EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH GEORGE LYNCH OF KXM !!
On “Scatterbrain”, Tight And Energetic Performance Of KXM’s Three Giants Will Tell You What The Musicianship, Creativity Is !!
DISC REVIEW “SCATTERBRAIN”
Ray Luzier (KORN)、 dUg Pinnick (KING’S X)、そして George Lynch (LYNCH MOB) というシーンの英傑3名が集結したスーパーバンド KXM が新作 “Scatterbrain” をリリースしました!!三雄の魂が通い合い、個性が溶け合った秀絶な作品は、ロックの持つオーガニックな衝動と、知性を擽るエキサイトメントを織り込みリスナーの直感へと波動するはずです。
“Scatterbrain” は僅か12日間という短い期間で制作されたレコードです。インタビューで George は「もしもさらに時間をかけていたら、いったいどんなものが完成していたのかと考えると、恐ろしいくらいだよ!」 と語ってくれましたが、同時に70年代を思わせる短期集中形のクリエイティブ環境が作品にマジックを産んだとも言えるような気がしますね。
スライドバーを使用したブルースの響きから一転、アルバムはインテンスとカオスが支配するタイトルトラック “Scatterbrain” でその幕を開けます。Ray Luzier の操る不敵な変拍子は George Lynch のシャープで粋なリフワークと共鳴し、その潮流はプログレッシブとさえ言えるムードを創造していますね。ペースダウンし、凪の静穏を献ずる中間部では、Mr. Scary がブルースの熱情を宿した魂魄のシュレッドで楽曲に生命を吹き込み、バンドの破天荒な技巧を伝えています。
“Breakout” や “Big Sky Country” を聴けば、dUg Pinnick の一筋縄ではいかないソウルフルでポップな独特の流儀、歌唱が驚くほど作品にフィットしていることが分かるでしょう。ダークに鬱屈したメロディーが得意のハーモニーを重ねてポップに花開く瞬間。直感的に楽曲を解釈し、ボーカルラインを自然とインプロヴァイズに導く瞬間。そして激情に任せ、咆哮に情念を乗せる瞬間。dUg の持つ類稀なセンスはスポンテニアスにトリオの鼓動と呼応し、無上のカタルシスをリスナーの元へともたらすのです。
同時に、”Breakout” で Ray が魅せる、パーカッションを使用したエスニックなサウンドはデビュー作から進化した KXM の潤色です。ロック、メタル、プログ、ファンク、ブルース、オルタナティブが淀みなく循環する多様な “Scatterbrain” の中で、ワールドミュージックからの影響は確実にアルバムを更に一段上のレベルへと押し上げています。
情熱と哀愁を湛えた dUg の歌唱が光る “Calypso”、カリブの風、グルーヴに乗る George のシュレッドが新鮮な “Not A Single Word” は殊更に、バンドがラテンやレゲエのリズム、モチーフを探求し血肉としていることの証明だと言えますね。
KING’S X でもエクレクテイックなサウンドをトレードマークとする dUg。David Lee Roth, STEEL PANTHER, STONE TEMPLE PILOTS で華々しく経歴を重ね、MI で教鞭もとっていた知性派 Ray。そしてインタビューでも語ってくれた通り、新たな領域へと自己を導き続ける George。ダイナミックなハードロックのルーツの上で、エキゾチックなダンスを華麗に披露する KXM 固有のサウンドは、3人の個性と手練、そしてフロンティアスピリットが結実しシンクロした成果だと言えるでしょう。
エキサイティングでエネルギーに満ちたアルバムは意外にも、ヘンドリックスの遺伝子を受け継いだブルージーなララバイ “Angel” で静かに幕を閉じます。無類で奇抜なタイム感、鋭くアウトやインを繰り返す異端のスリル、瞬間の奇跡。”Scatterbrain” における George のギターワークは近年でも群を抜いていますが、Jeff Healey をも想起させるエモーションを纏った “Angel” のリードは彼が未だに第一人者であることを、改めてシーンに宣言しています。
今回弊誌では George Lynch にインタビューを行うことが出来ました。DOKKEN のリユニオンについても重大な内容を語ってくれています。どうぞ!!
KXM “SCATTERBRAIN” 10/10
INTERVIEW WITH GEORGE LYNCH
Q1: Hi, George! Thanks a lot for giving us such a great opportunity! Actually, you are my first guitar hero, so I’m really excited! Anyway, first of all, how was Loud Park 16? I reconfirmed how loved Dokken are in Japan. How about you?
【GEORGE】: Yeah, It was a pretty amazing feeling coming back to Japan with dokken after all those years!
Q1: まず、昨年 DOKKEN として出演した LOUD PARK 16 はいかがでしたか?いかに DOKKEN が日本で愛されているか、再確認するようなショウになったと感じましたが?
【GEORGE】: 本当に。長い年月を経て、DOKKEN として日本に戻ることができて、実に素晴らしい気持ちだったよ!
Q2: I read it in one interview, Dokken’s reunion may not be the end with that, right? If we can hear new album, there is nothing more happy, haha.
【GEORGE】: We are talking about doing some more shows on 2018 and we are going to be releasing a live album and DVD at some point. The cd will have a new dokken song we wrote specifically for this album and 2 semi acoustic versions of older dokken songs.
Q2: DOKKEN のリユニオンは、これで終わりではないようですね?新作が聴ければ最高なんですが(笑)
【GEORGE】: 僕たちは今、2018年に、さらにいくつかのショウを行うことを話し合っているんだ。そしてある時点で、ライブアルバムと DVD をリリースするよ。
CD には僕たちがそのアルバムのため特別に書いた DOKKEN の新曲と、過去の楽曲をセミアコースティックでリメイクした2曲が収録されるよ。
Q3: So, let’s talk about KXM. Definitely, KXM is super band. You know, there are the member of Korn, Kings X and Dokken / Lynch Mob. How did the band come to be?
【GEORGE】: It was result of the 3 of us meeting up at a party and talking about the idea of doing something together ..many months later after a lot of planning and touch and go we managed to get together in a studio for 10 days
Q3: では KXM について話しましょう。KORN, KINGS X, LYNCH MOB の3人が集結したスーパーバンドは、どのようにして結成されたのでしょう?
【GEORGE】: 僕たち3人はパーティーで会って、何か一緒にやろうと意気投合したんだよ。
たくさん計画を練り、不安定な状態も経て、何ヶ月も経った後、やっと一緒にスタジオへと入ったんだ。10日間ほどね。
Q4: I really love your newest record “Scatterbrain”. We can feel the colors of you three, that is to say, the mood of Kings X, Korn, Lynch Mob are mixed in the album. Do you agree that?
【GEORGE】: Of course..that’s inevitable. But i think KXM is more that the sum of its parts. there is a primary signature KXM sound and style the flows through the album ..the influences are secondary.
Q4: 新作 “Scatterbrain” はまさに3人のカラーがミックスされた作品となりましたね?
【GEORGE】: 勿論だよ。それは不可欠なことさ。ただ、KXM は個々の影響一つ一つを集約しただけではないんだ。
確実に KXM 固有のサウンド、スタイルがまずアルバムには流れているんだよ。各自の影響は次の段階さ。
Q5: How was the writing process? Actually, “Calypso”, and it’s successor “Not a Single Word” is typically, ethnic, latin, reggae aspects make “Scatterbrain” incredible. It seems impossible is nothing for KXM, haha. Isn’t it?
【GEORGE】: Writing and recording “scatterbrain” It was a liberating and cathartic experience. It’s scary to think about what we could accomplish if we actually had more than 12 days!
Q5: ライティングプロセスはいかがでしたか?
【GEORGE】: “Scatterbrain” のライティングとレコーディングは自由で、かつカタルシスを伴うものだったね。
僕たちはこの作品をたった12日間で完成させたんだけど、もしもさらに時間をかけていたら、いったいどんなものが完成していたのかと考えると、恐ろしいくらいだよ!
Q6: This is not a surprise for me, but your shredding still sharp like a razor. I also think it still continues to progress. I don’t know exactly how many years you’ve played the guitar, but you seem to be still enjoy it, aren’t you? On “Scatterbrain”, which song was the most challenging for you?
【GEORGE】: Thank you. I’ve been playing guitar for 53 years! Kind of blows my mind when I think about it. Every song was challenging …but also incredibly rewarding because the music was so fun to play.
Q6: あなたのシュレッドはこの作品でもカミソリのように鋭いですね。あなたがギターを何年プレイしているのか正確には知りませんが、未だに進化を続けているように感じます。
【GEORGE】: ありがとう。僕は53年もギターを弾いているんだ!それを考えると自分でも驚いてしまうよ。
“Scatterbrain” は全ての楽曲がチャレンジングだったね。だけどとても弾いていて楽しかったから、本当に価値があったように思えるね。
Q7: Regarding the guitar technique, new generations of guitar are emerging these days. For example, Tosin Abasi of Animals As Leaders is symbol of modern guitarist and Djent thing. Do you listen to such new music too? What’s your impressions?
【GEORGE】: I’ve been listening to meshuggah since ” chaosphere” and I listen to a lot of young heavier bands. It is crazy how the skill level of guitarists in general has just skyrocketed in recent years. Thordendal from meshuggah is like a contemporary holdsworth in my view.
Q7: ギターテクニックと言えば、最近は Tosin Abasi のような新たな才能が次々に現れています。Djent やモダンなインストゥルメンタルを聴くことはありますか?
【GEORGE】: 僕は “Chaosphere” からずっと MESHUGGAH を聴いているんだ。他にも、たくさんの若くてヘヴィーなバンドを聴いているよ。近年、ギタリストのスキルレベルはクレイジーなほどに急上昇しているね。
僕の考えでは、MESHUGGAH の Fredrik Thordendal はコンテンポラリーな Allan Holdsworth だと言えるね。
Q8: Sweet / Lynch is kind of classic rock, Lynch Mob have blues tastes. And KXM is alternative, mixture thing. Definitely, these three are different. Where is a core of your musical interest now?
【GEORGE】: My legacy lives in the mid 60’s through the mid 70’s and hard rock is my comfort zone. But I love pushing myself into alien territory; everything from funk, RB to prog, ska and even fake jazz ..which you’ll here on the ultraphonix record thatl be coming out later this year.
Q8: あなたは現在、Sweet / Lynch ではクラッシック、LYNCH MOB ではブルーステイスト、KXM ではオルタナティブなロックを披露しています。全てが異なる中で、今あなたの興味の中心はどこにあるのでしょう?
【GEORGE】: 60年代中期から70年代中期までの時代が、僕の中にはレガシーとして生きているんだ。ハードロックこそ僕のコンフォートゾーンだと言えるね。
だけど僕は自分を未知の領域へとプッシュするのが好きだからね。Funk, Prog, R&B, Ska, ジャズだってそうさ。そういったもの全ては、今年の後半にリリースされる ULTRAPHONIX のレコードで聴けるよ。