タグ別アーカイブ: best new music

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【PERSEFONE : AATHMA】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH CARLOS LOZANO OF PERSEFONE !!

14199744_10154455593499328_2938928792495100548_n

Andorran Prog Metal Titan, Persefone Has Just Released Infinity Technical, Highly Progressive, And Supremacy Spiritual Record “Aathma” !!

DISC REVIEW “AATHMA”

フランスとカタルーニャの狭間に位置する欧州の小国アンドラから示現した、プログメタルの俊傑 PERSEFONE が待望の新作 “Aathma” をリリースしました!!ギターチームの片翼とドラマーを刷新し、音楽性、テーマ、リリック共に陶冶され深みを増したアルバムは、すでに2017年のモダンプログシーンを代表する作品に位置づけられつつあります。
2013年にリリースした前作 “Spiritual Migration” は、技巧とロマンチシズム、幻想とアグレッションを巧妙に対置させた Tech/Prog Death Metal の佳篇であり、バンド史上最良の成功を収めたマスターワークとなりました。奔流となって押し寄せる、過密なまでに濃厚なサウンドの粒子が印象的な作品でしたね。
日本、アジアを含む長期のツアーを経て、4年という熟成期間が宿した結晶 “Aathma” は、”Spiritual Migration” に比べて、よりスピリチュアルで空間的。英俊 Jens Bogren のタクトの下、アートとしての完成度、統一感を精髄まで突き詰めた、ニューフロンティアへと到達しています。
「勇気を持って偽の自己を解放せよ。」 アルバムはスピリチュアルメタルの先駆者、CYNIC の Paul Masvidal が語りかける哲学的なスポークン・ワードで幕を開けます。インタビューにもあるように、”Aathma” とは魂の探求。全てが白か黒に分類される、性急で物質的な現代社会に対するアンチテーゼ。リスナーは Paul の言葉に導かれ、PERSEFONE の深遠なる精神世界へと誘引されて行くのです。
小曲 “One of Many…” でバンドは作品のシンフォニックでメロディアスな世界観を暗示し、ドラマティックな “Prison Skin” へと進行します。ミステリアスで優美なピアノの調べから一転、速急でテクニカルなリフワーク、ダブルギターとキーボードが織り成す濃密なサウンド、複雑で緻密なリズムアプローチ、そして Marc Martins の激烈なガテラルが PERSEFONE の帰還を高らかに告げると、同時に楽曲はバンドの二面性をも明瞭に開示するのです。
今回、キーボーディストでクリーンボーカル、Miguel “Moe” Espinosa のタスク、重要性は確実に過去作を遥かに凌いでいると言えます。ポストロックの影響すら感じさせるアトモスフェリックで幽玄な “Cosmic Walkers” はその象徴でしょう。”Prison Skin” では典型的な PERSEFONE の顔と、Moe が躍動することで生まれる、スペーシーでメロディアスなテリトリーを調和させ、緩急織り交ぜたスリリングなキラーチューンへと昇華しているのです。
再度 Paul Masvidal が登場し、特徴的なボコーダーとリードギターを聴かせる “Living Waves” はアルバムのハイライトだと言えるでしょう。Djenty とも形容出来るモダンで幾何学的なギターリフと、色彩を抑えた淡彩のシンセサウンドが創造するスピリチュアルメタルに、崇高で凛としたメロディーがレイヤーされると、そこには現代社会とは最も離れた場所にある観念的な夢幻世界が広がります。Paul と Moe のボーカルパフォーマンスは傑出していて、リスナーの深層心理に語りかけるような宗教的崇高感すら感じさせますね。
アルバムは4部編成、20分のエピカルなタイトルトラックで幕を閉じます。インタビューにもあるように、レコードの縮図、シネマティックとさえ言える作品を象徴する大曲。作品で最もエクストリーム、デスコア的な質量を纏った “Part III: One With The Light” と女性ボーカルとピアノ、オーケストレーションのみで奏でられる詩情豊かなフィナーレのコントラストはまさにこの傑作の持つ二面性を端的に物語っていると言えるでしょう。
今回弊誌ではギタリスト Carlos Lozano にインタビューを行うことが出来ました。シュラプネル直系の彼独特のシュレッドは、昨今のメタルシーンにおいては逆に強力な武器となっているような気がします。Moe に続いて弊誌2度目の登場。どうぞ!!

16864836_10155005917204328_304908153232995139_n

PERSEFONE “AATHMA” : 10/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【PERSEFONE : AATHMA】

NEW DISC REVIEW + ANATOMY 【ichika : forn】


EXCLUSIVE: ANATOMY OF ichika !!

unnamed-25

This Is The Next Level !! The Most Talented Contemporary Guitar Artist In Japan, ichika Has Just Released Amazing, Astonishing, Awe-inspiring Debut EP “forn” !!

DISC REVIEW “forn”

Toshin Abasi 以来の衝撃!クリスタルのように清廉なサウンドと研ぎ澄まされた感性で ichika は日本のみならず海外からも高い注目を集める新たなギターマエストロです。想像力を掻き立て感情を揺さぶる瑞々しい楽曲の数々は、フレッドボードを駆け巡る独創的で絢爛たる奇跡のテクニックから生み出されます。
Instagam, Twitter など SNS における圧倒的な動画の視聴数、シェア。さらに Tosin Abasi, Jason Richardson といった海外のモダンギターヒーローから注がれる熱い視線を追い風に受けリリースした待望のデビューEP “forn” はまさにインストゥルメンタルシーンに新たな時代の幕開けを告げるエポックメイキングな作品に仕上がりました。
アルバムのフォルムは想像を遥かに超えたものでした。おそらく多くのファンが思い描いた作品は、バンド形態の Instru-metal アルバムだったのではないでしょうか?しかしリスナーの元に届いた “forn” のサウンドは、ギター一本、清澄で無垢なクリーントーンが奏でる水晶彫刻のような崇高な美景、世界観だったのです。
ただ、ichika が今回弊誌に語ってくれた「人生を変えた5枚のアルバム」を念頭に置き、存慮すればこのディレクションは深く頷けるものだと思います。”Waltz for Debby”。彼が志向しデザインしたこの透徹した美意識によるスペクトルは、孤高のジャズピアニスト Bill Evans がかの歴史的傑作で提示したアーティスティックな表現世界と真に深く通じているのです。
実は幼少期に “Waltz for Debby” に感銘を受け、ジャズピアニストを志していたという ichika。静と動のダイナミズムが白眉で、詩情豊かな美しきワルツ “resolution” は “Waltz for Debby” への追憶かも知れません。 残響までをも計算した限りなく繊細で透明な、しかし同時に自身のペルソナ、小宇宙、エモーションを余すことなく描き出す若きマエストロの手法、秀絶な初演には、確かに巨匠の息吹が濃密に感じられますね。
ヴォイシングの妙、独演という観点から見れば、Bill Evans の “Alone” や Joe Pass の “Virtuoso” にも共振する部分はあるでしょう。そして勿論、彼が挙げている Russell Malone にも。ichika のどこか温かみのあるトーン、ベースラインと旋律の巧みな双饗、ハーモニクスやタッピングのナチュラルな浸透には Russell の遺伝子がしっかりと脈打っています。
さらにツーバスでスウィングする不世出のジャズドラマー Kendick Scott。”a bell is not a bell” を聴けば、コンテンポラリージャズを代表するリズムマスターのポリリズム、変拍子、モダンなアプローチをしっかりと消化し、自らの血肉としていることが分かりますね。
とは言え、”forn” はジャズレコードではありません。そしてジャズレコードでないことこそが ichika の ichika たる由縁だと言えるのではないでしょうか。VEIL OF MAYA の “The Common Man’s Collapse”、”the cabs” の “一番はじめの出来事”をジャズの名盤と共にピックアップしていることが表象するように、彼の音楽にはジャズと同様にモダンプログやマスロックといった現代的なアプローチもしっかりと根付いています。
そして日本人らしい叙情性。”戦場のメリークリスマス” にも通じるようなリリシズムを備えた “flowers” はジャズとコンテンポラリーギターの完璧なる融合であり、同時に日本らしい四季や侘び寂びを感じさせる絶佳のサウンドスケープを有した ichika を象徴する一曲だと感じました。
ichika の旅路、音楽的探求は “forn” で遂にその幕を開けました。少なくとも、今まで日本のアーティストに欠けていた世界で戦うに充分なオリジナリティー、インテリジェンス、そしてアピアランスを備えていることは確かです。”have a nice dream”、応援しましょう!!

a2323765957_10-2

ichika “forn” EP: 9.9/10

【FIVE ALBUMS THAT CHANGED ICHIKA’S LIFE】

BILL EVANS “WALTZ FOR DEBBY”

Bill_Evans_Trio_-_Waltz_for_Debby

KENDRICK SCOTT ORACLE “CONVICTION”

kendrickscott_conviction_mt.jpg

RUSSELL MALONE “RUSSELL MALONE”

21HFDDRRXTL

VEIL OF MAYA “THE COMMON MAN’S COLLAPSE”

The_common_man's_collapse

the cabs “一番はじめの出来事”

71dGiKK2P1L

【MESSAGE FOR JAPAN】

0009371710_10

“forn” EPを聴いていただいてありがとうございます。このEPを皮切りに、次の作品のリリースも予定していて、そこからライブを初めていこうとも思っています。皆さんにお会いできるのを心待ちにしています。

Thanks a lot for listening to “forn” EP. Starting with this EP, I plan to release the next work and I’m thinking of my first live from there. I am looking forward to seeing you all!

ichika

ichika Twitter
ichika Instagram
ichika Bandcamp
ichika iTunes
VIVIX Official Twitter

mmmB5dvKwaCcAEznJZ

PLZ FOLLOW US ON FACEBOOK !!

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ALCEST : KODAMA】JAPAN TOUR 2017 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NEIGE OF ALCEST !!

13975490_1254260777939853_9121865998646674986_o

The Pioneer Of Post-Black Metal From France, ALCEST Returns To Roots And Opens Up The New Chapter With Their Newest Album “Kodama” Influenced By Japanese Folklore !!

DISC REVIEW “KODAMA”

今や世界規模で注目を集める、儚くも美しいフランスの Post-Black Metal デュオ ALCEST が Neige の幼少期、そして宮崎駿さんの名作”もののけ姫”にインスピレーションを得たという新作 “Kodama” をリリースしました!!これまでも、寺院でプレイしたり、”Souvenirs d’un Autre Monde” 収録 “Tir Nan Og” でゲーム”クロノトリガー”に対するオマージュを行うことにより日本に対するリスペクトを表していた ALCEST ですが、彼らのその想いが本格的に詰まった作品は、さらにこの地でのファンを増やすことでしょう。
ALCEST は所謂 “Blackgaze”、Black Metal と Shoegaze を融合させたパイオニア的存在です。幻想的で内省的。メランコリックな繊細さと悲痛な激しさが生み出す圧倒的なダイナミズム、神々しいまでの美しさはシーンに衝撃を与え、DEAFHEAVEN などに続く Post-Black のうねりを創出したのです。
一つの潮流を生み出した ALCEST が発表した前作 “Shelter” は “Sun-Kissed” などとも表現される、言わば”光”のアルバムでした。メタルらしさを極力排し、多幸感溢れる Shoegaze / Indie サウンドを前面に押し出した作品は、確かに彼らの特徴であるダイナミズムが失われたという点では物議を醸しましたが、それ以上に極上の Post-Rock へと進化し、溢れ出る目も眩むような光の渦、SIGUR ROS にも似たアトモスフィアが 「やはり ALCEST は凄い!」 と世の中を納得させたように思います。
“Kodama” は “Shelter” と対になるカウンターパーツ的な作品と言えるかもしれません。インタビューにあるように、もののけ姫と通じる自然を食い物にする現代社会、そしてその闇の部分でもあるテロリズムが ALCEST を動かしました。ある意味メタルのルーツに戻り、よりダークな1面にフォーカスした”最も怒れる”作品は、それでもやはり徹頭徹尾 ALCEST です。そして同時に、彼らの新しいチャレンジである POP センスが花開いたアルバムであるとも言えるでしょう。
アルバムオープナー、タイトルトラックの “Kodama” はレコードを象徴するような楽曲です。確かにここには ALCEST のシグニチャーサウンドである、 Black Metal の冷たいギターや、Shoegaze のドリーミーなメロディーがレイヤーされていますが、同時にアリーナポップに由来する要素も存在します。COCTEAU TWINS や DEAD CAN DANCE に触発されたというボーカルは何と全てがインプロヴァイズされたもの。非常にキャッチーかつ神秘的なそのメロディーラインはリスナーをもののけの森へと誘い、楽曲をよりスピリチュアルな高みへと押し上げています。この手法は、”Je suis d’ailleurs” の冒頭などでも聴くことが出来ますね。
加えて、インタビューで語ってくれた通り、グランジやインディーロックからの影響も新たな可能性を提示します。楽曲後半に見せる Neige のギターワークは群を抜いていて、シンプルかつ少ない音数で空間を意識した印象的なフレーズを奏で、故意にラフなプロダクション、サウンドで NIRVANA のようにコードをのみ激しくストロークすることで、楽曲の幅を広げることに成功していますね。Neige のコンポジションスタイルである、光と影のバランスを完璧なまでに復活させながら、さらに進化を遂げた凄みがここにはあります。
ファーストシングル、”Oiseaux de Proire” は王者がメタルへの帰還を高々と告げるアルバムのハイライトでしょう。TOOL や SMASHING PUNPKINS さえ想起させるオルタナティブな感覚を備えたギターリフと、ノスタルジックで郷愁を誘う珠玉のボーカルメロディーで幕を開ける楽曲は、Neige の咆哮を合図に突如としてその怒りの牙を剥きます。Winterhalter の鬼気迫るブラストビートに乗って疾走する、メランコリックなトレモロリフはまさしく ALCEST のアイデンティティー。挿入されるキャッチーなアコースティックパートは進化の証。溢れるようなそのエナジーは、もののけ姫終盤にししがみが首を落とす場面をイメージさせますね。インタビューで言及している通り、”二面性” “対比” “進化” に拘るアートの開拓者らしい完璧な展開美を持ったシネマティックな楽曲だと思います。
タイトル、山本タカトさんをオマージュしたアートワークからコンセプト、”対比”の妙まで強く日本を意識した “Kodama”。今回弊誌では、Neige にインタビューを行うことが出来ました。音楽、歌詞、コンセプト、演奏、全てを司るまさに ALCEST の心臓が非常に深く丁寧に語ってくれました。日本の雑誌だからこそ行えた価値あるインタビュー。どうぞ!!

13775883_1236687363030528_6024899683831844032_n

ALCEST “KODAMA” : 9.7/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ALCEST : KODAMA】JAPAN TOUR 2017 SPECIAL !!

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ENSLAVED : IN TIMES】LOUD PARK 2016 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH Ivar Bjørnson OF ENSLAVED !!

10623572_10153386542117201_5153777554599637039_o

Finally, Enslaved Are Going To Play For Japan For The First Time! Don’t Miss Their Amazing Performance At Loud Park 16 !!

DISC REVIEW “IN TIMES”

ノルウェーを代表する Viking / Progressive Black Metal バンド, ENSLAVED が Loud Park 16 で遂に日本初上陸を果たします!!ライブバンドとしても名高い彼らのパフォーマンスは、日本のメタルファンを確実にノックアウトすることでしょう。
初期にはプリミティブな Black Metal 色の濃い Extreme Metal を追求していたENSLAVED ですが、近年はプログレッシブな要素を多分に取り入れた、荘厳で唯一無二の Progressive-Black サウンドを指標しています。
最も頻繁に比較されるのは OPETH でしょうが、PINK FLOYD を思わせるサイケデリックな瞬間も存在し、Herbrand Larsen の美麗なクリーンボイスは KATATONIA をも想起させる、実にフレキシブルで才能豊かななバンドです。同時に Herbrand のオルガンからメロトロン、シンセサイザーまで自在に操るエピカルなキーボードサウンドが、他の Extreme Metal との大きな差異を生んでいるとも言えますね。
特に、”Axioma Ethica Odini” でシーンの売れっ子プロデューサー Jens Bogren を起用してからは神がかっており、前作 “Riitiir” ではもはや Extreme Metal の枠にさえ収まり切らない、完璧な構成美を誇る神々しいまでに進化したエピックサウンドを完成させていました。
昨年リリースした “In Times” は、”Riitiir” という一つの完成形を経て、現在の成熟したバンドが新たに勇壮でプリミティブな原点に立ち返ったレコードと言えるでしょう。
アルバムオープナー、”Thurisaz Dreaming” はバンドの過去と現在が溶け合った “In Times” を象徴するような楽曲です。ノルウェーが誇る強烈なブラストビートを元にした、怒りに満ちた Blackend のブリザードで幕を開ける巨人の夢は、確かに初期の ENSLAVED を彷彿とさせます。Grutle Kjellson の邪悪で無慈悲な叫びは、彼らが今でも”古い価値観”を守り続けていることの証です。しかし、楽曲はスムーズに、違和感もなく、バンドのメロディック、プログサイドへと移行し、彼らの武器であるクリーンボーカルを伴った優雅でアンビエントなサウンドを響かせるのです。
ブリットロック的な感覚さえ存在する、キャッチーで美しく、オーガニックな “Building With Fire” にしても、残虐なオーラを纏ったスクリームと共に、ダークなパッセージが用意されていますし、”One Thousand Years of Rain” ではメロディックに疾走するエクストリームパートに呼応する、彼ら独特の浮遊感溢れるコーラスが白眉です。この振れ幅の大きさを自然に感じさせる、見事なバランス感覚こそが、アルバムの肝だと言えるのではないでしょうか。
同時に、前作に比べて、良い意味でラフで空間が目立つ “In Times” は、ドラマー Cato Bekkevold の強靭なタイム感、バラエティー豊かで個性的なフィルインの数々がリスナーを惹き付ける重要なランドマークとなっていることは記して置くべきでしょう。
特筆すべきは、タイトルトラック “In Times”。ENSLAVED の先進的で型にはまらないドラマ性を集約したかのような楽曲は、虚無なる宇宙を漂うかのようなサイケデリックなイントロから、バンドの光と影を反映するかのように、幻想的な神秘性と無慈悲な残忍さが交差します。ブラック、サイケ、プログ、アグレッション、アトモスフィア、ハーモニー、そして至高の構成美。ENSLAVED を形作る全ての要素が内包されたかのような10分間の大曲は、間違いなく彼らの新たなシンボルとなるはずです。
今回弊誌では、バンドの創立メンバーでギタリスト、Ivar Bjørnson にインタビューを行うことが出来ました。90年代からシーンを牽引し続けてきた人間の言葉はやはり重いです。どうぞ!!

10926435_10152553841612201_2498582060292300594_n

ENSLAVED “IN TIMES” : 9.5/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ENSLAVED : IN TIMES】LOUD PARK 2016 SPECIAL !!

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MARILLION : F.E.A.R.】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PETE TREWAVAS OF MARILLION!!

82efd615-08e0-46b6-abe6-7b806dd07573

One Of The Greatest Prog Legend From England, Marillion Has Just Released Their Best Album In Two Decades, “F.E.A.R.” !!

DISC REVIEW “F.E.A.R.”

イングランドを代表する Prog アクト、MARILLION が、ここ20年における彼らの最高傑作とも評される新作 “F.E.A.R.” をリリースしました!!
コンセプト、リリック、ミュージック、全てが異次元のクオリティーで深く冷厳に溶け合ったアルバムは、キャリア38年にしてバンドの新たなマイルストーンとなるでしょう。
Prog Rock がコマーシャリズム、POP の波に飲まれた80年代に、GENESIS 譲りのドラマ性とシンフォニーを携えて颯爽とシーンに登場した MARILLION は、ボーカル Fish のカリスマ性、シアトリカルなパフォーマンスとも相俟って Neo-Prog と呼ばれる新たなムーブメントの主役となって行きます。とは言え、彼らの音楽は決して70年代の回顧のみに収まるものではありませんでした。
New Wave, Heavy Metal の風を受けて、巧みにトレンドを反映し、実験性を孕んだそのサウンドは、今となってはやはり Pomp Rock と呼ぶ方が相応しいようにも思えます。初期の作品群からは、U2 や POLICE といった正統派ブリットロックから、IRON MAIDEN のハードなエッジまでを血肉として、Prog Rock を一つ先のステージに進めようと試みていたことが伝わりますね。
ボーカルが Fish から Steve Hogarth にチェンジし、1994年に制作したコンセプトアルバム “Brave” は Pomp Rock バンドとしての MARILLION が結実した瞬間でした。
インタビューにもある通り、Prog Rock 特有のファンタジー性と距離を置き、ダークかつリアリズムに拘ったテーマで勝負した作品は、ダイナミックで強く空間を意識し、アンビエントさえ取り入れながら、際立った音楽的表現力、センスと共に、音楽史に新たな章を書き加えたのです。
そしてその試みは勿論、現在 Modern Prog, Post-Prog シーンの Guru として尊敬を集める Steven Wilson と、彼が率いて来た PORCUPINE TREE とも強く共鳴していたことは明らかでしょう。
それから22年の月日を経て、リスナーの元に届けられた彼らの新しいマスターピースは、”F.E.A.R.” と名付けられました。”F*** Everyone And Run” を略して “F.E.A.R”。この実にセンセーショナルなタイトルは、やはり現実的で、社会問題に目を向けた、現在の MARILLION らしい極めてリアルなコンセプトを表現しているのです。具体的には銀行や政治の汚職、Brexit、欧州議会の腐敗、世界的資本主義の崩壊など、まさに英国が抱える現代社会のダークサイドを投影した濃密な68分に仕上がっています。
アルバムオープナー、”El Dorado” は悲観的な未来を予測した楽曲。PINK FLOYD の “The Division Bell” を想起させる大曲は、インタビューで Pete が “ヨーロッパ周辺には、大きな変化が起こりつつあり、それを通して誰かが僕たちをコントロールする計画を立てているような予感、予兆が存在するんだよ” と語った通り、MARILLION が抱く未来に対する “Fear” の前兆を表現しているようにも感じます。前作のオープナーで、奇しくも同じ17分の大曲 “Gaza” と対となる存在と言えるかも知れませんね。
同時に “El Dorado” は Mike Kelly のエレクトリックピアノからオルガンまで自在に操る見事なキーボードサウンドと、まさにトップフォームな Steve Rothery の物語を紡ぐギターソロがアルバムを通して重要な鍵となることも伝えています。
そしてやはり、特筆すべきは H こと Steve Hogarth のキャラクターになりきった壮絶な歌唱でしょう。作品を象徴するテーマである、持つ者と持たざる者、世界的資本主義の拡大による”エリート”の出現と彼らの保身についての組曲 “The New Kings” において、H は全身の感情を振り絞り、アルバムタイトルともなった “F*** Everyone And Run” と歌い紡ぎます。その瞬間、センセーショナルでともすればチープにさえ思えたその一節は、悲しみの感情を掻き立て、世界の状況を真摯に考えるきっかけを与える魔法の言葉へと変化するのです。RADIOHEAD を想起させるコンテンポラリーなセンチメンタリズムを見事にコンセプトと融合させ、MARILLION が現代にプロテストソングを蘇らせたと捉えることも可能でしょう。
THE BEATLES から脈々と繋がる UK の血を受け継ぎながら、
真の意味での Progressive を体現したアルバム “F.E.A.R.” 。今回弊誌では、1982年からバンドを支え続ける、フレキシブルなベーシスト Pete Trewavas にインタビューを行うことが出来ました。ヨーロッパで絶大な支持を得ている MARILLION ですが、メッセージにもある通り、今度こそは日本のファンにもアピールすると信じます。どうぞ!!

UltimateBoxLid.indd

MARILLION “F.E.A.R.” : 10/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MARILLION : F.E.A.R.】

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SUBROSA : FOR THIS WE FOUGHT THE BATTLE OF AGES】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH REBECCA VERNON OF SUBROSA !!

subrosa-band

Minnesota Based Dramatic-Doom Quartet, SubRosa Has Just Released Beautiful, Magnificent Masterpiece “For This We Fought the Battle of Ages”!!

DISC REVIEW “FOR THIS WE FOUGHT THE BATTLE OF AGES”

ソルトレイクシティの Dramatic-Doom マスター、SubRosa が自身の最高到達点 “For This We Fought the Battle of Ages” をリリースしました!!一世紀も前に書かれた SF ディストピア小説にインスピレーションを得て制作されたアルバムは、バンドのアイデンティティーである Dramatic-Doom のスケールを一層高めた、様々な音楽ファンに愛されるマイルストーンとなるでしょう。
SubRosa は Doom Metal バンドには珍しく、女性ボーカル Rebecca Vernon のミスティックな歌唱を中心に据えています。加えて、Sarah Pendleton と Kim Pack のダブルヴァイオリンとアディショナルボーカルが唯一無二の美麗な Doom を創出しているのです。
ALCEST や DEAFHEAVEN を見れば分かる通り、近年、メタルに “Beauty”, “Atmosphere” を持ち込む、才気溢れるバンドが注目を集め、シーンの限界を押し広げていますが、SubRosa のユニークなラインナップが生み出す手法、冒険、マジックは中でも際立っていると言えるでしょう。
インタビューにもある通り、”For This We Fought the Battle of Ages” はロシアの反体制活動家 Yevgeny Zamayatin の著書 “We” に触発された作品です。当時のソヴィエト初期社会主義時代の、閉塞された状況を描き揶揄したディストピア小説は、しかし、政府による管理、監視、支配という、実は現代社会が抱える問題に読み解くことも可能です。SubRosa はその命題を、人生、死、自由、愛といったテーマを与えた楽曲を通して、エピカルに、ドラマティックに、そしてドゥーミーに描いているのです。
アルバムオープナー、15分半のエピック、”Despair Is a Siren” は深化したバンドを象徴するような1曲です。Doom という特性上、勿論、長くなりがちな楽曲ですが、しっかりとストーリーやシーンを描写する彼女たちにとって、この長さは意図してデザインされた SubRosa’s Way。
静寂が支配するイントロとラウドで実験的なパートの対比が生むボリューム、テンポのダイナミクス、見事にレイヤーされたトリプルボーカルの魔術、そしてデュエットの如くメロディーとカウンターメロディーを行き来する、複雑で美麗なボーカルとヴァイオリン。バンドのトレードマークとも言える要素が、寄せてはは引く波のように揺らぎつつ、リスナーへと届きます。同時に、六拍子とリズムにフォーカスしたディストーションギターが交わり流れ出すカオスの潮流は、SubRosa が NEUROSIS 以来脈々と繋がる Experimental Metal の落胤であることを主張していますね。
アルバムの中心に据えられた “Black Majesty” も同様に15分を超える大曲。東洋的とも感じられるエスニックでエモーショナルなヴァイオリンが先導する、プログレッシブで極上の展開美を誇るこのエピックにおいて、Rebecca は “Isn’t it beautiful?” とリスナーに問いかけます。その1節、歌声からは “Doom Metal だけど美しいでしょ?” という自負心、アイデンティティーが強烈に伝わりますね。
後半の BLACK SABBATH meets GODSPEED YOU! BLACK EMPEROR とでも形容したくなるパートでは、リズム隊を中心に、群を抜いたバンドアンサンブルを聴かせることも記して置くべきでしょう。
また、”Il Cappio” では Rebecca の多彩な一面を覗かせます。バンジョーと共に紡がれるリリックは何とイタリア語。囁くようにスイートなトーンで歌う新しいアプローチにより、陰影を帯びた切なくもフォーキッシュな楽曲は、続く “Killing Rapture” の完璧なプレリュードとして機能していると共に、作品の素晴らしいアクセントとして色を添えています。
ドラマティックでプログレッシブ。”美”にとことんまで拘り、”戦い”抜いた野心的な “For This We Fought the Battle of Ages” は、まさにモダンメタル、Experimental Metal, Post-Doom / Sludge の最新型、金字塔として、凛然と輝く名作に仕上がりました。今回弊誌では、バンドの創立メンバーで、ボーカル/ギター、無数の声を使い分ける才女 Rebecca Vernon にインタビューを行うことが出来ました。日本初取材です!どうぞ!!

13631487_1063869326992395_7746701681183952628_n

SUBROSA “FOR THIS WE FOUGHT THE BATTLE OF AGES” : 9.8/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SUBROSA : FOR THIS WE FOUGHT THE BATTLE OF AGES】

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【downy : 第六作品集『無題』】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ROBIN AOKI OF downy!!

14207589_1364548666896170_3809271190070227147_o

One Of The Greatest Post-Rock, Dark Electronic Outfit From Japan, downy Has Just Released Deep And Cold New Masterpiece “Mudai Ⅵ” !!

DISC REVIEW “第六作品集『無題』”

日本の至宝、5人組ロックバンド downy が新作 “第六作品集『無題』” をリリースしました !!
日本における Post-Rock の先駆けとも評される downy は、映像担当のメンバーが存在する特異な形態のバンドです。当初から、映像と音楽の融合を掲げて来たバンドは、同時に現在フェスやクラブシーンに根付きつつある VJ の先駆者とも言えるでしょう。また、音楽担当以外のメンバーを擁するという点では、勿論初期の KING CRIMSON と通じるフレキシブルな集団でもあるのです。
Post-Rock と一言で語られることも多い downy の音楽ですが、一つのジャンルで括ってしまうには、彼らの才能は多彩で、先鋭的で、オリジナル過ぎると感じます。
静と動を巧みに行き来する独特のダイナミズム、ナチュラルな変拍子の使用が創出する緊張感、儚くも美しいメランコリー、文学的なリリックにレイヤーされた豊かなエモーションが、Hardcore, Post-Hardcore, Psychedelic Rock, Prog Rock, Metal, Jazz, Hip Hop, Electronica, Trip Hop など多様なフィルターを通して downy の世界観、芸術として昇華し、リスナーの元に届けられるのです。
9年の活動休止の後、リリースされた前作 “第五作品集『無題』” は、休止以前と同様、チャレンジングでストイックな作品でしたが、同時に以前、アルバムを覆っていたどこか無機質なムードに仄かな光が射し込んだような、暖かな変化も感じられましたね。
それから3年の間に、downy は休止以前よりも、シーンの軸としてある種の責任感を背負いながら動いてきたようにも思われます。
2014年のフジロック初出演、クラムボントリビュートアルバムへの参加、THE NOVEMBERS への楽曲提供、そして、何と言っても同世代で日本が誇るオルタナティブの雄、envy, Mono と共に Synchronicity” とのコラボレーションから “After Hours” というフェスを立ち上げるなど、実に積極的に活動を続けて来ています。
そういった成果が結実したのが新作 “第六作品集『無題』” であると言えるかも知れませんね。演奏にはさらに人間味を加え、青木ロビン氏のボーカルにはエモーション以上のスピリチュアルな何かが宿っているようにも感じます。
アルバムオープナー、”凍る花” はこの新たな傑作を象徴するような楽曲です。レコードの幕開けを告げるシンセサウンドが鳴り響くと、リスナーは驚きと共に急速に downy ワールドへと誘われます。前作で仄かに射し込んだ暖かな光は、実はこのアルバムでは感じられません。7拍子が導くヒリヒリとした緊張感、さらに説得力を増したメランコリックな歌唱が伝える冷たく蒼い世界観は、まさしく downy 唯一無二のもの。初期の感覚、原点を、現在の成熟した downy が奏でるといったイメージも少なからず存在するようにも思います。
続く”檸檬” はウッドベースとツッコミ気味のハイハットがジリジリとした焦燥感を生み出す壮絶な5拍子。”海の静寂” は R&B 的な黒い歌唱と、静寂を切り裂くギターのうねりが印象的。プレイ自体は人間らしい感情の熱を帯びているにもかかわらず、殺伐とした冷ややかな雰囲気を保ち続けるアルバムは、やはり異形なまでに特殊です。
同時に、”色彩は夜に降る”, “親切な球体” にも言えますが、リズム隊の究極に研ぎ澄まされた、ミニマルかつインプレッシブなリフアプローチが冴え渡った作品とも言えますね。
今回弊誌では、青木ロビン氏にインタビューを行うことが出来ました。内容にもある通り、メタル、プログロックのファンにも強く聴いていただきたいバンドです。どうぞ!!

13669786_1309794025704968_8674044731413969851_n

downy “第六作品集『無題』” : 10/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【downy : 第六作品集『無題』】

EXCLUSIVE INTERVIEW 【TONY LEVIN : KING CRIMSON, STICK MEN, LEVIN MINNEMANN RUDESS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH TONY LEVIN OF KING CRIMSOM, STICK MEN AND LEVIN MINNEMANN RUDESS !!

14125562_10155192508712519_5857787254215053182_o

Legendary Bass Player, Tony Levin Talks About King Crimson, Stick Men, Levin Minnemann Rudess And More !!

“A GUIDE TO TONY LEVIN”

世界一多忙なベーシストとも評される Tony Levin。その評価を裏付けるかのように、この半年間だけで、3枚の参加作品をリリースして行きます。5弦ベース、アップライトベース、チャップマンスティックなど、時と場合に応じて楽器と奏法を巧みに使い分ける器用さ、加えて、ファンクフィンガー奏法に代表される独創性をも兼ね備えている点が多忙の理由ではないでしょうか。
勿論、Tony が最も知られているのは KING CRIMSON のメンバーとしてでしょう。1981年からTony が断続的に支え続けてきた、そのプログロックの伝説が最新作、”Radical Action To Unseat The Hold Of Monkey Mind” をリリースしました。
昨年行われた日本ツアーから高松公演の映像 Blu-Ray と、ライブ音源ながらそれぞれがテーマを持ち、オーディエンス音をカットした”ヴァーチャルスタジオアルバム”が3枚。3CD+Blu-Ray という圧倒的なフォーマットのボックスセットはまさに”KING CRIMSON Re-imagined” と言えるでしょう。
過去の名曲の数々が、トリプルドラムスという、時に圧倒的な音の壁を築き上げ、時に3者が全く別のリズムを刻む、現在の編成、ラインナップで再現される様はまさに圧巻です。同時に、新曲をしっかりと披露し、現在進行形の KING CRIMSON を提示、スタジオアルバムとしての役割をも果たす重要な作品に仕上がっています。
Levin Minnemann Rudess は3人のプログヴァーチュオーソが集結したスペシャルなプロジェクト。KING CRIMSON, THE ARISTOCRATS, DREAM THEATER。三者三様の偉大なプログアクトのメンバーから成るメガトリオが最新作 “From The Law Offices Of Levin Minnemann Rudess” をリリースしています。
意外にも、テクニック、実験性一辺倒ではなく、多彩でキャッチー、バラエティーに富んだデビュー作からさらに楽曲、アイデアを練り込む時間が得られたという新作は、3人の個性が見事に融合し、全ての Jazz/Prog ファンにアピールする “Prog Heaven” とでも評したくなるほど充実した内容です。
Marco Minnemann は、強烈なリズムアプローチとクリエイティブなアクセントで作品の要となると同時に、ギタープレイでもアルバムに貢献していますし、Jordan Rudess は当然ながらマジカルで、今回は特に80年代を意識したようなカラフルなプレイが白眉。そして、Tony はチャップマン・スティック・マスターとしての矜持、加えてファンクやパーカッシブな要素をアルバムにもたらし、作品を巧みに彩ります。勿論、シリアスでありながら、どこかユーモアやエンターテインメント性を感じさせる点も、このトリオならではだと感じます。5/4の魔術、アルバムオープナー”Back to the Machine” 、LIQUID TENSION EXPERIMENT を想起させる “Ready Set Sue”、ゲームミュージックへの親和性を感じさせる “What is the Meaning?” など本当に聴き所が満載なアルバムですね。
さらに10月には STICK MEN の新作 “Prog Noir” のリリースも控えています。STICK MEN は KING CRIMSON のリズムを支える Tony, Pat Mastelotto が気鋭のギタリスト/コンポーザー Markus Reuter と組んだ野心的でアーティスティックなグループです。
バンド名にも冠するように、Tony はベースとギターの特性を併せ持つチャップマン・スティックを使用、Markus も同様にギターとベースの音域をカバーする8弦のタッチギターを操り、弦楽器による縦横無尽な演奏を可能にしています。さらに、Pat のアコースティック、エレクトロニック、ループ、サンプルを巧みに使い分けるドラムアプローチにより、グループとしてモダンで先鋭的なプログロックを表現していますね。
新作 “Prog Noir” はボーカル曲の割合が増え、同時にダークでユニークな完成度の高いアルバムに仕上がっています。インタビューで語ってくれたように、来年2月の来日公演も決定しているそう。アルバムと併せて楽しみにしていてくださいね。
今回弊誌では Tony Levin にその KING CRIMSON, Levin Minnemann Rudess, STICK MEN について詳しく語っていただくことが出来ました。レジェンドの登場です。どうぞ!!

13691104_10155029733527519_571472872263624959_o

続きを読む EXCLUSIVE INTERVIEW 【TONY LEVIN : KING CRIMSON, STICK MEN, LEVIN MINNEMANN RUDESS】

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【HIATUS KAIYOTE : CHOOSE YOUR WEAPON】SUMMER SONIC 2016 Special !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NAI PALM OF HIATUS KAIYOTE !!

11203075_879318055459526_6903712264575772010_n

Australia Based Super Eclectic Future Soul Outfit, Hiatus Kaiyote Set To Come Back To Japan in August! Don’t Miss Their Splendid Performance At Summer Sonic 2016 !!

DISC REVIEW “CHOOSE YOUR WEAPON”

オーストラリアを代表するアーティストへと躍進を遂げ、Summer Sonic 2016 への出演も決定している “Multi-Dimensional, Polyrhythmic Gangster Shit” こと HIATUS KAIYOTE。2度のグラミー賞へのノミネート、Q-Tip とのコラボレート、Robert Glasper の作品への参加、Chance the Rapper によるサンプルの使用など、何かと話題の多い彼らですが、注目を集めるのも当然。それは、”Neo Soul”, “Future Soul” と評されている事実からも分かるように、非常にエクレクティックで、スリリングで、斬新で、未来への扉を開ける音楽を創出しているからでしょう。
3年というインターバルを要した彼らの最新作 “Choose Your Weapon” は、さらにサウンドの領域を広げバリエーションに富んだ、完成度の高い傑作に仕上がりました。70分18曲に及ぶ大作は、Modern Jazz, 70’s Funk, Samba, Hip Hop, House, African Soul, Fusion, Prog Rock など実に多彩な要素を取り込みつつ、華やかなエレクトロニカサウンドで装飾された、カラフルで万華鏡のような作品です。デビュー作 “Tawk Tomahawk” が随所にその才能のキラメキを感じさせながらも、10曲30分といういかにも食い足りないランニングタイムであったことを考えれば、本格的に勝負に出たレコードとも言えるでしょう。
“Shaolin Monk Mothefunk” は “Choose Your Weapon” への招待状。ボーカル/ギター Nai Palm の Stevie Wonder, Amy Winehouse を想起させるソウルフルな歌唱、しなやかに配置されたメロディーとカウンターハーモニー、断続的に行われるキーチェンジは実に見事で、アルバムを通してバンドの推進力となっていますね。ウォーキングベースと4ビートでスウィングするヴィンテージジャズサウンドから一転、楽曲は目まぐるしくもアフロ・ポップのグルーヴを刻み始めます。シンセサイザー&フレットレスベースの高速アルペジオと Nai の鬼気迫る歌唱が一体となり、畳み掛ける終盤は圧巻の一言。リスナーはこの時点で、アルバムがいかにアイデアに溢れた作品であるか理解することでしょう。
楽器隊の群を抜いたパフォーマンスも勿論聴き所の1つです。特にシンセサイザーを操る Simon Marvin の音色の豊かさ、テクニックは白眉。宮崎アニメ、”天空の城ラピュタ”にインスパイアされたという “Laputa” ではシンセサイザーがパステルカラーの波を生み出し、”Jekyll” ではピアノでバンド全員のエキゾチックなルーツと並外れたテクニックを引き出します。”Breathing Underwater” での、サンバ・エレクトロニカなどと称したくなる試みも画期的ですね。
特筆すべきは、”Atari” で Dubstep 的ビートとチップチューンを大胆に使用し、キャッチーで未来色の音楽を提示しています。このレコードで何度も聴ける、Perrin Moss の異なる拍子を刻む多次元的なドラミングと Paul Bender の印象的なリフを刻むリードベースが、楽曲にロックらしいダイナミズムをもたらしていますね。同時に、彼らのプログ的側面も開花しており、YES のような”キメ”を使用し、70’s Rock のムードを盛り込んでいることは非常に興味深い対比ですね。
加えて、LAジャズシーンとの接近もアルバムの重要な要素です。”Jazz the New Chapter” シリーズで紹介されたように、HIATUS KAIYOTE は間違いなく、新たに拡散する Jazz サウンドの先端にも立っています。”Creations Pt.1″ には明らかに FLYING LOTUS からの影響が感じられますし、Nai が16.7歳の時に書いたという “Fingerprints” のサウンドは Robert Glasper の手法と通じます。
トレンドを意識しつつ、独自の音楽を開拓する HIATUS KAIYOTE。今回弊誌ではバンドの顔とも言える Nai Palm にインタビューを行うことが出来ました。5月の来日から3ヶ月での帰還となります。どうぞ!

22383_879317848792880_3281675706540277194_n

HIATUS KAIYOTE “CHOOSE YOUR WEAPON” 10/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【HIATUS KAIYOTE : CHOOSE YOUR WEAPON】SUMMER SONIC 2016 Special !!