NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【虚极 (BLISS-ILLUSION) : 森羅万象】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DRYAD OF 虚极 (BLISS-ILLUSION) !!

“I Personally Believe That Black Metal Is a Very Special Form Of Music, With Themes Given To It By People. I Don’t Care About These Things, I Love Black Metal Very Much, But I Won’t Be Limited To My Love For It.”

DISC REVIEW “森羅万象”

「僕たちの音楽テーマは “雰囲気” という多くの概念を統合したもので、言葉で表現するのは難しいんだ。個人的には、ロマンティックで神秘的な色彩にとても敏感だよ。僕たちの音楽作品に対する理解が固定化されないことを、ただ願っているだけだよ」
中国名の虚极とは古代の書物 “道德经”(TaoTeChing)に出てくる言葉で、この言葉は非現実と現実の間に似た状態を表しています。中国・北京出身の虚极(Bliss-Illusion)は、文字通り、現実と非現実の間にあるメタルを奏でているようです。彼らの現実であるアトモスフェリックなポスト・ブラックのサウンドは、エモーショナルで瞑想的、そして純粋に美しいアートです。しかし、それ以上に際立っているのは、彼らの非現実、スピリチュアルなテーマでしょう。仏教的な歌詞の内容、中華的なイメージ、そしてそれらを具現化した音のパレットは暗黒の烙印を押されがちなこのジャンルにおいて、独特の新鮮な風を吹き込んでいます。
「僕は個人的に、ブラックメタルは人によって異なる与えられたテーマを持つ、とても特別な音楽形態だと信じている。つまり、悪魔崇拝とかそんなことはどうでもよくて、僕はブラックメタルをとても愛しているんだよ。でも、その愛に縛られるつもりはないんだ」
原始的なブラックメタルがそのイメージやリリシズムに至るまで、悪魔崇拝を根底に置いていることは否定できない事実でしょう。そして、その背景は Bliss-Illusion のスピリチュアルなアイデンティティとは対極にあるようにも思えます。しかし、彼らはブラックメタルを近年の流れと同調しながら、より自由に、より多様にその神秘性を追求する器として使用しています。
ただし、ブラックメタルと仏教には共通項も存在します。両者には天国と地獄があり、神秘的な生け贄の儀式も存在します。さらに仏教にはサタンに似た “悪魔” 波旬(ボー・シュン)が存在しますがこれは、六道の魔王、六波羅蜜の主、天魔の主、あるいは自己変容の主として様々な苦悩をもたらすもの。こうした共通の概念は、Bliss-Illusion の仏教ブラックメタルにに無限の可能性を与えているのです。つまり、白と黒の表現が違うだけで、核心は不変。
「僕自身は、仏教は宗教ではなく、普遍的な法則であり、非常に賢明な哲学だと信じているんだ。音楽は人が創り出すもので、それは無限なんだ。宇宙よりも広いのは、僕たちの想像力、それだけだからね」
Bliss-Illusion の宇宙には、仏教だけでなく、道教や儒教の哲学も含まれています。ゆえに、ここに伝統的な意味でのブラックメタルは存在しません。しかし、伝統的な中国人の意識に沿った宗教哲学をブラックメタルで表現したいという彼らの熱意、挑戦心こそ、本来ブラックメタルに備わっていた反骨でしょう。そしてその長江の流れのように瞑想的で、悠久で、オリエンタルな彼らの音楽は、まずは欧州から世界へと羽ばたこうとしています。
今回弊誌では、仏教に改宗したボーカリスト Dryad にインタビューを行うことができました。「僕はゲーム機を集める筋金入りのハードコア・プレイヤーなんだ。ブックオフ、ゲオ、スーパーポテトによく行くよ。4歳からゲームをしていて、たくさんのゲーム機を集めているんだ!アタリ、ゲームウォッチ、GB、FC、SFC、N64、NGC、MD、ドリームキャスト、SS、NDS、3DS、PSP、PSV、ワンダースワン、ゲームギア、WiiU、PSなどなどだね!」 どうぞ!!

虚极 (BLISS-ILLUSION) “森羅万象” : 10/10

INTERVIEW WITH DRYAD

Q1: I don’t have that much information, but I do have the impression that there have been an increasing number of great Chinese metal bands in recent years. What kind of metal scene in China or Beijing did you guys grow up in?

【DRYAD】: Hello, it’s a pleasure to accept your visit. Personally, I rarely listen to metal music anymore. I have devoted most of my energy and time to the creation of my personal band. My personal works do not involve many elements of metal music, but they are still based on Blackgaze as the core. Of course, I hope that China’s metal music can develop better and better.

Q1: それほど多くの情報を持っているわけではありませんが、近年、中国の素晴らしいメタルバンドが増えている印象はあります。あなたたちは中国や北京のどんなメタル・シーンで育ったのですか?

【DRYAD】: こんにちは!個人的には、最近、メタルを聴くことはほとんどなくなっているんだ。自分のエネルギーと時間のほとんどを、個人的なバンドの制作に捧げているからね。僕の個人的な作品にはもう、メタルの要素はあまり含まれていないけど、それでもたしかにブラック・ゲイズを核としてはいる。もちろん、中国のメタル音楽がますます発展することを願っているしね。

Q2: Why did you choose the band name 虚极 (Bliss-Illusion)?

【DRYAD】: Many people have asked this question, to put it simply, our music theme integrates many concepts of atmosphere, which is a difficult thing to express in language. Personally, I am very sensitive to romantic and mystical colors. I hope people’s understanding of our music works is not fixed.

Q2: なぜ虚极(Bliss-Illusion)というバンド名を選んだのですか?

【DRYAD】: 多くの人からこの質問を受けたけど、簡単に言うと、僕たちの音楽テーマは “雰囲気” という多くの概念を統合したもので、言葉で表現するのは難しいんだ。個人的には、ロマンティックで神秘的な色彩にとても敏感だよ。僕たちの音楽作品に対する理解が固定化されないことを、ただ願っているだけだよ。

Q3: Truly, your atmospheric post-black metal sound is emotional, meditative, and purely beautiful! How did you come up with the idea of having a flute player (who fits the music very well) in the band?

【DRYAD】: We need some ancient ethnic instruments to enhance our music atmosphere. In the future, I will also try to add different instruments, which are determined by the needs of music creation.

Q3: 本当に、あなたたちのアトモスフェリックなポスト・ブラック・メタル・サウンドは、エモーショナルで、瞑想的で、純粋に美しいですね!その音楽にマッチした、笛の奏者をバンドに入れるというアイデアはどのようにして生まれたのですか?

【DRYAD】: 僕たちの音楽の雰囲気を高めるためには、古代の民族楽器が必要だったんだ。将来的には、音楽制作のニーズに応じて、さまざまな楽器を追加していくつもりだよ。

Q4: Speaking of matching the music, the theme of Buddhism also matches your music very well! Why did you decide to “fuse” Buddhism and metal music?

【DRYAD】: I personally believe that Buddhism is not a religion, but a universal law, a very wise philosophy. In the future, people may hear other thematic elements in our works, and I don’t want to fix the current style and thematic concepts.

Q4: 音楽にマッチしているといえば、仏教というテーマもあなたの音楽にとてもマッチしています!なぜ仏教とメタルを “融合” させようと思ったのですか?

【DRYAD】: 僕自身は、仏教は宗教ではなく、普遍的な法則であり、非常に賢明な哲学だと信じているんだ。将来的には、僕たちの作品の中に他にも別のテーマ的な要素が出てくるかもしれないし、今のスタイルやテーマ的なコンセプトを固定化したくはないんけどね。

Q5: Black metal in particular is said to be Satanist music, which seems to be a genre at odds with Buddhism, How do you feel about such “difference”?

【DRYAD】: I personally believe that Black Metal is a very special form of music, with themes given to it by people. I don’t care about these things, I love Black Metal very much, but I won’t be limited to my love for it.

Q5: 特にブラックメタルは悪魔崇拝の音楽と言われ、仏教とは相反するジャンルのように思えますが、両者の “違い” についてはどう感じますか?

【DRYAD】: 僕は個人的に、ブラックメタルは人によって異なる与えられたテーマを持つ、とても特別な音楽形態だと信じている。つまり、悪魔崇拝とかそんなことはどうでもよくて、僕はブラックメタルをとても愛しているんだよ。でも、その愛に縛られるつもりはないんだ。

Q6: More recently, bands like Bloodywood and The Hu have been breaking out, blending traditional music from their native countries with metal. You guys also have a Chinese traditional music vibe, but metal and Chinese traditional music match very well, would you agree?

【DRYAD】: As I mentioned before, music is created by people, and it is infinite. Even broader than the universe is our imagination, that’s it.

Q6: 最近では、BLOODYWOOD や THE HU のような、母国の伝統音楽とメタルを融合させたバンドがブレイクしています。あなたたちも中国の伝統音楽の雰囲気を持っていますが、メタルと中国の伝統音楽はとてもマッチしていますよね?

【DRYAD】: 前にも述べたように、音楽は人が創り出すもので、それは無限なんだ。宇宙よりも広いのは、僕たちの想像力、それだけだからね。

Q7: How do you choose themes such as Mt. Sumeru, Mukti, Shinrabansho, and Prajna?

【DRYAD】: My band’s guitarist Wang Xiao is responsible for composing these songs, and we have talked a lot about these songs together. I am not qualified to answer all of this question, but I am glad that people can like them!

Q7: 須弥山、ムクティ、森羅万象、般若などのテーマはどのように選んでいるのですか?

【DRYAD】: 僕のバンドのギタリスト、ワン・シャオがこれらの曲の作曲を担当していて、一緒にテーマについてたくさん話をした結果だよ。この質問にすべて答える資格はないけれど、みんなに気に入ってもらえたらうれしいね!

Q8: Right now, the governments of Japan and China may have a delicate relationship with each other. However, I believe the people there are not. Are you guys influenced by Japanese culture, anime, games, music?

【DRYAD】: I have personally been to Japan several times, and I really like Nara and Kyoto. I am a hardcore player who collects game consoles, haha. I like to visit Bookoff, GEO, and Super Potato stores. I have been playing video games since I was 4 years old, and I have collected many game consoles! Atari, Game watch, GB, FC, SFC, N64, NGC, MD, DreamCast, SS, NDS, 3DS, PSP, PSV, Wonder Swan, Game Gear, WiiU, PS.

Q8: 今、日本と中国の政府は微妙な関係にあるかもしれません。しかし、人々の関係はそうではないと信じています。あなたたちは日本の文化、アニメ、ゲーム、音楽に影響を受けていますか?

【DRYAD】: 個人的に日本には何度か行ったことがあり、奈良と京都がとても好きだよ。僕はゲーム機を集める筋金入りのハードコア・プレイヤーなんだ。ブックオフ、ゲオ、スーパーポテトによく行くよ。4歳からゲームをしていて、たくさんのゲーム機を集めているんだ!アタリ、ゲームウォッチ、GB、FC、SFC、N64、NGC、MD、ドリームキャスト、SS、NDS、3DS、PSP、PSV、ワンダースワン、ゲームギア、WiiU、PSなどなどだね!

FIVE ALBUMS THAT CHANGED DRYAD’S LIFE!!

Jónsi “Go”

Alcest “Souvenirs d’un autre monde”

Sigur Rós “Með suð í eyrum við spilum endalaust

Envy “Insomniac Doze”

Violet Cold “Anomie”

MESSAGE FOR JAPAN

I am glad to accept your interview and wish you all the best! Thank you! I’ll see you at the future performance!

インタビューをありがとう!では、いつか日本のライブで会おうね!

DRYAD

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