EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DAIKI TSUNETA OF Srv.Vinci!!
JAPANESE “ROCK THE NEW CHAPTER” HAS BEGUN!! Srv. Vinci HAS JUST RELEASED INCREDIBLE DEBUT ALBUM “MAD ME MORE SOFTLY”!!
例えばヘンドリックスだったり、例えばカート・コベインだったり、例えばシド・ヴィシャスだったり。ジャンルやシーンが誕生する時、そこには必ずアイコン的な人物が登場します。今回インタビューを行った Srv.Vinci の常田大希さんもそういった存在ではないか?音楽を聴いてご回答いただくうちに、そんな思いを強くしました。Srv.Vinci は東京出身の4人組。バンドの中心人物、常田さんは東京芸術大学でチェロを専攻していたという経歴の持ち主。クラッシックの素養は勿論、ジミヘンで音楽に目覚めたというロックな一面、そして日本でも新しいジャズのムーブメントを起こそうと行われた TOKYO JAZZ SUMMIT に招聘されるなどジャズに精通する一面も併せ持っています。そんな奇才の音楽が具現化されたのが Srv.Vinci のデビュー作 “Mad Me More Softly” です。一聴して感じたことは”日本からも遂にこんなアーティストが現れたのか…”。クラッシック、ブルース、ジャズ、ロック、ヒップホップ、エレクトロニカ…西洋音楽と総称される音楽ジャンルを全て詰め込んだのではと思えるほどカラフルでエクレクティックなサウンドに圧倒されました。RADIOHEAD に初めて出会った時の様な感覚かも知れません。”メジャーシーンの考え方と相入れるのは難しいと思う。でもそんなこと気にする事はなくて。まったく日本を意識したくないじゃん。ジャズでもロックでもポップでもなんでも、世界目線でポップであれば俺はいいと思うけどね。最終的に目指すのは。そう思ってやってますよ。” (Jazz Summit Tokyo インタビューより) 以前拝見したインタビュー、この一節に非常に共感を覚えたのですがまさに世界目線なサウンドであることは強調して置かなければならないでしょう。Robert Glasper をアイコンに掲げジャズの新たな地平を切り開く Jazz The New Chapter。Flying Lotus を首領とし、ヒップホップの新形態、斬新でクールなビートを模索する Brainfeeder。そして Kendrik Lamer, D’Angelo といった、今まさに世界の先端を走るイノベーターたちのサウンドと比肩し得るほど高いクオリティとチャレンジスピリットを兼ね備えた作品だと断言出来ると思います。同時に、先述したアーティストたちが重要視しているポップ性やアートワーク、PVを含む”見せ方”を Srv.Vinci も大事にしていて、世界でも認められる可能性を強く感じさせます。ぜひ今回のインタビュー、そして勿論彼らの音楽から Srv.Vinci の”アナーキズム”を感じていただきたいですね。どうぞ!!
MMM RATING⭐️
Srv.VINCI “MAD ME MORE SOFTLY” : 9/10
【INTERVIEW WITH DAIKI TSUNETA】
Q1: 初インタビューです。まずは Srv.Vinci が結成に至った経緯、そしてバンド名 Srv.Vinci の由来を教えていただけますか?
【DAIKI】: ポップでありながら挑戦的なアプローチをするバンドを作りたいと思い結成しました。名前の由来はインターネットサーバのサーバと大好きなダヴィンチをくっつけた感じです。
Q2: デビュー作にして、日本そして世界の音楽シーンに衝撃を与えるような素晴らしい作品 “Mad Me More Softly” がリリースされましたね!今のお気持ちを聞かせて下さい。
【DAIKI】: 人のCD作品への参加はいままでにもあったのですが、自分が核になったCDのリリースは初めてだったのでとりあえずホッとしております。是非この作品ともどもバンドが世の中に広がってほしいという気持ちです。
Q3: レコーディング時のメンバーと現在のメンバーが異なる様ですが、ギターの常田さんを中心としてボーカル、ベース、ドラムスの四人編成で Srv.Vinci は完成したと思っていますか?
【DAIKI】: 新体制はまだ未知数な部分が大きいのでこれから楽しみです。バンドとしての精神的なグルーヴ感が新体制の強みです。
Q4: さて “Mad Me More Softly” ですが、本当に圧倒されました。様々な西洋音楽のジャンルを吸収し、カラフルでおもちゃ箱のような魅力的で新しいサウンドを提示しています。このアーティストっぽいとか誰に影響を受けているとかあまりそういったものが透けて見えなかったのですが、音楽的またはコンセプト的に意識したアーティストはいますか?
【DAIKI】: 特定のシーンやアーティストに強い影響をあまり受けていないのです。あくまで自己中心的に音楽をやってきましたので。強いて言えば映画監督のスタンリー・キューブリックかもしれません。時計仕掛けのオレンジのようなヴァイオレンスなポップさがこのバンドのテーマなので”おもちゃ箱のような”は嬉しいお言葉です。
Q5: “Mad Me More Softly” というタイトルに決めた理由、アルバムのコンセプトや歌詞のテーマについて教えて下さい。
【DAIKI】: 音楽においても普段の生活においても言葉っていうものをあまり重要視するタイプではないのですが・・・。
Kurt Cobainが「ロックの歌詞は聞き取れる必要はない」と言っていましたが、俺もそういう考えに近いです。そんな感じなのに「もっと優しく狂わせて」というなんともジメッとした言葉、なんというかポエティックなタイトルをつけるというギャップというか自分へのサプライズです。音楽の内容とのバランスでお洒落に感じました。
アルバム曲の半分くらいはYuta Nakano( http://yutanakano.jp/ )という俺の信頼するブラザーが書いてくれてます。
彼の書く詩はトんでて最高です。
Q6: アルバムはイントロである “Devil’s MC” で幕を開けます。”This band is a Vigorous clique of anarchism”という一節が非常に印象的ですね。音楽的に自由であること、何にも縛られないことはバンドの目指すものなのでしょうか?
【DAIKI】:
目指しているというか、自然とそういう風になってしまうって感じ・・。昔からの病気みたいなもんですね。もっとどこかのシーンとかに属していけたら楽なんでしょうけど、音楽的にフィットするシーンがないようには感じてますし、あんまりいろんな先輩方に好かれるタイプでもないですので・・・・昔から。
アナーキーになろうというよりは、結果自然とアナーキーと言われてしまってる感じ。音楽も同様に。
大人達や先輩方から可愛がられてえ・・・・ってのが本音です。
Q7: Srv.Vinci の音楽には多くの電子音が効果的に使用されています。Hip Hop 的なグルーヴ、ビートやジャジーな要素も印象的です。ポップでありながら実験や挑戦を行うという点では Kendrick Lamar や Flying Lotus、Jazz the New Chapter のアーティストたちと共通点があるように思いました。彼らに関して、またポップでありながら先進性を追求することについてはどうお考えですか?
【DAIKI】: 頭にも申し上げましたが、ポップでありながら先進性を追求することがこのバンドを組んだきっかけです。
Srv.Vinciの前メンバーでもあり今回のアルバム”Mad Me More Softly” のドラマーでもある石若駿はBrainfeederのTaylor McFerrin来日の際のドラマーとして抜擢されたりしてますので、繋がりというかはあるのかもしれません。あの辺は最近の最も熱いシーンのひとつですよね。日本にもそういった世界から見て独自のシーンがどんどん発達してほしいと思っています。
Q8: 常田さんは東京芸術大学でチェロを専攻されていたそうですね?音楽理論に精通し、技術も卓越していることが Srv.Vinci の音楽を特別なものにしていると感じました。常田さんにとってクラッシック音楽はどういった意味を持っていますか?
【DAIKI】: あくまで自己中心的に音楽と付き合ってきてるので、西洋音楽がバックボーンと自分では思ってないです。抽象的にしか言えず申し訳ないですが、自分を中心にしてそういった西洋音楽にしかり、さまざまなジャンルの音楽に触れているにすぎない気がしています。だからもっと自分の根っこを太く強固なものにしていかないと今は足場がまだ不安定です。今後の課題です。
技術に関しては、音楽が要求する技術さえあればいいと思ってます。例えばビートルズがリンゴスターではなく、バキバキのゴスペルドラマーだったら俺的には興ざめです。Nirvanaのカートコベインがばりばりのテクニカルなギターソロをとったら興ざめです。あくまでその音楽が要求する技術さえあればいいと思っています。
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