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COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【LAMB OF GOD : LAMB OF GOD】


COVER STORY : LAMB OF GOD “LAMB OF GOD”

“How Did We Get To This Point Where You Think This Asshole Is The Paradigm We Should Aspire To As The Leader Of Our Country? I Think This Shift Started Around The Beginning Of The Anthropocene When Humans Really Started Affecting The Environment In Big Ways.”

LAMB OF GOD

80年代後半から90年代にかけてまずスカンジナビアから勃興した新たなメタルの波。MESHUGGAH, AMORPHIS, OPETH, IN FLAMES, EMPEROR といった傑物を輩出し、WALTARI の Kärtsy Hatakka が “ポストファーストメタルタイム” と呼んだそのムーブメントは、メタルの転換期にして、モダンメタルと現在のメタルシーンにとって架け替えのない重要なピリオドとなりました。
「スカンジナビアのバンドたちは、より幅広いスペクトルの音楽を聴くことで、メタルに “クレイジーさ” を加えていったんだ。」
Kärtsy が語るように、ある者は複雑なリズムアプローチを、ある者はグルーヴを、ある者はプログレッシブロックを、ある者はデスメタルを、ある者はエクストリームな残虐性を、ある者はフォルクローレを “ベーシック” なメタルに加えることで、彼らはモダンメタルの礎となる多様性を築き上げていったのです。
もちろん、ベーシックメタルからモダンメタルへの進化に寄与したのはヨーロッパのバンドだけではありません。特にテキサス州ダラス出身の PANTERA がメタル世界に与えた衝撃、グルーヴメタルの誕生は一つのビッグバンでした。特徴的すぎるギタートーンやドラムサウンドを差し引いても、獰猛さと重さ、そして独創性を更新した彼らの俗悪に悩殺する鎌首はあまりに異端でした。その “グルーヴ” の源は BLACK SABBATH でしょうか?ハードコアでしょうか?それ以上にむしろ、”南部” という出自が大きく影響を及ぼしているようにも思えます。

実際、Phil が特別敬愛し、インスピレーションを得ていた隣州ニューオリンズが誇る EXHORDER の Kyle は弊誌のインタビューで、「俺たちみたいに、THE METERS, Dr. John, THE NEVILLE BROTHERS, Allen Toussaint みたいなクラッシックなニューオリンズのバンドを聴いて育てば、血や魂までその色に染まることになる。ニューオリンズには偽りなき本物のスウィングとグルーヴが存在するんだ。とは言えそれは沢山のバンドによって真似されているんだけど。そうやってルイジアナ南東部のリラックスしたアティテュードに浸れば、君も南部の男になれるさ。」と語っています。
そして PANTERA の遺志を引き継ぎ、南部の音魂を現代へと繋げるバンド LAMB OF GOD がバージニア州リッチモンドから登場します。かつてアメリカ連合国の首都が置かれた歴史の街は、ブルーグラス、カントリー、オールドタイムストリング、ブルース、ジャズとまさに音魂の坩堝です。そして明らかに、LAMB OF GOD の音の葉はより鮮明にその南部の風とグルーヴにそよいでいるのです。

仮にここ日本において、LAMB OF GOD が PANTERA ほどのネームバリューを得られていないとするならば、おそらくそれは Dimebag のような凄まじいアイコニックなシュレッダーが存在しないからかも知れませんね。とはいえ、それは Mark Morton と Willie Adler の技量が少しでも劣ることを意味しません。いやむしろ、彼ら2人こそがモダンメタルのリフワークを決定づけたと言えるのではないでしょうか。
パワーコードや開放弦のダウンピックが主体であったベーシックメタルのリフはある意味演奏が単調で、シュレッドに比べれば易しいものが多かったと言えるでしょう。彼らはそのギターリフを、ギターソロ並みに難解かつ複雑しかしエキサイティングかつインタレスティングな領域へと昇華した最初のバンドの一つでした。
BETWEEN THE BURIED AND ME, PROTEST THE HERO, MASTODON, PERIPHERY。今でこそ、当たり前となったリズムとシュレッドを複雑に突き詰めた千変万化変幻自在な現代的リフワーク。もちろん、北欧のメロディックデスメタルも遠縁の一つでしょう。ただし、より創造的な雛形は EXTREME の “Cupid’s Dead” だったのかも知れません。Nuno Bettencourt がファンカデリックにしかしプログレッシブにテクニカル極まるリフをつなぎ合わせ、ギターソロと同等もしくはそれ以上のカタルシスを生み出した楽曲は間違いなく多くの後続に影響を及ぼしました。そして次にその試みをより現実的に体現したのが Mark と Willie だったのです。

LAMB OF GOD といえば、Randy Blythe の張り裂けんばかりの咆哮を想起するのは当然ですが、仮にそれがなくても彼らの楽曲は充分に機能します。実際に演奏してみればわかりますが、彼らのリフワークはギタリストにとって手癖のような運指が極力排除されていて、熟練者でも何度かトレースしないと馴染まないような構成になっています。リズムやグルーヴも刻々と変化するなかで、プリングのオンオフや三連符が組み込まれ、さらにダブルギターの魔法を宿しながらモチーフやパターンをいくつも用意して単調さを一分も感じさせないよう非常に計算されて作り込まれているのです。
特筆すべきは高音弦やハイフレットをリフに組み込んで低音とのコントラスト、さらにはメロディーまでも補完している点でしょう。そうして、リズム隊との完璧なコンビネーションでグルーヴという総合芸術を製作していくのです。
さらに言えば、Randy Blythe は “Omerta” のスロウでマスマティカルなグルーヴこそが最もリッチモンドらしい音魂だと語っています。
「リッチモンドは、少なくとも80年代後半から90年代前半にかけては、マスロックと呼ばれていたものの拠点だった。今のマスロックとはだいぶ異なって、それはリッチモンドのハードコア・シーンにまで遡るんだ。 HONOR ROLE というバンドがあって、奇妙な変拍子を得意としていたね。特に伝説のギタリスト、Pen Rollings は BUTTERGLOVE というバンドに転向してヘヴィになったんだ。 その後、彼らは BREADWINNER というインストゥルメンタルバンドになった。スティーヴ・アルビニは彼らのEPをいくつかプロデュースしているんだけど、インストゥルメンタルでありながら、俺も含めて、全員に大きな影響を与えているんだよ。」
LAMB OF GOD の硬質で数学的なインテリジェンスは、古のマスロックが起源でした。そこに先述のブルースやジャズ、ブルーグラスにカントリーといった多様な南部の魂が透けて見えるのですから、LAMB OF GOD こそがモダンメタルの帝王、グルーヴメタルマスターと称されるのも当然でしょう。

Mark Morton に言わせれば、「まず自分たちを驚かせなきゃ。結局、何度も何度も何度も何度も演奏するのは自分たちなんだから、俺らがワクワクしなきゃ。」
つまり、予測可能なことを回避することで LAMB OF GOD はその地位を築き上げてきたのです。NWOAHM などと下らない場所に括られていた時でさえ、彼らはスラッシュとハードコアのルーツを強調していましたし、スクリームとグロウルが武器だと思われていた Randy にしても、徐々にムーディーなクリーンヴォーカルを取り入れていくようになりました。
実際、”Memento Mori” の冒頭には SISTERS OF MERCY の Andrew を彷彿とさせるメランコリックなボーカルと不気味なギターの回廊が刻まれていますし、”Bloodshoot Eyes” にはゴシックと狂気の狭間でさらなる高みを目指す Randy の姿が映し出されています。
「エクストリームメタルの世界で最も滑稽なのは、クリーンボーカルが聴こえた瞬間、誰かが突然家に入ってきて高価な絨毯を台無しにしたかのように気が狂うような人がいることだよ。でも俺は歌えと言われれば歌うんだ。」 Randy の言葉には皮肉が宿ります。

新たなアンセム “Checkmate” の一方で、スタンディング・ロック保留地における石油パイプライン建設に抗議するため TESTAMENT の Chuck Billy を起用し、ネイティブアメリカンの血を汲むそのリアルこそ彼らのやり方。同時に、サイケデリックなベースラインと推進力を宿すギターワークの不思議なダンスが魅力的な “Reality Bath” も、心を揺さぶるレコードのハイライトです。8歳の少女が銃乱射の犯人が闊歩するビルに取り残された描写は息を呑みます。
「高校時代、俺のバージニア州の田舎じゃ子供たちは森の中で狩りをしていたから、そのまま学校に来ていたよ。時には鹿の死体をピックアップトラックの荷台にぶら下げて、銃とガンラックを持って学校に来ることもあったくらいさ。大したことじゃない。誰もがそう考えていた。だけどそんな古き良き少年の一人が銃を持って学校に入り生徒を吹き飛ばし始めるんだ。それが現実だよ。」
LAMB OF GOD とは神の子羊、転じてキリストを指す言葉でもあります。そのバンド名を冠したセルフタイトル “Lamb of God” は文字通り、全てが破綻した欺瞞と分断、そして試練の2020年に様々な意味で福音をもたらすレコードに違いありません。

RANDY BLYTHE

「俺らはみんな死ぬんだ!」COVID-19ウイルスが蔓延し、死者数が増加し続けるアメリカで、人々の日常生活は深刻な混乱に陥っています。LAMB OF GOD の大統領 Randy Blythe はその加熱する報道、恐怖から真実を読み解こうとしています。
「俺らは今コロナウイルスを経験しているけど、数年前はエボラだった。たしかに今はクレイジーだけど、世界には常にそんな理不尽が存在してきたんだ。ただ、現代に生きる俺らはスマホやPCを持っていて、この終わりのない残虐性と恐怖のサイクルを24時間常に受け取り続けることになる。」
新たなグルーヴメタルの金字塔 “Lamb of God” で Randy は、大量殺人、外国人恐怖症、オピオイドの流行から、空虚な消費文化、差し迫った生態系の破壊まで、現代社会を悩ませている様々な問題を掘り下げていきます。
オープナー “Memento Mori” は、コロナに端を発する真偽不明な情報の飽和をテーマとしています。彼自身、ニュースフィードを監視することに夢中になりすぎ、そこから適度な情報の断捨離が精神的、肉体的な健康に不可欠であると気付いたことから生まれた楽曲。
「メディアの中では生きていけないんだ。”Memento Mori” は、目を覚ますことをテーマにしている。目覚めろ!目覚めろ!目覚めろ!と、自分に言い聞かせているんだよ。人に説教しているわけじゃない。Randy に話してるんだ 。気が狂いそうだったからね。」

時事問題に取り組み、人間の本性の暗部に立ち向かうことは、LAMB OF GOD にとって決して新しいことではありません。2000年のデビュー作 “New American Gospel” からずっと、リッチモンドの刃は、その獰猛で技術的にも衝撃的なメタルと、社会的政治的な問題、歪みに対する痛烈な意思表示、そして深い内省を組み合わせてきたのです。
警官による暴力 (“D.H.G.A.B.F.E “) やイラク戦争(”Ashes of the Wake”)、音楽業界のエゴ(”Redneck”)、そして Randy 自身が2012年にプラハで過失致死罪で投獄、裁判、無罪判決を受けた試練(”512″)に至るまで、テーマは多岐に渡ります。そうして彼らの社会を鋭く切り取るナイフは、モダンメタルの先頭に立ちながらグラミー賞へのノミネート、ゴールドディスクの獲得という結果に繋がったのです。
遂にセルフタイトルを冠した新作において、バンドは初の出来事をいくつか経験することになりました。最も重大な出来事は、創設ドラマーの Chris Adler の脱退でしょう。Chris は過去7作すべてで演奏していて、バンドの前身 BURN THE PRIEST としても2枚のアルバム(1999年のセルフタイトル盤と2018年のカバーアルバム “Legion: XX”)を残しています。
2018年、LAMB OF GOD はオートバイ事故で負った怪我のリハビリを続ける Chris のライブにおける代打として、Art Cruz(WINDS OF PLAGUE)をスカウトしました。そして翌年の7月、Randy, ギタリストの Mark Morton と Willie Adler (Chris の弟), ベーシスト John Campbell は声明を発表し、Art が Chris のパーマネントな後任となることを発表したのです。Chris の脱退をめぐる状況については、関係者全員が沈黙を守っています。唯一 Chris が残したのは、「俺はライフワークである音楽を辞めるという決断をしたわけではない。真実は、独創性に欠ける塗り絵を描きたくないだけなんだ。」という言葉でした。

ただし Randy は、Art Cruz を含むバンドの現在の状態がいかに素晴らしいか語ります。
「5人全員が部屋にいる時の共同作業はとても良い雰囲気になっていたよ。俺もこのアルバムでリフを一つか二つ提供したんだ。演奏したんじゃなく、Mark にハミングして聞かせたんだよ。そんな風にお互いの素材を盗むことがたくさんあった。Willie の曲を Mark がハイジャックし、時には Mark がその逆をするんだ。そうやって過去最高の LAMB OF GOD の楽曲たちが生まれたのさ。」
新加入Art について、Randy はどう感じているのでしょう。
「新人だから、やっぱり最初は少し腰が引けていたと思う。しばらく一緒にツアーをしていたけど、俺らは成功していて、高校時代に彼のお気に入りのバンドだったんだ…だから、最初は少し緊張していたと思うけど、すぐに発言するようになったんだよ。それが俺たちが望んでいることだよ。イエスマンは要らないから。その時点でドラムをプログラムした方がいいかもしれないね。でも俺らは彼にChris Adler になって欲しくなかったんだ…彼は Chris とは違うドラマーだから、彼自身の味を出して欲しかったんだ。実際、違うことをたくさんやっている…ドラムオタクは彼はこんなことをやってる…彼は “クリス・アドラー” じゃないと言うだろうけどね。」
とはいえ、Randy はレコードの製作があまり好きではないと告白します。
「俺たちは SLAYER と18ヶ月もツアーをしていたんだ…その合間にMark と Willie はプロデューサーとライティングセッションを重ねていた。それから何ヶ月も休んでいたよ。 戻ってきて、ある程度の距離ができて、それはいいことだと思うんだけど…俺はレコードを作るのが好きじゃないんだ。頭の中が混乱して、消耗してしまうんだ。レコーディングに行くと、体力が消耗して、喉が張り裂けそうになる。歌詞を書くのは楽しいけどね … だから、”Lamb of God” の製作が楽しかったとは絶対に言わないと思うけど、作曲セッションの時の雰囲気は、おそらくバンドの中で最高のものだったと言うことにするよ。」

“Lamb of God” は、Randy が曲を書く前に歌詞の全体的なコンセプトをチャート化した初めての作品でもあります。Randy は政治的な発言をしたいと思っていましたが、特定の個人や政権に自分の歌詞をフォーカスしたくはなかったのです。そこで彼は、友人である 世界的に有名なアルペンクライマーであり、パンクロックマニアでもある Mark Twight の助けを借りて、社会悪の原因や歪みの状況を深く掘り下げていきました。
そうして、”New Colossal Hate “では所得の不平等と差別を、”On the Hook “では大手製薬会社が大衆に中毒性のある薬を飲ませていることを取り上げ、”Poison Dream “では環境を汚染する企業に立ち向かっていきました。
「ドナルド・トランプはもっと大きな問題に巣食う一つの症状に過ぎない。友人の Mark Twight と話していて、『現政権についてのセンセーショナルなレコードは書きたくない』と思ったんだ。彼は王様のように振舞っているから、やることなすこと毎日非難を続けるなんてバカげてる。それよりも俺は、なぜこうなってしまったのか、なぜあんなアホをリーダーに求める国になってしまったのか、こうなることを許した俺たちの意識、現在の環境について掘り下げたかった。」
リードシングル “Checkmate” も強烈ですが個人を対象としたプロテストソングではありませんでした。
「このアルバムには、個人をテーマにした曲は一つもないんだ。 2004年のアルバム “Ashes Of The Wake” の時代、ジョージ・W・ブッシュがいた時は、イラク戦争や大量破壊兵器の神話があったから、彼のことを具体的に書くのは簡単だったけどね。全ては表裏一体なんだ。今人々は政党を政策のためではなく、スポーツチームのように支持しているから。歌詞にはそれが反映されているよ。こんなシステムはまさに詐欺だ。ドナルド・トランプをバッシングするようなレコードを書くのは、むしろ無駄なことだと思うんだ。だから “Checkmate” は共和党のことではないんだよ。むしろ今の両政党がいかに表裏一体の関係にあるかを描いているのさ。」

Randy の中に、歌詞を通して人々を啓蒙したいという思いはあるのでしょうか?
「というよりも、自分で考えてもらいたいんだよ。今、アメリカや他の国でも大きな問題になっているのは、政治的分裂が世界的に広がっていること。誰も個人単位で話をしていないだろ?今の政治の世界には群集心理が強く存在して、それはインターネットにも波及しているんだ。リベラル派は「お前らはネオナチで保守的すぎる」 保守派は「お前らはリベターだ」。俺には小学3年生のように思えるね。大人がオープンな会話をしているようには聞こえない。俺はあんな感じの大規模な集団思考のアイデンティティーが苦手なんだ。でもそれが国民の精神を支配している。」
一つの意見、一つの思想だけでその人物の全て、人格まで憎んでしまう世の中です。
「親しい友人にもトランプに投票したやつがいるけど、彼らはナチスでも人種差別主義者でもない。だから今でも親しいままさ。だけど、グループ思考、群集心理で人を一つのグループにまとめまるから、自分たちが他のグループを非難できるかのように感じてしまう。それが今、大規模に起こっているんだ。意見の合わない人とコミュニケーションをとるのは難しいよ。コンピュータの画面の後ろから、お互いに叫ぶ方が簡単じゃないか?勇気を持って直接会って話をする方がよっぽど心がこもっている。 そうしないと死んじゃうよ…」
誰に向けて歌詞を書いているのでしょう?
「自分のために歌詞を書いているんだ。これは俺の表現で、ファンが好むかどうかは考えていない。ファンを喜ばせるために書き始めたり、ファンが望むことをし始めたら、ボーイズバンドになってしまう。ハリウッドからプロデューサーがきて、適当に受けるソングライターを雇ってね。そうなってしまったら、音楽は偽りになってしまう。」

Randy は “リアリティTV” プレジデントと消費者主義の賛美から、産業革命とその環境への影響までの線を辿り始めました。そのエクセサイズとして、Randy は”社会で問題となっている様々なこと、そして人々がそれらのことに対して声を上げる様々な方法” を取り上げた約17曲の楽曲トピックのリストを作り上げたのです。
ではトランプから産業革命まで遡る、その思考の鍵はどこにあったのでしょう?
「俺は他の皆と同じように、現代文化の中に罪悪感を持っている。なぜならアメリカに住んでいるからだよ。ここには消費文化があり、物質的な所有物、富と名声がある種の満足感と内なる幸福感をもたらすことになるという考えがある。そこへの盲目的な固執だよね。それが今の問題だと思うんだ。普通に考えて、金持ちで金のトイレを持ってるからと言ってクソ野朗が大統領になるべきではないだろう?
なぜこんなクソ野郎がリーダーに望まれる世の中になった?シフトしはじめたのは、人類が環境に大きな影響を与え始めた産業革命の頃からだと思う。人類は大量生産を始め、消費者階級が生まれた。大量販売の広告も発明された。だから、俺は産業革命から振り返る必要があると思う。消費文化のアイデアが生まれ計画された場所からね。」

このアルバムにおけるテーマの核となっているのは、アンセム的な”Memento Mori” で、Randy は恐怖を煽るようなニュースに対抗し、希望、力強さ、そして昔ながらのカルペディエムの精神をメッセージとしています。
「メメント・モリとは、僧侶たちがかつてお互いに言いあっていた言葉なんだ。君はいつかは死ぬよってね。俺の知る限り人生は一度きり。たとえ複数の人生があったとしても、この一度の人生を最大限に活かしたいと思わないかい?」
ここ数年、Randy に注目してきた人なら誰でも知っていることですが、この言葉は抽象的な概念や空虚な決まり文句ではありません。なぜなら彼は明らかに地上での限られた時間を有効に使っているからです。
LAMB OF GOD での音楽活動はもちろん、GOJIRA, BODY COUNT, BAD BRAINS, PIGFACE といったアーティストとのコラボレーション、自伝 “Dark Days” や TESTAMENT の Alex との共著 “Unbuilt” の出版 、サーフィン、写真、草の根の活動の支援と休む暇もありません。
「ファンからもらった最高の贈り物は?って聞かれたんだけど、”あなたの音楽は人生で本当につらい時期を救ってくれた” って言葉だね。最高に気持ちがいい。”ゴールドディスクを手に入れた!”よりも全然いい気分だ。ゴールドディスクなんてどうでもいい。2枚持ってたけど、慈善事業のためにオークションに出したよ。乳がんのチャリティなんかにに小切手を送ると、すごく興奮するんだ。自分勝手な感情かもしれないけど “あなたはいい人だ “って思えるね。気分が良くなるから。」
いつか世界は滅びるかもしれないし、みんなが死に絶えるかもしれません。しかし Randy の中では、まだ全てが燃えるのを見届ける準備はできていません。
「100パーセントが皮肉のレコードじゃない。希望の瞬間もあるよ。俺はただ立ち止まって、全てがクソだなんて言っていたくはないからね。我々にあるのは今この瞬間だけだ。今までの人生は こうした瞬間の連続だった… だから、この一瞬を最高のものにしたいんだ。」

参考文献: REVOLVER: LAMB OF GOD: RANDY BLYTHE ON UNITED NEW LINEUP, BITING NEW ALBUM, STRANGE NEW WORLD

LOUDWIRE:Lamb of God’s Randy Blythe: You’re a Boy Band If You Write Music to Appease Others Read More: Blythe: You’re a ‘Boy Band’ If You Write Music to Appease Others

SPIN:Q&A: Randy Blythe on Lamb of God’s New LP, Punk, Politics and CBGB’s Legendary ‘Throne’

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COVER STORY + NEW DISC REVIEW 【JINJER : MACRO】


COVER STORY : JINJER “MACRO”

“I Was Too Young To Remember Life In Soviet Union, But The Spirit Of Soviet Union Is Still Here. I’m Living In An Apartment Built Maybe 40 Years Ago, And My Parents Live In Such An Apartment, As Well. All Our Shops And Supermarkets Are Situated In Buildings Built Then. So It Is Still Sike Soviet Union. And There Are a Lot Of People Who Still Have Soviet Union In Their Heads And Their Minds.”

HOW JINJER SINGER TATIANA CROSSES MUSICAL, LYRICAL, AND UKRANIAN BORDER 

「時に穏やかで平穏。だけど時に人々は何かが起こるのをただ待っている。今現在、少なくとも爆撃はされていないわ。それは良い事ね。」
JINJER のボーカリスト Tatiana Shmailyuk はウクライナのドネツクにある故郷ゴルロフカについてそう話します。彼女とバンドメイト、ベーシストの Eugene Abdiukhanov、ギタリスト Roman Ibramkhalilov、そしてドラマー Vladislav Ulasevich が最初にドネツクから逃れたのは2014年のことでした。それから程なくして、ウクライナの内戦を装った現在も続くウクライナとロシアの衝突、クリミア危機が勃発したのです。
「良い時期に脱出したと思うわ。だって数ヶ月後には国境地域を跨ぐことさえ本当に不可能となっていたんだから。」
戦場から逃れる中で、JINJER は東部から西部へと800マイルを移動してポーランドとの国境に近いリヴィウに立ち寄りました。
「だけどすぐに退屈してしまったわ。旅行者のための街だったから。家も借りたんだけど、水道、電気、暖房設備に問題があって住むことは難しかった。だからもっと文明化された場所へ移ることにしたの。」そうして Tatiana 達はウクライナの首都キエフへと移り住んだのです。

では、ウクライナの風土や国民性は JINJER にどういった特徴をもたらしているのでしょうか?
「JINJER は優しさと弱さが等しい土地から生まれたの。ウクライナは経済的には厳しい国よ。特に90年代前半、私たちの親の世代は大変だった。父と母は最低の賃金を得るためでさえ一生懸命働かなければならなかったの。兄と私を養うために。学校や家の近くにもいつも犯罪があったしね。そこから私たちは人生の教訓を多く学んだわ。
だからウクライナ人は精神的にタフなのよ。例えば少々痛くても、医者には行かないわよ。最後まで我慢する。 だからショウもキャンセルなんてしないわ。ジュネーブの灼熱で喉が腫れ上がっても、私はセットを完遂したわ。根性ね。」
ただし、素顔の Tatiana はシャイな一人の女性です。「みんな私を鉄の女か何かだと思っているようだけど、私だって人生全てを恐れているわ。だから演じているようなものよ。みんなと同じようにセンシティブで傷つきやすいの。いつもスクリームしている訳じゃないしね。まあ毎晩叫んでいるけど、朝は叫ばないわ (笑)。」

Tatiana は JINJER を始めるずっと以前から歌い、そしてその咆哮を響かせていました。
「母に言わせれば、とても幼い頃からスクリームしていたそうよ。叫びすぎておなかにヘルニアができたくらいにね。」
稀に叫んでいない時には、ラジオで聴いたロシアやウクライナのポップソングを歌っていました。1989年のヒットソング “Lambada” も彼女のお気に入りです。「ポルトガル語は分からないけど、シンガロングしていれば楽しいわよね。」
シリアスにボーカルへ取り組み始めたのは8歳の時。レッスンを受け、コンサートホールで合唱隊としてコンサートを行いましたが、ダンスの振り付けに悩まされてしまいます。
「二度とやらないわ!ダンスを誰かとシンクロさせるなんて苦行。一人でなら全てをコントロール出来るんだけどね。」
しかしすぐに兄によってロシアンメタルの世界へと誘われ人生が変わりました。中でも、ロシアの IRON MAIDEN と称される ARIA の存在は別格。
「ドネツク、特に私の故郷ゴルロフカの人間は音楽的なのよ。メタルが大好きだしね。偉大なバンドも沢山あったわ。兄もミュージシャンでダークなドゥームバンドでギターを弾いていたの。」

1991年、ソヴィエト連邦が崩壊すると変化は猛烈な勢いで押し寄せました。MTVはウクライナにも NIRVANA や OFFSPRING のウイルスを運びます。
「NIRVANA を聴いてすぐにロシアのロックを忘れたわ (笑)。MTV は最高だった。すぐに OFFSPRING にハマったわ。私たちの街で私は一番の OFFSPRING ファンに違いなかったの。父がテレビの音をカセットに録音する方法を教えてくれてね。友人やクラスメイトとテープの交換を始めたのよ。そうしてリスナーとして音楽体験を共有していたのね。」
OTEP の Otep Shamaya は Tatiana の感性に衝撃を与えました。「この男の人は最高にクールね!って言ったら友人が女の子よって。OMGって感じよ!こんな女の子は初めてだったわ。そうやって私も彼女みたいに衝撃を与えたいって思うようになったの。
私も9歳からずっと男物の服を着ているわ。それって結局、性別で世の男性を虜にしたくないからなんでしょうね。それよりも中身や心で惹きつけたいのよ。去年ツアーで会えたんだけど、酔っ払っていてずっと彼女を賞賛していたことしか覚えていないの。」
2009年、キエフに訪れた SOULFLY が初めてのメタルコンサート。「めったにない機会だったのに、彼氏が誰かと喧嘩をはじめて途中でセキュリティーに追い出されたのよ。その夜はずっと彼を責め続けたわ。」

近年、ツアーで家を開けることも多い Tatiana ですが、それでも継続中の紛争は彼女をウクライナから完全に切り離すことはありませんでした。ただしソヴィエトのアティテュードに魅力を感じることはありません。ソ連が崩壊した時 Tatiana はわずか4歳でしたが、それでも強硬な共産主義の残影は彼女を未だに訶みます。
「ソビエト連邦での生活を思い出すには幼すぎたけど、それでもソ連の精神はまだここにあるの。私はおそらく40年前に建てられたアパートに住んでいて、両親も同様にそんな感じのアパートに住んでいるわ。お店だってスーパーマーケットだって当時建てられたもの。だからここは今でもまるでソ連よ。それにまだ多くの人々が頭や心にソ連を宿しているの。
古い人間をマトリョーシカって呼んでるわ。私の容姿はバスの中でもジロジロ見られるし。ウクライナでは男性でもタトゥーは受け入れられていないの。まだ U.S.S.R の考え方でいるから、異なる人間が気にくわないのよ。そういった年配の人たちはテレビばかり見ているけど、そこに現実は映っていないわ。タトゥー?あなた60歳になったらどうするの?って感じよ。」

青春期を東欧の貧困家庭で過ごした Tatiana の人間に対するダークな見方は、彼女の故郷に限りません。「私は人類が好きじゃないの (笑)。進化で何かがおかしくなったのよ。今では神様や自然を蔑ろにしている。それが私の内なる怒りを呼び起こすのよ。」
母なる自然への愛情は Tatiana をヴィーガンに変えようとしています。「私はまだビーガンになろうとしているところなの。子供の頃あまり裕福じゃない家庭で育ったから、肉を食べる余裕があまりなくてね。だから最近肉をやめて、肉が大好きだって気づいたの。肉の匂いがすると、気が狂いそうよ。でも動物の苦しみや環境を思うとね…。」
幸いなことに、Tatiana はヴィーガンへの願望と肉食への渇望を両立させる解決策を持っています。「人間の肉を食べることが許されるならそうするわ (笑)。そんなに食に貪欲なら、お互いを食べてみない?」

DISC REVIEW “MACRO”

Facebook に次いで世界で2番目に人気のあるソーシャルメディアプラットフォーム YouTube。JINJER が公開した “Pisces” のライブビデオはすでに2800万回の視聴数を誇ります。
当然そこには、ウクライナという出自、さらにジキルとハイドを行き来する女性ボーカル Tatiana の希少性、話題性が要因の一つとして存在するはずです。
ただし、JINJER の音楽がオンラインによくある、短命のインスタントなエンターテインメントでないこともまた事実でしょう。ベーシスト Eugene にとっては音楽が全てです。
「ウクライナ出身だから政治性を求められるのも分かるんだけど、僕らの音楽にかんしては何物にも左右されないんだ。仮にロシア出身だろうと、イタリア出身だろうと同じだよ。音楽と僕たち。全てはそれだけさ。」
つまり、JINJER は同時代の若者に表層から衝撃を与えつつ、実のところその裏側では幾度ものリスニング体験に耐えうる好奇心と思考の奥深きトンネルを掘り進めているのです。
実際、Tatiana は JINJER がスポットライトを燦々とその身に浴びるような集団ではないと語ります。
「有名になりたいって訳じゃないの。今でも私は車ももっていないし築40年のアパートに住んでいるわ。だから第2の “Pisces” を作ろうなんて思わない。JINJER は大人気になるようなバンドじゃないわ。」

とは言え、PROTEST THE HERO の精子と KILLSWITCH ENGAGE の卵子が受精し生まれたようにも思える2012年の “Inhale, Don’t Breath” から JINJER は異次元の進化を遂げています。比較するべきはもはやメタル世界最大の恐竜 GOJIRA でしょうか。それとも MESHUGGAH?
テクニカルなグルーヴメタルに Nu-metal と djent の DNA を配合し、R&B からジャズ、レゲエ、ウクライナの伝統音楽まで多様な音の葉を吸収した JINJER のユニークな個性は全てを変えた “King of Everything” から本格化へ転じたと言えるでしょう。
2019年に届けられた EP “Micro” とフルアルバム “Macro” は双子のような存在で、創造性のオーバーフローの結果でした。
「もともとフルアルバムの予定はなかったんだ。”Micro” は次の作品までの繋ぎって感じだったんだけど、完成が近づくともっともっと楽曲を書きたくなってね。クリエイティブなエナジーが溢れていたんだ。」

無慈悲なデスメタルから東欧のメランコリー、そしてレゲエの躍動までを描く“Judgement (& Punishment)” はJINJER の持つプログのダイナミズムを代弁する楽曲でしょう。
「僕たちの音楽に境界は存在しない。いいかい?ここにあるのは、多様性、多様性、そして多様性だ。」そう Eugene が語れば Tatiana は 「JINJER に加わる前、私はレゲエ、スカ、ファンクをプレイするバンドにいたの。だからレゲエの大ファンなのよ。頭はドレッドにしていたし、ラスタファリに全て捧げていたわ。葉っぱはやらないけど。苦手なの。JINJER は以前 “Who Is Gonna Be the One” でもレゲエを取り入れたのよ。レゲエをメタルにもっともっと挿入したいわ。クールだから。」と幅広い音楽の嗜好を明かします。
判決を下し罰するというタイトルは SNS に闊歩する魑魅魍魎を揶揄しています。「気に入らなければ放って置けばいい。私ならそうするわ。なぜ一々批判的なコメントを残すのかしら?それって例えばスーパーに行って質の悪いバナナを見る度、おいクソバナナ!お前が大嫌いだ!さっさと木に戻りやがれ!って叫び始めるようなものでしょ?(笑) 私は他にやるべきことが沢山あるの。そんなことに割くエナジーはないわ。」

“On The Top” は2020年代の幕開けを告げる新たなプログアンセム。SOULFLY を想わせるトライバルパーカッシブと djent の小気味よいスタッカートシンコペートは Tatiana のフレキシブルな歌呪術へと怪しく絡みつき融けあいます。
「ラットレースのラットを演じてるって感じることはある?世界はどんどんそのスピードを増し、誰もが成功と呼ばれるあやふやなものに夢中よね。”On The Top” で訴えたのは、名声や成功に伴う孤独と満たされない心。”トップ” に到達するため犠牲にするものは多いわ。その梯子は本当に登る価値があるの?犠牲を払うのは自分自信なんだから。」
ウクライナの陰影を抱きしめたコケティッシュな “Retrospective”、ポルトガルのライター José Saramago の著作にインスピレーションを受け、死を地球を闊歩するクリーチャーになぞらえた “Pausing Death”、大胆にも聖書を再創造したと語る “Noah” など、Tatiana の扱う題材は多岐に富み、世界をマクロ、そしてミクロ、両方の視点から観察して切り取るのです。
「ウクライナでは決してメタルは歓迎されていないの。にもかかわらず素晴らしいバンドは沢山存在するわ。ただ、チャンスを把み国境を超えることは本当に難しいの。」
アイコニックな女性をフロントに抱き、多様性を音楽のアイデンティティーとして奉納し、ウクライナという第三世界から登場した JINJER は、実はその存在自体が越境、拡散するモダンメタルの理念を体現しています。音楽、リリックのボーダーはもちろん、メタファーではなく実際に険しい国境を超えた勇者 JINJER の冒険はまだ始まったばかりです。

参考文献: FROM WARZONES TO MOSH PITS: THE EVOLUTION OF JINJER’S TATIANA SHMAILYUK: REVOLVERMAG

Jinjer Singer Didn’t Want ‘Pisces’ to Become So Popular [Exclusive Interview] Read More: Jinjer Singer Didn’t Want ‘Pisces’ to Become So Popular | LOUDWIRE

Ukrainian Metal Band Jinjer Delivers on Its Promise With New Album ‘Macro’

METAL INJECTION “JINJER”

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【EXHORDER : MOURN THE SOUTHERN SKIES】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH KYLE THOMAS OF EXHORDER !!

“I Don’t Know If We Invented Anything. That Sounds Like a Science Laboratory. We Played What We Wanted To Hear. Along The Way We Influenced Many Bands, Some Of Which Went On To Greater Success Than We Achieved.”

DISC REVIEW “MOURN THE SOUTHERN SKIES”

「俺たちが何かを発明したかどうかは分からないよ。俺たちは俺たちが聴きたい音楽をプレイしていただけなんだ。そうして多くのバンドに影響を与えていくうち、その中のいくつかが俺たちよりも大きな成功を勝ち得たわけだよ。」
EXHORDER がグルーヴメタルを発明し、PANTERA が広めた。スラッシュ第2世代としてニューオリンズに生を受け、90年代初頭2枚の痛烈異色なレコードを残し四散したレジェンドは “他人の仕事” など歯牙にも掛けず豪胆に再び南部の風を運びます。
「クラッシックなニューオリンズのバンドを聴いて育てば、血や魂までその色に染まることになる。ここには偽りなき本物のスウィングとグルーヴが存在するんだ。そうやってルイジアナ南東部のリラックスしたアティテュードに浸れば、君も南部の男になれるさ。」
EXHORDER の咽喉笛 Kyle Thomas はそう語ります。Phil Anselmo も認めるように、”Slaughter in the Vatican” こそがメタルのアグレッションに “グルーヴ” の音魂を刻みつけた最初のアルバムだと言えるでしょう。MACHINE HEAD, LAMB OF GOD, そして GOJIRA へ脈々と受け継がれるそのスピリットにはアメリカ南部、”ディープサウス” の遺産とスラッシュメタル、さらに BAD BRAINS のパンクを熟成した香り高きウィスキーの濃厚な誇りが反映されているのです。
「そうだな…まあお互いを絞め殺したくないって気持ちが間違いなく役にたったな! 今回は様々に異なることを試したんだけど、これが異なる結果を得る唯一の方法だったんだよ。同じことを何度繰り返しても、どんなに強制しようとしても、結局アルバムという結果を得ることは出来ないんだから。」
そのタイトルにも南部のプライドが垣間見える “Mourn The Southern Skies” は、EXHORDER にとって実に27年ぶりの修羅。オリジナルメンバーこそ Kyle と Vinnie の2人だけとなりましたが、もはや Phil Anselmo の右腕とも言える Marzi Montazeri を筆頭に HEATHEN, FORBIDDEN の手練れを招き入れ宣戦の準備は整いました。
オープナー “My Time” は新生 EXHORDER があげる鬨の声。アイコニックなグルーヴとハイオクのアグレッションは30年の時を経ても不変にして至高。長い間メタル世界が彼らを待ち侘びた理由を突きつけます。
同時に、Kyle が TROUBLE, ALABAMA THUNDERPUSSY で培った幅広いレンジや中毒性を伴うメロディックな歌唱は復活の理由をも雄弁に伝え、「俺がボスだ。俺の時が来たんだよ、お前らなんて気にしねえ!」 と唯我独尊のアジテートを叩きつけるのです。
もちろん、”Asunder” や “Hallowed Sound” のスウィングするグルーヴに#9の南部の鼓動は “グルーヴメタル” のパイオニアとしての威厳と矜持を示威しますが、同時に Kyle のアンセミックな歌唱の魔法は “ファック” “ファンク” に加えて新たに備わった “エピック” の4文字を浸透させるに充分な説得力を誇ります。アコースティックの小技も光る7分のスラッシュ劇場 “Yesterday’s Bones” はまさしくその写し鏡でしょう。
今回弊誌では、Kyle Thomas にインタビューを行うことが出来ました。「俺たちが当時やっていたことは、80年代後半にとても成功し、俺たちの番になると衰退し始めていたんだよ。」 NYC の DEMOLTION HAMMER と合わせ鏡のようなキャリアを築いている点も興味深いですね。THRASH. IS. BACK. どうぞ!!

EXHORDER “MOURN THE SOUTHERN SKIES” : 9.8/10

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