EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BLIND EQUATION OF JAMES MCHENRY !!
“The Largest Influence On Our Music However Is The Touhou Soundtrack By ZUN. Especially Touhou 8 – Imperishable Night. Yume Nikki And It’s Fangames Have Also Been Largely Influential To Me For The Last Two Albums.”
DISC REVIEW “DEATH AWAITS”
「メタルのルールや境界線を破るためだけに音楽を書いているとは言わないけど、その境界線が自分の制作や作曲のプロセスに影響を与えることはないね。破壊が理にかなっていて、人々の期待を打ち砕くようなものであれば、僕はそれをとても楽しいことだと思うからね」
イリノイの BLIND EQUATION が牽引する “サイバー・グラインド” が一体何なのかよく分からなくても、”Death Awaits” を聴けばその狂気に衝撃を受けることは間違いありません。8bitのチップチューン、ユーロ・トランス、ブラックメタル、そしてグラインドが融合したこの混沌は純粋に、これまで世の中に存在しなかったもの。その音楽はまるでアートワークの彼岸花のように、甘く、切なく、美しく、そして危険です。
「僕らの音楽に最も大きな影響を与えているのは、ZUN による東方サウンド・トラックなんだ。特に東方8、”東方永夜抄 ~ Imperishable Night” だね。夢日記とそのファンゲームも、過去2枚のアルバムに大きな影響を与えているんだよ。ライティング・プロセスでよくプレイしていたからね」
8bit・エレクトロニクスとブラスト・ビートが時にアンセミックに、時にカタストロフィックに共鳴し爆発する彼らの音楽は当然、日本のゲーム・ミュージックに感化されています。ただしそれは、悪魔城ドラキュラや F-Zero、そしてファイナル・ファンタジーといった、海外のアーティストにとってある意味 “おなじみ” となったメジャー作品ではなく、よりアンダーグラウンドな、ZUN 氏が主催する同人サークル “上海アリス幻樂団” による東方Project でした。
「僕たちはみんな一緒に闘っているのだから、お互いに支え合うことが大切なんだよ。音楽や芸術は、ネガティブな感情から逃避するための素晴らしい方法だよね。それはたしかだよ。でも、それ以上に、そうした感情に対処し、癒すためにも使うことができる。音楽コミュニティで素晴らしい人々に出会えたことは、僕を人間として向上させ、単なる逃避以上のものになっているんだから!」
前作 “Life is Pain” “人生とは苦痛” と違って、”Death Awaits” は、現実世界の不安やネガティブな人生経験、対人関係の痛み、失われた信頼について吐き出しながらも、そこに一筋の希望を込めています。
サイバー・グラインドも東方Project も、言ってみれば日陰の中の日陰。メタルやゲームといった現実世界からの逃避場所の中でも、非常に深くて遠い逃避場所でしょう。しかし、だからこそ、BLIND EQUATION の首領 James McHenry は、その深く暗い場所へと逃げるだけではなく、負の感情に対処し、癒やされ、深淵から這い出ることも必要だと語ります。
“孤独なのは君だけじゃない”。そう、あのぼやけた彼岸花のごとく、”Death Awaits” に流れる黒とピンクの曖昧なコントラスト。それは、痛みと希望であり、破壊と協調であり、重さと美しさであり、危険と優しさの象徴です。
アップリフティングとダウナーで極端に二極化されたように思える BLIND EQUATION の音楽でさえ、その”叙事詩” はメタルのルールを破りながら一つとなり、無限の可能性を示してみせました。だからこそ、彼らのこの混沌とした音楽はこの混沌の時代に、孤独なリスナーの心に寄り添い、そっと手を差し伸べる権利があるのでしょう。
今回弊誌では、James McHenry にインタビューを行うことができました。「特に Camellia & Nanahira のアルバム “GO-IN!” は、クリエイティヴな面で僕に大きな影響を与え、BLIND EQUATION の曲作りにおけるジャンルの切り替えやより混沌とした部分の多くにインスピレーションを与えてくれたんだ」 ドラム、ボーカル、ショルキーのトリオ編成も最高!どうぞ!!
BLIND EQUATION “DEATH AWAITS” : 10/10
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