NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【FARAZ ANWAR : TALE OF THE LUNATICS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH FARAZ ANWAR !!

“Youtube Was Also Banned Couple Of Years Ago. Few Singer’s Were Killed In Target Killing. So It’s a Bad Political Situation Over Here But We Are Doing It For The Love Of Music.”

DISC REVIEW “TALE OF THE LUNATICS & ISHQ KI SUBAH”

「パキスタンでは、政府が音楽と芸術を職業として認めていない。だから音楽のための良いインフラがないんだよ。レーベルやアーティスト・マネジメント会社、音楽学校も禁止されている。私たちの宗教は音楽が禁止されているからね」
昨年、パキスタンの伝説的ギタリスト Faraz Anwar が Facebook に投稿した内容が、メタル世界で大きな物議を醸しました。”ミュージシャンであることを理由に家の賃貸を拒否された。イスラム教は自由な宗教だというけれど、これがこの国のアーティストに対する扱いだ。必要なときには呼ばれるが、私たちが必要なものは与えられない。銀行口座さえ作れないんだから”。Faraz はパキスタンの政府や社会、宗教が望む “口をつぐんでやりすごす” ことを決してよしとはしませんでした。
「パキスタンのフォークやウルドゥー語は重要じゃないね。だけどね、パキスタンのような国に住んでいると、母国語のウルドゥー語で曲を作らないと、誰も聴いてくれないんだよ。もし外国に移住すれば、ウルドゥー語の曲なんて作らないだろうな。私は英語の曲の方が好きだからね」
モダン・メタルの生命力、感染力は世界中に根を張り巡らせて、その地、その地の伝統や伝承、文化を栄養に成長を遂げています。ただし、すべてのバンドが自身の背景すべてを誇りとしているわけではありません。
例えば、以前弊誌でインタビューを行ったレバノンの TURBULENCE は、「みんなも知っているように、ロックやメタルは反抗的な音楽で、洋楽を聴いて育ってきた僕たちにとって、メタルはある意味そうした母国の文化からの逃げ場になっていたんだからね」 と語っています。メタルは時に自身の出自からの逃避や、権力に対する反抗の原動力にもなるのです。Faraz Anwar もそんなアーティストの一人でした。
「私はあらゆるジャンルの音楽を探求したい。一つの音楽のスタイルにとらわれたくないから、プログレッシブ・ロックをやっているんだよ。 プログレッシブ・ロックは、あらゆるジャンルの音楽を探求する自由を私に与えてくれる。でも、プログのような複雑な音楽は、一般の人には理解しにくいんだよね。だから、私は一般大衆向けのストレートな曲も作っているし、それもまた好きなんだ」
ポップスターのギタリストとして音楽キャリアをスタートし、カラチを代表するメタル/プログバンド MIZRAAB のフロントマンとしてスーパースターとなった Faraz は、遂に待望のソロアルバム “Ishq Ki Subah” をリリース。波に乗った彼はわずか2年で壮大なコンセプト作 “Tale of the Lunatics” を完成に導きました。
面白いことに、前者がパキスタンのフォークやポップの響きを大胆に取り入れたプログ作品であるのに対して、後者の最新作はより本格的な西欧プログメタルに接近しています。その音楽性の推移、パキスタンからの逃避はおそらく彼の本音であり本懐。そうして、我々リスナーは、その両者の恩恵を存分に受けられる贅沢な立ち位置にいるのです。
ロマンチックなタイトルの “Ishq Ki Subah”。このアルバムは、Faraz がプログやメタルに限定しているという愚かな誤解に抗う、多様な音楽ジャンルを網羅する15曲。Faraz がメタルとプログレッシブの聖火ランナーであることは間違いありませんが、”Ishq Ki Subah” で彼は、パキスタンのフォーク、ポップス、ボリウッド、デスメタルを等しくその聖火に強力な薪としてくべているのです。
Kiko Loureiro と Tosin Abasi をミックスしたような Faraz の熱狂的なギター・テックを生かしつつ、牧歌的な異国情緒も見事に咲かせた不思議なメタル世界。幅広いアンサンブルとスペクトルにフォーカスした作品において、不誠実な政治家や抑圧的な政府に対して吐き出された “One of Them” は異質に陰鬱で、悪化する国の状況に不気味に共鳴しています。
「YouTube が何年か前に禁止されたよ。数人の歌手が標的として殺された。だから、まあこっちの政治状況も悪いけど、結局私たちは音楽を愛するがためにやっているんだ」
そしてその硬質で異質な “One of Them” は “Tale of the Lunatics” にも収録されて二つをつなぐ架け橋となりました。架空の天使 “アファエル” の物語を描いたこの作品は、世界中の差別や人権侵害に抗議し、人々の自由と世界の平和/安定を願っているように思えます。プログレッシブ・メタルに繊細や孤独と共に宿る、普遍的な光、ポジティブさを提示したアルバムは創造性に満ち溢れ、現状がどうであれ、憂鬱で辛い未来を思い起こさせることは全くありません。
Faraz の内省的でありながら華麗なサウンド・オペレーションは明らかに世界でも一級品で、彼の華麗なギタープレイと熱狂的な歌声は、リスナーのモチベーションを確実に高め未知なる力を与えていくのです。
今回弊誌では、Faraz Anwar にインタビューを行うことができました。「たしかに私の音楽は DREAM THEATER に似たプログレッシブ・ロックの要素を持っているけど、彼らよりももっとたくさんの要素がある。だって、DREAM THEATER を聴いて、誰も彼らを第2の KANSAS, RUSH という風には呼ばないでしょ?」 どうぞ!!

FARAZ ANWAR “TALE OF THE LUNATICS” “ISHQ KI SUBAH” : 10/10

INTERVIEW WITH FARAZ ANWAR

Q1: Could you start by telling us how you got into metal in Pakistan, a place where metal is probably not a major thing?

【FARAZ】: yes you are right pakistan does not encourage metal music at all, majority of the people here listen to folk or bollywood music .
My music journey started when I watched some rock & metal compilation on VHS when I was in 6th grade in that video I found yngwie malmsteen song” you don’t remember” that video motivated me to pick up the guitar but before that I heard all these awesome prog rock bands like rush, pink floyd, yes, kansas etc..besides that I also heard all 80s pop, rock and metal too. When I was very young my first western music exposure was the band Abba my father brought me few albums of Abba & I loved the classical pop style compositions by Abba & still like them.

Q1: まずは、パキスタンという、おそらくはメタルがあまりメジャーではない場所で、メタルにのめり込んだきっかけからお話ししていただけますか?

【FARAZ】: そうだね、君は正しいよ。パキスタンはまったくメタルに熱狂してはいない。この国では、大半の人たちがフォークかボリウッドの音楽を聴いているからね。
私の音楽の旅は、小学校6年生の時、VHS でロックとメタルのコンピレーションを見たことで始まったんだ。そのビデオの中に Yngwie Malmsteen の “You don’t remember” が入っていて、そのビデオがギターを手にする動機になったんだ。でもその前に、RUSH, PINK FLOYD, YES, KANSAS といった素晴らしいプログ・バンドを聞いていたんだよ。
幼い頃、初めて聴いた洋楽はABBA なんだ。父がアルバムを何枚か持ってきてくれてね。ABBA のクラシック・ポップス風の曲が大好きになってね。今でも好きなんだ。

Q2: You have great guitar technique, I’m really impressed! Could you tell us how you started playing guitar and what were your heroes back then?

【FARAZ】: thanks for kind words about my technique. Initially when I started out, I took some basic guitar lessons I was 14 or 15 at that time in the first year I recorded 2 songs in the studio I sang, did the vocal harmonies played the guitar and it felt like music came naturally to me I only knew 2 scales major and pentatonic, & I played the solo did the harmony of the solo & it sounded really cool , then afterwards one of my Freind who came from Canada gave me 2 videos Paul Gilbert intense rock & some Steve Morse instructional video, I have to mention that in the 90s it was really hard to find guitar instructional videos we had only 2 TV channels & no rock & metal music anywhere you really have to dig deep to get it , I practiced day and night watching those videos & I guess rest of the music inspiration comes from the bands I heard. My main guitar heroes are yngwie j malmsteen, Eric Johnson, Steve lukather, Allan holdsworth, Trevor Rabin Mike Oldfield & many others.

Q2: あなたの素晴らしいギター・テクニックはどのように培われたのですか?

【FARAZ】: 私のテクニックについて、嬉しい言葉をありがとう!当時14歳か15歳だった私は、最初の1年で2曲をスタジオでレコーディングし、歌って、ボーカル・ハーモニーをつけて、ギターを弾いて、音楽が自然に身についたような気がしていたんだ。メジャーとペンタトニックの2つのスケールしか知らなかったけど、ソロを弾いて、ハーモニーをつけて、最高にクールだと思ったんだよね。
その後、カナダから来た友達が Paul Gilbert の “Intense Rock” と Steve Morse の教則ビデオの2本をくれたんだけど、90年代はギターの教則ビデオを見つけるのが本当に大変だったんだ。それにその頃は、パキスタンにテレビが2チャンネルしかなく、ロックやメタルの音楽はどこにもなくて、深く掘り下げないと手に入らなかったんだよね。だから昼夜問わず、もらった教則ビデオを見ながら練習に励んだよ。あとはその頃聴いていたバンドがインスピレーションとなったね。
私の主なギターヒーローは、Yngwie J Malmsteen、Eric Johnson、Steve Lukather、Allan Holdsworth、Trevor Rabin, Mike Oldfield、その他大勢だよ。

Q3: You are also the founder of the legendary Pakistani metal band Mizraab. How has the Pakistani metal scene changed between when you started the band and now?

【FARAZ】: when we started out in the early 2000s there were lots of music TV channels at that time pakistan music scene was growing & we thought that music would stay forever but our country political situation got worse & people diverted to news channels so basically it came like a fashion now it’s gone. Now it’s social media Era & music lost it’s worth globally. In pakistan government does not recognize music & art as a profession that’s why we never had good infrastructure for music no labels no artist management companies no music schools, in our religion music is forbidden and now the music scene is worse than ever.

Q3: あなたはパキスタンの伝説的バンド MIZRAAB の創始者でもありますね。あなたが MIZRAAB を始めた頃と現在では、パキスタンのメタルシーンはどう変化していますか?

【FARAZ】: 2000年代初頭、私たちが活動を始めたころにはもう、パキスタンにはたくさんの音楽TVチャンネルがあり、音楽シーンは成長していて、私たちは音楽はこの地に永遠に残るものだと思っていたんだ。だけど私たちの国の政情は悪化して、人気はニュース・チャンネルに移ってしまった。音楽は基本的に “流行” で、今はもうその人気は去ってしまったんだよ。
今はソーシャルメディアの時代で、音楽は世界的にその価値を失っているよね。パキスタンでは、政府が音楽と芸術を職業として認めていない。だから音楽のための良いインフラがないんだよ。レーベルやアーティスト・マネジメント会社、音楽学校も禁止されている。私たちの宗教は音楽が禁止されているからね。現在の音楽シーンは以前より悪化しているよ。

Q4: Why are you currently pursuing a solo career and not Mizraab?

【FARAZ】: I’m solo because in mizraab I was doing everything by myself it was kinda solo project nobody contributed musically only in videos my band mates acted & played live in concerts only late Jamie (mizraab Rythm guitarist) helped me with the mixing & mastering in maazi haal mustaqbil, & Khalid Khan did the bass on the record. so I decided to dissolve the band & do albums under my name.

Q4: 今、あなたが MIZRAAB ではなく、ソロキャリアを追求しているのはなぜですか?

【FARAZ】: まあ、MIZRAAB でも全て一人でやっていたから、あの頃から私はソロだったんだよね。あのバンドもソロ・プロジェクトのようなもので、誰も音楽的な貢献はしていなかったから。そして、ビデオにだけバンドメンバーが出演し、コンサートでは生演奏をしていたんだ。唯一 “Maazi Haal Mustaqbil” のミキシングとマスタリングを手伝ってくれたのは故 Jamie(MIZRAAB のリズムギタリスト)だけで、あと Khalid Khan はそのアルバムでベースを弾いてくれたね。だからもうバンドを解散して、私の名前でやろうとなったんだ。

Q5: I once interviewed a band called Confess from Iran. They had been suppressed by the government as metal was the devil’s music. Is that not the case in Pakistan?

【FARAZ】: well pakistan is very different from Iran in many ways. Music is forbidden but people enjoy listening to music but at the same time they say it’s haram so it’s kind of a hipocracy.i remember one time in prime Minister nawaz sharif Era some where in the nineties they banned us on national TV channels for wearing tight jeans & long hair so everyone cut their hair I didn’t, you might saw my post on Facebook that I was looking for a house portion on rent and landlords refused me multiple times cause I’m a musician and they were religious people . youtube was also banned couple of years ago . Few singer’s were killed in target killing. So It’s a bad political situation over here but we are doing it for the love of music.

Q5: 以前、イランの CONFESS というバンドにインタビューを行ったのですが、彼らはメタルが悪魔の音楽だとして政府から弾圧を受けたと語ってくれました。
パキスタンはそこまでの状況ではないのですね?

【FARAZ】: パキスタンはイランとは多くの点で異なっているよ。音楽は禁止されているけれど、人々は音楽を聴くことを楽しんでいる。だけど彼らは同時にそれをハラーム (禁忌) だと言うんだから、一種の偽善だよね。
90年代、ナワズ・シャリフ・エラ首相の時代に、タイトなジーンズと長髪を着用することを国営テレビ局で禁止され、誰もが髪を切ったことを覚えているよ。私はそうしなかったけどね。Facebook で、私が賃貸の家を探していて大家から何度も断られたという記事を見た人もいるかもしれないけど、私はミュージシャンで彼らは信心深い人たちだったからね。
そうそう、あとは YouTube が何年か前に禁止されたよ。数人の歌手が標的として殺された。だから、まあこっちの政治状況も悪いけど、結局私たちは音楽を愛するがためにやっているんだ。

Q6: All of your solo albums are fantastic! But whereas “Ishq Kl Subah” incorporated a lot of traditional Pakistani music and pop, “Tale of the Lunatics” is closer to western prog-metal, right? What caused this difference?

【FARAZ】: I would like to explore every genre of music I don’t want to stuck in one style of music that’s why I do progressive rock it gives me freedom to explore every genre of music but the problem with that is common people do not understand complex music like prog it demands an intellect,to understand this kind of stuff so I make straight forward songs for common people and I love doing it , as a music listener i always heard everything from air supply to dream theater and I enjoy doing all styles.

Q6: あなたのソロアルバムはすべて素晴らしい作品ですね!
“Ishq Kl Subah” ではパキスタンの伝統的なフォーク音楽やポップスを取り入れていたのに対して、最新作 “Tale of the Lunatics” はより本格的な西洋のプログ・メタルに接近しているように感じました。

【FARAZ】: 私はあらゆるジャンルの音楽を探求したい。一つの音楽のスタイルにとらわれたくないから、プログレッシブ・ロックをやっているんだよ。 プログレッシブ・ロックは、あらゆるジャンルの音楽を探求する自由を私に与えてくれる。
でも、プログのような複雑な音楽は、一般の人には理解しにくいんだよね。だから、私は一般大衆向けのストレートな曲も作っているし、それもまた好きなんだ。音楽リスナーとして、私はいつも AIR SUPPLY から DREAM THEATER まであらゆる音楽を聴いてきたし、あらゆるスタイルの音楽を楽しんでいるからね。

Q7: Is it important to you to incorporate traditional Pakistani music, culture and Urdu into your music?

【FARAZ】: no it’s not important but if you live in a country like pakistan one has to make urdu songs otherwise no one will listen to it, maybe if I move abroad I would not make urdu songs, personally I prefer to make English songs.

Q7: あなたにとって、パキスタンの伝統音楽や文化、それにウルドゥー語を自身の音楽に取り込むことは重要なのでしょうか?

【FARAZ】: いや、重要じゃないね。だけどね、パキスタンのような国に住んでいると、母国語のウルドゥー語で曲を作らないと、誰も聴いてくれないんだよ。もし外国に移住すれば、ウルドゥー語の曲なんて作らないだろうな。私は英語の曲の方が好きだからね。

Q8: How do you feel about being called Pakistan’s Dream Theater?

【FARAZ】: no I don’t like if someone says that. cause my music have elements of progressive rock similar to DT but there’s a lot more in my music than DT, the bands dream theater heard I heard it too nobody call dream theater they sound like kansas or rush cause they are brand now these things happen when you start a new music brand people compare things with others but I’m making my music for my self & I don’t care what people say important thing is first you have to satisfy your self then people come next cause im doing music for my self if someone likes it I welcome them and I enjoy doing what I do.

Q8: あなたの音楽はしばしば、パキスタンの DREAM THEATER などと形容されていますね?

【FARAZ】: いや、そんなこと言われたら困るよ。たしかに私の音楽は DREAM THEATER に似たプログレッシブ・ロックの要素を持っているけど、彼らよりももっとたくさんの要素がある。だって、DREAM THEATER を聴いて、誰も彼らを第2の KANSAS, RUSH という風には呼ばないでしょ?彼らは今ブランドとなっているからだよ。
新しい音楽を始めるとこういうことが起こる。人は他人と何かを比較するけど、私は自分のために音楽を作っている。人が何を言おうと関係ない。大切なのはまず自分自身を満足させて、次にリスナーが来てくれること。私は自分のために音楽をやっているから、誰かが私の音楽を好きなら歓迎するし、ただ私はは自分のやることを楽しんでいるよ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED FARAZ’S LIFE

YNGWIE MALMSTEEN “ODYSSEY”

YNGWIE MALMSTEEN “ECLIPSE”

KANSAS “POINT OF KNOW RETURN”

YES “TALK”

MSG “SAVE YOUR SELF”

MESSAGE FOR JAPAN

I have been following Japanese music scene for quite some time now one of my favorite band is from your country ” loudness”.i have to say you guys are the best music listeners in the world and maybe someday in the future we’ll meet & head bang together in Japan. stay safe, stay heavy & stay tuned!

ずっと日本の音楽シーンをフォローしているんだ。私の大好きなバンド、LOUDNESS を生んだ国だからね。君たちは世界中で最高の音楽リスナーだよ!いつか、日本で出会い、共にヘッド・バンギングできたらいいね!

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