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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【SHADOW OF INTENT : RECLAIMER】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH CHRIS WISEMAN & BEN DUERR FROM SHADOW OF INTENT !!

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The Halo-Themed Stunning Symphonic Deathcore Act From US, Shadow Of Intent Has Just Released One Of The Most Dramatic Record Of The Year, “Reclaimer” !!

DISC REVIEW “RECLAIMER”

遥かなる星河に美麗なるデスコアのシンフォニーを注ぐ、コネチカットのスペースシップ SHADOW OF INTENT がハイスペックな新章 “Reclaimer” をリリースしました!!人類とコヴナントの争いを描く壮大なる宇宙譚 HALO シリーズをテーマに抱いたバンドは、文字通りシーンの “再生” を担っていくはずです。
ギタリスト Chris Wiseman とボーカル Ben Duerr のプロジェクトとして始まった SHADOW OF INTENT。遂に5人のメンバーを揃え、真のバンドとしてリリースした初の作品 “Reclaimer” は実際全ての面で前作 “Primordial” を凌駕しています。
アルバムオープナー、”We Descend…” の神秘的なアトモスフィア、壮麗なるオーケストレーション、透徹したプロダクションはまさに進化の証。インタビューにもあるように、ABIGAIL WILLIAMS のキーボーディスト Kelsie Hargita の力を借りて構築するシンフォニーは、幾重にも重なりたなびく天の川銀河のごとく華麗に花開きます。
“The Return” で見せるコントラストはアルバムの素晴らしきインビテーション。Ben の地を這うガテラルと Chris の天翔るシュレッドは互いのインテンス、エレガンスを損なうことなく、むしろ崇高さと風格を相互作用で創造しながら激しく加速していきます。
インタビューで語ってくれた通り Jason Richardson をリスペクトする Chris のクラシカルでファストなリードプレイは、スリルと審美の無重力空間でダンスを披露し、Ben のガテラルはブラックホールの質量で全てを飲み込みます。さらに Matt のテクニカルかつクリエイティブなドラミングはカイパーベルトのごとくバンドを密に集約ししリスナーへと迫り来るのです。
彼らを凡百のデスコアバンドから際立たせているのは、確かに卓越したシンフォニックなアレンジメントとオーケストレーション、凛としたピアノの響き、そして鮮麗で純美なメロディーでしょう。しかし、同時により幅広く多彩な音楽的素養も注目されるべきだと感じます。
INFANT ANNIHILATOR の Dickie Allen, INGESTED の Jason Evans, そして Ben のトリプルボーカルで臨んだ “The Catacombs” ではフロリダデスメタルに接近し、チャグと対比させたよりプリミティブでオーガニックなブルータリティーを見せつけ、一方で “The Mad Tyrant’s Betrayal” では高音トレモロリフやクリーンギターを大胆に導入しブラッケンドでアトモスフェリックなドラマを提示します。
何より、Chris のデスコア、テクデス、ブルータルデスメタル、ブラックメタル、ブラックゲイズ、クラシカルなどを巧みに配置した千変万化なリフワーク、そして Ben とゲストボーカルが構築するガテラル、グロウル、スクリーム、クリーンをピースとした難解なジグソーパズルの融合には驚嘆するしかありません。
勿論、VILDHJARTA / HUMANITY’S LAST BREATH のメンバーにして BORN OF OSIRIS の最新作でミキシングも手がけたシーンのレジェンド Buster Odeholm が手がけたアルバムでは、「高校時代には、”The New Reign” EP を本当によく聴いたものさ。」 と Chris が語る通り “The Gathering of All”, “The Heretic Prevails” のようなBoO 直系のアトモスフェリックでコズミックなデスコアサウンドも見事に炸裂していますね。
そして遂にパワーメタルの領域にまで足を踏み入れたドラマチックな “The Prophet’s Beckoning”。クリーンボイスで勇壮に歌い上げる奇跡の刹那には、壮絶に畳み掛けたアルバム中盤の全てが最良の形で結実したかのような爽快感までをも感じることが出来ました。
ちょうど一時間、ドラマティックなスペースオペラは、作品で最もプログレッシブな長尺曲 “The Tarutarus Impalament” で深遠なスポークン・ワードと共に幕を閉じました。
今回弊誌では Ben と Chris にインタビューを行うことが出来ました。デスコアはもとより、シンフォニック、ブラッケンド、プログレッシブ、メロディックなど様々なメタルファンにぜひ聴いていただきたい作品です。どうぞ!!

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SHADOW OF INTENT “RECLAIMER” : 10/10

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