EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH FELLOWSHIP !!
“Power Metal Can Do So Much To Lift Peoples’ Spirits And Really Motivate Them. It’s Fast, High energy, And It Allows Us To Talk About Themes Like Courage And Ambition, So It Was Really The Best Genre For Us To Effect The Change That We Wanted.”
DISC REVIEW “THE SABERLIGHT CHRONICLES”
「僕たちにとってパワーメタルは、人々の気分を高揚させ、やる気を起こさせるのにとても有効な音楽なんだ。スピード感があって、エネルギーがあり、勇気や野心といったテーマも語れるから、世界に僕たちが望む変化を起こすには最適なジャンルだったんだよ」
皆さんはメタルに何を求めるでしょうか?驚速のカタルシス、重さの極限、麻薬のようなメロディー、華麗なテクニック、ファンタジックなストーリー…きっとそれは百人百様、十人十色、リスナーの数だけ理想のメタルが存在するに違いありません。
ただし、パンデミック、戦争、分断といった暗い20年代の始まりに、これまで以上にヘヴィ・メタルの “偉大な逃避場所” としての役割が注目され、必要とされているのはたしかです。MUSE を筆頭に、メタルへのリスペクトを口にする他ジャンルのアーティストも増えてきました。暗い現実から目をそらし、束の間のメタル・ファンタジーに没頭する。そうしてほんの一握りの勇気やモチベーションを得る。これだけ寛容で優しい “異世界” の音楽は、他に存在しないのですから。
「正直なところ、僕たちは自分たちが楽しめて、他の人たちが一番喜んでくれるような音楽を演奏しているだけなんだ。たしかに、パワーメタルには新しいサウンドを求める動きがあるんだけど、僕らの場合、曲作りは何よりもメロディが重要なんだ。結局、技術的なことって、ただミュージシャンとしての自分たちをプッシュしているだけの自己満足だからね」
特に、”逃避場所” として最適にも思えるファンタジックなパワーメタル。UK から彗星のごとく登場した FELLOWSHIP は1枚の EP と1枚のフルアルバムだけで、そのメタル世界の “モチベーター” としての地位を確固たるものとしました。彼らは、このジャンルをただ無鉄砲に覆すのではなく、過去のパワーメタルと現代のパワーメタル最良の面を融合させ、未曾有の寛容で親しみのあるポジティブな波動を生み出しているのです。
TWILIGHT FORCE ほどテクニカルではなく、DRAGONFORCE ほど容赦なく速いわけでもありませんが、それこそが FELLOWSHIP の真骨頂。その名の通り、かつての HELLOWEEN や GAMMA RAY が大事にしていた “親しみやすさ” をモダンで過剰なパワーメタルの文脈に組み込むことで、彼らは気さくさと過剰さのバランスを完璧に操縦しています。
近年のパワーメタルに顕著なシンフォニック、フォーキッシュ、ハイテクニックな要素は瑞々しく散りばめられながら、決して劇画的、映画的にはなりすぎないメタルの血統が逆に新鮮。華やかなメロディー、爽快なソロイズム、そして壮大なファンタジー。そうした底なしの喜びの泉、シンプルなメタルの原点こそ、この狂った時代に正気を保つための常備薬なのかもしれませんね。
「このアルバムの物語は、日常の心の葛藤を寓話として語る古典的なファンタジーなんだ。主人公は悪の帝国を撃退するために伝説の剣の試験を受けるんだけど、自分を疑ったときに剣が手から消えてしまう。そこからは、彼が自分を信じることの大切さを発見する物語として続いていき、最後のシーンが僕たちのアルバムのジャケットになっているんだよ」
ただし、FELLOWSHIP が驚くべき速度でシーンの旗手となったのは、その斬新なソングライティングだけが理由ではなく、異世界と現実をつなぐ歌詞の完成度も重要でした。
他のパワーメタル・バンドが “Eagle Fly Free” の青写真を延々と掘り続け、浅はかな幸福を追求するのに対し、”The Saberlight Chronicles” は何不自由のない異世界にありながら、疑いや自己否定といった人間の弱さにもしっかりと言及してリスナーの親近感を高めています。自分の勇気、価値、そして強さを、人間らしい本物の方法で疑い、そして最後には苦悩と勝利を通してこうした疑念を見事に払拭してみせます。逃避場所は逃避場所で、いつかは現実に戻らなければなりません。重要なのは自分を信じること。これは自己肯定感を授ける力のメタル。
「今回弊誌では、FELLOWSHIP にインタビューを行うことができました。実際、Matt は大学でアニメのサークルを運営していたし、Sam はアニメのテーマソングが大好きだから、僕らの曲の多くはアニメのオープニングに適しているかもしれないね。そうなれば本当、夢が叶ったって感じだね!特に、”王様ランキング” がいいな!あのアニメのテーマは、僕たちの音楽や歌詞にピッタリだからね!」アニメもそうですが、時折あの偉大な GALNERYUS を彷彿とさせる瞬間も。どうぞ!!
FELLOWSHIP “THE SABERLIGHT CHRONICLES” : 10/10
INTERVIEW WITH FELLOWSHIP
Q1: First of all, what kind of music were you listening to, when you were growing up?
【FELLOWSHIP】: A huge variety between us. Cal is very power metal, Sam likes stuff like avenged sevenfold, Brad is a thrash head and Matt listened to 1950s theatre soundtracks!
Q1: 本誌初登場です!まずはあなたたちの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?
【FELLOWSHIP】: 僕たちはバラエティーに富んだバンドなんだ。Cal はパワーメタル一筋だし、Sam は AVENGED SEVENFOLD みたいなバンドが好きだ。Brad はスラッシュ・ヘッドだし、Matt なんて1950年代の劇場のサウンドトラックを聴いているんだから!
Q2: Why did you decide on the band name Fellowship?
【FELLOWSHIP】: Initially we wanted something that captured the friendly vibes of our sound, but couldn’t find anything. Once we hit Fellowship, it just kind of stuck, and no matter how hard we tried we couldn’t find anything else we liked to replace it!
Q2: FELLOWSHIP (友情、仲間意識、連帯感) という名前を選んだのはなぜだったんですか?
【FELLOWSHIP】: 当初は、僕たちのサウンドの親しみやすさ、フレンドリーな雰囲気を表現する名前が欲しかったんだけど、なかなか見つからなかったんだよ。でも、一度 FELLOWSHIP という名に出会うと、あとはどれだけ探しても他に気に入ったものが見つからなくなったんだよね。
Q3: Many of the newer UK bands like Ithaca, Conjurer, Rolo Tomassi, Svalbard, etc. are taking UK hardcore by storm right now with their metallic, progressive hardcore. Why did you guys choose power metal in such a situation?
【FELLOWSHIP】: For us, power metal can do so much to lift peoples’ spirits and really motivate them. It’s fast, high energy, and it allows us to talk about themes like courage and ambition, so it was really the best genre for us to effect the change that we wanted. Cal started the band initially, and he’s the real driving force behind our sound.
Q3: ITHACA, CONJURER, ROLO TOMASSI, SVALBARD といった UK の新鋭の多くが今、メタリックでプログレッシブなハードコアで旋風を巻き起こしています。
そんな中で、なぜあなたたちはパワーメタルを表現方法に選んだのでしょう?
【FELLOWSHIP】: 僕たちにとってパワーメタルは、人々の気分を高揚させ、やる気を起こさせるのにとても有効な音楽なんだ。スピード感があって、エネルギーがあり、勇気や野心といったテーマも語れるから、世界に僕たちが望む変化を起こすには最適なジャンルだったんだよ。
バンドを始めたのは Cal で、彼が僕らのサウンドを支える真の原動力なんだ 。
Q4: I love your music videos! It’s natural, spectacular, fantastic and humorous at the same time. What inspires you to wear costumes like that? Do you make them yourselves?
【FELLOWSHIP】: We make most of the videos ourselves, but not the costumes! Cal made his armour though! The rest of it is patched together from all kinds of places – some bits are commissioned work, others are from charity shops, we even got some shoes from Wish!
Q4: あなたたちのミュージック・ビデオが大好きなんですよ。大自然の中、壮大なファンタジーがユーモアを伴って繰り広げられていますね!ああしたコスチュームは自作なんですか?
【FELLOWSHIP】: 映像はほとんど自分たちで作っているんだけど、衣装は作っていないよ!あ、でも Cal は自分の鎧を作っていたな!依頼したものもあれば、チャリティー・ショップで買ったもの、靴は Wish で買ったものなど、いろんなところから寄せ集めてきているんだ!
Q5: Fantasy worlds abound in Japanese role-playing games, anime, and music. Are you influenced by Japanese culture?
【FELLOWSHIP】: Hahaha, I guess you can hear some of the anime themes in our music? Matt used to run an anime society at university and Sam loves anime theme songs, so a bunch of our songs could be anime openings. That would be a dream, actually! Especially, Ranking of Kings! It’s very on theme with our music and lyrics! Matt visited Japan in 2015 and the Japanese countryside is one of his favourite places on the planet.
Q5: 日本の RPG やアニメ、音楽にもファンタジーは溢れています。日本の文化から影響は受けていますか?
【FELLOWSHIP】: ははは!(笑) 君は僕らの音楽からアニメのテーマが聞こえてきそうだと思ったんだね?いや、実際、Matt は大学でアニメのサークルを運営していたし、Sam はアニメのテーマソングが大好きだから、僕らの曲の多くはアニメのオープニングに適しているかもしれないね。そうなれば本当、夢が叶ったって感じだね!特に、”王様ランキング” がいいな!あのアニメのテーマは、僕たちの音楽や歌詞にピッタリだからね!
Matt は2015年に日本を訪れているんだけど、日本の田舎は地球上で最も好きな場所のひとつだと言っているよ。
Q6: With Covid, war, and division, the world has been getting darker and darker since the beginning of the 20s. For the marginalized and oppressed people, power metal seems to be a great escape. Especially since your metal is very pure and happy metal. Would you agree?
【FELLOWSHIP】: Absolutely. We started just before covid but recorded the album in lockdown, so I think there was a lot of impact there on the lyrics. It’s not *about* that in any way, really, but it definitely influenced the kinds of themes and topics we talked about, like ambition, self-worth, loneliness, and striving through hard times.
Q6: パンデミックや戦争、そして分断で、20年代の始まりは非常に暗いものとなりました。だからこそ、抑圧され孤立した人にとって、パワーメタルは重要な逃避場所にも思えますね。
特に、あなたたちのようなピュアでハッピーなパワーメタルならばなおさらです。
【FELLOWSHIP】: うん、もちろんだとも。パンデミックの直前に制作を始めたアルバムだけど、レコーディングはロックダウン中に行ったから、歌詞に多くの影響を与えたのは間違いないね。
もちろん、パンデミック自体を歌っているわけじゃないんだけど、でも、野心、自尊心、孤独、困難な時期を乗り越える努力など、僕たちがこのアルバムで語るテーマや話題には、間違いなく影響があったんだよ。
Q7: What is the story behind “The Saberlight Chronicles?” Is the artwork a scene from the story?
【FELLOWSHIP】: The story is a classic fantasy tale told as an allegory for everyday mental health struggles. The hero takes a test for a legendary sword to fight off an evil empire, but the sword disappears in his hand when he doubts himself. It continues as the story of him discovering the value of self-belief, and the final scene is our album cover!
Q7: とても印象的なアートワークですが、”The Saberlight Chronicles” のストーリーと関連はあるのでしょうか?
【FELLOWSHIP】: このアルバムの物語は、日常の心の葛藤を寓話として語る古典的なファンタジーなんだ。
主人公は悪の帝国を撃退するために伝説の剣の試験を受けるんだけど、自分を疑ったときに剣が手から消えてしまう。そこからは、彼が自分を信じることの大切さを発見する物語として続いていき、最後のシーンが僕たちのアルバムのジャケットになっているんだよ。
Q8: For example, the old power metal bands such as Helloween and Gamma Ray did not have a very “technical” image, but recent bands such as Twilight Force, Glory Hammer, and you guys are revolutionizing power metal with your quite technical performances, I feel. How about that?
【FELLOWSHIP】: Honestly, we just play the kind of music we enjoy, and that we think other people will get the most out of. There’s definitely a movement in power metal towards a new sound, but for us creating our songs is much more about the melody than anything else. The technical stuff is mostly just us pushing ourselves as musicians.
Q8: 例えば、HELLOWEEN や GAMMA RAY といったパワーメタル第1世代に特別テクニカルという印象はありませんでしたが、最近の TWILIGHT FORCE, GLORY HAMMER, それにもちろん、あなたたちも、非常にテクニカルでパワーメタルを進化に導いていると感じますよ。
【FELLOWSHIP】: だけど正直なところ、僕たちは自分たちが楽しめて、他の人たちが一番喜んでくれるような音楽を演奏しているだけなんだ。たしかに、パワーメタルには新しいサウンドを求める動きがあるんだけど、僕らの場合、曲作りは何よりもメロディが重要なんだ。
結局、技術的なことって、ただミュージシャンとしての自分たちをプッシュしているだけの自己満足だからね。