EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JOSEPH E. MARTINEZ OF JUNIUS !!
Excellent Cinematic Art Rock Act From MA, Junius Have Returned With Their Third Full-length Release, “Eternal Rituals for the Accretion of Light” !!
DISC REVIEW “ETERNAL RITUALS FOR THE ACCRETION LIGHT”
深淵なる知性を湛えるマサチューセッツのポストメタルアクト JUNIUS が、珠玉のトリロジーを締めくくる傑作 “Eternal Rituals For The Accretion Of Light” をリリースしました!!EP、スプリットを挟んで6年という長い月日が宿した幽玄なる作品は、リスナーに無上のアートとサウンドスケープを提供し、バンドの真価を明示しています。
インタビューにもあるように、JUNIUS はファーストフルレングス “The Martyrdom of a Catastrophist” から一貫して、奇才イマヌエル・ヴェリコフスキーに魅了されその作品を捧げて来たと言えるでしょう。
精神科医、科学者、そしてベストセラー作家など様々な顔を持つその多才なロシア出身のアメリカ人は、世界中の神話、伝説、歴史書を研究し、太古の昔、元は彗星だった金星が地球に接近し天変地異を引き起こしたとする「衝突する宇宙」を著したことで知られています。学説同様、数奇な人生を歩んだ怪人の軌跡は、死後半世紀も後、JUNIUS に「人生」、「臨死体験」、「輪廻」という3つの連続する深きテーマを与えることとなりました。
ヴェリコフスキーに導かれ、”輪廻からの脱却”をテーマに掲げたトリロジーの最終章 “Eternal Rituals For The Accretion Of Light” は、さらにエリザベス・ハイチの著者 “Initiation” からインスピレーションを得てコンセプトストーリーを形成、”生まれ変わり” を回避するためのステップを封じた作品です。
ライティングプロセスの直前に、ベースプレイヤーとギタリストが脱退。アルバムは、コンポーザー Joseph E. Martinez がドラムス以外全ての楽器をプレイし制作されました。即ち、より Joseph の意図を色濃く反映することとなった作品は、エモーショナルかつダイナミック、繊細にして多彩、そして霊幻なるアトモスフィアを備える傑作に仕上がったと言えるでしょう。
アルバムオープナー、”March of the Samsara” を聴けば、JUNIUS がこの作品でプログレッシブかつダークなアプローチへとシフトしたことが伝わりますね。変拍子を伴う呪術的なメインリフは閉塞感と輪廻の輪を表現し、DOORS の Jim Morrison を想起させる濃密で鬱屈したボーカルも相俟って、楽曲は見事にアルバムの冥暗なムードを体現しています。”Telepaths & Pyramids” にも言えますが、潜在する異国の妖しい雰囲気もエピックな作品には見事に調和していますね。
いわゆる “Post-metal” に分類されることが多い JUNIUS ですが、少なくともここにはその青写真に漫然とコミットするような空間は見当たりません。NEUROSIS の仄暗い実験室を除いては。
よりプログレッシブな瞬間は、”A Mass for Metaphysicians” で訪れます。LEPROUS さえイメージさせる知的でモダンなコンポジション、ムードは洗練の極み。Joseph の紡ぐ神秘的なメロディーは、神々しささえ纏いながら硬質な楽曲に深情と荘厳をもたらしていますね。追従する “Clean the Beast” は、”A Mass for Metaphysicians” とほぼ同然の構成ながら CIRCLE TAKES THE SQUARE の Drew Speziale が激情の咆哮を加えることで、凶暴と衝動のアンサーソングとして対比の妙を配置し、作品のコンセプトを際立たせているのです。
“The Queen’s Constellation” が象徴するように、シンセサイザーが奏でる夢想的でマジカルなサウンドはアルバムを通して傑出しています。波紋のようなシンセウェーブが誘うクリスタルの響き、胎動は、DEFTONES のダイナミズムとポストメタルの構成力を内包して、まさに Joseph が理想とする “シネマティックアートロック” を具現化しているように思えました。
アルバムは、作品で最も内省的な霊魂のレリーフ、壮大なオーケストレーションを伴う魂の葬送曲 “Black Sarcophagus” で幕を閉じます。
今回弊誌では、Joseph E. Martinez にインタビューを行うことが出来ました。冗長なパートを極力廃し、コンパクトな楽曲で纏めたアルバムはぜひプログロック、モダンメタルファンにも聴いていただきたい逸品。どうぞ!!
JUNIUS “ETERNAL RITUALS FOR THE ACCRETION OF LIGHT” : 10/10
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