EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DINO JELUSICK OF JELUSICK !!
“David has been my biggest hero since I was a kid. I just learned to be even more humble after hanging out with him, he’s such a sweet person.”
DISC REVIEW “APOLITICAL ECSTASY”
「僕はみんなが欲しがるものを、何でも持っていると思う (笑)。 僕はいつも、ボーカル、作曲、音楽的なトリックの箱をたくさん持っていたいと思っていたからね。自分らしくありながら、何でもこなせるように。それが実現し始めたんだ」
David Coverdale, Jeff Scott Soto, George Lynch, Michael Romeo, John Macaluso, Ron Thall, Paul O’Neill, Steve Vai, Eric Martin, Gary Cherone…クロアチア人シンガー、Dino Jelusick ほど今、メタル世界で引っ張りだこな人物はいないでしょう。しかも、彼をもとめるのは多くが “伝説級” のアーティストたち。なぜこの、33歳の若者はこれほど人気なのでしょうか?それは、Dino の “引き出し” が果てしなく多いから。
ザグレブ大学音楽アカデミーで修士号を獲得している Dino は、ボーカルのみならず、ピアノ、ギターも達人級の完成されたミュージシャンです。だからこそ、Dino は鍵盤奏者兼バックボーカルとして David Coverdale の目に止まり、WHITESNAKE に招かれることにもつながりました。様々な楽器をこなせる。それはミュージシャンとして、間違いなくプラスの要素。しかし、Dino にはそれ以上の素晴らしき “アイデア” の数々、音楽的な多様性があり、それこそがおそらく数多の伝説を惹きつけているのでしょう。
「僕たちはオールド・スクールと、とてもモダンなものの中間にあって、両方のエッジで踊っているんだ。 だから、いつも違う観客を惹きつけることができているんだと思う」
そんな Dino の多彩さ、音楽的な多様性が収束したのが、自身のバンド JELUSICK です。古き良き “歌” が戻って来つつあるメタル世界において、時には Dio に、時には Coverdale に振れる Dino の圧倒的な歌声は明らかに一際輝きを放っています。しかし、JELUSICK が素晴らしいのは、そうした彼の獰猛でありながら “オールドスクール” な歌唱がモダンなメタルの波に乗っていることでしょう。
自身の巧みな鍵盤を配したダークな楽曲には、Ivan Keller のウルトラ・テクニカルなギターが寄り添い、メロディックでありながらメタリック、テクニックと好奇心を満載したプログレッシブな新時代のハードロック/メタルが紡がれていきます。おそらく、 Ivan は Earthquaker Devices のピッチシフターを使いこなしているのでしょうが、こういうエクストリーム世界で流行りの音をハードロックに取り込む若さこそ至高。あの Vito Bratta を想起させる、実に素晴らしいギタリストですね。
歌心を追求した NEVERMORE、メタルへ振り切った KING’S X、プログレッシブな ALTER BRIDGE、ドーピングを施した WHITESNAKE…そんなワクワクするような例えが次から次へと浮かぶエキサイティングかつダイナミックな “Apolitical Ecstasy“ は、そうして無限のイマジネーションの中にロックやメタルがかつて蔑ろにしていた “奔放さ” や “衝動”、”不規則性” を歌声と共に取り戻していきます。
「David は子供の頃から僕の最大のヒーローだった。彼と付き合ってから、僕はもっと謙虚になることを学んだよ。だって彼はあんなに有名なのに、とても優しくて思いやりがある人だからね」
ミリメートルの正確さよりも大切なことがある。きっとそんな寛容さも、Dino は David Coverdale から学んでいるはずです。例えば、Ozzy Osbourne が YUNGBLUD を、FIREHOUSE の C.J. Snare が Nate Peck を育てたように、あの白蛇の伝説は Dino の素晴らしき師匠となって彼の行先を明るく照らしています。そしてまた、次々と巨人が旅立っていくメタル世界で、そうした “継承” のあり方はきっと、このジャンルの灯火となって未来を明るく照らしていくはずです。
今回弊誌では、Dino Jelusick にインタビューを行うことができました。「僕はまず第一にシンガーであり、そこでこそ100%の自分を感じる。でも、ピアノの後ろに座ると、まったく新しい経験と喜びが得られるのも確かなんだよね」 どうぞ!!Ronnie Romeo、Andrew Freeman、そして Dino の3人がいる限り、メタルの “歌”、その未来は明るい。どうぞ!!
JELUSICK “APOLITICAL ECSTASY” : 10/10
INTERVIEW WITH DINO JELUSICK
Q1: When I think of Croatia, I first think of football. ZvonimirBoban, Davor Šuker, Luka Modrić…I don’t think it is a country where metal and hard rock are very popular, but you have definitely become one of Croatia’s leading metal artists! First of all, what kind of music did you grow up listening to in such a place?
【DINO】: I grew up listening to 70s and 80s rock, pop, soul and blues.
Q1: 本誌初登場です!まずは、あなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?
【DINO】: 僕は70年代、80年代のロック、ポップス、ソウル、ブルースを聴いて育ったよ。
Q2: You earned a master’s degree from the Academy of Music, University of Zagreb, in 2020. What’s amazing about you is that you are a miraculous vocalist, but you can also play guitar and keyboards! That’s wonderful! But do you still consider yourself a vocalist?
【DINO】: I’m absolutely a singer in a first place, that’s where I feel a 100% myself. But then sitting behind a piano gives you a whole new experience and joy.
Q2: あなたは2020年にザグレブ大学音楽アカデミーで修士号を取得していますね。あなたの素晴らしいところは、奇跡的なボーカリストでありながら、ギターやキーボードも巧みに弾けることですよ! それでも、あなたの中ではまず、ボーカリストという思いなんですね?
【DINO】: 僕はまず第一にシンガーであり、そこでこそ100%の自分を感じる。でも、ピアノの後ろに座ると、まったく新しい経験と喜びが得られるのも確かなんだよね。
Q3: Being able to play a variety of instruments is important in this world, seeing as how David Coverdale invited you to join Whitesnake as a keyboardist and backup vocalist! What do you learn from David and his songs?
【DINO】: David has been my biggest hero since I was a kid. I just learned to be even more humble after hanging out with him, he’s such a sweet person.
Q3: ただ、David Coverdale があなたを WHITESNAKE のキーボーディスト兼バック・ヴォーカリストとして招いたように、いろいろな楽器を演奏できることはこの世界では重要なことですよね!David と彼の歌から何を学びましたか?
【DINO】: David は子供の頃から僕の最大のヒーローだった。彼と付き合ってから、僕はもっと謙虚になることを学んだよ。だって彼はあんなに有名なのに、とても優しくて思いやりがある人だからね 。
Q4: David Coverdale, Jeff Scott Soto, George Lynch, Michael Romeo, John Macaluso, Ron Thall, Paul O’Neill, Steve Vai, Eric Martin, Gary Cherone… No other musician has performed with and been recognized by so many “legends” of the metal world as you have! Why do you think you are so sought after?
【DINO】: I don’t know, I guess I have everything for everyone haha. I always wanted to be able to have a box of tricks; vocally, songwriting-wise, musically. To be able to be myself but to also be able to pull off anything. So it started to happen.
Q4: David Coverdale, Jeff Scott Soto, George Lynch, Michael Romeo, John Macaluso, Ron Thall, Paul O’Neill, Steve Vai, Eric Martin, Gary Cherone…あなたほど多くのメタル界の “レジェンド” たちと共演し、認められている若いミュージシャンは他にいないでしょう! なぜ、あなたはこれほど引っ張りだこなのだと思いますか?
【DINO】: わからないけど、僕はみんなが欲しがるものを、何でも持っていると思う (笑)。 僕はいつも、ボーカル、作曲、音楽的なトリックの箱をたくさん持っていたいと思っていたからね。自分らしくありながら、何でもこなせるように。それが実現し始めたんだ。
Q5: You are only 33 years old, but you have a huge discography! Other than your leadership work, which of your albums are particularly memorable and your favorites?
【DINO】: I love what I did with Romeo. Love WGD, Ralph, Animal Drive, Dirty Shirley and all my collabs. It’s hard to pick, it’s like picking between your own babies.
Q5: あなたはまだ33歳ですが、膨大なディスコグラフィーをお持ちですね!自身のリーダー作以外で、特に印象に残っているアルバムやお気に入りのアルバムはどれですか?
【DINO】: まず、Michael Romeo とやったことが大好きだね。あとは、WHOM GOD DESTROY, THE RALPH, ANIMAL DRIVE, DIRTY SHIRLEY…つまり、僕のコラボ作品すべてが大好きだ。選ぶのは難しいよ、自分の赤ちゃんの中から選ぶようなものだからね。
Q6: “Apolitical Exstacy” is one of the best albums of the year for me! Great stuff! Jelusick’s music seems to be the missing link between classic rock and very modern metal, doesn’t it?
【DINO】: Thank you for noticing, yeah, we are something between old school and very modern, dancing on the edge of both. I guess that’s why we attract different crowd all the time.
Q6: “Apolitical Exstacy” は、私にとって今年最高のアルバムのひとつですよ。素晴らしい作品ですね!JELUSICK の音楽は、クラシック・ロックと非常にモダンなメタルの間のミッシング・リンクのようですね?
【DINO】: 気づいてくれてありがとう!そうだね、僕たちはオールド・スクールと、とてもモダンなものの中間にあって、両方のエッジで踊っているんだ。 だから、いつも違う観客を惹きつけることができているんだと思う。
Q7: Jelusick’s album artwork depicts people with their eyes blocked and their mouths closed. What kind of theme or story is this referring to?
【DINO】: We wanted to continue the trend with the head after “FTBM” record and just go with some sort of “blindness” to certain things.
Q7: JELUSICK のアルバム・アートワークには、目をふさぎ、口を閉じた人物が描かれていますね。どのようなテーマやストーリーがあるのですか?
【DINO】: “Follow the Blind Man” 以降も、あのアートワークとストーリー、その流れを引き継ぎたかった。 ある種の “盲目” になりたかったんだ。
Q8: Ozzy Osbourne has passed away…More of the metal giants will be leaving this world in the future. What will it take to carry on the torch of heavy metal in a world where the giants are gone?
【DINO】: I have no clue. It’s a different world today than it was back when Ozzy started. Mainstream today and back then are also so sodifferent. I’ll keep doing what I do and we’ll see where that leads us.
Q8: オジー・オズボーンが亡くなりました……今後、さらに多くのメタルの巨人がこの世を去っていくでしょう。巨人たちが去った世界で、メタルの聖火を引き継ぐには何が必要なのでしょうか?
【DINO】: 全然わからないよ。 オジーが始めた頃と今では世界が違う。 メインストリームも今と昔では全然違う。僕はただ、自分のやるべきことをやり続けるし、それがどこにつながっていくのか見ていきたいね。











