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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【LILLIAN AXE : FROM WOMB TO TOMB】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH STEVE BLAZE OF LILLIAN AXE !!

“Now, We Are Being Called Prog Rock. I Actually Feel We Are In a Category Of Our Own, Having Influences From All Types Of Music.”

DISC REVIEW “FROM WOMB TO TOMB”

「僕たちはどのカテゴリーにも当てはまらないという点で、とてもユニークな存在なんだ。僕らが出てきた当時は、そういった音楽が流行っていたからヘアメタルというジャンルに括られていた。だけど今、僕たちは “プログ・ロック” と呼ばれているんだからね!あらゆるタイプの音楽から影響を受けている僕たちは、実は自分たちだけのカテゴリーに属していると思う」
LILLIAN AXE は、常にメロディック・ロックの境界線を越え続けてきたバンドです。セルフ・タイトルのデビュー作と、それに続く “Love + War” で名を上げた彼らは、RATT との深いつながりや WARRENT の Jani Lane が加入寸前だったこともあり、ポップな恩恵を受けつつもその黎明は “ヘアメタル” のカテゴリーに幽閉されていたとも言えます。
「”Psychoscizophrenia” が僕らの時間軸の中で大きなランドマークだったということには、僕も同意するよ。曲作りに関して、僕はあのアルバムで心が大きく開くのを感じたんだ。だからこのアルバムは、僕たちの歴史の中で決定的な場所になったと感じているよ」
その才能が完全に開花したのは、1992年、まさにヘアメタルの徒花となった “Poetic Justice” でした。後に、CROWBER や BLACK LABEL SOCIETY, GODSMAC などとも共闘するメンバーを輩出した LILLIAN AXE は、首領者 Steve Blaze が語るようにアメリカ南部の血脈、ルイジアナの神秘性をメロディック・ロックに配合していきます。骨太でありながら知的、ポップでいながらダークで、リリカルな玉手箱はここに一つの完成を見ます。
世はグランジ全盛。しかし、神秘の暗がりが出身地である LILLIAN AXE にとって、主流の逆転はむしろ吉。繊細なメランコリアや重量感を増したダークなアトモスフィア、ステレオタイプからの脱却を纏った “Psychoschizophrenia” は、時代の狭間に置き忘れるにはあまりにも印象的な辞世の句となったのです。
「”From Womb to Tomb” は、僕たちの決定的瞬間であり、作品だと感じているよ。LILLIAN AXE を最も完璧に定義するアルバムなんだ!君の言う通り、まさに素晴らしい映画のサウンドトラックになると確信しているよ。オーケストラや合唱団と一緒にライブをすることを話し合っているくらいでね」
解散と再結成を経てメンバーも大きく変わりましたが、Steve Blaze と彼のバンドは今も、メロディック・ロックの開拓者として実験と挑戦を重ねています。10年ぶりとなる “From Womb to Tomb” は文字通り Steve の自伝とも思える “ゆりかごから墓場まで” のコンセプトで、その魅力的な音の多様性によって高められた作品はメロディックもプログレッシブも超越した、サウンドトラック・ロック、濃密なストーリーをもたらしているのです。そうして典型的な心の葛藤以上に、”From Womb to Tomb” は世界の現状、人類の寿命、人生の栄光と苦悩を深く正直に明らかにしていきます。
エニグマティックで美しいピアノセクション、スタッカートのストリングス・アレンジ、鳴り響く鐘の音に混ざり合い、溶け出す重暗いリフと濃密なコーラス、崇高なボーカル・ライン。メロディックな光沢とパワフルなメタルの毒気は、プログレッシブな探求やサイケデリックなクワイア、アコースティックの浪漫によって典型から遠く離れて、音楽的な賞賛を一身に受けとめます。
物語の終幕は “Ascension”。心と魂の再生はまさしくこの感嘆符のような作品の象徴です。メランコリックな歌声が響き渡り、神聖な終わりへと向かっていく。華やかさと壮大の間を行き来するこの曲は、古と新、子宮と墓、誕生と死に歴史の反復を投影しながら次の輪廻へと誘うのです。メロディック・ハードからの PAIN OF SALVATION に対する解答。素晴らしきリスニング体験、素晴らしき人生観。
今回弊誌では、Steve Blaze にインタビューを行うことができました。「僕のソロは、それぞれ楽曲のストーリーの重要な部分として取り組んでいるからね。ただ、技術的な強みを誇示するためではなく、音楽的、感情的に曲にフィットするように創作しているんだ」どうぞ!!

LILLIAN AXE “FROM WOMB TO TOMB” : 10/10

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