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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【VEKTOR : TERMINAL REDUX】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DAVID DISANTO OF VEKTOR !!

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US Sci-fi Prog Thrash Outfit, Vektor Returns With “Terminal Redux”, An Intense And Intelligent Masterpiece For The First Time In Five Years !!

DISC REVIEW “TERMINAL REDUX”

Thrash Revival ムーブメントで頭角を現し、SF的な世界観と Proggy なインテリジェンスで黄金世代にも匹敵する個性を作り上げた US の4人組 VEKTOR が、実に5年振りの新作 “Terminal Redux” をリリースしました!!
73分にも及ぶ大作SF映画のような作品は、アグレッションとアトモスフィア、直情性と実験性の対比が見事で、リスナーにランニングタイムの長さを感じさせないフックに満ちた傑作に仕上がりました。
アルバムオープナー、VOIVOD meets WATCHTOWER とでも例えたくなる “Charging The Void” はまさに VEKTOR を象徴するような楽曲です。キャッチーかつアグレッシブなリフワーク、Black Metal にも通じるようなトレモロとブラストビート、効果的に挿入されるテンポチェンジ。彼らが指標する “Sci-fi Prog-Thrash” のレシピを惜しげも無く披露していますね。
近未来感を演出するドラマティックなコーラスも実に効果的です。エピカル&ドラマティック。”Terminal Redux” は間違いなく以前の作品よりも大幅にドラマ性が増しています。
そのエピカルな進化を強く物語るのが、アルバムの最後を飾る3曲 “Pillars of Sand”, “Collapse” から “Recharging The Void” の流れだと感じました。
“Pillars of Sand” はただただ、キラーチューンという言葉がシックリくる壮絶で強烈な哀愁溢れる5分間。ドラマティックでクラシカルな David と Erik のツインギターは白眉ですし、DEATH の “Crystal Mountain” を思い出すファンも多いのではないでしょうか。
9分を超える “Collapse” の前半は、ボーカル David DiSanto のメロディアスな歌詞をフィーチャーしたほとんどバラードとも呼べる新機軸。この楽曲にとどまらず、David は前作まで多用していた金切り声を抑え、ミッドレンジを生かして”歌う”ことによりフォーカスしているように感じます。SLAYER の Tom Araya も “South Of Heaven” 以降、そういったアプローチを取ることが多くなりましたが、攻撃性を失わず説得力を増した現在の2人のには通じるものがありますね。こちらも DEATH の影響を感じさせる、メタルアンセム的な後半とのマッシュアップが、より楽曲をエピカルで印象的にしています。
続く14分近い大曲 “Recharging The Void” はアルバムを締めくくる楽曲で、同時にアルバムオープナー “Charging The Void” と対となる楽曲。”Terminal Redux” の縮図とも言えるエピックチューンは Thrash と Prog を巧みに融合させ、全てのピースを最高の位置に配置した驚異的な展開力を誇る1曲です。驚くことに、アンビエントなミドルセクションでは David の素朴で優しいクリーンボーカルと共に、女性ソウルシンガーを起用しており、2人のデュエットが織り成す荘厳な雰囲気はリスナーに小宇宙を感じさせるほど美しいですね。
勿論、楽器隊の大健闘も記して置かなければなりません。”Psychotropia” のギターとベースのデュエルや “LCD” のイントロが示すように、時にクラシカル、時にジャジーなリードプレイは実にスリリングで、アルバムの重要な聴き所となっています。
さらに、しっかりと Thrash “Golden Age” の遺伝子を伝えている点もリスナーのリピートを誘います。VOIVOD, DEATH の名前は既に挙げましたが、”Pteropticon” で感じられるようなインテンスは KREATOR をも想起させ、David の Chuck Schuldiner, Mille Petrozza 直系のアジテイトと相俟って最高のエキサイトメントを創出していますね。
今回、弊誌ではバンドのフロントマン、ボーカル/ギターの David DiSanto にインタビューを行うことが出来ました。今年聴くべきメタルレコードの内の1枚。どうぞ!!

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VEKTOR “TERMINAL REDUX” : 9.8/10

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NEW DISC REVIEW + INTERVIEW 【VOIVOD : POST-SOCIETY】


EXCLUSIVE: INTERVIEW WITH DANIEL “CHEWY” MONGRAIN OF VOIVOD !!

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Canadian Sci-fi Metal legend, VOIVOD set to release their newest EP “Post-Society” in 2/26 !!
The soul of Piggy lives on within the music of the band…But also, the new members have brought flesh feeling into the sound of Voivod!!

プログレッシブでアグレッシブなカナダの Sci-fi メタルバンド VOIVOD が新EP “Post-Society”を2/26にリリースします!
VOIVOD は2005年に、長年バンドの顔であり、シーンにおいても唯一無二の存在だったギタリストの Piggy を結腸癌で亡くしました。バンドにはパンキッシュだったり、スラッシーだったり、プログレッシブだったりと様々な音楽性の時期が存在しますが、常に Piggy の不協和音や不協和音スレスレの自らが構築したコードワーク、高音で複数弦を使用した独特のリフワークがトレードマークとなっていましたね。彼を失ってからバンドはPiggy が残した音源を使用した “Katroz”, “Infini” という2枚のアルバムをリリースしましたが、これは Piggy 抜きで続けることは不可能という意思表示であり、実際この2作でバンドはその歴史に幕を引く予定だったのです。
しかしながら、2008年からライブで起用していた MARTYR のギタリスト Daniel Mongrain がバンドにフィットし、VOIVOD は Piggy 抜きで初めての作品を制作することを決意。2013年に “Target Earth” をリリースしました。”Katroz” はまだしも “Infini” は、当たり前ですが、アイデアの枯渇が目立っていた上に、VOIVOD にしてはストレートな音楽性であったため終焉やむ無しと感じていたファンは多かったと思います。しかし奇跡の人材 Daniel, いや Chewy が VOIVOD に新たな生命を吹き込みました。仕上がった “Target Earth” はまさにそこに Piggy が存在するかのような見事に “Voivodian” でプログレッシブアグレッシブな作品だったのです。
それから3年。”Post-Society” の充実ぶりはバンドの好調を伝えてくれます。オリジナルベーシストの Blacky がバンドを離れましたが、新メンバー Rocky も実力者で問題は無いようですね。アルバムオープナー “Post-Society” はテンポチェンジを多用したダークでSF感満載のまさに “Voivodian” な1曲。ドライブするベースの上で、不快一歩手前の切り裂くようなコードワークが踊る様にはカタルシスを禁じ得ません。勿論 Piggy の魂は健在!
同時に、新メンバーたちがもたらしたサウンドも重要な役割を果たしています。この楽曲以外にも、EPを通して美しいとさえ言ってしまいたくなるような、知的でアトモスフェリックな静のパートが実に効果的に使用しされていますね。
また、ギターソロではホールズワーステイストの滑らかなレガートプレイなども炸裂。決してソリストではなかった Piggy と比較してより整合性の高い Chewy らしさも発揮されつつあると感じました。そして、それらがおそらくは VOIVOD の未来への重要なヒントとなっているはずです。
加えて、出色な出来の HAWKWIND のカバー “Silver Machine” が素晴らしい Lemmy へのトリビュートとしてEPを特別なものにしていますよ。
今回弊誌では、ギタリストの Daniel “Chewy” Mongrain に話を聞くことが出来ました。日本語を学んでいるそうで、可能な限り日本語で答えてくれました!どうぞ!!

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VOIVOD “POST-SOCIETY”: 9,5/10

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WORLD PREMIERE: “SOROR IRRMATOR” 【ANTHRAX】


WORLD PREMIERE: NEW SONG !!”SOROR IRRMATOR” OF ANTHRAX !!

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CARD-CARRYING MEMBER OF THE BIG FOUR, ANTHRAX SET TO RELEASE NEW ALBUM LATER ON THIS YEAR !!

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グラミーにノミネートされること5回、METALLICA, MEGADETH, SLAYER, とともに THE BIG FOUR の一角を堅持し続ける THRASH METAL LEGEND, ANTHRAX。JON DONAIS をギタリストに迎えて初の新作の発表を今年の後半に控えて、新曲をコンピレーションに提供、公開しました。”SOROR IRRUMATOR”。前作 “WORSHIP MUSIC” もガッツィーな好作でしたが、同時にジョーイに合っていない曲、曲ごとの出来不出来が存在したのも事実。今回公開された新曲は前作のキラーチューン “FIGHT ‘EM ‘TIL YOU CAN’T ” を超えるような素晴らしいデキ。ジョーイのボーカルも冴え渡っています。アルバムに期待大です!!

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»Worship…« was made up of a lot of different types of songs, some thrashy, some very mid-90s ANTHRAX-sounding, but this new one is really thrashy.”
“WORSHIP MUSIC” はスラッシーだったり、90年代中盤の ANTHRAX ぽかったりと様々なタイプの楽曲を収録していた。新作はただほんとうにスラッシーなんだ。

CHALIE BENANTE

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“The thing about ANTHRAX… we have this heavy, thrashy music and Joey’s powerful and melodic vocals. I love heavy music, but I also love melody, so the challenge is to blend them together so they sound like ANTHRAX, and I think we’ve done a really good job of that, especially on this new record.
I know that there are a lot of expectations out there for this new album, but that doesn’t really affect us because we write the way we write. We’re all from New York, so we love a challenge, and while I’m happy to have people say that ANTHRAX is back and that ‘Worship Music’ was the best album of our career, we raised the bar on this one, I think we have the goods with the new songs, and I’m proud to say that. At the end of the day, all you can do is have it come from the heart, do your best, and hope that people like it. That’s what we did with ‘Worship Music,’ and look what happened.”
結局、ANTHRAX とはヘヴィーでスラッシーな音楽とジョーイのパワフルでメロディックなボーカルなんだ。ヘヴィーな音楽を愛しているけどメロディーも大好きだ。それらをブレンドすると ANTHRAX になるんだ。これまでもよくやっていると思うけど新作では特に良い仕事が出来たよ。新作には大きな期待がかかっているのは知っているけど全く影響はないね。自分たちのやりたいように曲を作るだけさ。僕たちは全員ニューヨーク出身だからチャレンジが好きだ。ANTHRAX が戻ってきた、”WORSHIP MUSIC” は最高傑作だって言われるのは嬉しいね。今回はさらにハードルを上げたよ。素晴らしい新曲があるしそれを誇りに思っている。気に入ってくれたら嬉しいよ。

FRANK BELLO

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“The lyrics I write tend to go along with the way the music sounds, and this new music is very angry, Lots of people said that »Worship Music« was a return to the roots of the band…well, this record is even more so. Unlike »Worship Music,« we wrote this new album with a line-up, with Joey in the band, and that has made all the difference in the world. Joey being a part of the band again, going on five years already, it definitely feels like a unit. Everything that was great about him on ‘Worship’ is there even more on this new record.”
僕が書く歌詞って音楽に沿っているんだけど、今回はとても怒っているね。”WORSHIP MUSIC” はバンドのルーツに戻ったって多くの人に言われたけど、このレコードはもっとかもね。”WORSHIP MUSIC” と違う点は、ジョーイがバンドにいる状態で作曲が出来た事だろうね。それは全然違ったものをもたらしたよ。5年前からジョーイはバンドに加わり今では完全にユニットのように感じる。新作では彼の素晴らしさが惜しみなく披露されているよ。

SCOTT IAN

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