EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH STEVE DI GIORGIO OF QUADVIUM & TESTAMENT !!
“You Can Make a Fretless Sound Like Fretted If You Want, But You Can Never Make a Fretted Sound Like a Fretless…The Fretless Bass Is Just So Much More Expressive And Has a Greater Distance From The Guitar.”
DISC REVIEW “Tetradōm”
「異なるサウンドを作るために実験的にエクストリーム・サウンドにフレットレスを持ち込んだんだ。もし望むなら、フレットレスをフレット付きのように鳴らすことはできるけど、フレット付きをフレットレスのように鳴らすことは決してできない……フレットレス・ベースの方が表現力が豊かで、ギターとの距離もとても近いんだ」
メタル世界で “フレットレス”、つまりヴァイオリンのようにフレットのない楽器は今や珍しいものではありません。ベースはもとより、Tom Fountainhead のようにギターにまでその波は広がっています。フレットを取り払った異次元的で滑らかな音色は、どんな楽曲にもえもいわれぬ独特な風味を加え、メタルの幻想と宇宙を深化させてくれるのです。
「DEATH は僕にとってすべてを意味する。Chuckは僕にミュージシャンとして成長するチャンスを与えてくれたし、何より他の人たちが注目できるよう僕をメタルの地図に載せてくれたんだからね。もちろん、”Individuals” の2年前には、僕にとってとても重要なアルバムに参加していたんだけどね… “Human” だよ。CYNIC の才能ある連中と一緒に、あんなに若くしてデスメタルの景色を変えたんだからね。あの作品で新しい方向への扉が開かれ、まったく新しいジャンルが生まれたんだ」
Steve Di Giorgio はそんなフレットレスの魔法をメタルに持ち込んだパイオニアのひとり。今は亡き Chuck Schuldiner が作り上げた DEATH の “Human” は、硬質なメタル世界に “浮遊感” という宇宙を持ち込みました。その新たな景色を描くために Chuck が必要としたのが、ジャズ/フュージョンに精通した CYNIC の面々と Steve のフレットレス・ベースだったのです。
そう、いつだって “壁” を壊すのは “奇抜” にも思える挑戦的なアイデア。以来、エポック・メイキングな “Human” は、テクニカル/プログレッシブ・デスメタルの金字塔となり、フレットレスはメタルの異世界を描く貴重な筆のひとつとなっていったのです。
「僕たちが若く、影響を受けながら成長していた頃、ベースは曲にとって他の何よりも重要だった。だけど、残念ながら90年代にはインスピレーションに溢れたベース演奏が乏しくなり、それは新世紀に入っても続いた。しかし、ここ10~15年の間に、非常に優れた、創造的なスタイルを持つ新しい世代のベーシストが現れ、メタルの中にベースの重要性を取り戻しつつあると思う。ベースが影から出てくると同時に、バンドをサポートし続けることが一般的になってきているんだよ」
始まりの場所 SADUS から、Steve が家と呼ぶ TESTAMENT、ARTENSION や SOEN、果ては MEGADETH まで果てないベースの旅を続ける Steve。そんな彼の挑戦と求道の中でも、QUADVIUM ほど “奇抜な” 試みは初めてでしょう。そう、QUADVIUM にはフレットレス・ベースの達人が Steve 以外にもうひとり、存在するのです。Jeroen Paul Thesseling。OBSCURA や PESTILENCE で名を成したオランダの奇才が加わることで、QUADVIUM はまさに前代未聞の “異質” な物体となりました。
“多弦フレットレス・ベースをさらに進化させたら?” をコンセプトに掲げる QUADVIUM。アルバム “Tetradōm” は、DEATH, CYNIC, ATHEIST, PESTILENCE といった90年代のテクニカル・デスメタルと、現代的なフュージョン・プログ・メタルを基盤とし、楽器の攻撃性と滑らかでジャジーなコード進行、そしてフレットレスの浮遊感、宇宙的景観を巧みに融合させながら、特徴的なダブルベースのサウンドを際立たせていきます。
次から次へとアイデアが飛び交うメタルの迷宮。アストラルな静寂の海、幻想的なハーモニーを切り裂く技巧と激情のインテンション。ふたりのベースの達人は、どちらが主役をはるでもなく、まさに Steve が語る表に出ながらサポートするというこの楽器の理想型を見せつけていきます。
ベースの進化はメタルの進化。「Chuck はよりオープンでメロディアスなギター・リフ・スタイル、”Human” や “Individual” のより創造的なやり方に戻るために僕のベースが必要だと感じていたんだ。でも、僕たちが2作目の CONTROL DENIED の計画を立てている最中に、彼の健康状態が悪化し、完成させることができなくなってしまったんだ。とても、悲しかったよ…それは、その音楽が彼の最も冒険的な楽曲であったからというだけでなく、いや、それ以上に僕たちが出会った1986年、アルバム前のデモの時代からずっと良い友人であったからなんだ。僕はひとりの親友を失い、世界はユニークな先見の明を失った」 TESTAMENT の新作も控えています。Steve Di Giorgio です。どうぞ!!
QUADVIUM “TETRADOM” : 10/10
INTERVIEW WITH STEVE DI GIORGIO
Q1: I first heard your bass on Death’s “Individual Thought Patterns”. It was really great record and really great performance! Looking back now, what does that piece and your days at Death mean to you?
【STEVE】: Death means everything to me. Chuck gave me the chance to grow as a musician and basically put me on the map for others to take notice. Of course I was part of a very important album 2 years before Individual… Changing the landscape of death metal at such a young age with those talented guys from Cynic really opened the door to a new direction that pretty much created a whole new genre.
Q1: あなたのベースを初めて聴いたのは DEATH の “Individual Thought Patterns” でした。本当に素晴らしいレコードで、本当に素晴らしいパフォーマンスでしたね!
今振り返ってみて、あの作品と DEATH での日々はあなたにとってどんな意味がありますか?
【STEVE】: DEATH は僕にとってすべてを意味する。Chuckは僕にミュージシャンとして成長するチャンスを与えてくれたし、何より他の人たちが注目できるよう僕をメタルの地図に載せてくれたんだからね。
もちろん、”Individuals” の2年前には、僕にとってとても重要なアルバムに参加していたんだけどね… “Human” だよ。CYNIC の才能ある連中と一緒に、あんなに若くしてデスメタルの景色を変えたんだからね。あの作品で新しい方向への扉が開かれ、まったく新しいジャンルが生まれたんだ。
Q2: You were also with Chuck at Control Denied. How did you feel about his untimely death? What was he and his talent like to you?
【STEVE】: He felt he needed the bass to go back to the more creative ways of Human and Individual for Control Denied because of the more open, melodic guitar riff style. We were in the middle of making plans for the second Control Denied when his health deteriorated to the point that we could not complete it. It was very sad, not only because of the music being some of his most adventurous compositions, but mainly because we were such good friends going all the way back to the pre-album demo days in 1986 when we met. I lost a good friend and the world lost a unique visionary.
Q2: Chuck Schuldiner とは CONTROL DENIED でも一緒でしたね。彼の早すぎる死をどう感じましたか? 彼と彼の才能はあなたにとってどんな存在でしたか?
【STEVE】: 彼は、よりオープンでメロディアスなギター・リフ・スタイル、”Human” や “Individual” のより創造的なやり方に戻るために僕のベースが必要だと感じていたんだ。でも、僕たちが2作目の CONTROL DENIED の計画を立てている最中に、彼の健康状態が悪化し、完成させることができなくなってしまったんだ。
とても、悲しかったよ…それは、その音楽が彼の最も冒険的な楽曲であったからというだけでなく、いや、それ以上に僕たちが出会った1986年、アルバム前のデモの時代からずっと良い友人であったからなんだ。僕はひとりの親友を失い、世界はユニークな先見の明を失った。
Q3: It was also thanks to you that I learned about the existence of the fretless bass itself! Why did you decide to use a fretless bass in metal? Also, what are the pros and cons of using fretless in metal?
【STEVE】: I was a fretless bassist before I got into metal, I brought it into the extreme sound for an experiment to create a different sound. You can make a fretless sound like fretted if you want, but you can never make a fretted sound like a fretless…the fretless bass is just so much more expressive and has a greater distance from the guitar. I still use both fretless AND fretted, so they will always both have their place.
Q3: フレットレス・ベースの存在自体を知ったのも、あなたのおかげだったんですよ! なぜメタルでフレットレス・ベースを使おうと思ったのですか? また、メタルでフレットレスを使うことの長所と短所を教えてください。
【STEVE】: 実は、メタルに入る前はフレットレス・ベーシストだったんだけど、異なるサウンドを作るために実験的にエクストリーム・サウンドにフレットレスを持ち込んだんだ。
もし望むなら、フレットレスをフレット付きのように鳴らすことはできるけど、フレット付きをフレットレスのように鳴らすことは決してできない……フレットレス・ベースの方が表現力が豊かで、ギターとの距離もとても近いんだ。ただ僕は今でもフレットレスとフレット付きの両方を使っているから、フレットレスとフレット付きの両方の居場所があるんだよ。
Q4: How do you come up with such quirky ideas like double-necked bass or 5-string bass with only 3 strings, or using picks?
【STEVE】: Well obviously using picks is the most strange of these 3 quirky ideas…!
Seriously, I just like to challenge myself and make things fun for myself – to keep focused. Who knows what new innovation or aberration I might be seen using in the near future..? It’s like a sexlife, right..? Need to keep things interesting or it’s time to change.
Q4: ダブルネックのベースとか、5弦ベースに3弦だけ張ったりとか、指引きの人なのに時々ピックを使うとか、そういう風変わりなアイデアはどうやって思いつくのですか?
【STEVE】: この3つの奇抜なアイデアの中で、ピックを使うのが一番奇妙なのは明らかだけど….!(笑)
真面目な話、僕は自分自身に挑戦し、物事を楽しくするのが好きなんだ。近い将来、僕がどんな新機軸や奇抜なアイデアを使うようになるか、誰にもわからないんだからね….。性生活みたいなものだとおもうんだよね?いつも新鮮で、新しいことに挑戦して物事を面白く保つ必要がある。
Q5: It was a surprise to see you participate in MEGADETH’s latest album! But you didn’t become an official member, did you prioritize your career and music in Testament?
【STEVE】: They just needed a bassist to come in short notice and record the bass for all of the songs since the previous bass player left the band during the recording of the album. I’m fortunate to be a type of chameleon where I can assimilate to an ongoing situation in short time, learn music I have never heard before, and get my part completed and finalized very quickly. That comes from many years of doing this, since 1989 I believe! But I have been in Testament for 18 years, and those guys have become brothers, and I feel more at home in that band where I can be more of my organic-self.
Q5: あなたが MEGADETH の最新アルバムに参加したのは驚きでした!ただ、正式メンバーにはならなかったんですよね?TESTAMENT におけるキャリアと音楽を優先したんですか?
【STEVE】: MEGADETH は前任のベーシスト、David Ellefson がアルバムのレコーディング中に脱退したため、急遽ベーシストが必要となり、僕が全曲のベースをレコーディングすることになったんだ。僕は幸運なことに、進行中の状況に短時間で同化し、聴いたことのない音楽を学び、自分のパートを素早く完成させ、最終的に仕上げることができるカメレオンのようなタイプだ。それは、1989年以来、長年この仕事を続けてきたから出来ることだと信じているんだ!
でも、TESTAMENT には18年間在籍しているし、彼らは兄弟のような存在だからね。TESTAMENT にいる方が自分の家だと感じられるし、よりオーガニックな自分でいられるんだよ。
Q6: Speaking of unordinry ideas, Quadvium is just that! I have never heard of any other band that is led by two fretless bass players! How did you come up with this outlandish idea?
【STEVE】: Jeroen and myself started becoming friends around 20 years ago, and neither of us knows for sure exactly when we made the decision to start a project with both of us on multi-string fretless bass. We talked about it over the years, but we didn’t know how to go about it. But we had an idea of what we wanted it to sound like. It was definitely not going to be a “lead bass” and “rhythm bass” roles, or even a mess of trade off soloing. We knew the basses had to exist equally together and go from call-answer to harmonizing to even some unison passages. The song ideas came very slowly because we were always searching how to integrate the sharing of bass in the same song. It was when Yuma & Eve joined in our vision and made the song structures grow into what you can hear now on our new album.
Q6: 奇抜なアイデアといえば、QUADVIUM がまさにそうですよね!ふたりのフレットレス・ベース奏者が率いるバンドなんて、他に聞いたことがないですよ! この奇抜なアイデアはどうやって思いついたのですか?
【STEVE】: Jeroen と僕は20年ほど前から友人になった。僕たち2人が多弦フレットレス・ベースを使ったプロジェクトを始める決心をしたのはいつなのか、2人ともはっきりとは思い出せないんだ。何年もその話をしていたけれど、どうすればいいのかわからなかった。でも、どんなサウンドにしたいかという明確なアイデアはあったんだ。
“リード・ベース” と “リズム・ベース” という役割分担には絶対にならなかったし、ソロのトレードオフのゴタゴタにもならなかった。ベースが対等に存在し、コール・アンド・レスポンスからハーモニー、さらにはユニゾンのパッセージまでこなさなければならないことはわかっていた。 曲のアイディアが生まれるのがとても遅かったのは、同じ曲の中でベースをどのように共有するかを常に模索していたからだよ。それから Yuma と Eve が僕たちのビジョンに加わり、曲の構成をニュー・アルバムで聴けるようなものへと成長させてくれたんだ。
Q7: What is wonderful about Tetradōm is that it is not a technical exposition, despite the fact that it is a group of highly skilled players! In addition, the two bassists do not take the lead, but rather enhance and complement each other, creating a wonderful musical universe, would you agree?
【STEVE】: I’m glad you noticed this, it was definitely our intention, but not an easy intention to establish until we jumped in with all 4 feet and just experimented with how all the parts worked together…or not. Eve should get most of the credit for the artistic complexity of making all amazing musicians shine and still have space to not overcrowd. Jeroen did a genius level task of dividing the bass lines to where we are interwoven and completing each other’s phrases, and always sharing the highlight moments as well as supporting as a duo for the guitar and drums to complete the quartet.
Q7: ” Tetradōm” が素晴らしいのは、高い技術を持った奏者たちが集まっているにもかかわらず、テクニックの博覧会になっていないところでしょう!
加えて、2人のベーシストどちらかが主導権を握るのではなく、お互いを高め合い、補い合うことで、素晴らしい音楽世界を作り出していますね?
【STEVE】: このことに気づいてくれてうれしいよ。それは間違いなく僕たちの意図したことなんだけど、全員で飛び込んで、すべてのパートがどのように組み合わされるか…あるいは組み合わされないか実験してみるまでは、それを確立するのは簡単なことではなかったんだ。
すべての素晴らしいミュージシャンを輝かせ、なおかつ過密状態にならないようにスペースを確保するという芸術的な複雑さについては、Eve の功績が大きい。Jeroen は、ベースラインを互いのフレーズを完成させながら織り成すように分け、常にハイライトの瞬間を共有し、ギターとドラムのデュオとしてサポートし、カルテットを完成させるという天才的なレベルの仕事をしてくれたね。
Q8: In the metal world, it is common to think of the bass as supporting the band in the shadow of the guitar, but this is not the case with your playing, right? What do you think about the potential of the bass in metal?
【STEVE】: When we were young and growing under our influences, bass was just as important to the song as anything else. There became a drought of inspired bass playing in the 90s that continued into the new century. But I believe in the past 10-15 years there has been a new generation of very good and creative bass players with a style that is bringing the importance of bass back into metal. It is pretty much at a point where it’s common for the bass to come out of the shadows as well as continue supporting.
Q8: メタルの世界では、ベースはギターの陰でバンドを支えるというイメージがありますが、あなたのプレイはそうではありませんよね? メタルにおけるベースの可能性についてどう考えていますか?
【STEVE】: 僕たちが若く、影響を受けながら成長していた頃、ベースは曲にとって他の何よりも重要だった。だけど、残念ながら90年代にはインスピレーションに溢れたベース演奏が乏しくなり、それは新世紀に入っても続いた。
しかし、ここ10~15年の間に、非常に優れた、創造的なスタイルを持つ新しい世代のベーシストが現れ、メタルの中にベースの重要性を取り戻しつつあると思う。ベースが影から出てくると同時に、バンドをサポートし続けることが一般的になってきているんだよ。
Q9: The world is currently under a black cloud of war, violence, oppression, discrimination, and division. What can extreme metal do in such a world?
【STEVE】: Get more extreme.
Q9: 世界は今、戦争、暴力、抑圧、差別、分断という黒い雲の下にあります。そんな世界でエクストリーム・メタルには何ができるのでしょうか?
【STEVE】: Get more extreme. よりエクストリームになることだ。
FIVE ALBUMS THAT CHANGED STEVE’S LIFE!!
Rush “Hemispheres”
Jethro Tull “A”
Tribal Tech “S/T (self-titled)”
Return To Forever “Romantic Warrior”
ARK “Burn The Sun”
MESSAGE FOR JAPAN
Thank you so much for the attention, compliments, and devotion to great music! Japan is my favorite country to visit and play music. I love the people, the culture, the food and the beautiful countryside views! It is also the headquarters for the awesome people who work hard to support me at the Ibanez company. Thank you for the interview and I hope to see you all soon!!
注目、賛辞、そして素晴らしい音楽への献身、本当にありがとう! 日本は、音楽を演奏するのが大好きな国だよ。 人々、文化、食べ物、そして美しい田園風景が大好きなんだ! また、僕を懸命にサポートしてくれるIbanezという会社、素晴らしい人たちの本社もあるんだからね。インタビューをありがとう!すぐに会えたらいいな!
STEVE DI GIORGIO
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