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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【THE CONTORTIONIST : OUR BONES, CLAIRVOYANT】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ERIC GUENTHER OF THE CONTORTIONIST !!

“After Being Established As a Band Securely In a Genre, It Takes a Lot Of Courage To Move Past That And Try To Evolve At The Risk Of Losing Fans, And That Was Always a Goal Of The Contortionist.”

DISC REVIEW “OUR BONES” “CLAIRVOYANT”

「Djent というジャンルの中でしっかりとバンドとして確立された後、それを乗り越えて、ファンを失うリスクを負ってまで進化しようとするには多くの勇気が必要なんだけど、だけどその進化こそ THE CONTORTIONIST の目標だったんだからね。」
プログレッシブデスメタル/Djent の傘の下で生を受けたインディアナのセクステットは、生来のブルータルな刃を徐々にムーディーでスペーシーな蜃気楼へと転化させ、”曲芸師” のイリュージョンでその名を完璧に体現しています。
「本質的に、僕たちはアトモスフィアやテクスチャーを引き出して、当時自分たちの周りで起こっていた Djent のような他の音楽と対比できることを知っていたんだよ。そうして、バンドの特徴、アイデンティティをさらに強化するため、これまでの自分自身と距離を置く必要性を感じたんだ。 」
奇しくも THE CONTORTIONIST の見つめる先は、彼らが深いリスペクトを捧げ記念すべき “Colors” 10周年のツアーにも帯同することとなった BETWEEN THE BURIED AND ME と共振の路にあるように思えます。重激から衷心へ。他者との対比を野心とした2017年のフルアルバム “Clairvoyant” は、かつての自分自身を千里の彼方に仰ぎ見る “ノースクリーム” な “Post-Whatever” の傑物でした。
“Clairvoyant” とそのプロトタイプである “Language” は、連続する壮大なアシッドトリップのオデッセイとして産み落とされています。”Language” は成長と生を、”Clairvoyant” は死を司るレコード。アトモスフィアを宿したポストロックの血縁と、ヘヴィーシンセのエニグマでボーカル Lessard が友人の薬物中毒を綴る光と陰のエピック。荘厳なクリーンボーカルは完全なる主役となり、テクニックはテクニックのためではなくストーリーのために存在することとなりました。
深遠なるテクスチャー、畝り寄せるインテンス、シンセの絶景、美麗極まるアレンジメントの宇宙。もはや比較対象は KARNIVOOL や Kscope の詩人たちなのかもしれませんね。インタビューに答えてくれたシックスマン、Eric Guenther のシネマティックなセンスは確かにバンドのイデア変えました。
ただし、最初期の “Exoplanet” や “Intrinsic” が UNEVEN STRUCTURE, TesseracT と並んで “Post-Djent” の一翼と目されていたことを鑑みれば、”Clairvoyant” の音の葉にはバンドのスピリットであったメタリックな複雑性と知的な展開美をより艶めかしく赤裸々に再創造した曲芸師の美学をも同時に感じ取れるはずです。
「僕たちのコンセプトは、新たな音楽と共に日々進化しているからね。」そうしてリリースを迎えた新 EP “Our Bones” はバンドの歴史全てを骨子とした進化のステイトメントです。
「”1979″ は楽曲として強力なムードを湛えていて良い選択に思えたね。それにプログメタルバンドは、音楽にあれほど多くのフィーリングを付与することはなかなかしないからね。」
SMASHING PUMPKINS のエモーショナルなカバーは、自らを、そしてリスナーを別次元の宇宙へと誘います。
TOOL の残影を自らの美意識と深く重ねた “Follow”、メインストリームを多彩なサウンドで抱きしめる “Early Grave”。プログメタルの典型から確かに距離を置いたしかしプログレッシブな楽曲群は、ポスト/モダンプログの旗手に相応しきチャレンジの凱歌でしょう。そうしてその音の波は、きっと LEPROUS や HAKEN,
現在の TesseracT ともシンクロし共鳴していくのです。
今回弊誌では、Eric Guenther にインタビューを行うことが出来ました。「SikTh こそがおそらく Djent というジャンルにとって最も重要な真の創造主なんだよ。SikTh は MESHUGGAH が始めたことを、よりポップでメロディックなフォーマットへと拡張していったんだ。特別名前を挙げるまでもなく、Djent バンドの全てが MESHUGGAH よりも SikTh のサウンドに寄っていたと思う。」 どうぞ!!

THE CONTORTIONIST “OUR BONES” : 9.9/10

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