、やはり “反体制” “アナーキズム” の精神があったと思います。一方で、日本において “反体制” のムーブメントは、特に昭和50年代以降起こったことはなかったように思います。
今、この時期に日本人としてのロック/パンクを提示するという意味は、裏を返せば現政権、さらに言えば “Made in Occupied Japan” の言葉が象徴するように、戦後から米国の “庇護下” にあり続けた日本への “反体制” を表明しているようにも思えますが?

【NAGURA】: ビッグテーマというより、日本でバンドをやるということが常に既に”Made in Occupied Japan” であるという事実をわざとらしくモチーフとしました。反体制とかアナーキズムについては特には意識していませんね。”Made in Occupied Japan”が表すのはアメリカにファックされているという事実です。
その一方でグラインドのシンボルであるブラストビートが炸裂する瞬間は、機関銃による戦闘の開始場面のようであり、多分に射精的な快楽を表象しています。私には、日本のエクストリームミュージックは、そのような”やりながらやられている” という関係性を孕んでいるように見えるし、聴こえます。この成立要件が無意識に追いやられていることが多い。だからわざわざ記しました。
海外流通は当然するものとして見立てて、パッケージ周りで使う言語の和英のバランスを最初に決めました。
スプリットのタイトルを日本語にして”Made in Occupied Japan”と刻印すること、外人の曲のカヴァーを収録することはSWARRRMと共有させて頂きました。
ENDONとしては、曲タイトルは英語、歌詞は和英入り混じったものにすること、白人が作った曲のカヴァーを入れることを先ず決めました。
これは90年代からゼロ年代の私のJ-POP/ROCKのリスナーとしての遍歴を顧みて決めました。
蓋を開けてみたところ、SWARRRMも白人の曲を選び、タイトルと歌詞には日本語のみが使用されていました。

【KAPO】: 欧米のロック/パンクの原動力には “反体制” “アナーキズム” の精神があったとロックの教科書には書いてますがどうなんでしょう?
私自身ロックと政治の関係性に特別な物を求めていません。主張や左右の風向きは時代時代で変化あってしかるべきと考えます。
過去の主張や精神が現代に有効とは考えませんし、過去の物事を全く美化して捉えてないし、美化されたロマンチックなロックの教科書も信じません。集団意識の低い我々4人が一致団結して何かを批判したり表明したりすることは無いです。

Q3: On the other hand, ironically, I feel that the unhealthy Japanese right-tilization and totalitarianism are accelerating recently. In that sense, it seems that we need a punk / hardcore spirit right now?

【NAGURA】: I don’t think that is necessary, and reading is better, maybe.
It’s not something that requires spirit, but something that comes naturally. Kind of identity, right? In that sense, I am not in a position to enlighten it. Because we are not hardcore.
Is it necessary to have the spirit of others to deny the current government or discriminators?
Also, I think the punk and hardcore minds are completely different. Punk is not directly linked to enlightenment. It’s common for punk rock music lovers to find on hardcore spirituality. However, punks are worn with aesthetic judgment with some kind of flirtyness of that era. I don’t think the current punks always take the position of leftists or liberals. Rather, there may be more punk now in the otaku.
The current left / liberal is “conservative” in its original sense and appears to have a very high affinity with the hardcore mind.

【KAPO】: I’m not sure what the punk / hardcore spirit specifically refers to. The spirit should be different for each individual. We consider that when you say punk / hardcore spirit is always left, that’s punk totalism .In the past, the idea of being free to move left and right up and down was only heard in textbooks that have passed time and are romantic, and as a result, punk totalitarianism has become a natural scene. I understand that the left looks better than the right for the rock. It is necessary to have an environment where it is natural to understand that each person has a different opinion. In other words, I, middle aged, can’t really hold the attitudes of young people at that time.

Q3: 一方で皮肉にも昨今、日本人の不健康な右傾化、全体主義が加速しているようにも感じます。そういった意味でも、今パンク/ハードコアのスピリットが必要にも思えますが。

【NAGURA】: そういったものが必ずしも必要だとは思いませんし、読書の方がより為になるんじゃないでしょうか。
スピリットが必要とかそういうことじゃなくて、自ずと成るものでしょう。今風に言えば当事者性ですか。そういう意味で私はそれを啓蒙する立場にありません。私たちはハードコアではないので。
だいたい現政権や差別主義者を否定するのにわざわざ他人のスピリットなんて必要でしょうか。
また、パンクとハードコアのマインドも全然違うと思うんです。パンクは啓蒙とは直結しません。パンクロック音楽愛好家がハードコア心性に着地するのはよくあることでしょう。ですが、パンクはその時代時代のある種の軽薄さを伴った美的判断ありきでかぶくものです。現行のパンクが必ずしも左派やリベラルといった立場をとるとは思いません。むしろ今ならパンクはオタクの中の方にこそ多いかもしれません。
現行の左派 / リベラルは本来の意味において「保守的」であり、ハードコア心性との親和性は非常に高いように見えます。

【KAPO】: パンク/ハードコアのスピリットが具体的に何を指すのか不明ですが。大体、個でスピリットは違うはず。パンク/ハードコアのスピリット=左寄りと限定することがパンク全体主義であると考えます。過去において左右上下自由な発想であったものが、時間が過ぎロマンチックで美化された教科書でしか伝聞されなかった結果、パンク全体主義が当然のシーンになってるのでは。
ロックには右より左がよく似合うというのは理解できますが。一人一人が違う意見であるという事を当然のように理解される環境こそが必要なのでは。もっといえば、当時の20代の若者の主張や態度を現在中年になった私がまともに取り合うことは到底出来ません。

Q4: I think there are many different ways to put politics into music. ENDON sending a strong message on your SNS account, right? On the other hand, there is little disclosure about the political stance of SWARRRM, right?

【NAGURA】: Oh, yes. But I don’t think it’s a very strong message. However, a lot of DMs were sent by Netouyo-like people.
We don’t know much about what is ENDON’s sound in, and we aren’t even thinking about it. Because it is not our art form that makes social problems into works. Of course, it would be easy to find politics in us if analyzed.
Rather than incorporating politics into music, I just have a political opinion.
The SNS discourse is personal to me, but I have never discussed with other members whether this is the official view of ENDON. However, I think that they have positive views of our current situation that I represent.

【KAPO】: We have always ignored many questions about SWARRRM’s political stance regarding the incorporation of politics into music, but I would like to answer it because MMM has been indebted before. I have been a member of the Communist Party Federation organization for over 20 years and inevitably donate.
But I’m not just a communist. I feel or agree with the role of the Communist Party in the capitalist society. There is currently no support for specific political parties. I agree with this bill for the Liberal Democratic Party, but there is also opposition to other bills. Of course, the same applies to other parties.
What is rock band political participation? Assistance on SNS or raising your thoughts? Are you going to participate in the demo? Is it a donation that is considered effective in a capitalist society? Each of them has its own values ​​and opinions.
If it’s “It ’s better to say than not to say” like mind, I don’t say nothing.
If the stance of young people in their early 20s in the 70s and 80s is the same as the middle age of the 21st century, it cannot be said that the value is the same.

Q4: 音楽に政治性を織り込むことに関しては、様々な見方があると思います。ENDON は SNS のアカウントにおいても強いメッセージを発信していますね?
一方で、SWARRRM の政治的なスタンスについてはほぼ明かされていませんよね?

【NAGURA】: ああ、そうですね。でも、大して強いメッセージとは思いません。とはいえ、沢山のDMがネトウヨ的な人物からは寄せられました。
ENDONの音に何が織り込まれているかは、私たちも大して知りませんし、そういったことを考えて作ってもいません。社会問題を作品化する芸風ではないので。無論、分析すれば政治性を見出すのは容易いことでしょうが。
音楽に政治を織り込んでいるのではなく、単に私が政治的な意見を持っているだけです。
SNSの言説は私個人のものですが、他のメンバーとこれがENDON の公式見解かどうかを話し合ったことなどはありません。ただ私が代表象している現状を肯定的に捉えてくれていると思います。

【KAPO】: 音楽に政治性を織り込むことに関して、SWARRRMの政治的スタンス等の質問を今までも多々受けまして常に無視していましたが、MMM様には以前もお世話になったので答えようと思います。私自身は20年以上共産党系連合組織の会員になっており必然的に寄付等も行っています。
ただ共産主義者ではないです。資本主義社会における共産党の一部の役割に賛成もしくは必要性を感じています。特定政党を応援するという事は今のところありません。自民党に対してもこの法案には賛成だが他案に対しては反対もある。もちろん他党についても同様です。
ロックバンドの政治参加とは何か? SNSで応援したり自分の考えを上げることか? デモに参加することか? 資本主義社会で有効と考えられる寄付をすることか?それぞれ価値観、意見あって当然と考えます。
言わないより言った方がマシ、的な考えなら私は言いません、が私のスタンスです。
70、80年代の20代前半の若者のスタンスと21世紀の中年のスタンスが同じでは 同じ価値とは言えません。

Q5: So, what’s “Japanese taste” in music for you?

【NAGURA】: I haven’t made the idea of “Japaneseness” for ENDON. What is it? A scale yona nuki?.

【KAPO】: I have never been conscious of Japaneseness in my long activities. MMM had a similar question in previous interviews, so you felt the necessity of Japaneseness strongly, but I am not interested at all. Still, if you can feel the Japanese style, you can only think of it as a habit that permeates ourself.

Q5: 例えばグランジ/オルタナティブは、当時世界での熱狂とは裏腹に一部のバンドを除き日本ではほぼ無風状態でしたよね。
そういったガラパゴス的な状況に対してよく語られるのが “日本らしさ” とか “日本人好み” という言葉です。お二方にとって音楽的な “日本らしさ” とは何ですか?

【NAGURA】: ENDON にとっての”日本らしさ”なんて考えて作っていません。なんでしょうね。ヨナ抜き音階?

【KAPO】: 当時日本のアンダーグランドな音楽シーンはグランジ/オルタナティブ・ブーム一色だったと記憶してますが、違いましたっけ? 長い活動の中で日本らしさを意識した事は一度もありません。
MMM様は以前のインタビューでも同様の質問がありましたので、日本らしさの必要性を強く感じてらっしゃる様ですが、私自身は全く興味ありません。それでも日本らしさを感じていただけるのなら自身に染み付いた癖等としか考えられません。

Q6: ENDON selected Johnny Thunders “Cosa Nostra”, SWARRRM selected THE STOOGES “I Wanna Be Your Dog”, and THE MONKEYS was the original song, SEX PISTOLS, and Sid also covered “Steppin ‘Stone”.

【NAGURA】: The song is selected by koki. We really like Johnny Thunders. Johnny Thunders has many stories other than music. It seems that Koki chose it because it was a song that such a person made it only with images. Please listen to the original song. A song that just says the name of a Sicilian gang several times. Did he think of it as the source of his favorites? It’s definitely Koki’s way that he chose a song that has enough room for such an appropriate image. Well, in the end, it’s on impulse.

【KAPO】: It’s just on impulse..I wanted to combine it and write “I Wanna Be Your Stone”, but we couldn’t do that due to copyright.

Q6: ENDON は Johnny Thunders “Cosa Nostra” を、SWARRRM は THE STOOGES “I Wanna Be Your Dog”, それから THE MONKEYS が原曲で SEX PISTOLS, シドもカヴァーした “Steppin’ Stone” をそれぞれカヴァー曲に選んでいます。

【NAGURA】: 選曲はコーキです。僕ら凄くJohnny Thunders好きなんです。Johnny Thundersって音楽以外の話も多いですよね。そんなひとがほぼイメージだけで作った曲ということで選んだようです。
これは是非原曲聴いてみてください。シチリア由来のギャングの名称を何回か言うだけの曲。自分の好物の出所として思いを馳せたんでしょうか? そういう適当なイメージが入り込む余地ばかりの曲を選んだのはコーキらしいです。まあ、要は思いつきです。

【KAPO】: 単純に思いつきです。合体させて”I Wanna Be Your Stone”と表記したかったのですが、著作権的に無理でした。

Q7: Finally, what part of the new song reflects the phrase “There still have room to update rock”?

【NAGURA】: The wording of the press release is an evaluation by others. But of course we have responsibility on it. That song was told by my close friend that “hardcore territorialization break”.
By the way, I don’t talk about music at all, is this interview okay?

【KAPO】: I think there is non partly. I haven’t done any special arrangements that should be noted. Still, if you listen to it, you will feel the answer. All the members are proud of the best results of our activities in over 20 years.

Q7: 最後に、「今でもロックに更新の余地がある」の言葉は、新曲のどういった部分に反映されていますか?

【NAGURA】: プレスリリースの文言とはあくまで他者による評価ですから。無論責任は持ちますが。あの曲は、親しい友人には「ハードコアの脱領土化」と言われました。
ところで、音楽の話、全然しないですけど、このインタビュー大丈夫ですか?

【KAPO】: 部分的には無いと思います。特筆すべき斬新なアレンジも行ってないです。それでも一聴していただければその答えを感じていただけるのではと思います。
20数年における活動の中、最高の出来とメンバー皆自負してます。

ENDONも登場!leave them all behind 2020の詳細はこちら。Daymare Recordings

ENDON/SWARRRM Release Show

10/13(日)東京: 新大久保Earthdom 『歪神論 -Evil Little Things-』release show
w/ Klan Aileen, SOLVENT COBALT, KLONNS DJ: CHIRO, YWK1
チケットの詳細はこちら。
ENDON
01. Cosa Nostra (JOHNNY THUNDERS) 02. Constellation for Triumph
SWARRRM
03. 涙
04. I Wanna Be Your Dog (THE STOOGES)
~Steppin’ Stone (THE MONKEES/SEX PISTOLS etc)
歪神論 -Evil Little Things-のご購入はこちら。
ENDON Official Site
-3LA- LongLegsLongArms Records こわれはじめる / SWARRRM

mmmB5dvKwaCcAEznJZ

PLZ FOLLOW US ON FACEBOOK !!

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【GIZMODROME : GIZMODROME】JAPAN TOUR SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ADRIAN BELEW OF GIZMODROME !!

Gizmodrome_Group_1_c-Massimiliano-Cardelli_small-1501783559

The Police, PFM, Level 42, And King Crimson Got Together, Making An Strange But Absolutely Fantastic Record As Gizmodrome !!

DISC REVIEW “GIZMODROME”

ロック四半世紀の時を刻む、四人の傑出したミュージシャンが集結したスーパーグループ GIZMODROME が唯一無二の色彩を放つデビュー作 “Gizmodrome” をリリースしました!!マエストロが紡ぐ多彩かつユニークな “パンクプログ” “プログレッシブポップ” の造形は、ある種定型化したシーンに贖いがたい魅力的な誘惑を放ちます。
THE POLICE の大黒柱 Stewart Copeland を中心として、鍵盤の魔術師 PFM の Vittorio Cosma、LEVEL 42 のスラップキング Mark King、そして KING CRIMSON のギターイノベーター Adrian Belew が参集。GIZMODROME はパンク、ポップ、ニューウェーブが花開いた80年代初頭の風をプログレッシブのテクニックに乗せて運ぶ素晴らしき “Gizmo” “仕掛け” の体現者だと言えるでしょう。
「レコーディングの鍵は素早さだったね。長々と時間をかけることなく、ただ楽しんで行ったんだ。」 と Adrian が語る通り、アルバムは音楽本来のワクワク感、楽しさ、多幸感に満ちています。
アルバムオープナー、”Zombies In The Mall” は GIZMODROME の “生態” を目の当たりに出来る楽曲かも知れませんね。THE POLICE が遺したポップパンクの遺産と、LEVEL 42 のジャズファンクが、プログレッシブなポルカの上でダンスを踊る奇跡。Stewart 自らがプレイしたというトロンボーン、Adrian の巧みなアコースティックギターも重要なアクセントになっていますね。
実際、バンドはポップパンク、ロック、ジャズファンク、プログレッシブという異なるジャンルから一名づつ選抜されたハイブリッドな “多音籍軍”の 顔を持ちます。そしてその4人の選ばれしヴァーチュオーソは究極に楽しみながら、ユーモラスなまでにエクレクティックな音楽のショーケースを披露しているのです。
“イタリア” というロケーションが、この自由で楽観的なムードに更なる追い風となった可能性もありますね。Stewart もレコーディングにおいて、話題の大半が音楽ではなく、パスタやピザについてだったと認めています。
勿論、GIZMODROME のフレキシビリティーが Frank Zappa に通じると感じるリスナーも多いでしょう。事実、レコードの大部分でリードボーカルを務めた Stewart のモノトーンな声質やイントネーションは、Zappa のそれと近いようにも思えます。
インタビューで Adrian が語る通り、Adrian & King のメロディックなコーラスが Stewart のボーカルを際立たせ、VAN HALEN におけるダイヤモンドデイヴの如く極上のストーリーテラーに仕立てあげている部分も、マルチに歌えるバンドならではの実に興味深いチャレンジですね。”Summer is Coming” の BEACH BOYS もしくは TOTO を想起させるコーラスワークは、まさに GIZMODROME の豊潤な可能性の一つだと言えるでしょう。
もしかしたら GIZMODROME は最も成功した音楽の “Back to the Future” なのかも知れません。「僕は二つの要素をミックスするのが好きだね。テクノロジーとオーガニックをね。」 と Adrian が語るように、確かに “Gizmodrome” には古き良き時代の大らかな空気と、現代的なサウンド、コンテンポラリーで多様な創造性のエッセンスが奇想天外に共存しています。
“American People” を文字ったユーモラスな “Amaka Pipa” はまさにその象徴でしょう。Stewart のトライバルなリズムは、Adrian の異質でしかし温もりのある “Foxtone” と溶け合いラップ調のボーカルを誘います。ジャズのビートやブルースの精神まで内包したユニークかつ多彩な一曲は、ルーズで発想豊かなジャムセッションのムードとモダンなデザインを共有するバンドのランドマークなのかも知れませんね。
それにしても Rolling Stone 誌 “100 Greatest Drummers of All Time” で10位にランクした Stewart のドラミングはやはり伊達ではありませんね。左利きにも関わらず右利きのセットでプレイする彼の稀有なスタイルは、スネア、リムショット、ハイハットのダイナミズムに特別な魔法をかけ、THE POLICE 時代から培ったレゲエを初めとする世界中のリズムを見事にロックと融合させています。”Gizmodrome” の楽曲の大半がワールドミュージックを隠し味としているのは、Stewart がメインコンポーザーであることと密接にリンクしているのです。
今回弊誌では Adrian Belew にインタビューを行うことが出来ました。”Stay Ready” は象徴的ですが、彼の風変わりでイタズラ心満載のリックがなければ作品の魅力は半減していたことでしょう。さらには KING CRIMSON, Robert Fripp に対する愛憎入りまじる複雑な感情を、これほど顕にしたインタビューは世界でも初めてかも知れません。来年4月には来日公演も決定しています。どうぞ!!

20841122_1953629398252449_5073016089475384877_n-2

GIZMODROME “GIZMODROME” : 10/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【GIZMODROME : GIZMODROME】JAPAN TOUR SPECIAL !!

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MUTOID MAN : WAR MOANS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH STEPHEN BRODSKY OF MUTOID MAN !!

14463027_1282693865083769_1205438428190919894_n

Converge / Cave In Super Group, Mind-Blowing Behemoth, Mutoid Man Literary Melt Your Mind With Their Newest Record “War Moans” !!

DISC REVIEW “WAR MOANS”

CONVERGE, CAVE IN, ALL PIGS MUST DIE のメンバーが集結した突然変異のスーパーグループ MUTOID MAN が奔放かつ不遜、バッダースな新作 “War Moans” をリリースしました!!キャッチーなロックン・ロールのイメージを獰猛なメタルのアグレッションに投影した、チャーミングかつタイトなレコードはシーンの大いなる期待に応えて余りある一撃となりました。
シリアスで暗色調なアティテュードが枢軸となるコンテンポラリーなメタルシーン。狂気やユーモア、風刺を宿す MUTOID MAN のシアトリカルで本来のメタルらしいコンセプトは、実際異端で新鮮なカウンターとして際立っています。
インタビューにもあるように、”War Moans” は “セクシャリティ”、性行為や性的欲求にフォーカスした作品です。アートワークやタイトルが示すように、性的指向、欲求が日増しに暴走する現代社会を、戦争という極限状態へと投影しある意味戯画化することで、現代の異様さ “倒錯性” “変態性” を浮き彫りにしているのかも知れませんね。実際、バンドは “War Moans” を “Perverted” 変態的なレコードだと断言しています。そしてその柔軟なユーモアはポップセンスに、辛辣な毒気はアグレッションに姿を変えて作品の音楽性に反映されているのです。
文字通りリスナーの心を溶かすアルバムオープナー、”Melt Your Mind” はそういった彼らの意図を十二分に汲み取った楽曲です。キャッチーでスピーディー、ハイパーアクティブなバンドの新たなアンセムは、Brodsky のフックに満ちたギタープレイ、ファジーでラウドな Nick のベース捌き、そして Ben Koller の数学的かつダイナミックなドラミングに牽引されて、空襲にも似た爆発的なエナジーを発します。
加えて、あの VAN HALEN をも想起させるボーカルハーモニー “hoo-ooo” の火力も絶大で、物憂げなメロディーとの相乗効果は無上の中毒性をリスナーへと植え付けて行くのです。
続く”Bone Chain” ではさらにアンニュイなメロディーが中毒性を増し、MOTORHEAD meets QUEENS OF THE STONE AGE とでも形容可能、ドラッグのように危険でオルタナティブなキャッチーネスを創造していますね。
インタビューにもあるように、パンクやハードコアは勿論ですが、特に初期のメタルスピリット、80年代という時代を意識しリスペクトして制作されたアルバムで “Irons in the Fire” からタイトルトラック “War Moans” への流れはまさに作品を象徴しています。
MEGADETH の “Countdown to Extinction” をイメージさせる大仰なイントロ、スラッシュの衝動、テクニカルなシュレッド、インテレクチュアルなリズムワーク、シンガロングを誘うキャッチーなコーラス。”Irons in the Fire” は、かつてメタルが備えていた祝祭的な高揚感を胸いっぱいに浴びつつ、マスマティカルでスペーシーに味付けしたモダンな感覚と共に現代へと叩きつけているのです。
さらに SLAYER の “War Ensemble” に対する極上のオマージュにも思える “War Moans” では、あの時代を象徴するシュレッダー Marty Friedman が、トレードマークのコード感抜群で変拍子を切り裂くリードプレイでバンドの主張を代弁しています。
こういった凶悪な楽曲においても、Brodsky はスクリームや吐き捨てを駆使してあくまでメロディーを追い、勿論あの素晴らしき CAVE IN で確立したスタイルから遠く遊離する訳もありませんが、グロウルは使用していませんね。彼のそのトレードマーク自体も、グロウルが飽和気味な界隈に対する強いアンチテーゼ、風刺となっているように感じました。
とは言え、アルバムは決してオプティミスティックな押しの一辺倒ではありません。ブルージーでスロウ、スラッジーにバンドのシリアスな一面を見せつける “Kiss of Death” はアルバムの裏ハイライトとして作品に妙なる濃淡をもたらし、何よりこのマスターピースを締めくくる衝撃のパワーバラード、ダークな歌姫 Chelsea Wolfe を起用した “Bandages” では、慈愛と憂鬱の相反するエモーションを深々とサウンドに込め、バンドのジャンルスパニングでフレキシブルな才能を絶佳なるコントラストとして見事レコードに落とし込んでいるのです。
作品のプロデューサーでもある CONVERGE の Kurt Ballou が、カオティックに暴走する “Micro Aggression” ではなく、意外にもこの2曲にゲスト参加を果たしていることを付け加えておきましょう。
今回弊誌では、ex-CONVERGE で CAVE IN のマスターマインド Stephen Brodsky にインタビューを行うことが出来ました。マーティーさんによれば、「新しいアルバムはエグい! クッソかっこいい! メタルかロックかパンクか分からないけど、とにかく生々しいヘヴィ・ミュージック! コイツらはホンモノだ、保証付き!!」 だそうですよ。どうぞ!!

17796327_1473596632660157_8806910300092491507_n-2

MUTOID MAN “WAR MOANS” : 10/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MUTOID MAN : WAR MOANS】

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【VIVA BELGRADO : ULISES】JAPAN TOUR 2017 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH CÁNDIDO GÁLVEZ OF VIVA BELGRADO !!

unnamed-26

One Of Spain’s Most Well Thought Screamo/Post-Rock Act, Viva Belgrado Will Come To Japan With Splendid New Record “Ulises” !!

DISC REVIEW “ULISES”

スペイン、コルドバから世界を見据える激情ハードコア/ポストロックバンド Viva Belgrado 待望の初来日が Tokyo Jupiter Records の招聘により決定しました!! スウェーデンの巨人 Suis La Lune、スペインの熱風 Viva Belgrado、そして日本の新たな才能 Archaique Smile, Of decay and sublime が集結する二夜は、激情と美麗が交差する奇跡の瞬刻となるでしょう。
「鮮明で美しいアトモスフィアと、スクリームのコントラストを創造するのが好きなんだ。」インタビューで語ってくれたように、Viva Belgrado は情熱的な激情サウンドと、ポストロックの壮観なる美装を兼ね備えた南欧の逸材です。すでに欧州ハードコア/ポストロックのメジャーフェス Primavera Sound, Fulff Fest, ArcTanGent に出演を果たし、2年間で5度のユーロツアーを行うなどその勢いはまさにとどまるところを知りません。
バンドがリリースした最新作 “Ulises” は、都市や空港、オフィスといった現代社会の日常を舞台とした21世紀の叙事詩です。インタビューを読めば Cándido が各所で “True” “Honest” “正直” “誠実” というメッセージを発していることに気づくでしょう。
「僕たち自身の叙事詩を伝えたかった。」と語る Viva Belgrado の目的地は決して薄っぺらなプレハブの仮設物語ではなく、正直で誠実なアティテュードを携えたリアルなストーリーだったのです。
成功を収めたファーストフルレングス “Flores, Carne” のフォローアップとなる “Ulises” は、前作のアートワークに描かれた優艶な花々が “Ulises” のアートワークにおいて奔放に成長を果たしたように、自身の鮮麗なスタイルを磨き上げ、伸び伸びとしかし着実にスケールアップを果たした意欲作に仕上がりました。
アルバムオープナー “Calathea” は Viva Belgrado のその芳醇な音楽を象徴する楽曲です。パンクの推進力、ハードコアの衝動、ポストロックの情景、スクリーモの直情は、カラテアの新緑のごとく純粋に溶け合いバンドのリアルを伝えています。楽曲の隅々まで見透せるほどにクリアなプロダクションも白眉ですね。
Cándido の声はまさにこの叙事詩の主人公だと言えるでしょう。スクリームし、ラップし、アジテートし、朗読するそのボーカルはまさしく規格外で、さらにその全てがスペイン語を介することにより唯一無二の魅力を発していますね。
時に幸福を、時に悲哀を、時に情熱を、そして常に真実を運ぶ彼のリズミカルなラテンの響きは、リスナーに想像を超えるインパクトを与えることとなるのです。
実際、”Por la mañana, temprano” や “Apaga la llum” は Cándido の存在が成立させた新たな風です。ローズピアノを使用しポストロックの論理で構築されたソフトで繊細な楽曲は、しかし同時にダンサブル。よりコンパクトでストレートな作品を目指したという “Ulises” において、パンクのエナジーで疾走する “Erida” のような楽曲と見事なコントラストを描き出していますね。
Cándido の囁くようなラップは、スペイン語のセクシーな語感を伴いながらエキゾチックで現代的なムードをもたらし、”Apaga la llum” では “En Tokio no paraba de nevar” / “東京では雪が止まなかったんだ” としっかり愛する日本についても触れています。
アルバムは DEAFHEAVEN の息吹を吸収した光のシューゲイズ “Ravenala” で壮大に幕を閉じました。
今回弊誌では、バンドのボーカリストでギターもプレイするCándido Gálvez にインタビューを行うことが出来ました。envy や La Dispute のファンもぜひチェックしてみて下さいね。どうぞ!!

a3808346354_10-2

VIVA BELGRADO “ULISES” : 9.7/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【VIVA BELGRADO : ULISES】JAPAN TOUR 2017 SPECIAL !!

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【PROTEST THE HERO : PACIFIC MYTH】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TIM MACMILLAR OF PROTEST THE HERO !!

pth-2-72dpi

Legendary Canadian Prog-Core Outfit, Protest The Hero Has Just Released Innovative New EP “Pacific Myth” !!

DISC REVIEW “PACIFIC MYTH”

高いテクニックと、モダン=多様性に富んだその音楽性で、Modern Metal を象徴する存在となっているカナディアンレジェンド PROTEST THE HERO が新たなメンバー、販売戦略を携え挑んだ新作 “Pacific Myth” をリリースしました!!革新的な音楽性で驚きをもたらしたヒーローは、マーケティングにおいてもシーンをリードしようとしています。
今日のメタルシーンでは当たり前のように行われているクラウドファンディングキャンペーン。有名、無名に関わらず現在多くのバンドを支える、このレーベルを介さずファンと直接繋がる販売戦略は、PROTEST THE HERO が前作 “Volition” で勇気を持って踏み出した一歩が発端だったと言えるでしょう。バンドはクリエイティブな可能性とモチベーションを手に入れ、ファンは音源以外にも特別なアイテムやマーチを手に入れられる、全てが Win-Win な “Volition” での試みは確かな成功を収めました。しかし、彼らはその場所にも満足せず、さらに合理的な一手を打って来たのです。
“Pacific Myth” で彼らが打ち出した新たな戦略は、サブスクリプションプラットフォームという手法でした。定額を支払ってくれたファンのみに、毎月フレッシュな新曲を配布するという野心的なその試みは、再び成功を収めたと言えます。7500人以上のファンが “Pacific Myth” のキャンペーンに参加し、バンドのエクスクルーシブなコンテンツに12$、25$の私財を投入したのですから。6ヵ月に渡る長いキャンペーンが終了した後、バンドは “Pacific Myth” にリマスター、リミックスを施し EP として新たにリリースすることを決断します。
オリジナルラインナップが崩壊し、ベーシスト Cam McLellan、ドラマー Mike Ieradi を新たに迎えて制作されたこの EP は、”Fortress” 以前、”Fortress” 以降と時にそのキャリアを分けて語られるバンドの命題に抗うかのような強い意志を発する作品です。
確かに “Fortress” は完璧で、同時にモダンの意味を定義するようなマイルストーンでもあります。さらに昨年行われた、オリジナルラインナップでのデビューフル “Kezia” 10周年記念ツアーの盛況を見れば、この作品の若々しいエナジーも同様に愛されていることが分かりますね。
故に、BETWEEN THE BURIED AND ME にとっての “Colors” と同様に、”Fortress” 以降の作品は、ハードコア色が薄れ、よりトラディショナルでメロディー重視の方向に舵を切った “Sucrrilous”, さらにはピンチヒッターで LAMB OF GOD の剛腕 Chris Adler の推進力を生かした強力な “Volition” を持ってしてもその高き頂きを超えるまでには至らないという評価に落ち着いてしまっているように思えます。
実際、PROTEST THE HERO の現状を憂うファンの多くは、おそらく若さが原動力の一つとなった “Kezia” “Fortress” の瑞々しく、型破りで、予測不能な一面を愛しているのでしょう。しかしバンドは必ず成熟して行きます。Rody はダーティーに奔放に歌うよりもしっかりと丁寧にキャッチーなメロディーを追う場面がほとんどですし、楽曲も様々な要素をエクレクティックに吸収しつつも 、予測不能なカオスよりも、インテリジェンスを感じる構成美で驚きを演出する方向へとシフトしています。
インタビューで Tim が”2つを融合させる方法を見つけた”と語るように、”Pacific Myth” では10年という月日が生んだジレンマを、バンドの過去と未来を自然に繋ぐことで跳ね除けるチャレンジが行われているのです。
“Harbinger” のエピカルなピアノイントロを聴けば、誰もが “Kezia” のマジックを想起するはずです。そしてこの楽曲に存在する、クラシカルでテクニカルでカオティックなサウンドは、まさに2006年の衝撃をリスナーに蘇らせる役割を果たします。
穿った見方をすればファンへ擦り寄ったとも思える原点回帰ですが、元来 PROTEST THE HERO が売りにしていたこの種のキャッチーさ、テクニカルなフックを敢えて再提示したのは、自らの遺産すら武器へと変換する余裕の表れと見るべきではないでしょうか。実際、アグレッシブな曲風に刹那挿入されるピアノとボーカルだけの美しき共演は、現在の彼らだからこそ生み出せる極上の瞬間です。
同様に、”Cold Water” で聴けるサルサのようなリズミックなアプローチ、”Cataract” のスピードとエナジーの中でみせる黒くソウルフルなアイデアもバンドの新たな領域を開拓していますね。
作品で最も意義深いトラックはアルバムクローサー “Caravan” だと言えるでしょう。構成美に拘るが故長尺化している昨今の楽曲においても、バンド史上最長の8分39秒は新鮮な驚きだと言えます。”安全な場所”から離れ、未来へ向けて船出を果たしたキャラバンは、トレードマークとも言える複雑なアルペジオや狂気のシュレッドに頼らずグルーヴ重視でフックを生み出すと共に、意外性に満ちた後半では、キーボード、クリーンギターを巧みに使用し見事なアトモスフィアさえ具現化。彼らの成熟を伝えていますね。
メロディーの美しさも白眉で、DREAM THEATER さえ想起させる壮大なフィナーレには圧巻の一言。実際、”Caravan” での Rody は、近年あまり感じられなかった生き生きとした表情豊かな歌唱を披露し、バンド全体が成熟と共に自然と自信を取り戻したようにも思えますね。
全てを総括し、未来へと舵を切った伝説。今回弊誌では、ギタリストでコンポーザー Tim MacMillar にインタビューを行うことが出来ました。昨年、Realising Media の招聘により行われた、8年振りの素晴らしい来日公演は記憶に新しいところですね。どうぞ!!

14494688_10154454454861147_8682516618388576834_n

PROTEST THE HERO “PACIFIC MYTH” : 9.4/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【PROTEST THE HERO : PACIFIC MYTH】

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【KVELERTAK : NATTESFERD】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ERLEND HJELVIK OF KVELERTAK !!

1401x788-Kvelertak-PUB-2-Stian-Andersen

Norwegian “Black n’ Roll” Sextet, Kvelertak Has Just Released Genre-Breaking, Acceptable New Record “Nattesferd” !!

DISC REVIEW “NATTESFERD”

Black Metal と Rock’n Roll, Classic Rock, Punk, Hardcore を見事に融合し、シーンから熱い注目を浴び続ける、ノルウェーの”Black n’ Roll” 6人組 KVELERTAK が新作 “Nattesferd” をリリースしました!!
前作までタッグを組んでいたプロデューサー、CONVERGE の Kurt Ballou、そしてアートワークを手がけて来た BARONESS の John Baizley と袂を分かち、地元ノルウェーでレコーディングを行った今作は、最もキャッチーで、具体的には80年代のメタルやロックを強く意識した作品に仕上がりました。HAKEN のインタビューでも触れましたが、80’s 回帰という音楽シーンの流れは確実にメタル/プログシーンにも影響を与えています。
アルバムオープナー、”Dendrofil for Yggdrasil” はまさに “Black n’ Roll”、KVELERTAK のスタイルを見事に表現しています。イントロの畳み掛けるようなブラストビート、トレモロリフは Black Metal 的で実にアグレッシブですが、同時に BOSTON のようなキャッチーなロック/アルペジオパートも存在し、その対比が強烈なフックを生んでいますね。
新作における彼らの主張を象徴するのが、文字通りあの時代の空気を強く内包した “1985” でしょう。スローテンポ、メジャーキーで執拗なまでに繰り返されるキャッチーなリフは VAN HALEN の “1984” に収録されていても不思議でないほど80年代しています。Simple But Effective。KVELERTAK の目指す先がこの楽曲、言葉に集約されることは明らかです。
勿論、US だけではなく、ヨーロッパからの影響も存在しますね。自慢のトリプルギターを活かしたタイトルトラック “Nattesferd” は Punk meets Metal の先駆者、IRON MAIDEN の初期2作を想起させます。大曲 “Heksebrann” のイントロでも聴けますが、Steve Harris、時に MOTORHEAD の Lemmy のような Marvin の縦横無尽なベースプレイに、アイデア豊富なトリプルギターが対峙するパートは鳥肌が立つほどエキサイティングです。さらに、メロディーもスクリームも自在に操るエネルギッシュな Erlend の歌唱は Paul Di’Anno を凌ぐほど。
一方、”Berserkr” では JUDAS PRIEST の “Exciter” を思わせるハードドライビングでストレートなリフが素晴らしく印象的ですね。メタルのアンセミックな1面に殊更フォーカスしている点も作品の重要なポイントとなっています。
80年代、ストレート&シンプル。今回 KVELERTAK は、シンプルかつキャッチーなリフを、リスナーの予想以上に何度も何度も繰り返し印象付ける手法を多く使用しています。それは本当に、ギターを始めて2ヶ月でコピー出来るようなフレーズばかりですが、最高に楽しく、繰り返しリピートを誘うものばかり。勿論、ただ単純な訳ではなく、考え抜かれた展開、エクレクティックな音楽性があるからこそ映えるのでしょう。遂に彼ら自らが公言する “Scandi-Rock” のガイドラインが固まったようにも思えますね。
サブジャンルの拡大や、新しい人気ジャンル Djent の勃興でテクニカルなものが持て囃される傾向が強い現代のメタルシーンですが、彼らがこのレコードでトライしたことはそれに対する強力なカウンターであり、見事に成功を収めていると感じました。
今回弊誌では、バンドのボーカル Elrend Hjelvik にインタビューを行うことが出来ました。神戸で生まれた彼が世界的に成功を収めていることは非常に誇らしいですね。どうぞ!

kvelertaknattesferd

KVELERTAK “NATTESFERD” : 9.8/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【KVELERTAK : NATTESFERD】