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NEW DISC REVIEW + ANATOMY 【ichika : forn】


EXCLUSIVE: ANATOMY OF ichika !!

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This Is The Next Level !! The Most Talented Contemporary Guitar Artist In Japan, ichika Has Just Released Amazing, Astonishing, Awe-inspiring Debut EP “forn” !!

DISC REVIEW “forn”

Toshin Abasi 以来の衝撃!クリスタルのように清廉なサウンドと研ぎ澄まされた感性で ichika は日本のみならず海外からも高い注目を集める新たなギターマエストロです。想像力を掻き立て感情を揺さぶる瑞々しい楽曲の数々は、フレッドボードを駆け巡る独創的で絢爛たる奇跡のテクニックから生み出されます。
Instagam, Twitter など SNS における圧倒的な動画の視聴数、シェア。さらに Tosin Abasi, Jason Richardson といった海外のモダンギターヒーローから注がれる熱い視線を追い風に受けリリースした待望のデビューEP “forn” はまさにインストゥルメンタルシーンに新たな時代の幕開けを告げるエポックメイキングな作品に仕上がりました。
アルバムのフォルムは想像を遥かに超えたものでした。おそらく多くのファンが思い描いた作品は、バンド形態の Instru-metal アルバムだったのではないでしょうか?しかしリスナーの元に届いた “forn” のサウンドは、ギター一本、清澄で無垢なクリーントーンが奏でる水晶彫刻のような崇高な美景、世界観だったのです。
ただ、ichika が今回弊誌に語ってくれた「人生を変えた5枚のアルバム」を念頭に置き、存慮すればこのディレクションは深く頷けるものだと思います。”Waltz for Debby”。彼が志向しデザインしたこの透徹した美意識によるスペクトルは、孤高のジャズピアニスト Bill Evans がかの歴史的傑作で提示したアーティスティックな表現世界と真に深く通じているのです。
実は幼少期に “Waltz for Debby” に感銘を受け、ジャズピアニストを志していたという ichika。静と動のダイナミズムが白眉で、詩情豊かな美しきワルツ “resolution” は “Waltz for Debby” への追憶かも知れません。 残響までをも計算した限りなく繊細で透明な、しかし同時に自身のペルソナ、小宇宙、エモーションを余すことなく描き出す若きマエストロの手法、秀絶な初演には、確かに巨匠の息吹が濃密に感じられますね。
ヴォイシングの妙、独演という観点から見れば、Bill Evans の “Alone” や Joe Pass の “Virtuoso” にも共振する部分はあるでしょう。そして勿論、彼が挙げている Russell Malone にも。ichika のどこか温かみのあるトーン、ベースラインと旋律の巧みな双饗、ハーモニクスやタッピングのナチュラルな浸透には Russell の遺伝子がしっかりと脈打っています。
さらにツーバスでスウィングする不世出のジャズドラマー Kendick Scott。”a bell is not a bell” を聴けば、コンテンポラリージャズを代表するリズムマスターのポリリズム、変拍子、モダンなアプローチをしっかりと消化し、自らの血肉としていることが分かりますね。
とは言え、”forn” はジャズレコードではありません。そしてジャズレコードでないことこそが ichika の ichika たる由縁だと言えるのではないでしょうか。VEIL OF MAYA の “The Common Man’s Collapse”、”the cabs” の “一番はじめの出来事”をジャズの名盤と共にピックアップしていることが表象するように、彼の音楽にはジャズと同様にモダンプログやマスロックといった現代的なアプローチもしっかりと根付いています。
そして日本人らしい叙情性。”戦場のメリークリスマス” にも通じるようなリリシズムを備えた “flowers” はジャズとコンテンポラリーギターの完璧なる融合であり、同時に日本らしい四季や侘び寂びを感じさせる絶佳のサウンドスケープを有した ichika を象徴する一曲だと感じました。
ichika の旅路、音楽的探求は “forn” で遂にその幕を開けました。少なくとも、今まで日本のアーティストに欠けていた世界で戦うに充分なオリジナリティー、インテリジェンス、そしてアピアランスを備えていることは確かです。”have a nice dream”、応援しましょう!!

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ichika “forn” EP: 9.9/10

【FIVE ALBUMS THAT CHANGED ICHIKA’S LIFE】

BILL EVANS “WALTZ FOR DEBBY”

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KENDRICK SCOTT ORACLE “CONVICTION”

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RUSSELL MALONE “RUSSELL MALONE”

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VEIL OF MAYA “THE COMMON MAN’S COLLAPSE”

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【MESSAGE FOR JAPAN】

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“forn” EPを聴いていただいてありがとうございます。このEPを皮切りに、次の作品のリリースも予定していて、そこからライブを初めていこうとも思っています。皆さんにお会いできるのを心待ちにしています。

Thanks a lot for listening to “forn” EP. Starting with this EP, I plan to release the next work and I’m thinking of my first live from there. I am looking forward to seeing you all!

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【KURT ROSENWINKEL : CAIPI】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH KURT ROSENWINKEL !!

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Ten Years In The Making, Master Of Jazz Guitar, Kurt Rosenwinkel Has Just Released Colorful, Rich, and Contemporary New Record “Caipi”!!

DISC REVIEW “CAIPI”

コンテンポラリージャズギターの唱導者、プロフェッサー Kurt Rosenwinkel が自身を反映し体現したマスターピース “Caipi” をリリースしました!!制作に10年という長い年月を費やしたアルバムには、伝統と革新、卓越したセンスと豊かなエモーションが込められています。

“僕が一番大切にしているのは、やはりジャズであり、自分の音楽だ。でも僕の内側から聴こえてくるものがロック・ソングやソウル・ナンバーであれば、僕はそれに従わなければないけない。創造の源はコントロールできないからね。”(Jazz Life 2000.2)

過去のインタビューで語る通り、Kurt は偉大なジャズマスターでありながら、その領域のみに留まらず自らのインスピレーションに従い、豊潤な音楽の旅を続けています。バークリー入学以前の学生時代にはあの Tony MaCalpine の兄 Chris に師事しプログバンドを結成していたという過去に加えて、hip-hop のカリスマ Q-tip とのコラボレートもその事実を裏付けていますね。さらに、現在はドイツのベルリン音楽大学でギターとアンサンブルのクラスを受け持っているのですから、彼のキャパシティー、間口の広さには驚くばかりです。
Gary Burton, Mark Turner, Chris Potter, Joshua Redman, Aaron Parks など多士済済のジャズジャイアンツと共演を果たして来た Kurt ですが、”Caipi” では基本的に全ての楽器を1人でこなしています。ギターは勿論、ベース、ドラムス、そしてボーカルまでを自らで司り、多重録音を行った作品は、インタビューでも語ってくれた通り Q-tip と二人三脚で作り上げた “Heartcore” の正当な続編であり、深厚かつパーソナルな作品として絶類な存在感を放っているのです。
タイトルトラック “Caipi” が象徴するように、アルバムは確かにブラジル、正確にはミナスジェライスの風景や Milton Nasciment の面影を感じさせます。インタビューにもある通り、Milton の音楽は “Caipi” の重要なインスピレーションとして作品を紐解く鍵となっていることは明らかでしょう。
しかし同時に、ブラジル特有のコード感やリズムのエッセンスは作品を語る上での一つのトピックにしかすぎません。色彩も鮮やかなアートワークが物語るように、ここには拡散する Kurt のジャズを体現したカラフルな音世界、サウンドスケープが鮮やかに広がっているのです。
実際、今回 Kurt がブラジル音楽にフォーカスしたのは、”アルゼンチン音響派” に次ぐ新たなムーブメント”ミナス新世代”の奔放で多元的、モダンでカラフルなエナジーに惹かれたからではないかと思わせるフシもありますね。Antonio Loureiro, Pedro Martins というバンデイラの起用こそ、Kurt の”ミナス新世代”に対する明確なシンパシーの表出であり、表敬に違いありません。
モダンと言えば、前作 “Star of Jupiter” には Aaron Parks をはじめ、コンテンポラリージャズスターが集結。オープナー、”Gamma Band” の先進性、ジャズ、プログ、現代音楽をいとも容易く超越したカレイドスコープ的サウンドは、拡散する新たなジャズの象徴としてシーンに衝撃を与えましたが、”Caipi” では全ての設計図を自ら描き、構築することで独創的な内面を余すことなく表現していると言えるのかもしれませんね。
確実にアルバムの根幹を成すのはジャズとブラジル音楽です。しかしロック、ポップ、プログロック、ブルース、ソウル、ハウス、テクノ、エレクトロニカなど複眼的で多彩な影響をフレキシブルに打ち出すことで、Kurt はその唯一無二の才能、そしてジャンルの可能性を閉鎖的でバックカタログを重視しがちなジャズワールドに見せつけたといえるでしょう。言い換えればこの試みは、ジャズの側から見たポストロックと言えるかもしれません。そして、ジャズの境界線を押し広げる彼の手法は、インタビューにもあるように “Jazz the New Chapter” のムーブメントとも宿命的に連動するはずです。
とは言え、”Casio Vanguard” からは Pat Metheny を、”Little B” では Alan Holdsworth をイメージするように、脈々と流れる伝統もまた Kurt の中にはしっかりと受け継がれています。”スローハンド” Eric Clapton のゲスト参加には、そんな Kurt にこそギターの未来を託すといった意味合い、想いも少なからず含まれているようにも思えました。
今回弊誌では、Kurt Rosenwinkel にインタビューを行うことが出来ました。4月には来日公演も決定しています。どうぞ!!

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KURT ROSENWINKEL “CAIPI” : 9.8/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【HIATUS KAIYOTE : CHOOSE YOUR WEAPON】SUMMER SONIC 2016 Special !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH NAI PALM OF HIATUS KAIYOTE !!

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Australia Based Super Eclectic Future Soul Outfit, Hiatus Kaiyote Set To Come Back To Japan in August! Don’t Miss Their Splendid Performance At Summer Sonic 2016 !!

DISC REVIEW “CHOOSE YOUR WEAPON”

オーストラリアを代表するアーティストへと躍進を遂げ、Summer Sonic 2016 への出演も決定している “Multi-Dimensional, Polyrhythmic Gangster Shit” こと HIATUS KAIYOTE。2度のグラミー賞へのノミネート、Q-Tip とのコラボレート、Robert Glasper の作品への参加、Chance the Rapper によるサンプルの使用など、何かと話題の多い彼らですが、注目を集めるのも当然。それは、”Neo Soul”, “Future Soul” と評されている事実からも分かるように、非常にエクレクティックで、スリリングで、斬新で、未来への扉を開ける音楽を創出しているからでしょう。
3年というインターバルを要した彼らの最新作 “Choose Your Weapon” は、さらにサウンドの領域を広げバリエーションに富んだ、完成度の高い傑作に仕上がりました。70分18曲に及ぶ大作は、Modern Jazz, 70’s Funk, Samba, Hip Hop, House, African Soul, Fusion, Prog Rock など実に多彩な要素を取り込みつつ、華やかなエレクトロニカサウンドで装飾された、カラフルで万華鏡のような作品です。デビュー作 “Tawk Tomahawk” が随所にその才能のキラメキを感じさせながらも、10曲30分といういかにも食い足りないランニングタイムであったことを考えれば、本格的に勝負に出たレコードとも言えるでしょう。
“Shaolin Monk Mothefunk” は “Choose Your Weapon” への招待状。ボーカル/ギター Nai Palm の Stevie Wonder, Amy Winehouse を想起させるソウルフルな歌唱、しなやかに配置されたメロディーとカウンターハーモニー、断続的に行われるキーチェンジは実に見事で、アルバムを通してバンドの推進力となっていますね。ウォーキングベースと4ビートでスウィングするヴィンテージジャズサウンドから一転、楽曲は目まぐるしくもアフロ・ポップのグルーヴを刻み始めます。シンセサイザー&フレットレスベースの高速アルペジオと Nai の鬼気迫る歌唱が一体となり、畳み掛ける終盤は圧巻の一言。リスナーはこの時点で、アルバムがいかにアイデアに溢れた作品であるか理解することでしょう。
楽器隊の群を抜いたパフォーマンスも勿論聴き所の1つです。特にシンセサイザーを操る Simon Marvin の音色の豊かさ、テクニックは白眉。宮崎アニメ、”天空の城ラピュタ”にインスパイアされたという “Laputa” ではシンセサイザーがパステルカラーの波を生み出し、”Jekyll” ではピアノでバンド全員のエキゾチックなルーツと並外れたテクニックを引き出します。”Breathing Underwater” での、サンバ・エレクトロニカなどと称したくなる試みも画期的ですね。
特筆すべきは、”Atari” で Dubstep 的ビートとチップチューンを大胆に使用し、キャッチーで未来色の音楽を提示しています。このレコードで何度も聴ける、Perrin Moss の異なる拍子を刻む多次元的なドラミングと Paul Bender の印象的なリフを刻むリードベースが、楽曲にロックらしいダイナミズムをもたらしていますね。同時に、彼らのプログ的側面も開花しており、YES のような”キメ”を使用し、70’s Rock のムードを盛り込んでいることは非常に興味深い対比ですね。
加えて、LAジャズシーンとの接近もアルバムの重要な要素です。”Jazz the New Chapter” シリーズで紹介されたように、HIATUS KAIYOTE は間違いなく、新たに拡散する Jazz サウンドの先端にも立っています。”Creations Pt.1″ には明らかに FLYING LOTUS からの影響が感じられますし、Nai が16.7歳の時に書いたという “Fingerprints” のサウンドは Robert Glasper の手法と通じます。
トレンドを意識しつつ、独自の音楽を開拓する HIATUS KAIYOTE。今回弊誌ではバンドの顔とも言える Nai Palm にインタビューを行うことが出来ました。5月の来日から3ヶ月での帰還となります。どうぞ!

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HIATUS KAIYOTE “CHOOSE YOUR WEAPON” 10/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SNARKY PUPPY : FAMILY DINNER VOL.2】JAPAN TOUR 2016 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MICHAEL LEAGUE OF SNARKY PUPPY !!

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TWO TIMES GRAMMY WINNER, JAZZ ORIENTED REVOLUTIONALY GROUP, SNARKY PUPPY ARE GOING TO COME TO JAPAN ON JUNE WITH THEIR AMAZING NEW RECORD “FAMILY DINNER VOL.2”!!

2014年には “Something” で Best R&B Performanceを、今年はアルバム “Sylva” が Best Contemporary Instrumental Album を、2度もあの栄誉ある Grammy Award を獲得。世界中のアーティストや音楽ファンから尊敬を集めるコンテンポラリーJAZZ集団 SNARKY PUPPYが新作 “Family Dinner Vol.2” をリリースしました!!同時に cero, origami PLAYERS, Michelle Willis といった新世代の注目アーティストをサポート/オープニングアクトに起用した6月の単独公演も決定しています。
SNARKY PUPPY は北テキサス大学でベーシストの Michael League を中心に結成された、総勢30~40名が所属する大所帯のコンテンポラリーJAZZグループ。Robert Glasper 以降の所謂 “Jazz the New Chapter” 文脈で語られることも多く、その唯一無二な音楽性は新しく拡散するJAZZやアートの形を提唱しているように思えます。
流動的なメンバーですが、主要人物は12名ほど。彼らの多くが JAZZ はもとよりメインストリームのアーティストたちにも引く手あまたで、Kendrick Lamar, John Mayer, Marcus Miller, Snoop Dog, Justin Timberlake, といった才能たちと共演を果たしています。中には日本人パーカッショニスト小川慶太さんや、ソロ作も非常に充実している鍵盤奏者 Bill Laurance といった顔もありますね。
最新アルバム “Family Dinner Vol.2” は2013年にリリースされた “Family Dinner” の続編として制作されました。ゲストボーカリストたちを迎え、彼らの楽曲をリアレンジして収録するという試みは今回も同じですが、前作が R&B 色の濃い作品だったのに対して、今作では世界中からゲストを招き、より多彩でキャッチーな、ワールドミュージックの影響も強く感じさせる作品に仕上がりました。
中でも、アフリカはマリ出身、アルビノの奇才 Sarif Keita をボーカリストに迎え、ブラジルのパンデイロやフルート奏者を合流させた “Soro(Afriki)” の素晴らしさは筆舌に尽くし難いですね。アフリカのオリエンタルな伝統音楽にサンバのリズムが加わり、それを現代的なサウンドで立体的に表現した楽曲は全音楽ファン必聴と断言したいほど。また御年71歳を迎えたペルーの伝説、Afro-Peruvian リバイバルの重要人物 Susana Beca と Joe Satriani に師事し D’Angelo や John Mayer にも認められた8弦ギター使い Charlie Hunter の共演 “Molino Molero” では、ブルースとAfro-Peruvianに共通するルーツ”アフリカ”を強く感じることが出来ます。この2曲は、白人音楽と黒人音楽の歴史的背景にまで想いを馳せるよう意図されているのかも知れませんね。
新進気鋭のボーカル多重録音アーティスト Jacob Collier の “Don’t You Know” も衝撃的。自らのボーカルを多重録音し、アカペラと卓越した楽器の演奏で音楽シーンに登場した彼のパフォーマンスは、この楽曲に置いても輝きを放っていますね。対照的に、アルバムを締めくくる David Crosby 御大の飾り気のない “Somebody Home” での歌唱も見事の一言でした。
“We Like It Here”, “Sylva”, そして今作と、スタジオライブレコーディングを続けている SNARKY PUPPY。彼らの様々な新しい試みからは、音楽シーンを本当に変えてやろうという気概が強く伝わって来ます。そしてそれが遂に受け入れられつつあることはシーンの希望だと心から思います。
今回弊誌では、グループの首謀者 Michael League に独占インタビューを行うことが出来ました。少し難しく綴ってしまったかもしれませんが、彼らの本質は JAZZ, HIP HOP, ROCK, R&B, DANCEといった音楽のハイブリッド良いとこ取り。万人が楽しめる音楽だと信じます。どうぞ!!

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SNARKY PUPPY “FAMILY DINNER VOL.2” : 10/10

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EXCLUSIVE INTERVIEW 【PAT METHENY】JAPAN TOUR 2016 SPECIAL !!


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PAT METHENY !!

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The Legendary Jazz Guitar Player, Pat Metheny set to come to Japan on May!! Don’t miss his brand new band Premiere!!

Jazz、いや音楽シーンのレジェンド、20度ものグラミー受賞歴を誇る天才 Pat Metheny が5月に新バンドのワールドプレミア公演を日本で行います!!
日本では、最近 “JOJO” のエンディングで使用された “Last Train Home” で知ったという若い音楽ファンも多いかも知れませんね。しかし彼は70年代から活躍し、自身の PAT METHENY GROUP で賞賛を浴び続ける才能で、同時に、Jaco Pastorius, David Bowie, Joni Mitchell, Ornette Coleman といったジャンル不問の偉大なミュージシャンたちと共演を果たして来たミュージシャンズミュージシャンでもあるのです。
ジャンル不問…昨今、Jazz the New Chapter で紹介される Jazz ミュージシャンたちが Jazz の新しい扉を押し広げようとしていますが、Pat Metheny の偉大な点はその部分にあり、JTNC のパイオニアでもある気がします。
自身初のリーダー作 “Bright Size Life” では Marvin Gaye の楽曲を取り上げていますし、次の “Watercolors” では二作目にして既に カントリー、フォーク、ポップスの要素をアルバムに自然に取り入れ見事 Jazz と融合させています。Fusion という一言で語られることも多いですが、当時流行していたテクニカルでロックテイストを取り入れた Fusion とは明らかに一線を画しており、 音の先に美しい風景が見えるようなスムーズジャズを推し進めたと解釈することも出来るでしょう。
78年に結成した PAT METHENY GROUP では特に Lyle Mays のピアノと Pat のギターのコンビネーションが抜群でした。そしてグループとしても、革新的な試みを次々に発表して行きます。大胆に8ビートを使用したロックへの回答とも言われる代表作 “American Garage” や、ギターシンセサイザーを導入した “Offramp”。中でも “Offramp” に収録されている “Are You Going With Me?” は常にライブでも演奏されて来た Pat Metheny を象徴するような楽曲です。ギターシンセを使用し、繊細な音色から雄叫びのような咆哮まで自在に操る Pat のギターワークと、ドラマティックなエンディングに花を添える Lyle のピアノ。まさに名演とはこのことだと何度聴いても思ってしまいますね。
後に Pat は ECM から GEFFIN に移籍し、ブラジル音楽に接近。若い頃から影響を受けていた Samba, Bossa Nova, そして Milton Nasciment など MPB(Musica Popular Brasileira)界隈への憧れを反映した “Still Life(Talking)”, “Letter From Home” という2枚の名作を残します。ECM 時代に比べて Jazz 的な面白さは減りましたが、作り込まれたより大衆向けの完成された音楽はさらに Pat の名を世界に轟かせることとなります。”Last Train Home” を聴けば 名手 Paul Wertico でさえ、ブラシで16分を刻む淡々としたプレイに制限されていることが分かります。勿論、エレクトリック・シタールやボイスを使用したりと実験的な試みもありますが、インタープレイなどは抑え、映画のような情景を創り出すことに全神経を注いだように感じられますね。
また90年代には、ラテンアメリカの音楽に傾倒する傍らで、Jim Hall, Charlie Haden, Chick Corea といった Jazz Giant たちとの共演、再演も成功させ、素晴らしいレコードを残しています。
彼の音楽に対する情熱は近年でも衰えることを知りません。2010年に発表した “Orchestrion” はファンの度肝を抜きました。オーケストリオンとは、元々20世紀初頭に存在した複数の楽器を自動制御で同時に演奏させる大掛かりな機械なのですが、Pat はそれをコンピューターを利用して現代に蘇らせたのです。巨大な機械と1人で対峙しながら、生まれる音楽は PAT METHENY GROUP そのものなのですから圧巻です。また、新たに立ち上げた UNITY BAND, そしてマルチプレイヤー Giulio Carmassi を得て進化した UNITY GROUP でもその創造性を遺憾無く発揮しています。さて今回日本で初公開される新しいバンドではどのようなサプライズが待っているのでしょう?今回弊誌では Pat に非常に濃厚な独占インタビューを行うことが出来ました。弊誌初登場のグラミーウイナーです!”Are You Going With Pat?” どうぞ!!

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WORLD PREMIERE : “AAI” 【AMOGH SYMPHONY】


WORLD PREMIERE: “AAI” FROM “Ⅳ” OF AMOGH SYMPHONY !!

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FROM INDIA, RUSSIA, US, AND PORTUGAL.INTERNATIONAL PROG METAL OUTFIT, AMOGH SYMPHONY HAS JUST RELEASED FIRST TRACK FROM THEIR UPCOMING ALBUM “Ⅳ”!!

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以前弊誌でインタビューを行った前衛的なプログメタルバンド AMOGH SYMPHONY。今年リリースされる新作から新曲を弊誌でプレミア公開致します!! インド、ロシア、USの多国籍バンドは新たにポルトガル人 DERICK GOMES をメンバーに迎えさらにパワーアップ。四人全員がマルチ奏者という異形のラインナップが生み出す、様々な楽器を使用したその音楽は、初期のプログメタルからは遠く離れ JAZZ, ELECTRONICA, EXPERIMENTAL な独特の世界を創造しています。

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Jim Richman : Drums, Engineering/Mixing.
Derick Gomes : Synth, Percussion, Electronics, Engineering/Mixing.
Andrey Sazonov : Accordion, E-Piano, Balalaika and Violin.
Vishal J.Singh : Microtonal Semi acoustic guitar, Tokari(2 strings), Electric Guitar, Guitar synth, Strings orchestration, Engineering/Mixing.
Goregaon Brass Orchestra : Horns(Nandan : Clarinet, Raju : Tenor Sax, Vilas : Alto Sax, Raja : Trumpet)
Deep Saikia : Pepa tribal horn

“Mother is Onamika. The same character from Vectorscan. This time the story has different angles of view : motherhood in animals. Goddess worship in tribes. Unconditional love.”
“IV” is our forth upcoming album. This time instead of joining many songs to tell one story, we decided to treat each song as one story. Because we are already “been there, done that” with darker themes and sci-fi concept albums, this time we focus towards simpler yet ignored stories. Each song is like soundtrack of a short film. We can’t wait to share this album with you guys. Till then, let us know how do you feel about “Aai” and the plan. Email us your feedback at amoghsymphony@gmail.com
“Aai”は “VECTORSCAN” に登場した ONAMIKA の話なんだ。前作とは違った視点で描かれているよ。無償の愛、母性がテーマだね。 “Ⅳ”は僕たちの新作なんだ。今回は前作のようなコンセプトアルバムではなく、各楽曲にストーリーを持たせることにしたんだ。ダークなテーマやSFのコンセプトアルバムはすでにやり終えたからね。だから今度はよりシンプルな方向に向かうことにしたのさ。どの楽曲も短編映画のサウンドトラックの様だよ。君達にシェアするのが待ちきれないね。この楽曲や僕たちのプランについて感想を amoghsymphony@gmail.com まで送って欲しいな。
Tracklist:
1. Good morning.
2. Aai.
3. You have an appointment today.
4. Mujhe bhi joker banna hai.
5. Catch the train before they drop the bomb.
6. Capturing Poltegiest to disturbed forces.
7. Low-Fi life of a Cyborg who loved a Goddess once.
8. Rebelião.
9. Blindness for kindness, never ending run to the sun.
10. Tuponi.

http://www.amoghsymphony.net/
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PICK UP ARTIST + INTERVIEW 【AMOGH SYMPHONY】

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【PANZERBALLETT : BREAKING BRAIN】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JAN ZEHRFELD OF PANZERBALLETT !!

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21st Century’s “Heavy Metal Bebop”!! German Progressive Funky Math Jazz Metal five piece, PANZERBALLETT has just released epoch making newest album “Breaking Brain” !!

ドイツが誇る高性能ジャズ式重戦車 PANZERBALLETT が最新作 “Breaking Brain” をリリースし海外で話題を集めています!!
実際、”Breaking Brain” というタイトルは、彼らの音楽を表現するのにピッタリですね。2本のギター、ベース、ドラムス、そしてサクスフォンが創造するジャズメタルは、強烈にして圧倒的。リスナーの固定概念を完全に破壊するでしょう。
アルバムオープナー “Euroblast” は毎年10月に行われる Prog/Tech Metal の祭典 Euroblast への挑戦状。「こんな強烈なバンド、出演してます??」と言わんばかりに畳み掛ける、ポリリズムとテクニカルでジャジーなフレーズ、そしてヘヴィーなグルーヴ。これ程まで Jazz/Fusion を重音領域に持ち込んでいるバンドは他に存在しないと思います。実にエポックメイキングな楽曲ですね。”Typewriter Ⅱ” はタイトル通りタイプライターのサウンドを使用しています。詳細はインタビューを読んでいただくとして、そのユニークなアイデアと巧みなアレンジの才能には恐れ入るばかり。”Mahana Mahana” はマニアックなセサミストリートオマージュだったりするのですが、こういった小ネタも実にニクイ!
インドのパーカッション奏者 Trilok Grutu の楽曲 “Shunyai” のカバーには Trilok 自身がゲスト参加しており、アルバムのハイライトとなっています。エスニックなリズムの驚異的なパーカッションに導かれ幕を開けるこの曲には奇怪なボーカルも挿入されており、見事に狂気と異国感を演出することに成功しています。アルバムのラストを飾るのは “Pink Panzer” のテーマ。彼らがこの曲をカバーするのはこれで2度目なのですが、半ば PANZERBALLETT の代名詞のようになった楽曲はさらにヘヴィーさを増し、壮大にアルバムを締めくくります。
作品を通して、サクスフォンとギターのユニゾンで奏でられるテーマたちが非常に印象的でした。サクスフォン奏者の Alexander Von Hagke はあの ASIA ともツアーを行ったことがある実力者。Joe Henderson, Randy Brecker を思わせる Post-Bop なフレーズの数々が、 MESHUGGAH ライクなポリリズムリフの上で踊る様は決して他のバンドからは得ることの出来ないカタルシスを感じさせてくれます。まさに21世紀の “Heavy Metal Bebop”。即効性と味わい深さを兼ね備えた素晴らしい作品ですね。
今回弊誌ではバンドの創設者であるギタリスト Jan Zehrfeld にインタビューを行うことが出来ました。難解だと思われるかも知れませんが、彼のリードプレイは意外に明快でリックのアイデアも実に豊富ですよ。どうぞ!!

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PANZERBALLETT “BREAKING BRAIN” : 9,3/10

YOU CAN STREAM ENTIRE “BREAKING BRAIN” ALBUM HERE !!

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SRV. VINCI : MAD ME MORE SOFTLY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DAIKI TSUNETA OF Srv.Vinci!!

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JAPANESE “ROCK THE NEW CHAPTER” HAS BEGUN!! Srv. Vinci HAS JUST RELEASED INCREDIBLE DEBUT ALBUM “MAD ME MORE SOFTLY”!!

例えばヘンドリックスだったり、例えばカート・コベインだったり、例えばシド・ヴィシャスだったり。ジャンルやシーンが誕生する時、そこには必ずアイコン的な人物が登場します。今回インタビューを行った Srv.Vinci の常田大希さんもそういった存在ではないか?音楽を聴いてご回答いただくうちに、そんな思いを強くしました。Srv.Vinci は東京出身の4人組。バンドの中心人物、常田さんは東京芸術大学でチェロを専攻していたという経歴の持ち主。クラッシックの素養は勿論、ジミヘンで音楽に目覚めたというロックな一面、そして日本でも新しいジャズのムーブメントを起こそうと行われた TOKYO JAZZ SUMMIT に招聘されるなどジャズに精通する一面も併せ持っています。そんな奇才の音楽が具現化されたのが Srv.Vinci のデビュー作 “Mad Me More Softly” です。一聴して感じたことは”日本からも遂にこんなアーティストが現れたのか…”。クラッシック、ブルース、ジャズ、ロック、ヒップホップ、エレクトロニカ…西洋音楽と総称される音楽ジャンルを全て詰め込んだのではと思えるほどカラフルでエクレクティックなサウンドに圧倒されました。RADIOHEAD に初めて出会った時の様な感覚かも知れません。”メジャーシーンの考え方と相入れるのは難しいと思う。でもそんなこと気にする事はなくて。まったく日本を意識したくないじゃん。ジャズでもロックでもポップでもなんでも、世界目線でポップであれば俺はいいと思うけどね。最終的に目指すのは。そう思ってやってますよ。” (Jazz Summit Tokyo インタビューより) 以前拝見したインタビュー、この一節に非常に共感を覚えたのですがまさに世界目線なサウンドであることは強調して置かなければならないでしょう。Robert Glasper をアイコンに掲げジャズの新たな地平を切り開く Jazz The New Chapter。Flying Lotus を首領とし、ヒップホップの新形態、斬新でクールなビートを模索する Brainfeeder。そして Kendrik Lamer, D’Angelo といった、今まさに世界の先端を走るイノベーターたちのサウンドと比肩し得るほど高いクオリティとチャレンジスピリットを兼ね備えた作品だと断言出来ると思います。同時に、先述したアーティストたちが重要視しているポップ性やアートワーク、PVを含む”見せ方”を Srv.Vinci も大事にしていて、世界でも認められる可能性を強く感じさせます。ぜひ今回のインタビュー、そして勿論彼らの音楽から Srv.Vinci の”アナーキズム”を感じていただきたいですね。どうぞ!!

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Srv.VINCI “MAD ME MORE SOFTLY” : 9/10

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WORLD PREMIERE : “SIZQ” + INTERVIEW 【NETWORKS : DYNAMIC NATURE】


WORLD PREMIERE : NEW MV !! “SIZQ” OF NETWORKS !!

 JAPANESE ECLECTIC INSTRUMENTAL TRIO, NETWORKS HAS JUST RELEASED THEIR NEWEST ALBUM “DYNAMIC NATURE” !!

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ミニマル、エレクトロニカ、ロック、ジャズ、エクスペリメンタル、ダンス、マス、プログレッシブ…。様々な音楽的要素をキラキラとエクレクティックに取り込んだ東京発の3人組 NETWORKS 待望の2ndアルバム “DYNAMIC NATURE” がリリースされました。2010年にリリースされ、デビュー作にして傑作と評された “WHITE SKY” から実に5年。待っただけの価値は十分にある作品だと思います。まずはアルバム収録曲で、今回弊誌で独占公開、 “SIZQ” のMVをご覧いただきたいと思います。吉野耕平監督が生み出す色彩感覚と NETWORKS の音楽が完璧にシンクロし新しくも生き生きとした芸術の息吹を感じられるでしょう。「楕円運動のダンス音楽」 「最終的に祈祷になる事」 をテーマにバンド活動を続けている NETWORKS。前者は世の中に溢れる4/4拍子を円運動に見立て、楕円即ち奇数拍子、変拍子でも踊れるでしょう?そこにカタルシスが生まれるかもしれませんよ?というメッセージ。これは以前からそう思っていましたが後者の解釈はより難解でした。しかし “DYNAMIC NATURE” を聴きこむにつれて、後者は個々のミュージシャンとしてのエゴを捨て去り、より音楽と同化するといった意味で受け取るようになりました。正しい解釈はインタビューで答えてくれていますが、”DYNAMIC NATURE” がそれだけ自然体で彼らのヴィジョンを再現し、多くのインストバンドが犯す技量の詰め込みからはかけ離れた、多幸感に満ちた完成度の高いアルバムだと感じたからでしょう。リズムやメロディーにただ身を任せてもよし、思考を重ね深く突き詰めるもよし。ただインタビューをご覧になれば、皆様も歌詞のない彼らの内面がいかに哲学的、文学的であるかお分かりになるでしょう。キーボードの新後さん、ギターの齊所さん、ドラムスの濱田さん。メンバー全員による三者三様の回答をお楽しみください。

続きを読む WORLD PREMIERE : “SIZQ” + INTERVIEW 【NETWORKS : DYNAMIC NATURE】

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【KAMASI WASHINGTON : THE EPIC】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH KAMASI WASHINGTON!!

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DEFINITELY, THE GREATEST JAZZ ALBUM IN 21 CENTURY!! KAMASI WASHINGTON EXPANDS JAZZ’S BOUNDARIES ON NEW ALBUM ‘THE EPIC’ !!

「コルトレーンの時代にヒップホップや YouTube があったら、ジャズは別物になっただろう。そんな時代に生まれたのが俺たちの世代だ」現代 JAZZ 界の風雲児、ロバート・グラスパーはそう嘯きます。
確かに今 JAZZ が面白い!バックカタログだけに支配された閉鎖的なシーンは終わろうとしています。件のロバート・グラスパーをはじめ、JAZZ THE NEW CHAPTER で紹介されているアーティストたちは JAZZ を HIP HOP, SOUL, R&B と融合させ て革新的なサウンドを作り上げています。
また FLYING LOTUS を頭目とするレーベル BRAINFEEDER のように HIP HOP からの JAZZ への接近で素晴らしい作品も生まれてきていますね。その FLYING LOTUS や KENDRICK LAMAR, THUNDERCAT といった超売れっ子アーティストが絶賛し自身の作品に招いたサックス奏者が KAMASI WASHINGTON です。彼ら以外にも ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、ケニー・バレル、チャカカーン、ローリン・ヒルといった JAZZ 界の巨匠からポップス R&B に到るまで錚々たるメンツに引っ張りダコな LA JAZZ 最重要人物の1人と言えます。
“THE EPIC”。KAMASI が BRAINFEEDER より遂にリリースしたメジャーデビュー作は3枚組170分の大作にして JAZZ 新世紀を告げるような偉大な作品となりました。21世紀で最も素晴らしい JAZZ 作品だと断言出来るでしょう!!エピカルとしか表現出来ない世界観。コルトレーンの”至上の愛”、マイルスの “BITCHES BREW”、WEATHER REPORT の “HEAVY WEATHER” といった名盤たちの面影を感じさせつつそこに留まってはいません。
バップやモード、フュージョンに、より現代的でエクレクティックなエッセンスを加えてスピリチュアルで特別な作品に仕上がりました。特筆すべきは従来の JAZZ よりキャッチーさを増しアフロやR&Bの影響を感じさせるメロディーとストリングスの驚異的な美しさ、そしてKAMASI 自身の魂に訴えるかのようなソウルフルなサックスでしょう。音数は決して多くないのですが印象的なフレーズを次々に繰り出す KAMASI の演奏は本当に白眉。FLYING LOTUS が製作総指揮を取り、THUNDERCATをはじめとしたバンドメンバー達も豪華の一言。間違いなく今年最重要作だと思います。KAMASI WASHINGTON です!どうぞ!

【INTERVIEW WITH KAMASI WASHINGTON】

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Q1: Your major debut album “The Epic” is just out now! How are you feeling now? And how are the reactions?

【KAMASI】: I feel great! I worked for three years on this album and it has been complete since March of 2014 so I’m really happy to have it out! People have reacted very well to “The Epic”. Even though it’s a long album, most people that I have talked too have taken the time to listen to it all the way through. The spirit of the music is getting through to them and the people seem to really love it.

Q1: メジャーデビュー作 “THE EPIC” が遂にリリースされましたね。今のお気持ちはいかがですか?また反響はどうですか?

【 KAMASI 】: 最高だよ!このアルバムには3年掛けたし、2014年の3月からずっと完成した状態だったから本当にリリースすることが出来て嬉しいよ。”THE EPIC” に対する反響はとても良いね。とても長いアルバムなんだけど、僕が話した人たちは最初から最後まで時間を取って聴いてくれているよ。この音楽のスピリットが彼らに届いたんだね。本当に気に入ってくれているみたいだよ。

Q2: At first, I’d like to say “The Epic” is the greatest Jazz album in 21century!! I really love that, and “The Epic” make me believe “Jazz isn’t dead yet”. So, “The Epic” has three discs and over 170 minutes long. I think really epical album. When you named this masterpiece as “The Epic”, what was in your mind?

【 KAMASI 】: When I was working on writing the string and choir parts for The Epic after the main band had already recorded, I was listening to the music a lot. While I was writing the string and choir parts on “Change of The Guard” I had an amazingly vivid dream one night. It was about a man the guarded a gate on the top of a mountain and it was one of the most amazing dreams I ever had! So from then on I kept having this dream some times two or three night in a row. As I wrote for other songs the dream started to expand and I got really into the story and tried to write it down. By the time all the string and choir parts had been recorded I had a really long very elaborate story that really went along with the album track by track. In fact the track order for the album came from this story. So when I named the album The Epic it was because of this story so I really meant the word Epic as in a story.

Q2: まず、”THE EPIC” は21世紀で最も素晴らしい JAZZ アルバムだと言わせてください。本当に気に入っていますし、このアルバムを聴くと JAZZ はまだ死んでいないと思えます。170分で3枚組の大作。実にエピカルですね。この作品を “THE EPIC” と名づけた時、心に在ったことを教えてください。

【 KAMASI 】: メインのバンドがレコーディングを終えたあと、僕は “THE EPIC” のストリングスとコーラスパートを書いていたんだ。アルバムを何回も聴きながらね。そうして “CHANGE OF THE GUARD” のストリングスとコーラスパートを書いている時の事だ。ある晩素晴らしい鮮明な夢を見たんだ。山の頂上で門を守っている男の話だったね。今まで見た中でも最高の夢の一つだったよ!それ以来、時折その夢を二晩か三晩連続でみるようになったんだ。他の曲を書いている間に、その夢は広がって行き、僕は本当にそのストーリーにのめり込み書き留めるようになったのさ。全てのストリングスとコーラスパートを書き終える頃には、アルバムの各楽曲に適したとても長くて精巧な物語が出来上がっていたよ。実際アルバムの曲順はこの物語に沿っているんだ。だからアルバムを “THE EPIC” と名づけたのはこの物語を EPIC という言葉で表現したかったからなんだ。

Q3: “The Epic” has three discs and three parts so called “The Plan”, “The Glorious Tale”, “The Historic Repetition”. Would you tell us the difference of these three parts?

【 KAMASI 】: The name of each volume of “The Epic” has a double meaning. It one, describes the part of the story that I dreamed that goes with those songs and two, it describes my inspiration in the real world for writing those songs. So to try to tell the story would take too long so I’ll tell you the real world explanation. So “The Plan” is about the time period in a person’s life when they are usually young and the gear their life towards what they think they want it to be. So for my friends and I growing up we wanted to be great jazz musicians that would change the world through this music that we really loved. So we practiced like eight to ten hours a day and went to every live concert and spent all of time energy and money on music. We poured every thing we had into music to make our selves the best musicians we could. So “Change of The Guard”, “Final Thought”, “The Next Step”, “The Rhythm Changes” all those songs were I made with that energy. So us after high school or when we where about 18 we’d all put so much in to music and jazz in particular we thought we would immediately have the doors of the world open to us and that’s where “The Glorious Tale” come in. So “The Glorious Tale” is about the way life doesn’t usually go the way you plan it but if you take the right perspective life is still always beautiful. So in my glorious tale I graduate from high school and my first big gig is not in jazz it was with Snoop Dogg. So here I was this young kid looking to change the world with jazz but that door wasn’t open to me but this other door was. So I joined Snoop Dogg’s band I really learned a lot playing with him. They heard music in a completely different way than we did in jazz. It was like they were listen to music through a Microscope and I had always been listening to music through a Telescope. What I mean by that is that Snoop never asked me to play anything that was technically difficult. But everything that we played had to be played with a very particular phasing. So the realm of possibilities as to how many different ways you could play the same simple phrase and how much of a huge impact that had on the music I learned from playing with Snoop. And I went on the play people like Raphael Saadiq, Lauryn Hill, Chaka Khan, and many others that I learned a lot from before I got my first big jazz gig. So “The Glorious Tale” is about seeing the beauty in the path your life goes even if it isn’t the one you planned for. “The Historic Repetition” is about the way history always repeats it self but depending on you perspective your role in this repetition will change. Knowing history is great way to control your place in the loop of history. My father is a musician so I saw the struggles that he and his friends went through. He had me read lots of books about the history of music and biographies of great musicians. So I was trying to display that loop of history and how we are going to change our position this go around.

Q3: “THE EPIC” は “THE PLAN”, “THE GLORIOUS TALE”, “THE HISTRIC REPETITION” の三部構成です。それらの違いを教えてください。

【 KAMASI 】: “THE EPIC” の各章の名称はダブルミーニングなんだ。夢に見た物語の場面を描写すると同時に、僕が現実世界に対して感じているインスピレーションも伝えているんだ。物語を伝えると長くなってしまうから現実世界の説明も導入しているんだ。”THE PLAN” は人生における時限について。若いころは理想に向かって人生を進めようとするよね。今まで友達も僕も、愛する JAZZ を通して世界を変えるような偉大なミュージシャンになりたいと思って成長してきた。1日8~10時間は練習し、全てのライブに出演し、持てるエナジーとお金をすべて音楽に注いできたよ。最高のミュージシャンになるため全てを注いできたんだ。だから “Change of The Guard”, “Final Thought”, “The Next Step”, “The Rhythm Changes” といった楽曲はそういったエナジーで作ったんだよ。高校を出て18かそこらのころ、僕たちは皆音楽と JAZZ に全てを注いでいたから、すぐに道は開かれ “THE GLORIOUS TALE” がもたらされると思っていたね。だから “THE GLORIOUS TALE” は人生は思うように行かないこともあるということについてなんだ。だけどね、上手くいかなくても自分が思う正しい人生を歩んでいれば美しいんだよ。僕にとっての “THE GLORIOUS TALE” は高校を卒業して最初の大きなライブが JAZZ ではなく SNOOP DOGG とだったこと。JAZZ で世界を変えたいと思っていたけどそのドアは開かなくて別のドアが開いたってワケ。だけど彼とプレイすることで沢山学んだよ。彼らは僕が JAZZ を聴くのとは全く違う音楽の聴き方をする。彼らはまるで顕微鏡を通して音楽を聴いているような感じなんだけど、僕は望遠鏡を通している感じだ。つまり、SNOOP は決して僕に技術的に難しいことは要求して来なかったんだけど、全て特別な、彼の音楽に特化したフレーズをプレイしなければならなかったんだ。同じシンプルなフレーズでもいくつ違った風にプレイ出来るか?どのくらい音楽的に大きなインパクトを与えられるか?という可能性の領域を SNOOP からは学んだね。それから RAPHAEL SAADIQ, LAURYN HILL, CHAKA KHAN, 他にも沢山の人とプレイし、最初の JAZZ ライブをやる前に多くを学んだんだ。”THE GLORIOUS TALE” は人生が思うように行っていなくても、逸れた小道にある美しさを見ればいいじゃないかって伝えているんだね。”THE HISTORIC REPETITON” は歴史は繰り返すけれど自分の役割をしっかり認識していれば歴史も変えられるということについて。歴史を知ることで歴史のループにおける自分の位置をコントロールすることが出来るんだ。僕の父もミュージシャンだったから、父やその友人が苦しんでいる姿を見てきたよ。父は僕に沢山の音楽の歴史と偉大なミュージシャンの自叙伝を読ませたね。だから僕たちは歴史のループをディスプレイして、僕たちの位置がどのようにしたら変えられるか試したんだ。

Q4: As you say, you’ve been played with lot’s of great artists. Recently, your performance with Flying Lotus and Kendrick Lamar made you more popular. Also, This time, Flying Lotus involved with “The Epic” deeply. So, what is Flying Lotus and Kendrick to you?

【 KAMASI 】: Flying Lotus and Kendrick Lamar are kindred spirits to me. They like myself and the musicians that I grew up with in my band have maintained their true artistic identity over the course of their careers. The fact that they appreciated my music enough to invite me to play on their albums was a huge honor for me! Through the creative and expansive nature of their music they have cultivated an audience of people that are open-‐minded and searching for something new. So in a way they are trail blazers for me in what I’m trying to do.

Q4: 先ほど仰られたように、あなたは数々の偉大なミュージシャンと共演されてきました。最近の FLYING LOTUS, KENDRICK LAMAR との共演が世の中にあなたの名前を知らしめた部分もありますよね。FLYING LOTUS は今作にも深く関わっていますが、彼ら二人はあなたにとってどんな存在ですか?

【 KAMASI 】: FLYING LOTUS, KENDRICK LAMAR とは本当に意気投合したよ。彼らは僕自身と、僕と共に育ったキャリアを通じて本物のアーティスティックなアイデンティティを保ち続けている僕のバンドのメンバーたちと似ているんだ。実際、彼らが僕の音楽を賞賛してくれてアルバムに招いてくれたのは大きな栄誉だよ!彼らの音楽に対するクリエイティブでエクスパンシブな姿勢が教養のあるオープンマインドで新しいものを探しているオーディエンスを惹き付けるんだろうね。だから、彼らは僕がやろうとしていることの先駆者とも言えるだろうね。

Thundercat will release his solo material next week on Brainfeeder.“Them Changes” was co-produced by Flying Lotus and features Washington on saxophone. Listen below!!
Q5: I think “The Epic” is revolutionary album. But also, “The Epic” seems the love letter to Jazz Giants like Coltrane, Miles, Weather Report. To tell the truth, “Bitches Brew” is one of my favorite records, and when I heard “The Epic”, I remind the masterpiece at first! Anyway, in the writing process, were they in your mind, soul?

【 KAMASI 】: I’ve lived with the Music of these legendary musicians for my whole life. Their music is a part of who I am not just musically but emotionally and spiritually as well. So yes they were on my mind but in a subconscious way. I never consciously tried to put any of their musical ideas in my music but so much of who I am comes their musical “language”. I always tried to just be my self and allow my musicians to be themselves when we were performing this music. And when I was writing this music I was just trying to tap into the spirit of where I was.

Q5: “THE EPIC” は革命的なアルバムです。ただ同時にコルトレーン、マイルス、WEATHER REPORT といった JAZZ の巨匠たちに対するラブレターのようなアルバムでもあると感じました。作曲段階で彼らのことは心に在りましたか?

【 KAMASI 】: 僕は人生を通してそういった伝説的ミュージシャンの音楽と共に生きてきたんだ。彼らの音楽は音楽だけでなくそのエモーションやスピリットまで僕の一部になっているんだよ。だからうん、彼らは僕の心に居たね。ただ潜在意識の中にだけれど。意識して彼らのアイデアを自分の音楽に使うことは決してないよ。ただ僕を形成している多くの部分が彼らの音楽的”言語”から成り立っているんだ。僕はいつだって僕らしくいるようにしているし、バンドにも自分らしく演奏して欲しいと言っている。作曲している時はただそこにある自分のスピリットに入り込もうとしているだけなんだ。

Q6: Do you think “JAZZ is dead” in the music scene now?

【 KAMASI 】: No I don’t think Jazz is dead. I don’t believe that the life or death music is based off that music’s commercial success. In my opinion music is a form of true expression and in some ways great music can’t really die and untrue music never really lives. So jazz isn’t dead it’s just that a lot of the musicians that have been making the true jazz haven’t been in the eyes of the public. But if a time came when people got to hear the real music everyone would know how live it really is.

Q6: 現代の音楽シーンにおいて”JAZZは死んだ”と思いますか?

【 KAMASI 】: JAZZ が死んだとは思わないな。商業的成功に応じた音楽の生や死なんて僕は信じないよ。僕の考えでは音楽とは真の表現方法で、偉大な音楽は死なないし不実な音楽が生きることもないんだ。だから JAZZ は死んでいないよ。陽の目を見ていないだけで真の JAZZ を作り続けているミュージシャンは沢山存在するからね。時が来て人々が真の音楽を聴くようになれば、みんないかに素晴らしい音楽が存在しているか気づくだろうね。

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【FIVE ALBUMS】

FIVE ALBUMS THAT CHANGED KAMASI’S LIFE!!

ART BLALEY “LIKE SOMEONE IN LOVE”

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JOHN COLTRANE “TRANSITION”

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IGOR STRAVINSKY “STRAVINSKY CONDUCTS STRAVINSKY”

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JAMES BROWN “BLACK CAESAR”

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BILLY HOLIDAY “LADY SINGS THE BLUES”

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【MESSAGE FOR JAPAN】

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Hey I’m coming in October and we’re going to have something very special prepared just for you! So you have to come check us out! And then take me to the best jam sessions so I can hear the local musicians in town! Then we can go get the best sushi. Then got to Shinjuku Taito Station and play Street Fighter!

やあ、僕は日本に10月に行くよ!何かとても特別なものを君たちのために用意するよ!だからぜひライブに来て欲しいな。街のミュージシャンともジャムってみたいし、最高の寿司も食べたいね。それから新宿のタイトーステーションでストリートファイターをプレイするんだ!

KAMASHI WASHINGTON

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