NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SEEYOUSPACECOWBOY : THE ROMANCE OF AFFLICTION】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH CONNIE SGARBOSSA OF SEEYOUSPACECOWBOY !!

“The Romance of Affliction” Is The Satirical Side As a Call Out To The Romanticization Of Things Like Mentel Health Struggles And Addiction That I Feel Aren’t Things To Be Romanticized Cause I Live With It And Its Not Something Anyone Should Look At Positively.”

DISC REVIEW “THE ROMANCE OF AFFLICTION”

「このアルバムでは、バンドを始めたばかりの頃に持っていたカオスや奇妙さ、それに生意気さや皮肉を取り戻したいと思っていたの。その予測不能な奇妙さにメロディと美しさを融合させられるかどうか、自分たちに挑戦したかったのよね」
混沌と厳しさと審美の中で生きる宇宙のカウボーイが放った最新作 “The Romance of Affliction”。EVERY TIME I DIE の Keith Buckley、UNDEROATH の Aaron Gillespie、If I Die First、そしてラッパー Shaolin G といった幅広いゲストが象徴するように、この苦悩のロマンスではデビューLP “The Correlation Between Entrance and Exit Wounds” で欠落していた初期の混沌と拡散、そして予測不可能性が再燃し、見事に彼らの美意識の中へと収束しています。ドロドロと渦巻くマスコアの衝動と、ポスト・ハードコアの甘くエモーショナルな旋律との間で、両者の軌道交わる最高到達点を目指した野心の塊。
初期のEPと数曲の新曲を集めた “生意気” に躍動するコンプ作品 “Songs for the Firing Squad” と比較して “Correlation” は暗く、悲しく、感情的に重い作品だったと言えるでしょう。それはおそらく、ボーカル Connie Sgarbossa の当時の状況を反映したものでした。重度の薬物依存性、体と心の不調、そしてそこに端を発する人間関係の悪化。大げさではなく、オーバードーズで死にかけたことさえありましたし、友人は亡くなりました。
「多くの依存症者は、社会的な汚名を被ることを恐れてそれを口にすることができず、一人で苦しみ、不幸にも人生を壊してしまうか、ひどい時は死んでしまう。私は、この汚名を少しでも払拭し、人々が一人で負担を背負う必要がないと感じられるように、この問題について話し助けを与えることができるようにしたいのよ。誰かがオーバードーズで亡くなった後にはじめて、その人が薬物の問題を抱えていたと知ることがないようにね」
Connie は今も依存症と戦い続けています。最近では、SNS で自身が重度の依存症であることを明かしました。それは、依存症が一人で抱えるには重すぎる荷物だから。同時に自らが悲劇と地獄を経験したことで、薬物依存が映画の中の、テレビの中の、クールなイメージとはかけ離れていることを改めて認識したからでした。
「メンタルヘルスや依存症といったものがロマンチックに語られることに警鐘を鳴らす意味があるの。私はそれを抱えて生きているからこそ、肯定的に捉えてはならないものだと感じているのよ」
自分のようにならないで欲しい。そんな願いとともに、”The Romance of Affliction” は Connie にとってある種セラピーのような役割も果たしました。音楽に救われるなんて人生はそれほど単純じゃないと嘯きながらも彼女がこれほど前向きになれたのは、弟の Ethan 以外不安定だったバンドの顔ぶれが、オリジナル・メンバー Taylor Allen の復帰と共に固まったことも大きく影響したはずです。そしてそこには、KNOCKED LOOSE の Isaac Aaron のプロデューサーとしての尽力、貢献も含まれています。
依存症者が依存症者に恋をするという、三文オペラのような筋書きの、それでいて興味を示さずにはいられないオープナー “Life as a Soap Opera Plot, 26 Years Running”。Connie はこの曲で、ドラッグやセックスに溺れる依存症の実態を描き、「みんなは結局こういう話が好きなんでしょ?でもそんなに良いものじゃない」 と皮肉を込めてまだまだ緩い、炎の中で燃えたいと叫び倒します。まるでパニックのような激しいギターとスクリームの混沌乱舞は、あの FALL OF TROY でさえ凌いでいるようにも思えますね。
“Misinterpreting Constellations” や “With Arms That Bind and Lips That Lock” では、今回バンドが追い求めた予測不能と予定調和の美しき融合が具現化されています。狂気の暗闇を縦糸に、メロディックな光彩を横糸に織り上げたカオティック・ハードコアのタペストリーはダイナミックを極め、3人のボーカリストがそれぞれ個性を活かしながら自由にダンスを踊ります。もちろん、ジャズ、メタルコアのブレイク・ダウン、唐突のクリーン・トーン、本物のスクリーム、そしてデチューンされたギター・ラインが混在する “Anything To Take Me Anywhere But Here” を聴けば、彼らのアイデアが無尽蔵であることも伝わるでしょう。
重要なのは、宇宙のカウボーイが、往年のポスト・ハードコア、メタルコア、マスコアのサッシーなスリル、不協和音、エモポップのコーラス、メロディックな展開に影響を受けつつ、人間らしさを失わずに洗練されている点でしょう。Connie の想いが注がれたおかげで。
今回弊誌では、Connie Sgarbossa にインタビューを行うことができました。「カウボーイ・ビバップ” のエンドカードとフレーズは私にとって常に印象的で、私はずっとあのアニメのファンでもあったから名前をとったのよ」 どうぞ!!

SEEYOUSPACECOWBOY “THE ROMANCE OF AFFLICTION” : 9.9/10

INTERVIEW WITH CONNIE SGARBOSSA

Q1: First of all, I would like to ask about the name Seeyouspacecowboy, which is derived from Cowboy Bebop, right? Why did you do that? What do you like about this animation?

【CONNIE】: It is indeed from that anime. I put it in the running for names we were gonna pick because that end card and phrase was always something that was kinda striking to me and I had also been a he fan of anime for a good portion of my life. I love it because of its mix of western and noir aesthetics and setting mixed with great characters, atmosphere and action. That combination has always been something I enjoyed, even with Trigun being the first manga I was obsessed with as a kid as well for similar reasons.

Q1: まずは、SEEYOUSPACECOWBOY というバンド名について伺いたいのですが、この名前は日本のアニメ”カウボーイ・ビバップ” に因んでいるそうですね?

【CONNIE】: 確かにあのアニメからとっているわ。というのも、このアニメのエンドカードとフレーズ (放送終了後に表示される一枚絵で、”See You Space Cowboy…” のメッセージも載せられていた) は私にとって常に印象的で、私はずっとあのアニメのファンでもあったから。西部劇とノワールの美学や設定に、素晴らしいキャラクターや雰囲気、アクションがミックスされているところが好きなのよね。
私が子供の頃に夢中になった最初の漫画 “トライガン” と同じような組み合わせだったから、いつも楽しんでいるのよ。

Q2: Are there any other influences from Japanese culture such as anime, games, or music?

【CONNIE】: Not really for the band/music. But me and our guitarist/my little brother Ethan have been huge fans of JRPGS and anime and manga our entire lives.

Q2: 他にも日本のアニメやゲーム、音楽からは影響を受けているんですか?

【CONNIE】: バンドや音楽からはそれほどでもないわね。だけど、私とギタリストで弟の Ethan はずっと日本のロールプレイング・ゲームやアニメ、マンガの大ファンなのよね。

Q3: As we can see from the wide range of guest musicians, “The Romance of Affliction” has a wonderful rekindling of the diversity and unpredictability of the early music that was somewhat absent from “The Correlation Between Entrance and Exit Wounds”, would you agree?

【CONNIE】: I agree, for this album we definitely wanted to bring back the chaos and weirdness and sass/snark that we had had back when we were first starting the band. We really wanted to challenge ourselves to see if we could melt that unpredictability and weirdness with melody and beauty.

Q3: 多様なゲストを見ればわかるように、最新作 “The Romance of Affliction” には、”The Correlation Between Entrance and Exit Wounds” で欠けていた初期の多様性や予測不能性が戻ってきましたね?

【CONNIE】: そう思うわ。このアルバムでは、バンドを始めたばかりの頃に持っていたカオスや奇妙さ、それに生意気さや皮肉を取り戻したいと思っていたの。その予測不能な奇妙さにメロディと美しさを融合させられるかどうか、自分たちに挑戦したかったのよね。

Q4: Gone are the days when Connie and Ethan were Seeyouspacecowboys themselves, and have you reached a higher level of excellence as a band, including producer Isaac of Knocked Loose?

【CONNIE】: I definitely think that Isaac helped immensely with this record. We basically wrote for about a year without him and had cranked out 30 songs that encapsulated the feel we wanted. We then brought them all to him and he helped us sift through them to certain standout tracks and then we all went through them meticulously to change and polish them as well as write new songs with his help to fill in any gaps we felt were missing from making this record the full experience we wanted.

Q4: あなたと弟のプロジェクトという形から、プロデューサー、KNOCKED LOOSE の Isaac も含め、よりバンドとして固まって一段高いレベルに到達したように思えます。

【CONNIE】: このアルバムでは、Isaac が非常に大きな助けとなったと思っているのよ。基本的に彼抜きで1年ぐらい書き続けて、自分たちが求めるフィーリングを凝縮した30曲を作り上げたの。そして、私たち全員がその曲を丹念にチェックし、変化させ、磨き上げたわ。
そこからさらに、このレコードを私たちが望むような完全な体験にするため、足りないと感じた隙間を埋めるために、彼の助けを借りて新しい曲を書き上げていったのよ。

Q5: “Romance of Affliction” is a satirical title for the love between an addict and an addict, right? The world loves that kind of extraordinary romance, but is it really something that can be glorified?

【CONNIE】: “the Romance of Affliction” has like two meanings for me, there is one take that is the satirical side as a call out to the romanticization of things like mentel health struggles and addiction that I feel arnt things to be romanticized cause I live with it and its not something anyone should look at positively. The other is the more literal meaning of yes this album deals alot with the idea of what romance and sex and love is when you are an addict or a “damaged” person and the struggles that come with that and the struggle to facilitate healthy connections with other people while you yourself and constantly falling apart.

Q5: アルバムタイトルの “苦悩のロマンス” とは、依存症患者の恋を風刺したタイトルですよね?
世間はそういう非日常的なロマンスが大好きですが、果たしてそれは美化して良いものなのでしょうか?

【CONNIE】: “苦悩のロマンス” とは、私にとって二つの意味を持っているの。一つは風刺的な側面で、メンタルヘルスや依存症といったものがロマンチックに語られることに警鐘を鳴らす意味があるの。私はそれを抱えて生きているからこそ、肯定的に捉えてはならないものだと感じているのよ。
もう一つはより文字通りの意味で、このアルバムはあなたが依存症患者や “傷ついた” 人間であるとしたら、そのロマンスやセックスや愛とは何かという考えや、それに伴う葛藤、そして自身が常にバラバラになりながら他の人々と健全なつながりを築くための葛藤、そういったテーマを多く扱っているのよ。

Q6: You talked about your own addiction on social media. Is it important to get help from the people around you by confiding in them like that?

【CONNIE】: I definitely think it is, because while dealing with your own addiction is something you yourself have to take the action to work on, its important to be able to have the help of those around you because it is a very heavy burden to bear alone. I feel like many addicts are afraid to talk about it because of the social stigma around them so they suffer alone and unfortunately destroy their life or end up dead, I want to break that stigma a bit so that it is something that can be talked about and help can be given so that people don’t feel like they have to carry the burden alone and we don’t have to keep finding out someone had an issue with drugs only after they overdose and pass away.

Q6: あなたは SNS で、自身の依存症について語っていましたね。そうやって周囲に助けを求めることがやはり重要なんですね?

【CONNIE】: 間違いなくそうね。なぜなら、依存症はもちろん自分自身で取り組むべきも問題だけど、一人で抱え込むにはとても重いものなのよ。だから、周りの人の協力が必要なの。
多くの依存症者は、社会的な汚名を被ることを恐れてそれを口にすることができず、一人で苦しみ、不幸にも人生を壊してしまうか、ひどい時は死んでしまう。私は、この汚名を少しでも払拭し、人々が一人で負担を背負う必要がないと感じられるように、この問題について話し助けを与えることができるようにしたいのよ。誰かがオーバードーズで亡くなった後にはじめて、その人が薬物の問題を抱えていたと知ることがないようにね。

Q7: Last year, pandemics and the presidential election made the division of the world more apparent. In the midst of all this, you seem to be fighting with your music for vulnerable and minority groups like LGBTQ, race, and addiction. Would you agree?

【CONNIE】: yeah, that is definitely a fight I will always talk up, especially being a trans women myself, fighting for equality and against oppression of marginalized individuals and groups will always be something that important to me.

Q7: パンデミックや大統領選で顕になったのは、世界が想像よりも酷く分断されていることでした。そんな中であなたは、LGBTQ や 依存症者といった弱い立場のマイノリティーのため常に戦っているように思えます。

【CONNIE】: それは間違いなく、私が語り継ぐべき戦いなの。 特に私自身がトランス・ウーマンだから、平等のために戦い、周辺に追いやられた個人や集団の抑圧に反対することは私にとって常に重要なことなのよね。

Q8: There’s a song called “Stop Calling Us Screamo”, are you aware that you want to be talked about in the context of mathcore or hardcore, rather than screamo?

【CONNIE】: that song title was really just a little jab at people calling us that and being put into that scene when we felt like we didn’t line up with that genre of music. I don’t really care what genre we are called anymore, we kinda just do our own thing.

Q8: あなたたちには、”Stop Calling Us Screamo” という曲がありますが、やはりスクリーモよりもマスコアやハードコアの文脈で語られたいという意識があるのでしょうか?

【CONNIE】: あの曲のタイトルは、自分たちがその音楽ジャンルに合わないと思っていたのに、そう呼ばれてそのシーンに入れられたことに対するちょっとした”ジャブ” なのよね。でも、もうどんなジャンルで呼ばれようが気にしないわ。自分たちのことをやるだけよ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED CONNIE’S LIFE

MODEST MOUSE “THIS IS A LONG DRIVE FOR SOMEONE WITH NOTHING TO TALK ABOUT”

INTERPOL “ANTICS”

BLACK FLAG “NERVOUS BREAKDOWN”

MASSIVE ATTACK “MEZZANINE”

TEN THOUSAND LEAGUES “DEMO”

MESSAGE FOR JAPAN

We are very much hoping and excited for the opportunity to do a tour over there! hopefully it will be soon, thank you for the support!

日本でツアーが出来たらどんなに素晴らしいだろう!近々実現すればいいわね。サポートをありがとう!

CONNIE SGARBOSSA

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