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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【MUTE THE SAINT : MUTE THE SAINT】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH RISHABH SEEN OF MUTE THE SAINT !!

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Sitar Fronted Instru-metal Four Piece From India, Mute The Saint Has Just Released Indian Classical Music Meets Modern Prog Metal Record “Mute The Saint” !!

DISC REVIEW “MUTE THE SAINT”

世界で初めてインドのフォークミュージックとモダンプログを融合させた、新たな開拓者 MUTE THE SAINT が記念すべきセルフタイトルのデビュー作 “Mute the Saint” をリリースしました!!トラディショナルなシタールの響きと、近未来感溢れるテクニカルメタルのフュージョンは、時間も文化も越えて世界中のリスナーに新鮮な驚きを与えています。
バンドのリードシタール奏者でコンポーザー、Rishabh Seen が大きな注目を浴びたのはインターネットの世界からでした。推しも押されぬ Modern Prog Metal のリーディングヒッター、ANIMALS AS LEADERS の楽曲をシタールでミステリアスにカバーした Rishabh の動画は瞬く間に評判を呼び、海外の大手メタルサイトなどで大々的に取り扱われることとなったのです。
しかし、あくまでもカバーはカバー。彼が真に評価されるべく立ち上げたオリジナルバンドこそが MUTE THE SAINT でした。シタール、ギター、ベース、ドラムスという前代未聞のインストゥルメンタルバンドは、驚くことに1度もメンバー同士会ったことがありません。しかしながら、インタビューにもあるように、”Mute the Saint” を聴けば、インドの古典音楽とプログメタルの架け橋となるべく集結したこのユニークな音楽集団に大きな可能性、未来が広がっていることは明らかでしょう。
アルバムオープナー、”Welcome the Change” はまさにリスナーを変化に誘う予告状。オリエンタルなシタールのイントロが鳴り響くと、目の前には確かにタージマハルの壮観や雄大なガンジスが広がります。しかし、同時に MUTE THE SAINT は架け橋でありバンドです。そこにプログメタル由来の奇数拍子、Djenty なギターリフ、4人のタイトな演奏、複雑な構成美が登場し溶け合うと、遂に彼らの斬新かつ魅力的な全体像、ビジョンが顕になるのです。
実際、”Mute the Saint” は驚くほどバンドらしい作品です。Rishabh の個性的なサウンドに一歩も引けを取らない Josh Seguin のギター捌きは白眉で、毛色の違うリード楽器が交互に主役を務める様は実に壮観だと言えますね。さらには “Calypso” のようにバンド全員の高い技量を個々にフィーチャーした楽曲まで存在するため、アルバムには時に偉大な THE MAHAVISHNU ORCHESTRA や、DIXIE DREGS を想起させる瞬間まで訪れるのです。
5曲という曲数ながら、多様性=モダンな魅力に満ちていることは作品のもう一つの鍵だと言えるでしょう。”Sound of Scars” はそのマイクロトーナルな響きが誘うダークでカオティックな音像が驚くことに Black Metal さえイメージさせますし、最後には “In Silence We Will Remain” の METALLICA へのリスペクトと共にアグレッシブでスラッシーな一撃でアルバムを締めくくります。
今回弊誌では、雄弁なシタールプレイヤー Rishabh Seen にインタビューを行うことが出来ました。来日ツアーの経験もある Rishabh。インターネットから生まれたこの素晴らしき”シタールメタル”が、日本とインドの架け橋にもなることを願います。どうぞ!!

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MUTE THE SAINT “MUTE THE SAINT” : 9.2/10

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