EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH Eximperituserqethhzebibšiptugakkathšulweliarzaxułum!!
“When You Can Be Sentenced To 15 Years On a Fictitious Case, Without Any Evidence, Just Because You Think Differently Than They Tell You….Damn It, This Is The Plot For Any Historical Film Or Medieval Novel. But Not The Realities Of The 21st Century!”
DISC REVIEW “SAHRARTU”
「政府と違う考えを持っているだけで、何の証拠もなく、架空の事件で15年の刑を宣告される。取るに足らないことで、傭兵に頼って国民を恐怖に陥れ、法外な恐喝を行う…ちくしょう、これは歴史映画や中世の小説の筋書きだよ。21世紀の現実なわけがない!」
欧米とロシアが出会う場所、ベラルーシはまさに今、混沌の最中にあります。ヨーロッパ最後の独裁者”とも呼ばれるソ連の残り香、アレクサンドル・ルカシェンコ大統領による圧政と不正選挙、そして人権侵害は、多くの国民の怒りを招き大規模な抗議活動へと発展。治安部隊の激しい応戦、弾圧で死傷者が出る事態となりました。そうして、これまで親ロシアの傾向を持っていた国と国民自体、欧州への憧れを隠さない新派が増え、分断を招いているのです。
「今この偉大な分裂の瞬間に、我々の社会は目覚め、根本的な変化の必要性を認識することになった。躍進のためには、深遠な改革、すべての分野の再構築、そして最も重要なことは、考え方の変化が必要だね。松下幸之助のような思考と倫理観を持った明日のリーダーを育成することはまだできていない」
Eximperituserqethhzebibšiptugakkathšulweliarzaxułum (以下 EXIMPERITUS) は明らかにベラルーシの新たな流れを汲んでいます。そして、デスメタルの松下幸之助を標榜するバンドとも言えるのです。
「僕たちは、どんなジャンルの定義にも執着したくないんだよ。実験し、新しい地平を発見し、あらゆる方向に発展し、改善していくことに興味を持っているんだ。」
EXIMPERITUS は、その最先端の技術とワイルドな美学の両面から、デスメタルシーンで確実にその名を知らしめてきました。最新作 “Šahrartu” では、彼らが築き上げてきたアンダーグラウンドの呪術と謎をより大きな世界へ解き放とうとしています。デスメタルの顔を変えるために。
「簡潔に言って、僕たちの個人世界を作っている宇宙の総称なんだ。これは、初期の文明の消滅した言語からいくつか抽出し、構成した造語と言ってもいいだろう。そうやって永遠に過ぎ去った時代とのつながりを感じているんだ。」
EXIMPERITUS は真の意味での密教でした。ゆえにオカルトや古代東洋の神話、そして宗教に対する彼らの魅力を象徴する長い名前を作り上げました。51文字のフルネームは、ラテン語、古代エジプト語、シュメール語、アカカド語をブレンドしたもので、魔法の呪文にも思えます。そうして、歌詞と曲名すべてをベラルーシの古語で綴ったデビュー作 “Prajecyrujučy sinhuliarnaje wypramieńwańnie daktryny absaliutnaha j usiopahłynaĺnaha zła skroź šaścihrannuju pryzmu Sîn-Ahhī-Erība na hipierpawierchniu zadyjakaĺnaha kaŭčęha zasnawaĺnikaŭ kosmatęchničnaha ordęna palieakantakta, najstaražytnyja ipastasi dawosiewych cywilizacyj, prywodziać u ruch ręzanansny transfarmatar časowapadobnaj biaskoncaści budučyni, u ćwiardyniach absierwatoryi Nwn-Hu-Kek-Amon, uwasabliajučy ŭ ęfirnuju matęryju prach Ałulima na zachad ad ękzapłaniety PSRB 1620-26b” はさらに長い文字の羅列も相まって大きな注目を集めたのです。
「英語に訳すと、”センナケリブの六面体プリズムを通した、絶対的で全てを吸収する悪の教義の特異な放出を、宇宙工学的な秩序を持つ古接触の創始者たちの星座弧の超曲面に投影し、前枢軸文明は外惑星PSRB 1620-26bの西側のエーテル物質にアルリムの灰を具現化したヌンフケクアモンの展望台の塔の中で、未来の時間における無限大の共鳴トランスを作動させる” となる。このアルバムは、ピタゴラス、クラウディウス・プトレマイオス、レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミコワジ・コペルニク、ジョルダーノ・ブルーノ、フランシス・ベーコン、ガリレオ・ガリレイ、アイザック・ニュートン、そして過去の他の評論家のためのルーツと知識の源に関する論説と言えるだろう。」
重要なのは、これが話題作りの茶番などではなく、すべて魔術、歴史、物理学、神話、哲学といった膨大な知識に裏付けされている点でしょう。同じことは、彼らの音楽にも言えるはずです。巨大な名に恥じない巨大な才能。
EXIMPERITUS のデスメタルは、”テクデス” ラベルの無機質な超技巧バンドというよりは、NILE や ORIGIN, NECROPHAGIST のような怨念と歴史が宿る残忍な英傑との共通点が多いようにも感じられます。リフへの強い拘りがが常にオールドスクールとの繋がりを意識させを感じさせ、東洋的なスケールや中東のイメージでオカルトの神秘や古代のロマンに音及する。予想不可能で広がりのある重音のパルスは、結果として、”テクニカル” でありながら “テクニカル” になりすぎない、舞台劇じみた非常にユニークなデスメタルを創造しています。
そうして2枚目のフルレングス “Šahrartu” で彼らは、残忍さを一切犠牲にすることなく、より多様でメロディックなアプローチへと進化を果たしました。すべては、そのエニグマティックな密教を広く世の中へと解放するため。
リードメロディー、効果的なアコースティックパートで濃密なガテラルとパーカッシヴな重音の魅力を高めた “Utopāda” はその象徴。”Tahâdu” の巨大なグルーヴには不協和とメロディーが同時に散りばめられ、”Anhutu” では伝統からスラムまでデスメタルの壮大を凶暴に抱きしめます。
極めつけは、10分を超える “Inquirad”。ドゥームの遅攻と東洋の神秘を抱きしめながら、アヴァンギャルドなギターの咆哮を交え世界の誕生と死を総括する楽曲は、”Riqûtu” へと続くアンビエントなパッセージで、最早キャッチーともいえる印象的なトランセンドデスメタルの第2章を締めくくるのです。
今回弊誌では EXIMPERITUS にインタビューを行うことができました。「現実としてソ連は崩壊していないし、共産主義者も出て行っていない。だからこそ、この30年の間に、僕たちは以前よりもさらに大きな力で、スターリン主義、全体主義の伝統に立ち返らされてきたんだよ。 」ベラルーシが取り組みはじめた再生とシンクロするかのように、デスメタルを再生するレコード。どうぞ!!
EXIMPERITUS “SAHRARTU” : 10/10
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