EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH MATTI HONKONEN OF SWALLOW THE SUN !!
“The Whole Album Is Personal And Very Special For Juha Raivio And For Us Also As a Band. All I Want To Say Is That I Believe There Is Hope Also Involved On The Album. A Light At The End Of The Tunnel. “
DISC REVIEW “WHEN A SHADOW IS FORCED INTO THE LIGHT”
2016年、ギタリストでメインコンポーザー Juha Raivio が長年のパートナーでコラボレーターでもあった Aleah Stanbridge を癌で失って以来、フィンランドの哀哭 SWALLOW THE SUN はまさに涙淵へと深く沈んでいました。
ツアースケジュールの延期に隠遁生活。そうして2年の服喪の後、最終的に Juha が自らの沈鬱と寂寞を吐き出し、Aleah との想い出を追憶する手段に選んだのはやはり音楽でした。
Aleah の闘病中に制作された前作、”Songs From the North I, II and III” はメタル史においても前代未聞、3枚組2時間半の大エピックとしてリリースされました。「僕たちのスローガンを明瞭に示したんだ。憂鬱、美麗、そして絶望。僕たちが音楽に封じている三原則だよ。同時に、Juha Raivio にとってはとてもパーソナルなアルバムにもなったんだ。彼が当時、人生で経験したことを封じているからね。」Matt Honkonen が語るように、Juha の尽き果てる希望を憂鬱、美麗、絶望というバンドの三原則で封じたレコードは、同時にアルバム単位から楽曲単位へと評価の基準が移り行くインスタントミュージックの機運に一石を投じる壮大なアンチテーゼでもあったのです。
「ああいったエピック、トリプルアルバムをリリースした後だったから、僕たちは何か別のとても特別なものを創出したかったんだと思うんだ。」Matt の言葉通り、喪が開けて Aleah への追悼と Juha の深痛を宿す最新作は、”Lumina Aurea” と “When a Shadow is Forced Into the Light”、EP & フルアルバムというイレギュラーなリリースとなったのです。
13分半のタイトルトラックとそのインストバージョンで構成された EP “Lumina Aurea” の音楽は、これまでの SWALLOW THE SUN スタイルとは大きく異なっていました。
ネオフォークの大家 WARDRUNA の Einar Selvik と、イタリアンドゥームの傑物 THE FORESHADOWING の Marcus I の助力を得て完成させた楽曲は、完全にジャンルレス。ネオフォーク、ドゥーム、スポークンワードにオーケストレーションとグレゴリアンスタイルを加味した “Lumina Aurea” は、ただ純粋に Juha の慟哭と闇を音楽の姿に写した鬼哭啾々の異形でした。
一方で、「僕はこのアルバムに関しても希望は存在すると信じているし、トンネルの出口には光が待っているんだ。」 と Matt が語る通り、フルアルバム “When a Shadow is Forced Into the Light” はタイトルにもある “影”、そしてその影を照らす “光” をも垣間見られる感情豊かな作品に仕上がったのです。
デスメタルとドゥーム、そしてゴシックが出会うメランコリーとアトモスフィアに満ちたレコードは、まさにバンドが掲げる三原則、”憂鬱、美麗、絶望” の交差点です。
恍惚のオーケストレーション、アコースティック、ダイナミックなドゥームグルーヴ、胸を抉るボーカルハーモニーにグロウル。リッチなテクスチャーで深々と折り重なる重層のエモーションを創出するタイトルトラックは、SWALLOW THE SUN のレガシーを素晴らしく投影する至高。
“Lumina Aurea” の深海から浮上し、暗闇に光を掲げる “Firelight” のメランコリーはバンドの長い歴史に置いても最もエモーショナルな瞬間でしょう。死は人生よりも強靭ですが、きっと愛はその死をも凌駕するのです。
もちろん、”Clouds On Your Side” を聴けば、ストリングスがバンドのメロウなアンビエンスと痛切なヘヴィネスを繋ぐ触媒であることに気づくでしょう。そうしてアルバムは、ダークでしかし不思議と暖かな “Never Left” でその幕を閉じます。
“When a Shadow is Forced Into the Light” を聴き終え、Juha と Aleah の落胤 TREES OF ETERNITY の作品を想起するファンも多いでしょう。リリースにあたって、全てのインタビューを拒絶した Juha ですが、1つのステートメントを残しています。
「このアルバムは Aleah を失ってからの僕の戦いの記録だ。”影が光に押しやられる時” このタイトルは Aleah の言葉で、まさに僕たちが今必要としていること。2年半森で隠棲して人生全てをこの作品へと注ぎ、影を払おうと努力したんだ。言葉で語るのは難しいよ。全てはアルバムの音楽と歌詞が語ってくれるはずさ。」 バンドに18年在籍する代弁者、ベーシスト Matti Honkonen のインタビューです。どうぞ!!
SWALLOW THE SUN “WHEN A SHADOW IS FORCED INTO THE LIGHT” : 10/10
INTERVIEW WITH MATTI HONKONEN
Q1: First of all, your previous release “Songs From the North I, II and III” was really ambitious record. Of course, two hours and half running time was an unheard of metal history, but more over, despite its length, the whole album was very fulfilling, really impressive all through the three records. Actually, what made you create such a huge epic?
【MATTI】: It was actually idea that was haunting in our heads many years before it really happened and we decided to make the actual triple album. The album defines our slogan: gloom , beauty and despair. The variety of styles we have in our music. It’s also very personal album for Juha Raivio and it’s about the experiences he had at that time in his life.
Musically we also wanted to challenge ourselves by doing something that very few has done before in metal music history.Triple album. It’s meant to challenge listers too. It feels that now days it’s hard to find full length album that stays interesting from the start to finish. And generally it’s feels it’s more about getting one song noticed somewhere in media or radio. So our answer to that was make a Triple album. Not making it too easy to anyone.
Q1: 前作 “Songs From the North I, II and III” は非常に野心的なレコードでしたね。3枚組2時間半のランニングタイムは、メタル史においても前代未聞でしたが、何よりその長さにも関わらずアルバムを通して充実していましたね!
【MATTI】: 実際に実現するまで、何年も僕たちの頭の中にあったアイデアだったんだ。そして遂にトリプルアルバムを制作しようと決めたんだよ。
“Songs From the North I, II and III” では僕たちのスローガンを明瞭に示したんだ。憂鬱、美麗、そして絶望。僕たちが音楽に封じている三原則だよ。同時に、Juha Raivio にとってはとてもパーソナルなアルバムにもなったんだ。彼が当時、人生で経験したことを封じているからね。
音楽的にも、メタル史においてほとんど誰も成し得なかったことにチャレンジしたかったんだ。それがトリプルアルバムさ。トリプルアルバムは、リスナーにとってもチャレンジな訳だよ。
今日では、例え1枚だけのアルバムでも、最初から最後まで興味深い作品を見つけることは難しいんだ。一般的に、メディアやラジオで1曲が注目されることにより重きを置いているように感じるね。だから3枚組はそういった傾向に対する僕たちからの答えなんだよ。誰にでも簡単に作れる訳じゃないからね。
Q2: Regarding ambitious, “Lumina Aurea” and “When a Shadow is Forced Into the Light”, it’s surprising that you have released EP and full album two months in a row. what was the reason of that?
【MATTI】: I think we wanted to put out something very special and different after the epic triple album. Lumina Aurea is also gateway to the new album and they are connected together. Musically they are totally different but main story and the big picture behind the Lumina Aurea and when shadow is forced into the light makes them belong together.
Q2: 野心的と言えば、”Lumina Aurea”, “When a Shadow is Forced Into the Light” という EP、フルアルバムの2ヶ月連続でリリースも驚きでしたよ。
【MATTI】: ああいったエピック、トリプルアルバムをリリースした後だったから、僕たちは何か別のとても特別なものを創出したかったんだと思うんだ。
“Lumina Aurea” は同時に、新作への入り口となっていて、お互いに繋がっているんだよ。確かに音楽的にこの2枚は全く異なるけれど、”Lumina Aurea” と “When a Shadow is Forced Into the Light” は背後にあるメインストーリー、そして全体像を共有しているんだよ。
Q3: Actually, Swallow the Sun have experienced some lineup changes in the last years. It seems Peuhu and Räihä had some relationships with the band. Have the creative and recording process changed with their joining?
【MATTI】: Juha Raivio is still the main songwriter in our band. He creates the music and the core of swallow the sun songs.
Jaani Peuhu has been working us before and he has been singing backing vocals for example on the triple album and doing production and arrangements for the albums in past. Jaani has played with us selected live shows also in the past.
Juho Räihä has been playing a few tours already with us as a fill up guitarist and has been good friend of us very long time before that. They are both excellent musicians and I’m very happy to have them in our band now.
For these latest album they both took a part of recording process and recorded their own instruments of course on the album. Jaani and Juho have their own studios and they both have a a lot of experience on recording albums and engineering albums for other bands too.
Q3: ここ数年で SWALLOW THE SUN にはいくつかのメンバーチェンジがありました。とは言え、新メンバー Jaani と Juho は以前からバンドと関わりがあったようですが。
彼らの参加で制作のプロセスに変化は生じましたか?
【MATTI】: 確かにメンバーチェンジはあったけど、メインソングライターが Juha Raivio であることに変わりはないし、彼がSWALLOW THE SUN の音楽と楽曲のコアを生み出しているんだ。
キーボードプレイヤー Jaani Peuhu は以前からずっと僕たちと仕事をして来たよ。例えば、トリプルアルバムではバッキングボーカルを担当していたし、過去にはプロダクションやアレンジメントでも貢献していたね。それに何度かライブにも参加していたんだ。
Juho Räihä もギタリストの代役として、過去に何度か僕たちとツアーをしていたね。そしてそれ以前から僕たちとはとても仲の良い友人だったんだ。2人とも並外れたミュージシャンだから、彼らをバンドに迎えることが出来てとても満足しているよ。
最新作2枚では、両者ともレコーディングに参加し、もちろんその音を吹き込んでいるよ。Jaani と Juho は自分のスタジオを持っていて、2人とも多くのレコーディング経験があるんだよ。それに他のバンドのためにエンジニアもしているからね。
Q4: It seems the lyrics come from a personal loss from Juha, that is to say, about his partner singer/songwriter Aleah Stanbridge’s passing right? So, it seems that this record is full of his pain and grief, do you agree that?
【MATTI】: Yes. All the answers of those questions can be found a way or another in the lyrics of the album. I think listeners can make their own opinion about how they want to see messages behind of the lyrics.
The whole album is personal and very special for Juha Raivio and for us also as a band. All I want to say is that I believe there is Hope also involved on the album. A light at the end of the tunnel.
Q4: Juha は、パートナーのシンガー Aleah Stanbridge を亡くしました。”When a Shadow is Forced Into the Light” は、その彼女を失った深い悲しみ、痛みが封じられたアルバムですね?
【MATTI】: その通りだよ。そういった悲しみ、痛みは何にせよこのアルバムの歌詞に封じられているよ。だから、リスナーのみんなには自分の解釈で、歌詞に秘められたメッセージを読み取ってもらいたいね。
このアルバムは、全て Juha Raivio にとって、そして僕たちバンドにとっても、とてもパーソナルで特別なものになったね。
僕に1つだけ言いたいことがあるとすれば、僕はこのアルバムに関しても希望は存在すると信じているし、トンネルの出口には光が待っているんだ。
Q5: Maybe, every night of this tour, Juha will play these songs. I can’t imagine how painful it is. Have you talked about his struggle and braveness in the creative process?
【MATTI】: Yes. It Is hard of course. Everyone can imagine that. All the wounds will be open. But, you know, we had Aleah’s vocals on the triple album’s tour. Her voice came from the backing tracks when we were on stage. So it was really difficult for the whole band.
Q5: ツアーで Juha は、大きな苦痛と共に、毎晩このアルバムの楽曲をプレイしなければならないでしょう。その苦悩や痛みについてはバンドで話していますか?
【MATTI】: うん。もちろんハードなツアーになると思うよ。バンド全員がその苦痛は想像しているよ。全ての傷が開くだろう。
だけどトリプルアルバムのツアーでも、ステージ上で Aleah の声がバッキングトラックから聴こえて来ていたんだからね。だからバンド全員にとって本当に難しいツアーだったんだ。
Q6: Of course, Trees of Eternity’s “Hour of the Nightingale” is kind of key of “When a Shadow is Forced Into the Light”. What’s the record to you?
【MATTI】: For me Trees of Eternity’s album “Hour Of the nightingale” is excellent album Juha needed to make at that time. It is very good album and important record for us all.
Q6: TREES OF ETERNITY がリリースした “Hour of the Nightingale” は Aleah と Juha が共演し、Aleah の遺作としてリリースされました。”When a Shadow is Forced Into the Light” にとって鍵となる作品にも思えます。
【MATTI】: 僕にとって、TREES OF ETERNITY の “Hour of the Nightingale” は傑出した作品なんだ。Juha があの時制作する必要がどうしてもあったアルバムだからね。
とても良いアルバムだし、SWALLOW THE SUN 全員にとっても非常に重要なレコードだよ。
Q7: Especially in this record, strings creates emotive, deep atmosphere. So, we expect your live in concert with orchestra. Is there any plan to play with strings?
【MATTI】: Not an Orchestra. The strings aren’t huge we just wanted to have that kind of atmosphere and the feeling there. Hopefully at some point it would be possible to arrange some special shows with orchestra. Let’s see what happens in the future. We would like to try it for sure.
Q7: 特に “When a Shadow is Forced Into the Light” では、ストリングスに導かれる荘厳なアトモスフィア、エモーションが印象的です。ライブでオーケストラとの共演を期待するファンも多いでしょうね?
【MATTI】: オーケストラじゃなくてストリングスだね。ストリングスはオーケストラほど巨大じゃないから、僕たちの望むアトモスフィアやフィーリングを出すことが出来るんだ。
出来れば、ある時点でオーケストラと共演するスペシャルなショウを組み込めたらと思っているんだ。どうなるかは今後のお楽しみってとこだね。ただ、間違いなく僕たちはその構想を持っていて、トライしようとしているよ。
Q8: Sometimes, we remind, Anathema, Paradise Lost is of course, Marillion, Pink Floyd, Rush, and even Depeche Mode, The Cure, from your music. I think that eclectic vision makes you really unique. Do you feel comfortable when you are called “Doomgressive” band? haha.
【MATTI】: It’s very good term actually! I haven’t heard that before,haha.
Q8: SWALLOW THE SUN の音楽からは、ANATHEMA や PARADISE LOST はもちろんですが、MARILLION, PINK FLOYD, RUSH といったプログロック、さらには DEPECHE MODE, THE CURE からの影響も感じられます。故に多様かつユニークで、”Doomgressive” とも形容可能に思えます (笑)
【MATTI】: それって、マジですごく良い言葉だね!今まで聞いたことがなかったよ (笑)
FIVE ALBUMS THAT CHANGED MATTI’S LIFE
That’s hard question, but here are some albums and bands I really like and has affected me as a musician. They are not in specific order or anything.