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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SONS OF APOLLO : PSYCHOTIC SYMPHONY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DEREK SHERINIAN FROM SONS OF APOLLO !!

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Prog-Metal Super Group, Sons Of Apollo Brings A Lethal Combination Between True Rock N’ Roll Swagger And The Virtuosity With Amazing Debut Record “Psychotic Symphony” !!

DISC REVIEW “PSYCHOTIC SYMPHONY”

古今無双の勇士達が肝胆相照らすメタル/ロックシーンのドリームチーム SONS OF APOLLO が、威風堂々たるデビュー作 “Psychotic Symphony” をリリースしました!!夢劇場のロックサイドを司り、そして幽寂に退場した二人のソウルメイトを軸として紡がれる類まれなるシンフォニーは、芸術の神アポロンの遺伝子を稠密なまでに引き継いでいるのです。
“God of The Drums”, Mike Portnoy がプログメタルの天照帝 DREAM THEATER を半ば追われるような形で後にしたのは2010年のことでした。残念ながら自身の核とする大切な場所を離れざるを得なくなった Mike でしたが、しかし以降も前向きに幅広くその唯一無二なるクリエイティビティを発揮して行きます。
SONS OF APOLLO の種が撒かれたのは2012年。Instru-metal を追求するため結成した Portnoy, Sheehan, MacAlpine, Sherinian (PSMS) で、Mike は98年に同じく DREAM THEATER を離れていた Derek “ディストーション・キーボード” Sherinian と再び相見えることとなったのです。
元々、DREAM THEATER においてロックなアティテュードを最も体現していた “The Del Fuvio Brothers”。再度、意気投合した二人は Billy と Mike の THE WINERY DOGS が休止に向かうと新天地創造へと動き出したのです。
「君たちは今夜、歴史を目撃している。」 Yngwie Malmsteen や TALISMAN の活躍で知られる “Voice of Hard Rock”、Jeff Scott Soto は、バンドのファーストギグとなった David Z のトリビュートライブでまずそう高らかに宣言しました。そして確かに “Psychotic Symphony” は、彼らの “過去”を目撃し愛してきたファンにとって、意義深い新たな歴史の1ページに仕上がりました。
アルバムはオリエンタルなイントロが印象的なオープナー “God of The Sun” で早くも一つのクライマックスを迎えます。Jeff の雄々しき歌唱と Mike のシグニチャーフィルが映える11分のエピックにして三部構成の組曲。まさにファンがバンドに待ち望む全てを叶えた濃密なるプログメタル絵巻は、静と動、美麗と衝動、プログレッシブとメタルをすべからく飲み込み卓越した技術と表現力でリスナーの心を酔わせます。
とは言え、アルバムを聴き進めれば、SONS OF APOLLO の本質がプログメタルよりもルーツであるクラッシックなハードロックやプログロックに一層焦点を当てていることに気づくでしょう。
“Coming Home” は彼らのホームグラウンドへと回帰し、同時にフレッシュな息吹を吹き込んだバンドの象徴的楽曲です。RUSH を想起させるシーケンシャルかつメロディックなテーマと、VAN HALEN のエナジーがナチュラルに同居するコンパクトなアンセムは、”プログレッシブハードロック” とでも呼ぶに相応しい煌めきと胎動を誇示します。
「確かにオリジナルコンセプトはプログメタルだったんだ。だけど作曲を始めると、完全に異なる方向へと進んでいったね。僕たちのクラッシックロックやハードロックからの影響が前面に出て来て、それに従うことにしたんだよ。新たなサウンドを創造したと思う。」
そう Derek が語るように、SONS OF APOLLO は “Psychotic Symphony” でプログメタルを切り札、エッセンスの一つとして、よりマスリスナーへとアピールする普遍的でオーガニックな “ロック” を追い求めたと言えるでしょう。硬質と有機性の共存。それは、DREAM THEATER が “Falling Into Infinity” で一度進みかけた”If”の道だったのかも知れませんね。
ただ、”Signs of The Time” はこの5人でなければ生まれなかった奇跡にも思えます。マエストロ Billy Sheehan の踊るように躍動するベースラインを骨子として幕を開けるエネルギッシュでハードな調べは、しかし中盤でガラリとその表情を変化させるのです。
アトモスフェリックな7拍子へと場面が転換し Ron “Bumblefoot” Thal のリードプレイが切れ込むと、多くのリスナーは UK の “In the Dead of Night” を思い浮かべることでしょう。ここには確かにダイナミックな展開美とジャンルの融合が誘う震駭、そして彼らの理想が深々と織り込まれているのです。
実際、元 GN’R は伊達ではありません。Allan Holdsworth さえ凌ぐのではと思わせる圧倒的な7拍子のシュレッドは彼のベストワークと言えるほどに強烈な存在感と個性を放っています。
加えてBumblefoot の千変万化なギターワークは各楽曲のルーツを指し示す大きなヒントともなっており、例えば “Divine Addiction” で Derek と共にまるで DEEP PURPLE の一員が如く振る舞う瞬間などは、実に興味深くエキサイティングだと言えますね。
勿論、アルバムには Derek と Mike が DREAM THEATER で共に残した “A Change of Seasons”, “Falling Into Infinity” の二作が蘇る瞬間も存在します。”Labyrinth” のヴァースや連続音を執拗に鳴らす Derek のリフワーク、”Opus Maximus” でスケールの上下動をフルピッキングで繰り返す場面などではニヤリとほくそ笑むファンも多いでしょう。
Billy の存在意義を改めて確認出来る11分の “Opus Maximus” で、あたかも自らの理想、新たなチャレンジを再びプログレッシブな啓示で包み込むかの如く幕を閉じる “Psychotic Symphony”。今回弊誌では、Derek Sherinian にインタビューを行うことが出来ました。「僕たちは、個々にこれまでやって来たバンドやプロジェクトよりビッグになることを目標にしているんだ。」 つわものどもが”夢”の先。どうぞ!!

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SONS OF APOLLO “PSYCHOTIC SYMPHONY” : 9.6/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【KHEMMIS : HUNTED】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH KHEMMIS !!

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Modern But Traditional! Denver Based Four Piece Doomed Rock’n Roll Act, Khemmis Has Just Released One Of The Most Important Doom Record “Hunted” !!

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DISC REVIEW “HUNTED”

US デンバーの Doom Metal カルテット KHEMMIS がリリースした 2ndアルバム “Hunted” はシーンの注目を一身に集めています。アルバムは、老舗メタル誌 Decibel Magazine でアルバムオブザイヤーを獲得した他、様々な音楽誌、ウェブサイトで2016年のベストアルバムに選ばれているのです。
KHEMMIS のデビュー作 “Absolution” は MASTODON と PALLBEARER のちょうど中間に位置するようなモダンな Doom / Sludge 作品で、近年活気を得て来た Doom シーンにまた新たな才能が舞い降りたことを知らしめました。
しかし博士号を持つメンバー2人が牽引する、この知的でメタルに忠誠を誓ったバンドが同じ場所へと留まることはありませんでした。デビューフルから僅か15ヵ月で届けられた KHEMMIS の次章 “Hunted” はそのイメージを明らかに変化させていたのです。
インタビューにもあるように、遂にバンド全員がコンポジションに参加した “Haunted” はよりクラッシックロック、トラディショナルメタルの領域へと接近したレコードとなりました。全5曲、44分の作品は全てがロックの美学に捧げられています。
“Three Gates” はアルバムを象徴する楽曲です。THIN LIZZY や MOTORHEAD をモダンなスラッジサウンドで再現したかのようなリフの暴走に、美麗なツインギターハーモニーが切れ込むとそこはまさしく KHEMMIS の世界。凶暴なグロウルと共に突き進むサウンドの壁が突如として崩壊し、叙情を極めたクリーンボーカルが紡がれる刹那は奇跡的とも言えるほどロックを体現しています。
実際、バンドの要でギター/ボーカル Phil Pendergast と Ben Hutcherson のコンビネーションには目を見張るものがありますね。2人の繊細なまでにレイヤーされたギターハーモニーは WISHBORN ASH を想起させるほど美しく、バンドの顔となっています。加えて、Ben のダーティーなボーカルと Phil のクリスタルのようにナーバスな歌声のコントラストは、インタビューで述べているように”モダンなレンズ”を通した Doomed Rock’n Roll を体現する重要な鍵だと言えるでしょう。
さらに叙情味を加速させた “Beyond The Door” では、JUDAS PRIEST のゴージャスなハーモニーアルペジオ、そして IRON MAIDEN の3連シャッフルが Doom という枠組みの中で効果的に使用されています。故に楽曲はテンポや拍子をプログレッシブと言えるほど頻繁に変えて行きますが、スロウ一辺倒でなく、ダイナミズムを追求するその姿勢には、哀愁に満ちたメロディーとも相俟って北欧の巨人 CANDLEMASS を思い起こさずにはいられませんね。
アルバムを締めくくるタイトルトラック “Hunted” は13分の壮大なエピックです。BARONESS をイメージさせるローチューンドのファズギターで MERCYFUL FATE を再現したとも言えるドラマティックな前半部分に魅了されたリスナーは、後半の荘厳でアトモスフェリックなアコースティックパートからトレモロリフまで導入したモダンで壮大、感動的な大円団に驚愕し喝采を捧げることでしょう。そこには YOB や NEUROSIS をしっかりと通過し咀嚼した、2010年代のバンドだからこそ持つ多様性、強みがありますね。
KHEMMIS は勿論、よりアトモスフェリックスかつサバス、70’s Prog に接近した PALLBEARER、そして煌びやかな 80’s Metal と現代的な Black Metal を融合させた SUMERLANDS などが話題となっているように、確かにレトロリバイバルの波はメタルシーンにも押し寄せています。ただ焼き直すだけではなく、各バンドとも”モダンなレンズを通して音楽を見ていることが重要で、興味深いレトロフューチャーなサウンドはこれからさらに拡がりを見せていくことでしょう。
今回弊誌では KHEMMIS にインタビューを行うことが出来ました。日本人にこそアピールする素晴らしいメロディーを持つバンドです。どうぞ!!

KHEMMIS “HUNTED” : 9.8/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【KVELERTAK : NATTESFERD】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ERLEND HJELVIK OF KVELERTAK !!

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Norwegian “Black n’ Roll” Sextet, Kvelertak Has Just Released Genre-Breaking, Acceptable New Record “Nattesferd” !!

DISC REVIEW “NATTESFERD”

Black Metal と Rock’n Roll, Classic Rock, Punk, Hardcore を見事に融合し、シーンから熱い注目を浴び続ける、ノルウェーの”Black n’ Roll” 6人組 KVELERTAK が新作 “Nattesferd” をリリースしました!!
前作までタッグを組んでいたプロデューサー、CONVERGE の Kurt Ballou、そしてアートワークを手がけて来た BARONESS の John Baizley と袂を分かち、地元ノルウェーでレコーディングを行った今作は、最もキャッチーで、具体的には80年代のメタルやロックを強く意識した作品に仕上がりました。HAKEN のインタビューでも触れましたが、80’s 回帰という音楽シーンの流れは確実にメタル/プログシーンにも影響を与えています。
アルバムオープナー、”Dendrofil for Yggdrasil” はまさに “Black n’ Roll”、KVELERTAK のスタイルを見事に表現しています。イントロの畳み掛けるようなブラストビート、トレモロリフは Black Metal 的で実にアグレッシブですが、同時に BOSTON のようなキャッチーなロック/アルペジオパートも存在し、その対比が強烈なフックを生んでいますね。
新作における彼らの主張を象徴するのが、文字通りあの時代の空気を強く内包した “1985” でしょう。スローテンポ、メジャーキーで執拗なまでに繰り返されるキャッチーなリフは VAN HALEN の “1984” に収録されていても不思議でないほど80年代しています。Simple But Effective。KVELERTAK の目指す先がこの楽曲、言葉に集約されることは明らかです。
勿論、US だけではなく、ヨーロッパからの影響も存在しますね。自慢のトリプルギターを活かしたタイトルトラック “Nattesferd” は Punk meets Metal の先駆者、IRON MAIDEN の初期2作を想起させます。大曲 “Heksebrann” のイントロでも聴けますが、Steve Harris、時に MOTORHEAD の Lemmy のような Marvin の縦横無尽なベースプレイに、アイデア豊富なトリプルギターが対峙するパートは鳥肌が立つほどエキサイティングです。さらに、メロディーもスクリームも自在に操るエネルギッシュな Erlend の歌唱は Paul Di’Anno を凌ぐほど。
一方、”Berserkr” では JUDAS PRIEST の “Exciter” を思わせるハードドライビングでストレートなリフが素晴らしく印象的ですね。メタルのアンセミックな1面に殊更フォーカスしている点も作品の重要なポイントとなっています。
80年代、ストレート&シンプル。今回 KVELERTAK は、シンプルかつキャッチーなリフを、リスナーの予想以上に何度も何度も繰り返し印象付ける手法を多く使用しています。それは本当に、ギターを始めて2ヶ月でコピー出来るようなフレーズばかりですが、最高に楽しく、繰り返しリピートを誘うものばかり。勿論、ただ単純な訳ではなく、考え抜かれた展開、エクレクティックな音楽性があるからこそ映えるのでしょう。遂に彼ら自らが公言する “Scandi-Rock” のガイドラインが固まったようにも思えますね。
サブジャンルの拡大や、新しい人気ジャンル Djent の勃興でテクニカルなものが持て囃される傾向が強い現代のメタルシーンですが、彼らがこのレコードでトライしたことはそれに対する強力なカウンターであり、見事に成功を収めていると感じました。
今回弊誌では、バンドのボーカル Elrend Hjelvik にインタビューを行うことが出来ました。神戸で生まれた彼が世界的に成功を収めていることは非常に誇らしいですね。どうぞ!

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KVELERTAK “NATTESFERD” : 9.8/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SPIRITUAL BEGGARS : SUNRISE TO SUNDOWN】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH PER WIBERG OF SPIRITUAL BEGGARS !!

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SPIRITUAL BEGGARS is back with powerful and varied new record “Sunrise to Sundown” !! Keyboard maestro, Per Wiberg talks about new album, Michael Amott, his other projects and OPETH !!

Michael Amott, Sharlee D’Angelo (ARCH ENEMY), Per Wiberg (ex-OPETH), Apollo Papathanasio (FIREWIND), Ludwig Witt (GRAND MAGUS) というメンバーが集結する押しも押されぬスーパーバンド SPIRITUAL BEGGARS が強力な新作 “Sunrise to Sundown” を引っ提げシーンに戻って来ました!!
90年代に、3ピースでのハードロック/ストーナースタイルの追求をテーマに船出をしたバンドは、メンバーを緩やかに変えつつ、クラッシックロックの伝統を守ることに意義を見出すようになりました。決して華々しく、モダンな音楽ではないためか、その高い音楽性に対してまだまだ充分な人気、評価を得られていない様にも思われます。彼らが目指す形の一つの完成系とも言える今作で、状況は変わるのでしょうか?
アルバムは彼らのカタログの中でも、最も多様性に満ちており、同時に、JB という唯一無二の素晴らしいシンガーの後任という重責を担った Apollo の実力が遂に全て発揮された作品と言えるでしょう。そして、前作からその比重を増しつつあった Per のキーボード、オルガンの素晴らしさをさらに堪能出来る作品だとも感じました。ただ、古くからのファンには、例えば “Sedated” のような Frank Marino 直系ブルースロックサイドの Michael の燃えるようなプレイを懐かしむ声もあるかもしれませんね。彼はこれ以上何かを証明する必要もない訳ですし、楽曲に合ったソロにシフトするのも頷ける話だとは思いますが。
DEEP PURPLE の “Woman From Tokyo” を想起させるキラーチューン、”Diamond Under Pressure” はハモンドとギターのコンビネーションが白眉。元々 Per のインスト曲だったそうですが、2人の協力体制は今回も抜群の様です。KISS のリズムと Sykes 加入以前の WHITESNAKE 的ヴァイブを有するタイトルトラック共々、亡き Jon Lord が乗り移ったような Per のプレイ、サウンドは圧巻の一言ですね。
JUDAS PRIEST と RAINBOW を掛け合わせたような “What Doesn’t Kill You” や Dio 期 BLACK SABBATH を彷彿とさせる “No Man’s Land” では Apollo をボーカルに起用したことが実に活きています。ブルースからエピカルなメタルまで幅広くカバーする彼の長所が出ていますね。
また、バンドのプロギーな一面も今作の重要なポイントとなっています。”No Man’s Land” の中間部で BEATLES が現れることに驚くリスナーは多いでしょう。”Turn to Stone” のメロトロンは実に美しいですし、アルバムを締めくくる URIAH HEEP 的叙情絵巻 “Southern Star” の中間部では KING CRIMSON へのオマージュを感じることが出来ますね。実際、あの時代のロックの多様性、空気を見事に再現した強力なレコードだと感じました。
今回、弊誌では ex-OPETH のキーボーディストとしても知られるマエストロ Per Wiberg にインタビューを行うことが出来ました。今作は Per のアルバムだと思いますよ。どうぞ!!

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SPIRITUAL BEGGARS “SUNRISE TO SUNDOWN” : 9.6/10

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