タグ別アーカイブ: New Zealand

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ALIEN WEAPONRY : Tū】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH ALIEN WEAPONRY !!

“I Think Our Views On Colonization Are Pretty Clear. For Example, Raupatu Is About Massive Land Confiscations. The Colonial Government In New Zealand (And In Many Other Countries) Did a Lot Of Unjust Things, And The Result Still Affects Our Society Today.”

DISC REVIEW “Tū”

「僕たちは、メタルの聖火を未来に向けてずっと掲げ続けることが出来ればと願っているんだ。そして、その炎はオリジナルのメタルバンドたちと、世界中のファンに向けたリスペクトから生まれているんだよ。」脈々と継承されるメタルのスピリット。ニュージーランドのヤングガンズ ALIEN WEAPONRY は、受け継ぐ燈火を一際高々と世界へ向けて掲げます。
Lewis de Jong (ギター/ボーカル), Henry de Jong (ドラムス) の De Jong 兄弟が8歳と10歳の若さで結成した ALIEN WEAPONRY。Ethan Trembath (ベース) を加えて16歳が2人と18歳の高校世代トリオとなった彼らは、Napalm Records からリリースした超高校級のデビューフル “Tū” で文字通り世界を震撼させました。
実際、古のスラッシュの波動から、Nu-metal のグルーヴ、洗練されたモダンメタルの息吹き、理知的でプログレッシブなデザインにピュアなメタルのメロディーまで、ワイドな視点で綴られたアルバムの中でも、自らの背景であるマオリの文化を投影する試みはあまりにユニークで独創的です。
誇り高きマオリ、Ngati Pikiāo と Ngati Raukawa 族の血を引く De Jong 兄弟は、1864年に1.700人の英国兵に230人で対抗しその命を投げ打った伝説の戦士 Te Ahoaho の子孫にあたります。そしてその勇敢なる遺伝子は克明に若きメタルウォーリアーズの中にも刻まれているのです。
「植民地化についての僕たちの見解は実に明快だよ。ニュージーランドの植民地政府は (他の植民地政府も同様だけど) 多くの不当な行為を行ったね。そしてそのツケは、今の僕たちの社会にまで及んでいるんだ。」と語る De Jong 兄弟。マオリ語で “神々の闘い” をタイトルに冠したアルバムで、彼らは当時の列強諸国が行った不当な搾取を告発し、メタルのジャスティスで断罪していきます。
何より誇りを重んじるマオリの民は、現在でもイギリス、西欧に踏み躙られた一族の尊厳を、”Whakamā” “深い恥” の言葉とともにトラウマとして引きずっています。故に、例えメタルに惹かれたとしても、その気持ちを一族の中で明かすことは今でも簡単ではありません。だからこそ、ALIEN WEAPONRY はマオリとメタルを繋ぐ架け橋を目指しているのです。
事実、マオリの言葉 “Te Reo Māori” をフィーチャーしたトライバルなイントロダクション “Waikōrero”、そしてアイコニックなワーダンス “Haka” を前面に押し出した “Rū Ana Te Whenua” はアルバムのスピリットを決定づけています。
もちろん、ALIEN WEAPONRY の方がより多様でコンテンポラリー、時に LAMB OF GOD, GOJIRA をも想起させるほど理知的ですが、メタルのヘヴィーグルーヴに民族の血やリズムを沈めるという意味では SEPULTURA や SOULFLY との比較が多数を占めるのも頷けますね。
「マオリの言葉はニュージーランドでも日常生活で幅広く使われている訳じゃないからね。だから習得の努力を続けるのは簡単ではないよ。逆に言えば、”Te Reo Maori” で歌うこともあの言葉と繋がる一つの方法なんだ。」世界では今も二週間に一つの言語が “消失” しています。そして、”Te Reo Maori” も実は国連から絶滅が危惧されている言語の一つです。ニュージーランドのヒーローは、”Te Reo Maori” で歌うことで言語の存続にまで大きな力を貸しているのです。
アートワークに描かれたマオリの戦士が全てを象徴するレコード。今回弊誌では、メンバー全員にインタビューを行うことが出来ました。「僕たち兄弟は Kura Kaupapa Maori に通っていたんだ。没入法を取り入れたマオリの学校だよ。毎朝のルーティンとして、学校で歌ってハカを踊っていたね。だからメタルとハカをミックスするのはいたって自然なことだったんだ。」 どうぞ!!

ALIEN WEAPONRY “Tū” : 9.9/10

INTERVIEW WITH ALIEN WEAPONRY

Q1: It seems De Jong brothers met Ethan in Waipu. How were you into metal music in that small seaside town?

【LEWIS】: We (Henry and I) grew up listening to a lot of different kinds of music. Our Dad is a metalhead, so we heard a lot of metal, but also reggae, rock and baroque music. I gravitated to metal because I was an angry and intense little kid and it was angry, intense music.

【ETHAN】: I grew up in Waipu, and I met Henry and Lewis when I was 10. I never heard metal much growing up – my Mum was into Pink Floyd, Bob Marley and Salmonella Dub (a NZ band). The only metal song I knew was ‘Run to the Hills’ by Iron Maiden, because it was on a Playstation game. I thought it was really cool, but I didn’t know what it was. When I met Henry and Lewis, they introduced me to bands like Metallica and Trivium, and I have been into metal ever since.

【HENRY】: We only moved to Waipu when I was 12 and Lewis was 10. I think we were the only kids who listened to metal when we arrived. There are not even that many metalheads in New Zealand. But we converted Ethan.

Q1: ALIEN WEAPONRY のメンバー3人、De Jong 兄弟と ETHAN はニュージーランドの小さな浜辺の街 Waipu で初めて会ったそうですね?

【LEWIS】: 僕と Henry は様々な異なる音楽を聴いて育ったんだ。父はメタルヘッドだから、当然メタルが多かったんだけど、同時にレゲエやロックにバロック音楽なんかも聴いていたね。
メタルに惹かれたのは、やっぱり僕がピリピリと怒れるキッズだったからだろうね。メタルには怒りとインテンスが宿っているから。

【ETHAN】: 僕は Waipu で育ったんだ。Henry と Lewis に会ったのは僕が10歳の時だったね。僕はメタルを多く聴いて育った訳じゃなくてね。というのも、母が PINK FLOYD や Bob Marley, それにニュージーランドの SALMONELLA DUB というバンドなんかにハマっていたからなんだけど。
唯一知っていたメタルソングが IRON MAIDEN の “Run to the Hills” だったね。あの曲はプレステのゲームに流れていたから。とてもクールだと思ったんだけど、当時は誰の楽曲かよく分からなくてね。
Henry と Lewis に会ったあと、彼らが METALLICA や TRIVIUM といったバンドを紹介してくれたんだ。それ以来ずっとメタルにハマっているよ。

【HENRY】: 僕が12歳、Lewis が10歳の時に Waipu に引っ越したんだ。この街に着いた時、メタルを聴く子供は僕たちだけだったと思うよ。ニュージーランド全体にしたって、メタルヘッドはそう多くないからね。
だから僕たちは Ethan をメタルヘッドに改宗したんだ。

Q2: You started metal band from very young age. Off course, you are still so young. But how did Alien Weaponry start playing your own original songs?

【LEWIS & HENRY】: We started the band when we were 8 and 10, and we just never wanted to play covers. We always preferred jamming and making up our own sounds. Our Dad was a musician, and there were always instruments in the house, so we just picked them up and started experimenting.

Q2: ALIEN WEAPONRY はメンバー全員が10代というその若さも驚きですが、幼少期からバンドを始めていたんですね?
結成当初からオリジナル曲をプレイしていたのでしょうか?

【LEWIS & HENRY】: 僕たち兄弟は、Ethan に出会う前、8歳と10歳の頃にバンドを始めたんだ。当時からカバー曲は絶対にプレイしたくなかったね。とにかく僕たちは、ジャムを重ねて独自のサウンドを作り上げていくのが好きなんだ。
父はミュージシャンで、楽器はいつだって家にあったんだよ。だから僕たちはただ楽器を手にとって、実験を始めるだけで良かったんだよ。

Q3: It’s really excited you add haka to metal. You know, haka is war dance, and metal is rebellion, passion. These two are really fit so well, right?

【LEWIS & HENRY】: Yes, Henry and Lewis went to a kura kaupapa Māori (a total immersion Māori school). It was part of our daily routine at school every morning to sing and do haka, so it just feels quite normal to mix the two.

Q3: メタルにハカを取り入れるバンドの試みは実にユニークです。実際、ハカは闘いのダンス、そしてメタルも情熱的な反抗の音楽で、完璧にフィットしたように感じます。

【LEWIS & HENRY】: うん。僕たち兄弟は Kura Kaupapa Maori に通っていたんだ。没入法を取り入れたマオリの学校だよ。毎朝のルーティンとして、学校で歌ってハカを踊っていたね。
だからメタルとハカをミックスするのはいたって自然なことだったんだ。

Q4: It seems De Jong bro’s are descendants of Māori warriors defended their fort from the well-equipped, 1,700-person British army. Is that one of the reason you mixed Māori culture to metal?

【LEWIS & HENRY】: It was kind of the other way around. We wanted to enter a competition called Smokefree Pacifica Beats, where you had to incorporate Māori or Pacific culture and language. So we incorporated stories of our Ancestors that Niel (Henry and Lewis’s Dad) has told us. One of them was about the battle at Gate Pa (Pukehinahina), where a small group of our ancestors outwitted 1,700 British troops, and that story is what Rū Ana Te Whenua is based on. It was the first song we wrote in Te Reo Māori, but it worked so well we kept writing more.

Q4: De Jong 兄弟の祖先は、装備を固め侵略に訪れた1700の英国兵と勇敢に戦ったマオリ戦士の子孫だそうですね?
その事実も、マオリの文化をメタルに取り入れた理由の一つでしょうか?

【LEWIS & HENRY】: それに関しては、順番が逆なんだ。僕たちは”Smokefree Pacifica Beats”と呼ばれるバンドコンテストに出場したくてね。だけど、その大会の出場資格が、マオリまたは太平洋の文化と言語を取り入れていることだったんだ。
そこで僕たちは、Niel(Henry と Lewis の父)が語ってくれた祖先の物語を取り入れたのさ。 その話のうちの1つが、祖先の少数のグループが1,700人のイギリスの軍隊に勝った “Gate Pa(Pukehinahina)”での戦いについてだったのさ。そうして、その物語は僕たちの楽曲 “RūAna Te Whenua” の元となったんだよ。
“Te Re Maori”、マオリ語で書いた最初の曲だったけど、実に上手くいったから、マオリ語を取り入れながら書き続けることにしたんだ。

Q5: Actually, Te Reo Māori is perfect fit with your thrashy groove metal. Where did you learn that language?

【ETHAN】: Even though Henry and Lewis went to a kura kaupapa Māori for their early schooling, it is not widely spoken in everyday life in New Zealand, so it has been hard to keep it up. Singing in Te Reo Maori is one way we can hold onto the language.

Q5: 実際、”Te Re Maori” はバンドのグルーヴに素晴らしくフィットしています。日常的に使用している言語ではないと思うのですが、どうやって学んでいるのでしょうか?

【ETHAN】: De Jong 兄弟はマオリの学校に通っていたんだけど、それにしたってマオリの言葉はニュージーランドでも日常生活で幅広く使われている訳じゃないからね。だから習得の努力を続けるのは簡単ではないよ。
逆に言えば、”Te Reo Maori” で歌うこともあの言葉と繋がる一つの方法なんだ。

Q6: So, what’s your though about New Zealand’s colonial government throughout the 1800s?

【ETHAN】: I think our views on colonization are pretty clear. For example, Raupatu is about massive land confiscations. The colonial government in New Zealand (and in many other countries) did a lot of unjust things, and the result still affects our society today.

Q6: では、19世紀のイギリスによるニュージーランドの植民地支配については、どのような意見をお持ちですか?

【ETHAN】: 植民地化についての僕たちの見解は実に明快だよ。例えば、”Raupatu” はマオリが大量に領地を押収されたことについての楽曲だよ。
ニュージーランドの植民地政府は (他の植民地政府も同様だけど) 多くの不当な行為を行ったね。そしてそのツケは、今の僕たちの社会にまで及んでいるんだ。

Q7: Is there any concept or lyrical themes in “Tū”?

【LEWIS & HENRY】: Tū is short for Tūmatauenga, the Māori God of war. We chose to name our album Tū because the general theme of the album is conflict and disharmony – whether historic battles, social and political conflict or personal struggles.

Q7: マオリの誇りを前面に打ち出したアルバムで、”Tū” をタイトルに冠したのはなぜでしょう?

【LEWIS & HENRY】: “Tū” とはマオリにおける神々の戦い “Tūmatauenga” を短くしたものなんだ。この言葉をアルバムタイトルに選んだのは、アルバムのテーマがまさに紛争と不協和だったからなんだ。
それが歴史上の戦いであれ、社会や政治的、もしくは個人同士の争いであれね。

Q8: Regarding Metal, Big bands are all around 50. Actually, there is a few young star of in the scene. Can you make Metal great again?

【LEWIS & HENRY】: We are excited to be playing festivals in Europe and North America on the same bills as some of those iconic bands like Slayer, Anthrax and Testament. When we toured with Ministry in the USA, Al Jourgensen was a great mentor to us. And Gene Hoglan from Testament came to see us play. We hope we can continue holding the metal torch high into the future, out of respect to the original metal bands and all the fans worldwide.

Q8: メタルシーンにおいてビッグバンドはほぼ50歳前後です。ヤングスターが不足する世界で、ALIEN WEAPONRY は再びメタルを偉大な高みへと誘えますか?

【LEWIS & HENRY】: 僕たちはヨーロッパや北米のフェスで、SLAYER, ANTHRAX, TESTAMENT といったアイコニックなバンドとステージをシェア出来て本当に興奮したんだ。アメリカを MINISTRY とツアーした時は、Al Jourgensen が良き助言者となったね。それに、TESTAMENT の Gene Hoglan は僕たちのプレイを見に来てくれたんだ。
僕たちは、メタルの聖火を未来に向けてずっと掲げ続けることが出来ればと願っているんだ。そして、その炎はオリジナルのメタルバンドたちと、世界中のファンに向けたリスペクトから生まれているんだよ。

FIVE ALBUMS THAT CHANGED ALIEN WEAPONRY’S LIFE

ANIMALS AS LEADERS “JOY OF MOTION”

TRIVIUM “IN WAVES”

TWELVE FOOT NINJA “SILENT MACHINE”

VEIL OF MAYA “MATRIARCH”

SHIHAD “FVEY”

(ETHAN)

METALLICA “MASTER OF PUPPETS”

EMINEM “ENCORE”

RAGE AGAINST THE MACHINE “S.T.”

RED HOT CHILI PEPPERS “BLOOD SUGAR SEX MAGIK”

LAMB OF GOD “ASHES OF THE WAKE”

(HENRY)

STEVIE RAY VAUGHAN “LIVE AT THE EL MOCAMBO”

METALLICA “ST. ANGER”

MINISTRY “PSALM 69”

LAMB OF GOD “SACRAMENT”

SYSTEM OF A DOWN “TOXICITY”

STICKY FINGERS “CARESS YOUR SOUL”

(LEWIS)

MESSAGE FOR JAPAN

Get ready for when we come to Japan – we’re gonna blow you away … and eat all your sushi!

日本へ行くから準備しておいて!君たちを驚愕させるからね‥お寿司も全部平らげてやるぜ!

ALIEN WEAPONRY

ALIEN WEAPONRY Facebook Page
ALIEN WEAPONRY Official Site
ALIEN WEAPONRY Bandcamp
NAPALM RECORDS Facebook Page
NAPALM RECORDS Official Site

mmmB5dvKwaCcAEznJZ

PLZ FOLLOW US ON FACEBOOK !!

NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ULCERATE : SHRINES OF PARALYSIS】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH JAMIE SAINT MERAT OF ULCERATE !!

ulcerate-2016-promo-1

Transcend Death Metal Trio From New Zealand, Ulcerate Has Just Released Modern Death Metal Art “Shrines of Paralysis” !!

DISC REVIEW “SHRINES OF PARALYSIS”

ニュージーランドから虎視眈々と世界を狙う、異能のトリオ ULCERATE が”宇宙的恐怖”を内包した新たな傑作 “Shrines of Paralysis” をリリースしました!!Death Metal を超越した “Transcend Death Metal” はシーンに驚きと賞賛をもって迎えられています。
Death Metal は時代と共に様々な影響を加え、枝葉が伸びるかの如く進化を続けてきました。昨今では、THE FACELESS を代表とする複雑でプログレッシブな所謂テクデス、FALLUJAH のようにヘヴィネスと美麗なアトモスフィアを兼ね備えた理知的な新鋭、アヴァンギャルドに突き進む GORGUTS など様々な個性が存在しています。ある意味洗練され拡散しすぎた感のあるシーンにULCERATE が提示しているのは、原点回帰からの進化です。
勿論、Death Metal 創世記の怪物たちが目指したのは、究極のブルータリティー、恐怖や狂気を脳髄へと突きつけるサウンドでした。ULCERATE はまず、ジャンルの原点とも言える場所へと立ち返り、ドロドロとしたラブクラフト的、もしくは和製ホラー的な世界観で “Shrines of Paralysis” を覆ってみせました。
プロダクションやラウドネス、そして耳を傾けるだけで伝わる底知れぬ恐怖。地を這うようなグロウルに奈落の底の重低音。確かにここには、Death Metal の創世記を彩った古の怪物たちの息遣いが感じられます。しかし、彼らはただ過去を再現しているに留まりません。
この”狂気のアンセム”とも言える作品は、アルバムを通して混沌と真理、黄泉と現世、スロウとファスト、ヘヴィネスとアトモスフィアを行き来します。その独特な対比を駆使した表現方法は、確実に世に溢れる “Technical Death Metal” とは一線を画しており、メタルシーンに新たなダイナミズムをもたらしていると言えるでしょう。
アルバムオープナー、”Abrogation” はまさに ULCERATE のやり方を示した楽曲です。個性的な奇妙に捻れ歪んだたリフワークに、混沌としたコンポジション。次元をワープするように繰り出されるテンポチェンジ。まるでストレートで洗練された”衛生的な”現代の Tech-Death を嘲笑うかのように、ブラストとドゥームの狭間で蠢き変化する”人間よりも遥かに昔から存在するものたち”は、禍々しくも妖麗で、その奇観、速と遅のダイナミズムにリスナーは吸い寄せられ一瞬たりとも目を逸らすことは不可能です。
続く “Yield to Naught” では ULCERATE の Death Metal を”Transcend”超越した部分がより強調されています。激烈な Death Metal パート、呪詛を湛えた Doom パートと対比するように、中間部にはアトモスフェリックな静寂と耽美なメロディーが用意されており、それはまるでホラー映画のお約束、惨劇の前の美女シャワーのように恐怖を増幅しています。前作 “Vermis” から進化を遂げたこのコントラストはアルバムを象徴する重要なポイントとなっていますね。
作品にそういったダイナミズムやコントラストを具現化しているのは、トリオならではのタイトなインタープレイ、とりわけメインコンポーザーでありドラマー Jamie Saint Merat のリード楽器のようなドラムスであることは明らかです。
偉大なジャズマエストロのようにアーティキュレーションやフレージングを意識した、3秒ごとに表情を変え続けるクリエイティブでカラフルなドラミングは、実にエキサイティングで魅力的。フレキシブルに Stop & Go、Loud & Quiet を司る Jamie はまさにバンドの原動力と言えるでしょう。”There Are No Saviours” の中間部で聴けるジャズとさえ言えそうな、幽玄でプログレッシブなパートはこのトリオの底知れぬ実力を物語っていますね。
今回弊誌ではその Jamie にインタビューを行うことが出来ました。今年の年間ベストメタルアルバムにも多く選出されている傑作をぜひ味わってみてくださいね。どうぞ!!

13502016_1205994076099607_5483373340160102254_n

ULCERATE “SHRINES OF PARALYSIS” : 9.9/10

続きを読む NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【ULCERATE : SHRINES OF PARALYSIS】