EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH BUSTER ODEHOLM OF HUMANITY’S LAST BREATH !!
“Djent Was a Continuation Of What Meshuggah Started. Everyone Added Their Own Flavour To The Sound For Better Or For Worse. Thall Is Just a Word That Sounds Funny In Swedish.”
DISC REVIEW “ABYSSAL”
「MESHUGGAH はあの本当にユニークなサウンドの先駆者なんだ。演奏の面でも、作曲の面でもね。僕たちも含めて多くのバンドが彼らの直接的な子孫だと言えるだろうな。」
そのジャンル名は “EVIL”。MESHUGGAH の血を引くスウェーデンの猛威 HUMANITY’S LAST BREATH は、シーンに内在する愚かな “ヘヴィネス” の競争を横目に、純粋で無慈悲なまでに冷徹な恐怖と狂気を世界へと叩きつけます。
Calle Thomer と Buster Odeholm。”Thall” 生みの親にして Djent の神、VILDHJARTA のメンバー2人を擁する HUMANITY’S LAST BREATH に大きな注目が集まるのはある意味必然だったと言えるでしょう。何より、VILDHJARTA 本体は長らく隠遁状態にあったのですから。
ただし、HLB は決して VILDHJARTA のインスタントな代役というわけではありません。「Djent のムーブメントは MESHUGGAH が始めたことの継続だったんだ。良しにつけ悪しきにつけ、みんながその下地に独自のフレイバーを加えていったよね。」Buster の言葉が裏付けるように、HLB が追求し個性としたのは Djent を通過した “重” と “激” の究極形でした。
2012年のデビューフル “Humanity’s Last Breath” から7年。実際、唯一のオリジナルメンバー Buster がバンドを一度解体し、再構築して作り上げた最新作 “Abyssal” は彼の愛する MORBID ANGEL のように重量以上の畏怖や威厳を伝える音の “深淵” だと言えるでしょう。
「ヘヴィーな音楽において、コントラストは非常に軽視されていると思うんだ。だけど僕はソングライティングのアプローチにおいて、最も重要な要素の1つだと考えているよ。」モダンメタルコアの新星 POLARIS はヘヴィネスの定義についてそう語ってくれましたが、HLB の威容にも奇しくも同様の哲学を垣間見ることが可能です。
オープナー “Bursting Bowel Of Tellus” は HLB が描く “激重” の理想なのかも知れませんね。威風堂々、デスメタルの重戦車で幕を開け、ピッチシフターの雄叫びと高速シンコペーションで djenty なカオスを創出。ブラストの悪魔を召喚しつつ呪術的なクリーンボイスでさらなる中毒性を醸し出すバンドの方程式は、まさしくヘヴィネスの坩堝と対比の美学に彩られています。
事実、新ボーカル Filip Danielsson の豊かな表現力は HLB にとって進化のトリガーだったのかも知れません。獰猛な咆哮はもちろん、時にエセリアルに、時に邪悪に、時に囁き、時に静寂まで呼び寄せる Filip のワイドな魔声により、仄かな北欧の風を伴ってバンドは多様に真の “激重” の探求へとその身を委ねることになりました。
さらに “Born Dust”, “Fradga”, “Abyssal Mouth” と聴き進めるうち、そこには STRAPPING YOUNG LAD, FEAR FACTORY と交差する、近未来感を軸としたシンクロニシティーがまざまざと浮かんで来るはずです。それはブラッケンドで djenty な最高級のテクニックを、惜しげも無く純粋にヘヴィネスへと注ぎ込み昇華した桃源郷のディストピア。
もちろん、アルバムの第二幕、全楽曲のインストバージョンは建築士としての自信と DIY の矜持であることを付け加えておきましょう。彼らのデスコアマッドネスに知性は不可欠です。
今回弊誌では、ドラムスとギターを自在に操る鬼才 Buster Odeholm にインタビューを行うことが出来ました。「”Thall” とはスウェーデン語で面白く聴こえるようなただの言葉なんだ。」今、世界で最も重力を集めるブラックホール。どうぞ!!
HUMANITY’S LAST BREATH “ABYSSAL” : 10/10
INTERVIEW WITH BUSTER ODEHOLM
Q1: This is the first interview with you. So, at first, could you tell us about the band and yourself? What kind of music were you listening to, when you were growing up?
【BUSTER】: I grew up listening to bands like Dimmu Borgir, Shining, Strapping Young Lad, Rammstein and Morbid Angel. And later of course Meshuggah and Vildhjarta!
Q1: 本誌初登場です!まずはあなたの音楽的なバックグラウンドからお話ししていただけますか?
【BUSTER】: 僕は DIMMU BORGIR, SHINING, STRAPPING YOUNG LAD, RAMMSTEIN, MORBID ANGEL なんかを聴いて育ったんだ。そのあと、MESHUGGAH や後に加入する VILDHJARTA を聴くようになったね!
Q2: How did Humanity’s Last Breath come to be?
【BUSTER】: I had a death metal band called “Dissimulate” back in the day. We quit after a while and I started HLB with a couple of other guys that were more into metalcore. So the early deathcore sound we had actually came from me being a death metal guy and the other guys being metalcore guys.
Q2: HUMANITY’S LAST BREATH 結成の経緯を聴かせて下さい。
【BUSTER】: 僕は昔 DISSIMULATE ってデスメタルバンドをやっていたんだ。そのバンドをやめてしばらくした後、よりメタルコアにのめり込んでいた DISSIMULATE の何人かと HUMANITY’S LAST BREATH を立ち上げたんだよ。
だからこのバンドの、初期のデスコアサウンドは基本的に僕から生まれたものだよ。僕はデスメタルガイだからね。他のメンバーはもっとメタルコアよりなんだ。
Q3: Of course, Buster and Calle-Magnus are also member of Vildhjarta. And, Buster is drummer in Vildjharta, and guitarist in Humanity’s Last Breath. How do you separate these two bands?
【BUSTER】: I write the music in HLB and Daniel and Calle write the music for Vildhjarta.
Q3: HUMANITY’S LAST BREATH のあなたと Calle-Magnus は VILDHJARTA のメンバーでもあります。2つのバンドをどのように棲み分けているのでしょう?
【BUSTER】: HUMANITY’S LAST BREATH の楽曲は僕が書いている。そして、VILDHJARTA の音楽は Daniel と Calle が書いているんだよ。
Q4: You are one of the most extreme band from Sweden. Regarding Sweden, of course, Meshuggah is really influential extreme titan. What’s Meshuggah to you?
【BUSTER】: Meshuggah are pioneers of a really unique sound, way of playing and way of writing music. A lot of bands including us are direct descendants of those guys.
Q4: HUMANITY’S LAST BREATH はスウェーデンで最もエクストリームなバンドの一つだと思います。
エクストリームミュージックと言えば先ほどお話にも出ましたが、MESHUGGAH は同郷の巨人ですよね?
【BUSTER】: MESHUGGAH はあの本当にユニークなサウンドの先駆者なんだ。演奏の面でも、作曲の面でもね。僕たちも含めて多くのバンドが彼らの直接的な子孫だと言えるだろうな。
Q5: Ok, let’s talk about your newest record “Abyssal”. Maybe, it’s not easy to listen, but really deep and extreme record. What’s the concept, musical destination of “Abyssal”?
【BUSTER】: Im not sure the album really has a concept or a musical direction. I just kinda write songs when I feel like I can, and I write down phrases/lyrics that I hear in my everyday life. It can be a movie, a song, a street sign, anything!
Q5: では最新作 “Abyssal” について話しましょう。決して耳馴染みの良いアルバムではありませんが、実に深くエクストリームな作品ですね!
【BUSTER】: このアルバムが確かなコンセプトや音楽的方向性を持っているのか僕には分からないよ。ただ書きたいと思う時に楽曲を書いたんだ。そうやって出てきたフレーズや歌詞は、僕が毎日の暮らしで感じたことなんだよ。
そのインスピレーションの源は映画であるかもしれないし、楽曲であるかもしれないし、もしかしたら道路標識かもしれない。何だっていいんだよ!
Q6: It’s sometimes djenty, but sometimes old school, and sometimes atmospheric record. What’s your perspective about the balance or contrast of these three?
【BUSTER】: I grew up on bands like Dimmu Borgir, Shining, Strapping Young Lad, Rammstein and Morbid Angel. These influences took a lot more space this time around than the more progressive modern stuff. There not particular reason it happened, thats just what inspired me!
Q6: アルバムは時に djenty、時にオールドスクール、時にアトモスフェリックで、その3要素が絶妙なバランスを保っていますね?
【BUSTER】: さっきも言ったけど、僕は DIMMU BORGIR、SHINING, STRAPPING YOUNG LAD といったバンドを聴いて育ったんだけど、今回はそういった影響が以前のプログレッシブでモダンな要素より大きな位置を占めるようになったね。
そうなった特別な理由はないんだけど、ただインスパイアされたんだよ!
Q7: I said djenty, maybe djent movement is decreasing or come to an end recently. What’s was the movement to you? What’s “thall”? How did the word born?
【BUSTER】: It was a continuation of what Meshuggah started. Everyone added their own flavour to the sound for better or for worse. Thall is just a word that sounds funny in swedish.
Q7: 先程 “djenty” と言いましたが、Djent ムーブメント自体は下り坂で終焉に向かっているように感じます。VILDHJARTA は “Thall” という djent を象徴する言葉を生み出したバンドでもありますね?
【BUSTER】: Djent のムーブメントは MESHUGGAH が始めたことの継続だったんだ。良しにつけ悪しきにつけ、みんながその下地に独自のフレイバーを加えていったよね。
“Thall” とはスウェーデン語で面白く聴こえるようなただの言葉なんだ。